葛西紀明と村上佳菜子──冬季オリンピックを沸かせた雪上と氷上のレジェンドが、J-WAVEで対談した。ミラノ・コルティナ冬季五輪の感想をはじめ、葛西は「レジェンド」の愛称で呼ばれるようになった経緯、村上は現役引退を決めた理由などについても語った。
この内容をお届けしたのは、3月20日(金・祝)放送のJ-WAVE『J-WAVE SPECIAL REGNO THE GREAT HISTORY』(ナビゲーター:nico)。偉大な歴史を築いたトップアスリートが思い出の地を、ブリヂストンのフラッグシップタイヤ「REGNO」を装着した車両でのドライブで巡りながら、そのヒストリーを語るスペシャルプログラムだ。
現在、ポッドキャストとしてディレクターズ・カット版を配信中だ。ここでは、トーク内容の一部をご紹介する。
葛西:感動しましたよ、りくりゅう!
村上:あ~、りくりゅう、すごかったですよね!
葛西:何回見ても鳥肌が立つし、何回見ても感動してしまいます。
村上:私はふたりがペアをやり始めた頃から知っているので、感慨深いものがありました。
葛西:ショートプログラム5位からの逆転なんてあり得るんですね。
村上:(木原龍一選手が三浦璃来選手を持ち上げる)リフトのときにズルっといっちゃいましたからね。どうやら衣装で手が滑ってしまったみたいなのですが、りくりゅうペアの演技では見たことがないミスだったので驚きました。そういったアクシデントはシングル(個人種目)にはないことなので、改めてペアは大変な競技だなと思いました。
葛西:それにしても、ミスで気持ちが落ち込んだあとからよく盛り返しましたよね。
村上:ほんとにそう思います。普段は木原選手がリードする存在なのですが、今回はミスをすごく抱え込んでしまって。その分、りくちゃん、三浦璃来選手が引っ張っていってくれたみたいです。いつもと立場を変えて、必要なときに支え合えるのがペアならではだと感じました。
村上:「レジェンド」と呼ばれることに関して、どのように思っているんですか?
葛西:レジェンドと言われ始めたのは、今から12~13年ほど前からなんですよ。当時、スイスで開催されたワールドカップに出場したのですが、その大会でW杯出場450試合目くらいだったんです。
村上:すごい……!
葛西:そこでスイスの新聞記者に「あなたはたくさん試合に出ていてすごい。あなたはレジェンドだ」と褒められたんです。その隣にいた日本の新聞記者が広めたらしくて。現にそこから「レジェンド」と呼ばれるようになり、2014年のソチ五輪でメダルを2つ(個人ラージヒル銀メダル、団体ラージヒル銅メダル)獲ってから「レジェンド」という呼び名が定着しました。最初は恥ずかしかったんですけど、今では満更でもない気持ちでいます(笑)。
「レジェンド」の称号は伊達ではない。1992年アルベールビルから2018年平昌まで8大会連続での冬季五輪出場やワールドカップ最多出場など、葛西は7つのギネス世界記録を保持している。
村上:アルベールビル五輪って伊藤みどりさんが出場されてますよね。で、2014年ソチ五輪には、私も出てるんですよ。
葛西:おお!
村上:だから、ノリさんの現役生活の間に、フィギュアスケート界の歴史が何度も変わっているわけです。荒川(静香)さんの時代があって、(浅田)真央ちゃんの時代もあった。それでいて今も現役……。本当に考えつかないです!
葛西:すごいですね、葛西さん(笑)。
村上:いや、その通りですよ! ちなみに、次の冬季五輪は2030年にフランスのアルプスで開催されますが、ノリさんはどうする予定ですか?
葛西:行きたいですね。そのときにはもう57歳ですが。
村上:ぜひ行ってほしいです!
葛西:実際、今回のミラノ・コルティナ五輪を「いいなぁ、行きたいなぁ」と思いながら観ていました。
村上:やはりそうなんですね。試合を観ていると余計に火が付きますか?
葛西:東京のスタジオで解説していたんですけど、現役選手としては「現地行きたい!」と悔しい気持ちもありましたね。
葛西:23歳まで現役を続けた理由は、やっぱり勝ちたかったから?
村上:いや私、全然「勝ちたい」という気持ちがなかったんですよ。私はちょっと特殊なアスリートなんです(笑)。
葛西:そうなんだ(笑)。
村上:物心がついた頃からスケートがあったので、やめ方やスケートがない人生が想像つかなくて。今思えば、やめるのが怖かったのかもしれません。だから、結果的に最後となった大会も「最後になるかも」という話はしてたけど、本当に辞めるかどうかは決めないまま、本番のリンクに立ちました。その演技が自分の中で本当に「やり切った」と思えるものになったんです。だから最後のポーズをとった瞬間に「あっ、終わりだ」と引退を決めたんですよ。
葛西:へ~! やり切ったと思えたのはいいですね。
村上:はい。悔いは全くないです。
葛西:現役引退と同時に「これからはプロでやるぞ!」という気持ちに切り替わったんですか?
村上:そうですね。アイスショーを頑張っていきたい気持ちとともに、テレビのお仕事もやりたいと思っていました。とはいえ、テレビのお仕事はやりたいからできるわけではないので、引退直後にマネージャーさんと「何をやって生きていくか」と会議したことを覚えています(笑)。
悔いのない競技者生活を終えて、その明るく親しみやすい人柄とキャラクターで順調なセカンドキャリアを歩む村上。ちょうど収録時期は、高橋大輔フルプロデュースの氷上エンターテインメントショー「滑走屋」のリハーサルに勤しんでいる時期だった。
葛西:浅田真央ちゃんはこのショーに出るの?
村上:真央ちゃんは出ないです。真央ちゃんは今、フィギュアスケートの先生をやっています。今はそっちに力を入れているのですが、私と真央ちゃんはカキ氷が大好きで。だからこの間も真央ちゃんに運転してもらって、カキ氷を食べに行きました。
葛西:一緒にドライブしたりする仲なんだ。
村上:そうなんですよ。
また、番組のコンセプトが、ブリヂストンのフラッグシップタイヤ「REGNO」を装着した車中で語り合うというものだったこともあり、話題はふたりの車事情・カーライフへと波及。ふたりは今回のドライブ中にタイヤがもたらす静かさと安定性に驚きながら、数々のスポーツカーを乗り継いできたという葛西が愛車へのこだわりを熱弁。現役引退後に免許を取得したという村上が「かっこいいなあ。車のことに詳しくなりたいんだよなぁ」と感嘆の声をあげるなど、競技とはまた違った一面が垣間見えるトークとなった。
静かな車内だからこそ盛り上がった今回のトークは、ふたりのゆかりの地へ向かいながら繰り広げられた。まずは葛西が、年間約1000万人以上の参詣者が訪れる千葉県成田市の名刹・成田山新勝寺を目指してドライブ。次に村上は自身の練習拠点であり、ミラノ・コルティナ五輪フィギュアスケート女子シングルで銅メダルを獲得した中井亜美も練習で使用している「三井不動産アイスパーク船橋」に向けてハンドルを握り、それぞれのスポットに関するエピソードも披露していた。
ポッドキャストでは、オンエアでは話しきれなかったトークも楽しめる。
■ポッドキャストページ
https://j-wave.podcast.sonicbowl.cloud/podcast/4006072f-6286-4933-a8e6-00866de1b7de/
■番組公式サイト
https://www.j-wave.co.jp/holiday/20260320_sp/
(構成=小島浩平)
この内容をお届けしたのは、3月20日(金・祝)放送のJ-WAVE『J-WAVE SPECIAL REGNO THE GREAT HISTORY』(ナビゲーター:nico)。偉大な歴史を築いたトップアスリートが思い出の地を、ブリヂストンのフラッグシップタイヤ「REGNO」を装着した車両でのドライブで巡りながら、そのヒストリーを語るスペシャルプログラムだ。
現在、ポッドキャストとしてディレクターズ・カット版を配信中だ。ここでは、トーク内容の一部をご紹介する。
りくりゅうに見た、ペアの難しさと奥深さ
53歳の今なお現役スキージャンプ選手として奮闘する葛西と、元フィギュアスケート五輪日本代表で、2017年に現役引退後はプロフィギュアスケーターやタレント、スポーツキャスターとしてマルチに活躍する村上。意外にも初対面というふたりだが、互いの呼び名を「ノリさん」「佳菜子ちゃん」と決めるなどすぐに打ち解ける。収録日は3月上旬。まずは、2026年2月に開催されたミラノ・コルティナ冬季五輪のフィギュアスケート・ペアで日本史上初となる金メダルを獲得し、列島を感動の渦に巻き込んだあのペアの話題で盛り上がった。
村上:あ~、りくりゅう、すごかったですよね!
葛西:何回見ても鳥肌が立つし、何回見ても感動してしまいます。
村上:私はふたりがペアをやり始めた頃から知っているので、感慨深いものがありました。
葛西:ショートプログラム5位からの逆転なんてあり得るんですね。
村上:(木原龍一選手が三浦璃来選手を持ち上げる)リフトのときにズルっといっちゃいましたからね。どうやら衣装で手が滑ってしまったみたいなのですが、りくりゅうペアの演技では見たことがないミスだったので驚きました。そういったアクシデントはシングル(個人種目)にはないことなので、改めてペアは大変な競技だなと思いました。
葛西:それにしても、ミスで気持ちが落ち込んだあとからよく盛り返しましたよね。
村上:ほんとにそう思います。普段は木原選手がリードする存在なのですが、今回はミスをすごく抱え込んでしまって。その分、りくちゃん、三浦璃来選手が引っ張っていってくれたみたいです。いつもと立場を変えて、必要なときに支え合えるのがペアならではだと感じました。
葛西紀明の愛称は、なぜ「レジェンド」になったのか?
葛西といえば「レジェンド」の愛称で有名だ。今や代名詞となっているこの二つ名は、どんな経緯から誕生・定着したのだろうか。村上:「レジェンド」と呼ばれることに関して、どのように思っているんですか?
葛西:レジェンドと言われ始めたのは、今から12~13年ほど前からなんですよ。当時、スイスで開催されたワールドカップに出場したのですが、その大会でW杯出場450試合目くらいだったんです。
村上:すごい……!
葛西:そこでスイスの新聞記者に「あなたはたくさん試合に出ていてすごい。あなたはレジェンドだ」と褒められたんです。その隣にいた日本の新聞記者が広めたらしくて。現にそこから「レジェンド」と呼ばれるようになり、2014年のソチ五輪でメダルを2つ(個人ラージヒル銀メダル、団体ラージヒル銅メダル)獲ってから「レジェンド」という呼び名が定着しました。最初は恥ずかしかったんですけど、今では満更でもない気持ちでいます(笑)。
「レジェンド」の称号は伊達ではない。1992年アルベールビルから2018年平昌まで8大会連続での冬季五輪出場やワールドカップ最多出場など、葛西は7つのギネス世界記録を保持している。
村上:アルベールビル五輪って伊藤みどりさんが出場されてますよね。で、2014年ソチ五輪には、私も出てるんですよ。
葛西:おお!
村上:だから、ノリさんの現役生活の間に、フィギュアスケート界の歴史が何度も変わっているわけです。荒川(静香)さんの時代があって、(浅田)真央ちゃんの時代もあった。それでいて今も現役……。本当に考えつかないです!
葛西:すごいですね、葛西さん(笑)。
村上:いや、その通りですよ! ちなみに、次の冬季五輪は2030年にフランスのアルプスで開催されますが、ノリさんはどうする予定ですか?
葛西:行きたいですね。そのときにはもう57歳ですが。
村上:ぜひ行ってほしいです!
葛西:実際、今回のミラノ・コルティナ五輪を「いいなぁ、行きたいなぁ」と思いながら観ていました。
村上:やはりそうなんですね。試合を観ていると余計に火が付きますか?
葛西:東京のスタジオで解説していたんですけど、現役選手としては「現地行きたい!」と悔しい気持ちもありましたね。
村上が浅田真央とドライブで向かった先とは?
50歳を超えても競技者として限界に挑み続ける葛西とは対照的に、村上は23歳で現役を退いている。若くして競技人生に終止符を打った背景には、トップアスリートとしての美意識があった。葛西:23歳まで現役を続けた理由は、やっぱり勝ちたかったから?
村上:いや私、全然「勝ちたい」という気持ちがなかったんですよ。私はちょっと特殊なアスリートなんです(笑)。
葛西:そうなんだ(笑)。
村上:物心がついた頃からスケートがあったので、やめ方やスケートがない人生が想像つかなくて。今思えば、やめるのが怖かったのかもしれません。だから、結果的に最後となった大会も「最後になるかも」という話はしてたけど、本当に辞めるかどうかは決めないまま、本番のリンクに立ちました。その演技が自分の中で本当に「やり切った」と思えるものになったんです。だから最後のポーズをとった瞬間に「あっ、終わりだ」と引退を決めたんですよ。
葛西:へ~! やり切ったと思えたのはいいですね。
村上:はい。悔いは全くないです。
葛西:現役引退と同時に「これからはプロでやるぞ!」という気持ちに切り替わったんですか?
村上:そうですね。アイスショーを頑張っていきたい気持ちとともに、テレビのお仕事もやりたいと思っていました。とはいえ、テレビのお仕事はやりたいからできるわけではないので、引退直後にマネージャーさんと「何をやって生きていくか」と会議したことを覚えています(笑)。
悔いのない競技者生活を終えて、その明るく親しみやすい人柄とキャラクターで順調なセカンドキャリアを歩む村上。ちょうど収録時期は、高橋大輔フルプロデュースの氷上エンターテインメントショー「滑走屋」のリハーサルに勤しんでいる時期だった。
葛西:浅田真央ちゃんはこのショーに出るの?
村上:真央ちゃんは出ないです。真央ちゃんは今、フィギュアスケートの先生をやっています。今はそっちに力を入れているのですが、私と真央ちゃんはカキ氷が大好きで。だからこの間も真央ちゃんに運転してもらって、カキ氷を食べに行きました。
葛西:一緒にドライブしたりする仲なんだ。
村上:そうなんですよ。
競技との出合いや今後の目標など……多岐にわたって語り合う
話題はこれだけではない。ふたりは競技との出合いからアスリートとして飛躍した転機となる出来事、今後の目標などについても語った。また、葛西がミラノ・コルティナ五輪スキージャンプ混合団体で日本が銅メダルを獲得したことに言及し、村上が「大ちゃん」と呼んで慕う高橋大輔の人柄やすごさについて話す場面もあった。また、番組のコンセプトが、ブリヂストンのフラッグシップタイヤ「REGNO」を装着した車中で語り合うというものだったこともあり、話題はふたりの車事情・カーライフへと波及。ふたりは今回のドライブ中にタイヤがもたらす静かさと安定性に驚きながら、数々のスポーツカーを乗り継いできたという葛西が愛車へのこだわりを熱弁。現役引退後に免許を取得したという村上が「かっこいいなあ。車のことに詳しくなりたいんだよなぁ」と感嘆の声をあげるなど、競技とはまた違った一面が垣間見えるトークとなった。


■ポッドキャストページ
https://j-wave.podcast.sonicbowl.cloud/podcast/4006072f-6286-4933-a8e6-00866de1b7de/
■番組公式サイト
https://www.j-wave.co.jp/holiday/20260320_sp/
(構成=小島浩平)
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- J-WAVE SPECIAL REGNO THE GREAT HISTORY
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2026年3月20日(金・祝)18:00-20:00
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