歌手の加藤登紀子がデビューの経緯や、60周年を迎えた心境を語った。
加藤が登場したのは、J-WAVE『JUST A LITTLE LOVIN'』(ナビゲーター:中田絢千)のコーナー「LIVING ON THE EARTH」。豊かさ・幸せにつながるオピニオンを週替わりのゲストに伺うコーナーだ。ここでは1月26日(月)のオンエア内容をテキストで紹介する。
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26日(月)OA分:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20260126051105
27日(火)OA分:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20260127051148
28日(水)OA分:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20260128051212
29日(木)OA分:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20260129051105
※それぞれ再生期限はオンエアの1週間後まで
中田:昨年、デビュー60周年を迎えられましたね。おめでとうございます!
加藤:私もびっくりで、歌手60年もですが、(2025年は)戦後80年とかって言われたでしょう。全部生きてるの、すごくない(笑)?
中田:すごいですよ。
加藤:昭和100年のうち82年分を生きているから、2025年は「大事だな」と思って張り切りましたね。
中田:やはり、ご自身にとってもそんな節目のときだったんですね。
加藤:そう。60歳は“還暦”と言うじゃないですか。還暦には「もう1回振り出しに戻る」という意味があるから、今年は1歳(笑)。歌手として、スタートラインに立つみたいなのもいいなって感じです。
中田:「新しい気持ち」という感じですか!
加藤:このあいだ、ある会合に行ったらいろいろな人に会ったのね。細野晴臣さんや松本 隆さんもいらしていて、あがた森魚さんってわかる?
中田:もう、レジェンドばっかりじゃないですか!
加藤:あははは(笑)! そこで私が、「新しいことが始まりそう」とか言って興奮していたら、あがた森魚さんが「登紀子さん、そんなこと誰も言っていないよ。このなかのみんなはほとんど『終わった』と思っているんだから」「こんなところでさ、『何か始まるわね』って言うのは登紀子さんだけだよ」って、忠告されました(笑)。
中田:いいと思います。上の世代の方がワクワクしてくれると、こっちも自然と引っ張られる空気もありますもん。
加藤:全然なかったです。大学を決めたときは「歴史学者になろう」と思っていたの。でも、急にそういうのはいやになって「どうしようかしら」と思ったら、東大に劇研っていうのがあって。
中田:演劇研究会?
加藤:そうそう。「そうだ、女優を目指しちゃおうかな」と思って演劇をやっていたんですよ。でも、演劇は大勢の人でやっていかないといけないから、面倒くさくなっちゃって(笑)。気がついたら、うちの父がシャンソンコンクールに申し込んでいたけど、「それはひとりでやれるからいいかも」と思って、その話にのりました。
中田:そうだったんですね! そこからシャンソンに、ということなんですね。
加藤:そうです。シャンソンコンクールに申し込んだから、シャンソンなんですよ。
中田:それまでは(シャンソンとは)全然関わりはなかったですか?
加藤:関わりはなかったですが、シャンソンは好きでしたね。私がシャンソンを好きになったのは、中学からなんですよ。
シャンソンに触れたきっかけを尋ねる中田に、加藤は「ダミアって知ってる?」とフランスの女性シャンソン歌手の名前を挙げる。
加藤:いま、こうやってお話をしていても、あなたと私とではキーが違っていて、私の声はちょっと低いでしょう?
中田:そうですね。
加藤:中学のときにも、声が低いことにものすごく悩みまして、そのときにダミアを知りました。「低い声の女性が、こんな素敵な音楽をやれてる」というのが、当時は直感的にあって。それで大学に入って、いろいろなことが面倒くさくなっているときが、ちょうどシャンソン歌手のエディット・ピアフが亡くなった翌年で、すごく刺激されてコンクールを受けたんです。
加藤:てっきり優勝した曲をレコーディングすると思っていましたが、びっくりしたことに全然違って、歌謡曲をやらなくちゃいけなくなったわけ。
中田:えぇ~! そうなんですか!?
加藤:そう。そのころね、ドーナツ盤っていうのがありました。知ってるかな?
中田:はい、知ってます。
加藤:それに“流行歌”って書いてあったから、びっくりしちゃって。あるとき「何をレコーディングしようか」「あの先生がいまヒットしているから、あの人に頼もう」とか、みんなで作戦会議をしていたときに、「えっと、すみません……シャンソンは?」と言ったら、「お前、何言ってるんだ。レコードを出すのにシャンソンなんてもの、やれるわけがないじゃん」と返事をされて、「は!?」って(笑)。
中田:「ちょっと、聞いていた話と違うぞ」となりますよね。結局、どうされたんですか?
加藤:私は基本的にはすごく素直な子だったので、「はい、わかりました」みたいな。でもレコードを出したら売れなくて、「この子は何を出しても売れない」ということになったけど、なんで売れなくちゃいけないのかもわからなくて(笑)。そもそも「売れるためには歌謡曲でないといけない」と言っていたけれど(結局売れなかったから)、「売れなくてもいいならシャンソンをやる人になったらどうかしら」とチラっと思って、自分で曲を作ったり、シャンソンを翻訳したりというのを少しずつやり始めました。それで友だちのライブに呼んでもらったりしていたら、(第8回日本レコード大賞で)新人賞を受賞しちゃったの。そうしたら、もうレコード会社は大張り切りで、というのが私の60年の出発点。そこからいつも何か不思議な矛盾を抱えながらも、結局は好きなようにやってきたという感じです(笑)。
中田:でも、ご自身の“好き”を信じた結果、そういうふうになったわけですから。
加藤:そうですね。だから、シャンソンはずっと私の傍らに半分あります。訳詞をしながら、残りの半分には「自分の曲を作る」というのがあって、ずっといろいろなことをやってきましたね。
加藤の話を聞いた中田は、「自分が『いい』と思う感覚を大切にチャレンジする、登紀子さんの素直さと潔さを感じました」「デビュー60周年と聞くと“到達点”のようにも思ってしまいますが、それを『1歳』と笑っておしゃっていた。まだまだ新しいことにワクワクされている、そんな大先輩の姿がかっこよく、勇気をいただきました」とコメントし、コーナーを締めくくった。
加藤登紀子の最新情報は公式サイトまで。
『JUST A LITTLE LOVIN'』のコーナー「LIVING ON THE EARTH」では、豊かさや幸せについて考えるヒントを、ゲストを迎えてお届けする。放送は毎週月~木曜の5時15分ごろから。
加藤が登場したのは、J-WAVE『JUST A LITTLE LOVIN'』(ナビゲーター:中田絢千)のコーナー「LIVING ON THE EARTH」。豊かさ・幸せにつながるオピニオンを週替わりのゲストに伺うコーナーだ。ここでは1月26日(月)のオンエア内容をテキストで紹介する。
26日(月)OA分
26日(月)OA分:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20260126051105
27日(火)OA分:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20260127051148
28日(水)OA分:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20260128051212
29日(木)OA分:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20260129051105
※それぞれ再生期限はオンエアの1週間後まで
デビュー60周年、あらためて“スタートライン”に
加藤は1965年、東京大学在学中に第2回日本アマチュアシャンソンコンクールで優勝。1966年に『誰も知らない』で歌手デビューを果たした。2025年にデビュー60周年を迎えた彼女を前に、ナビゲーターの中田は「お会いできると思っていなかったので、すごくうれしいです!」と感激した様子を見せる。中田:昨年、デビュー60周年を迎えられましたね。おめでとうございます!
加藤:私もびっくりで、歌手60年もですが、(2025年は)戦後80年とかって言われたでしょう。全部生きてるの、すごくない(笑)?
中田:すごいですよ。
加藤:昭和100年のうち82年分を生きているから、2025年は「大事だな」と思って張り切りましたね。
中田:やはり、ご自身にとってもそんな節目のときだったんですね。
加藤:そう。60歳は“還暦”と言うじゃないですか。還暦には「もう1回振り出しに戻る」という意味があるから、今年は1歳(笑)。歌手として、スタートラインに立つみたいなのもいいなって感じです。
中田:「新しい気持ち」という感じですか!
加藤:このあいだ、ある会合に行ったらいろいろな人に会ったのね。細野晴臣さんや松本 隆さんもいらしていて、あがた森魚さんってわかる?
中田:もう、レジェンドばっかりじゃないですか!
加藤:あははは(笑)! そこで私が、「新しいことが始まりそう」とか言って興奮していたら、あがた森魚さんが「登紀子さん、そんなこと誰も言っていないよ。このなかのみんなはほとんど『終わった』と思っているんだから」「こんなところでさ、『何か始まるわね』って言うのは登紀子さんだけだよ」って、忠告されました(笑)。
中田:いいと思います。上の世代の方がワクワクしてくれると、こっちも自然と引っ張られる空気もありますもん。
学者、女優、さまざまな将来を模索するなかで
中田:もともと、「歌手になりたいな」という夢があったわけではなかったんですよね?加藤:全然なかったです。大学を決めたときは「歴史学者になろう」と思っていたの。でも、急にそういうのはいやになって「どうしようかしら」と思ったら、東大に劇研っていうのがあって。
中田:演劇研究会?
加藤:そうそう。「そうだ、女優を目指しちゃおうかな」と思って演劇をやっていたんですよ。でも、演劇は大勢の人でやっていかないといけないから、面倒くさくなっちゃって(笑)。気がついたら、うちの父がシャンソンコンクールに申し込んでいたけど、「それはひとりでやれるからいいかも」と思って、その話にのりました。
中田:そうだったんですね! そこからシャンソンに、ということなんですね。
加藤:そうです。シャンソンコンクールに申し込んだから、シャンソンなんですよ。
中田:それまでは(シャンソンとは)全然関わりはなかったですか?
加藤:関わりはなかったですが、シャンソンは好きでしたね。私がシャンソンを好きになったのは、中学からなんですよ。
シャンソンに触れたきっかけを尋ねる中田に、加藤は「ダミアって知ってる?」とフランスの女性シャンソン歌手の名前を挙げる。
加藤:いま、こうやってお話をしていても、あなたと私とではキーが違っていて、私の声はちょっと低いでしょう?
中田:そうですね。
加藤:中学のときにも、声が低いことにものすごく悩みまして、そのときにダミアを知りました。「低い声の女性が、こんな素敵な音楽をやれてる」というのが、当時は直感的にあって。それで大学に入って、いろいろなことが面倒くさくなっているときが、ちょうどシャンソン歌手のエディット・ピアフが亡くなった翌年で、すごく刺激されてコンクールを受けたんです。
“シャンソン”で優勝するも、デビュー曲は…
加藤が出場したシャンソンコンクールでは、「優勝者はレコード会社に入って歌手デビューができる」という特典があった。しかし、デビュー曲は彼女の予想を反するものだったと言う。加藤:てっきり優勝した曲をレコーディングすると思っていましたが、びっくりしたことに全然違って、歌謡曲をやらなくちゃいけなくなったわけ。
中田:えぇ~! そうなんですか!?
加藤:そう。そのころね、ドーナツ盤っていうのがありました。知ってるかな?
中田:はい、知ってます。
加藤:それに“流行歌”って書いてあったから、びっくりしちゃって。あるとき「何をレコーディングしようか」「あの先生がいまヒットしているから、あの人に頼もう」とか、みんなで作戦会議をしていたときに、「えっと、すみません……シャンソンは?」と言ったら、「お前、何言ってるんだ。レコードを出すのにシャンソンなんてもの、やれるわけがないじゃん」と返事をされて、「は!?」って(笑)。
中田:「ちょっと、聞いていた話と違うぞ」となりますよね。結局、どうされたんですか?
加藤:私は基本的にはすごく素直な子だったので、「はい、わかりました」みたいな。でもレコードを出したら売れなくて、「この子は何を出しても売れない」ということになったけど、なんで売れなくちゃいけないのかもわからなくて(笑)。そもそも「売れるためには歌謡曲でないといけない」と言っていたけれど(結局売れなかったから)、「売れなくてもいいならシャンソンをやる人になったらどうかしら」とチラっと思って、自分で曲を作ったり、シャンソンを翻訳したりというのを少しずつやり始めました。それで友だちのライブに呼んでもらったりしていたら、(第8回日本レコード大賞で)新人賞を受賞しちゃったの。そうしたら、もうレコード会社は大張り切りで、というのが私の60年の出発点。そこからいつも何か不思議な矛盾を抱えながらも、結局は好きなようにやってきたという感じです(笑)。
中田:でも、ご自身の“好き”を信じた結果、そういうふうになったわけですから。
加藤:そうですね。だから、シャンソンはずっと私の傍らに半分あります。訳詞をしながら、残りの半分には「自分の曲を作る」というのがあって、ずっといろいろなことをやってきましたね。
加藤の話を聞いた中田は、「自分が『いい』と思う感覚を大切にチャレンジする、登紀子さんの素直さと潔さを感じました」「デビュー60周年と聞くと“到達点”のようにも思ってしまいますが、それを『1歳』と笑っておしゃっていた。まだまだ新しいことにワクワクされている、そんな大先輩の姿がかっこよく、勇気をいただきました」とコメントし、コーナーを締めくくった。
加藤登紀子の最新情報は公式サイトまで。
『JUST A LITTLE LOVIN'』のコーナー「LIVING ON THE EARTH」では、豊かさや幸せについて考えるヒントを、ゲストを迎えてお届けする。放送は毎週月~木曜の5時15分ごろから。
radikoで聴く
2026年2月2日28時59分まで
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