ハナレグミの永積 崇が配信EP『THE MOMENT』について語った。また、ほかのアーティストのカバー楽曲のおすすめをセレクトした。
永積が登場したのは、1月15日(木)放送のJ-WAVE『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ、ノイハウス萌菜)内、音楽以外の「+1」なトピックをゲストに尋ねるコーナー「MUSIC+1」だ。
永積:セルフカバーと別のミュージシャンの方の、自分が本当に大好きな曲をカバーしたEPになっております。
サッシャ:そもそも今回、なぜ『深呼吸』をセルフカバーしたのでしょうか? もう9年前の曲ですよね。
永積:『THE MOMENT』というタイトルが、2020年から始めたツアーのタイトルなんです。このツアーは、いままでに影響を受けた音楽とかを随所に入れて、自分の楽曲と合わせて聴いていただいて、自分の音楽の生まれた道筋みたいなものを感じてもらい、「世の中にはこういうとても素敵な音楽があるよ」といったことを伝えながら進めていくというもので。そのライブ用にLITTLE CREATURESの鈴木正人さんが、全部新たにアレンジをし直してくれて、『深呼吸』もまさに、正人さんが新たにホーンとストリングスで構成するアレンジを作ってくれました。本当にすばらしいアレンジを毎回作ってくれているので、せっかくだったらちょっと形にして、ライブの余韻をおうちでも感じてもらえるようにと。
サッシャ:めちゃいいバージョンになってますからね。洋楽も含めてのルーツですよね。
永積:ポール・サイモンの『Still Crazy After All These Years』とか知ってましたか?
サッシャ:いいえ。
永積:あ、うれしい。そういう方に。
ノイハウス:初めて聴いたのがハナレグミバージョンでした。
永積:これはサイモン&ガーファンクルの片方のポール・サイモンさんの1970年代のアルバムから。まさに同名タイトルです。
サッシャ:アルバムのタイトルナンバーなんですね。
永積:このオリジナルを聴いてると、ニューヨークの街角が(見える)。もともと、ポール・サイモンさんはニューヨークの方で。アレンジのうえでも街を感じることができるんだなと、気づかされた1曲です。高らかに吹かれるサックスの音が本当に、ニューヨークのたぶん、いまぐらいの時期ですね。
サッシャ:寒くてスチームがマンホールから上がってくる感じね。
永積:そういうところにひとりで暮らしている男性が、昔付き合っていた女性にひさしぶりに会って、「ひさしぶりにお酒飲んでも、この子は変わらず最高だな」と思うという歌です。「でも僕はいま、ニューヨークの街でひとりで頑張って暮らしてるんだ」という、本当にすばらしい曲です。
ノイハウス:ハナレグミを通して新しい音楽に出会う、まさにキュレーション。ライブに始まり、今回もいろいろとキュレーションした作品かなと感じます。いろいろな曲があるなか、入れる曲はどうやって選んでいるんですか?
永積:いちばんシンプルに「いま歌いたい曲」。普段、家でもたまに音源と一緒に歌ったりもしてるけど、「いま歌うならどの曲がいいかな」という気持ちで選んでます。(ツアー「THE MOMENT」は)2020年から始めたんですけど、『Smile』という曲なんかは最初の「THE MOMENT」のライブをやった1カ月後からコロナ禍になってしまったので……。
サッシャ:その直前だったんだ。
永積:そこからずっと、ことあるごとに『Smile』を歌っていて。笑顔が見えない時期が多かったじゃないですか。だから、この曲をライブで一緒にみんなで味わったあとに、なんかマスクにニコッとした顔がついたら超ハッピーだよねというような。そういう意味で歌っていきたいなと思いましたね。だからその都度、逆に歌う理由をもらう感じもあります。
サッシャ:もともとはチャールズ・チャップリンの曲です。僕が最初に『Smile』を知ったのはマイケル・ジャクソンがカバーしたバージョンです。あれが好きで「そうか『モダン・タイムス』のやつか」と思って、チャップリンとつながったんです。大好きなナンバーで、いろいろと救われますよね。日本語詞が入っているんですが、なんと野村訓市さんが詞をあててくれたんですか?
永積:J-WAVEの番組『TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING』(毎週日曜20:00-20:54)もやられている野村訓市くんが「大切なメッセージだから、日本語詞で歌って日本の人に意味を理解してもらえたほうがいいし、たぶん、崇くんにはそういうやり方のほうが合うと思う」と言ってくれて、歌詞をつけてくれました。
サッシャ:大澤誉志幸さんの『そして僕は途方に暮れる』は、ライブバージョンで入ってるんですね。
永積:これは2003年のバージョンなんです。すごく前に歌ったんですが、気に入っていて。たぶん、いまの自分ではこういうふうに歌えないなと。
サッシャ:ご自分でも?
永積:そのときどきの曲に対する想い入れの度合いは変わると思うんです。それによって声は変わってくる面白さがあるなと思って。そういう意味でも『THE MOMENT』なんです。
ノイハウス:そういういろいろなモーメントをきちんと振り返っているのもすばらしいと思います。
永積:ありがとうございます。
永積:めちゃ迷いましたね。楽しすぎて、昨日からずっと探しまくって。
サッシャ:めちゃうれしい。渾身のですね。
永積:邦楽でいうと、モデルのモトーラ世理奈ちゃんがカバーした『いかれたBaby』で、フィッシュマンズのカバーですね。
サッシャ:これだけ音楽を聴いている人だから、ミュージシャンの曲を選ぶと思ったら、モデルさんがカバーしたフィッシュマンズの曲を選んでくる意外性。
永積:彼女の歌声でフィッシュマンズを聴いて、「かなわないな」と思いますね。佐藤伸治さんが書いたメロディーやメッセージって、こういう声で歌ってもらうのが、より身をもって(伝わるのではないか)。佐藤さんの場合は、メッセージというよりはフィーリングとか空気感、世界観なんですけど。モトちゃんの声を聴いてると、僕が佐藤さんのを最初に聴いたときのような、まどろみとか。よく佐藤さんは「ブルー」という言葉を使うけど、そういう切ないような、空中に浮いたような気持ちが(伝わる)。歌って全方向に可能性があって、こういう歌声を聴いちゃうと「歌を歌うってどういうことかな」とすごく思って、楽しい。
サッシャ:へたに狙ってないからこそ、ということですか?
永積:彼女の歌声で聴くと、また表情が変わって聴こえる。僕の中では、この曲を彼女が選んだ理由というのが、すごくストライクというか。いい歌だなと思って、悔しい!
サッシャ:ミュージシャンに悔しいと言わせるという。
ノイハウス:続いて、洋楽のセレクトをお願いします。
永積:とても有名ですが、ジェフ・バックリィの『Hallelujah』。
サッシャ:これはもう、名曲にして名カバーですよね。
永積:本当にそうなんですよ。これはもともとレナード・コーエンさんの曲だと思いますが、僕は先にジェフ・バックリィを聴いて、そのあとレナード・コーエンさんを聴いて。もちろん、オリジナルのハードボイルドな声、とつとつと歌う詩人の声も(いい)。そのカバーによって、より作者が描き切れなかったものというのが、こんなふうにより広げて描かれることのすばらしさとか。あとは単純に、ジェフ・バックリィは歌声もすばらしいですけど、ギターがすごいんですよ。
サッシャ:そっちも当然ね。
永積:エレキギターの弾き語りのこういうバージョンは、けっこう彼の場合、多いんです。そういう意味でもリスペクトしてるし、歌を歌い続けることの可能性ですよね。だから、どんどんいろいろな人がいろいろな曲を掘り返して歌っていって、ずっと鳴り続けるということが音楽にとっては、たぶんとても幸せだと思うんです。
ハナレグミの最新情報は公式サイトまで。
J-WAVE『STEP ONE』のコーナー「MUSIC+1」では、ゲストとして毎回話題のミュージシャンが登場する。放送は月曜~木曜の12時30分ごろから。
永積が登場したのは、1月15日(木)放送のJ-WAVE『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ、ノイハウス萌菜)内、音楽以外の「+1」なトピックをゲストに尋ねるコーナー「MUSIC+1」だ。
永積のルーツを知ることができる1枚
ハナレグミは2025年12月10日に最新EP『THE MOMENT』をリリース。カバー曲とセルフカバー曲の全6曲が収録されており、永積はこの内容になった経緯について語った。永積:セルフカバーと別のミュージシャンの方の、自分が本当に大好きな曲をカバーしたEPになっております。
サッシャ:そもそも今回、なぜ『深呼吸』をセルフカバーしたのでしょうか? もう9年前の曲ですよね。
深呼吸
サッシャ:めちゃいいバージョンになってますからね。洋楽も含めてのルーツですよね。
永積:ポール・サイモンの『Still Crazy After All These Years』とか知ってましたか?
Paul Simon - Still Crazy After All These Years (Official Audio)
永積:あ、うれしい。そういう方に。
ノイハウス:初めて聴いたのがハナレグミバージョンでした。
永積:これはサイモン&ガーファンクルの片方のポール・サイモンさんの1970年代のアルバムから。まさに同名タイトルです。
サッシャ:アルバムのタイトルナンバーなんですね。
永積:このオリジナルを聴いてると、ニューヨークの街角が(見える)。もともと、ポール・サイモンさんはニューヨークの方で。アレンジのうえでも街を感じることができるんだなと、気づかされた1曲です。高らかに吹かれるサックスの音が本当に、ニューヨークのたぶん、いまぐらいの時期ですね。
サッシャ:寒くてスチームがマンホールから上がってくる感じね。
永積:そういうところにひとりで暮らしている男性が、昔付き合っていた女性にひさしぶりに会って、「ひさしぶりにお酒飲んでも、この子は変わらず最高だな」と思うという歌です。「でも僕はいま、ニューヨークの街でひとりで頑張って暮らしてるんだ」という、本当にすばらしい曲です。
いまの自分では歌えない歌
永積は『THE MOMENT』に込めた想いについても語った。ノイハウス:ハナレグミを通して新しい音楽に出会う、まさにキュレーション。ライブに始まり、今回もいろいろとキュレーションした作品かなと感じます。いろいろな曲があるなか、入れる曲はどうやって選んでいるんですか?
永積:いちばんシンプルに「いま歌いたい曲」。普段、家でもたまに音源と一緒に歌ったりもしてるけど、「いま歌うならどの曲がいいかな」という気持ちで選んでます。(ツアー「THE MOMENT」は)2020年から始めたんですけど、『Smile』という曲なんかは最初の「THE MOMENT」のライブをやった1カ月後からコロナ禍になってしまったので……。
Smile
永積:そこからずっと、ことあるごとに『Smile』を歌っていて。笑顔が見えない時期が多かったじゃないですか。だから、この曲をライブで一緒にみんなで味わったあとに、なんかマスクにニコッとした顔がついたら超ハッピーだよねというような。そういう意味で歌っていきたいなと思いましたね。だからその都度、逆に歌う理由をもらう感じもあります。
サッシャ:もともとはチャールズ・チャップリンの曲です。僕が最初に『Smile』を知ったのはマイケル・ジャクソンがカバーしたバージョンです。あれが好きで「そうか『モダン・タイムス』のやつか」と思って、チャップリンとつながったんです。大好きなナンバーで、いろいろと救われますよね。日本語詞が入っているんですが、なんと野村訓市さんが詞をあててくれたんですか?
永積:J-WAVEの番組『TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING』(毎週日曜20:00-20:54)もやられている野村訓市くんが「大切なメッセージだから、日本語詞で歌って日本の人に意味を理解してもらえたほうがいいし、たぶん、崇くんにはそういうやり方のほうが合うと思う」と言ってくれて、歌詞をつけてくれました。
サッシャ:大澤誉志幸さんの『そして僕は途方に暮れる』は、ライブバージョンで入ってるんですね。
そして僕は途方に暮れる (Live at 東京キネマ倶楽部 2003.2.23)
サッシャ:ご自分でも?
永積:そのときどきの曲に対する想い入れの度合いは変わると思うんです。それによって声は変わってくる面白さがあるなと思って。そういう意味でも『THE MOMENT』なんです。
ノイハウス:そういういろいろなモーメントをきちんと振り返っているのもすばらしいと思います。
永積:ありがとうございます。
おすすめのカバー曲をセレクト
『STEP ONE』のコーナー「MUSIC+1」では、ここでしか聴けない「+1」な質問や話題をアーティストとお届けしている。この日は「ハナレグミが選ぶ名カバー曲」と題し、永積がほかのアーティストのカバー曲を邦楽、洋楽から1曲ずつセレクトすることに。永積:めちゃ迷いましたね。楽しすぎて、昨日からずっと探しまくって。
サッシャ:めちゃうれしい。渾身のですね。
永積:邦楽でいうと、モデルのモトーラ世理奈ちゃんがカバーした『いかれたBaby』で、フィッシュマンズのカバーですね。
いかれたBaby
永積:彼女の歌声でフィッシュマンズを聴いて、「かなわないな」と思いますね。佐藤伸治さんが書いたメロディーやメッセージって、こういう声で歌ってもらうのが、より身をもって(伝わるのではないか)。佐藤さんの場合は、メッセージというよりはフィーリングとか空気感、世界観なんですけど。モトちゃんの声を聴いてると、僕が佐藤さんのを最初に聴いたときのような、まどろみとか。よく佐藤さんは「ブルー」という言葉を使うけど、そういう切ないような、空中に浮いたような気持ちが(伝わる)。歌って全方向に可能性があって、こういう歌声を聴いちゃうと「歌を歌うってどういうことかな」とすごく思って、楽しい。
サッシャ:へたに狙ってないからこそ、ということですか?
永積:彼女の歌声で聴くと、また表情が変わって聴こえる。僕の中では、この曲を彼女が選んだ理由というのが、すごくストライクというか。いい歌だなと思って、悔しい!
サッシャ:ミュージシャンに悔しいと言わせるという。
ノイハウス:続いて、洋楽のセレクトをお願いします。
永積:とても有名ですが、ジェフ・バックリィの『Hallelujah』。
Jeff Buckley - Hallelujah (Official Video - Live at Bearsville)
永積:本当にそうなんですよ。これはもともとレナード・コーエンさんの曲だと思いますが、僕は先にジェフ・バックリィを聴いて、そのあとレナード・コーエンさんを聴いて。もちろん、オリジナルのハードボイルドな声、とつとつと歌う詩人の声も(いい)。そのカバーによって、より作者が描き切れなかったものというのが、こんなふうにより広げて描かれることのすばらしさとか。あとは単純に、ジェフ・バックリィは歌声もすばらしいですけど、ギターがすごいんですよ。
サッシャ:そっちも当然ね。
永積:エレキギターの弾き語りのこういうバージョンは、けっこう彼の場合、多いんです。そういう意味でもリスペクトしてるし、歌を歌い続けることの可能性ですよね。だから、どんどんいろいろな人がいろいろな曲を掘り返して歌っていって、ずっと鳴り続けるということが音楽にとっては、たぶんとても幸せだと思うんです。
ハナレグミの最新情報は公式サイトまで。
J-WAVE『STEP ONE』のコーナー「MUSIC+1」では、ゲストとして毎回話題のミュージシャンが登場する。放送は月曜~木曜の12時30分ごろから。
番組情報
- STEP ONE
-
月・火・水・木曜9:00-13:00