演出家でバンド・yahyelのメンバーでもある山田健人が、Oasisについて語り、お気に入りのアルバムを3枚セレクトした。
Oasisを特集したのは、10月10日(金)放送のJ-WAVE『THE PLAYBACK』(ナビゲーター:山田健人)。演出家でミュージシャンの山田が、MVなどさまざまな“見る”を言語化するプログラムだ。
	
山田は収録曲の『Don't Look Back in Anger』を「世界一有名なロックアンセムなのでは」と紹介した。
	
	
山田:だから、だいたい15日で仕上がったということで、一気に勢いで録ったという感じなんでしょうね。まあでも、この質感の統一感っていいよね。どの曲も味が、似たような味もするし、ちゃんと違う味もするというかね。アルバムからの1stシングルは『Some Might Say』で、そのバックトラックはスピードをちょっと上げすぎたテイクが使われたんですけれども、リアム・ギャラガーの歌がよかったので、そのミスを隠す方向でミックスされたと。対外的評価として、UKでは初週34.5万枚を売り上げてチャートは当然1位。イギリス国内でもっとも売れたアルバムのひとつとなって、世界累計売上は2,000万枚以上と、まあ名盤だね。さすがに、このアルバムに触れないわけにはいかなかったというレベルです。
	
	
	
山田:プレミアリーグのマンチェスターシティの熱狂的なファンというイメージがあります。だから、服でいうとアディダスとかのイメージですね、アディダスのジャージとか。僕のなかのファッション的なイメージは、彼らはサッカー寄りだからアディダスジャージとかで、でも腕時計はロレックスなんだ、みたいに思ったこともあって。あとはカーキのモッズっぽいコートとかをよく着ていて、マッシュルームみたいな髪型で。彼らはファッション的にも多大なる影響を世界中に与えているんですよね。『Stop Crying Your Heart Out』は入りが寂しい感じの進行で始まるんですが、サビはちょっとだけ開放的になる感じで、まさに泣いていたら慰められるような感じの曲ですごくおすすめです。
『Heathen Chemistry』は新メンバーのギタリスト、ゲム・アーチャーとベーシスト、アンディ・ベルを迎えて5人体制で制作された。
山田:ゲム・アーチャーがいいんだよね、『Morning Glory』のいちばん有名なフレーズはライブでは彼が弾いてます。意外と役割が明文化されているイメージで、とにかくゲム・アーチャーが好きなんだよな。中学ぐらいのときにゲム・アーチャーのことも知って「この渋い感じいいな」みたいな。軸の兄弟が強すぎるから、キャラ的にも。でも、そこを支えるでもなく目立ちすぎるわけでもなくという感じで、安定感があるイメージで本当にいいギタリストだと思います。そんな新しいメンバーも入ってみんなで作曲していて、だからバラエティ豊かにも感じるのかなと。『Songbird』はリアムが書いた最初のシングル曲なんですよね。
	
山田:過去の売上とかの実績のベースで比較すると、完ぺきではないけれども『Be Here Now』や『Standing on the Shoulder of Giants』といったアルバムと比べると、曲調や構成の面で「戻ってきた」と感じる人が多いと。『Be Here Now』はたしかに、ちょっと電子音っぽい音とか入ったりしている気がします。
	
山田は収録曲のなかでも『The Importance of Being Idle』が特に好きだという。
	
	
山田:ノエルが「録ったものが気に入らねえ」「アルバムにはできねえ」みたいなことを言って、そのセッションで作った素材の大部分を破棄したそうです。“スクラップアンドビルド”みたいな感じですよね。それで、あらためてデイヴ・サーディとの共同プロデュースで制作されますが、2004年はじめにドラマーのアラン・ホワイトがバンドを離れてしまいます。その代わりにビートルズのドラマーであるリンゴ・スターの長男、ザック・スターキーが録音とツアーに参加したときのアルバムでもあります。
アルバムからどの曲を最初にシングルとして出すかは、Oasisとレーベルのあいだで話し合いが行われたという。
山田:バンドとしては別の曲、『Mucky Fingers』とかを先行シングルにしたいという意見もあったんですが、最終的には『Lyla』がファンや商業的判断などを考慮して選ばれました。たしかに、流行りそうですよね、キャッチーでね。レーベルとかはたしかにこれを推したいと、それこそラジオとかいろいろなチャートに入りそうな曲調だしね。でも、それに対してノエル自身は「シングルとして出すのはバンドの意図どおりではなかったけど、結果としては成功したんだけどね」みたいなことを発言していて、やっぱり素直には認められないみたいな感じかもしれません。
	
山田:特にリードシングルの『Lyla』や『The Importance of Being Idle』がヒットして、どちらもUKチャート1位になっています。本当にファンや音楽シーンのなかでは当時、アルバムとして「これがOasisの復活作ですよね」と見なされていることが多いと。前作『Heathen Chemistry』の疲弊感、方向性のあいまいさからの脱却としても評価されています。
J-WAVE『THE PLAYBACK』は演出家・山田健人が、音だけの世界=「ラジオ」でその頭の中に浮かんでいる世界や作品について言語化していく。放送は毎週金曜の深夜26時から。
Oasisを特集したのは、10月10日(金)放送のJ-WAVE『THE PLAYBACK』(ナビゲーター:山田健人)。演出家でミュージシャンの山田が、MVなどさまざまな“見る”を言語化するプログラムだ。
多大なる影響を与える世界累計売上2,000万枚以上の名作
この日の『THE PLAYBACK』では、16年ぶりとなる来日公演を10月25日(土)、26日(日)に東京ドームで開催するOasisを特集した。自身もOasisの楽曲を聴き続けてきたという山田が1枚目に選んだアルバムは『(What's The Story) Morning Glory?』だ。Oasis - Wonderwall (Official Video)
山田は収録曲の『Don't Look Back in Anger』を「世界一有名なロックアンセムなのでは」と紹介した。
Oasis - Don't Look Back In Anger (Official Video)
Oasis - Champagne Supernova (Official Video)
山田:だから、だいたい15日で仕上がったということで、一気に勢いで録ったという感じなんでしょうね。まあでも、この質感の統一感っていいよね。どの曲も味が、似たような味もするし、ちゃんと違う味もするというかね。アルバムからの1stシングルは『Some Might Say』で、そのバックトラックはスピードをちょっと上げすぎたテイクが使われたんですけれども、リアム・ギャラガーの歌がよかったので、そのミスを隠す方向でミックスされたと。対外的評価として、UKでは初週34.5万枚を売り上げてチャートは当然1位。イギリス国内でもっとも売れたアルバムのひとつとなって、世界累計売上は2,000万枚以上と、まあ名盤だね。さすがに、このアルバムに触れないわけにはいかなかったというレベルです。
Oasis - Some Might Say (Official HD Remastered Video)
期待を取り戻す試みが見られる『Heathen Chemistry』
2枚目に山田がピックアップしたのは、2002年に発売された5枚目のアルバム『Heathen Chemistry』だ。Oasis - The Hindu Times (Official Video)
Oasis - Stop Crying Your Heart Out (Official Video)
山田:プレミアリーグのマンチェスターシティの熱狂的なファンというイメージがあります。だから、服でいうとアディダスとかのイメージですね、アディダスのジャージとか。僕のなかのファッション的なイメージは、彼らはサッカー寄りだからアディダスジャージとかで、でも腕時計はロレックスなんだ、みたいに思ったこともあって。あとはカーキのモッズっぽいコートとかをよく着ていて、マッシュルームみたいな髪型で。彼らはファッション的にも多大なる影響を世界中に与えているんですよね。『Stop Crying Your Heart Out』は入りが寂しい感じの進行で始まるんですが、サビはちょっとだけ開放的になる感じで、まさに泣いていたら慰められるような感じの曲ですごくおすすめです。
『Heathen Chemistry』は新メンバーのギタリスト、ゲム・アーチャーとベーシスト、アンディ・ベルを迎えて5人体制で制作された。
山田:ゲム・アーチャーがいいんだよね、『Morning Glory』のいちばん有名なフレーズはライブでは彼が弾いてます。意外と役割が明文化されているイメージで、とにかくゲム・アーチャーが好きなんだよな。中学ぐらいのときにゲム・アーチャーのことも知って「この渋い感じいいな」みたいな。軸の兄弟が強すぎるから、キャラ的にも。でも、そこを支えるでもなく目立ちすぎるわけでもなくという感じで、安定感があるイメージで本当にいいギタリストだと思います。そんな新しいメンバーも入ってみんなで作曲していて、だからバラエティ豊かにも感じるのかなと。『Songbird』はリアムが書いた最初のシングル曲なんですよね。
Oasis - Songbird (Official Video)
山田:過去の売上とかの実績のベースで比較すると、完ぺきではないけれども『Be Here Now』や『Standing on the Shoulder of Giants』といったアルバムと比べると、曲調や構成の面で「戻ってきた」と感じる人が多いと。『Be Here Now』はたしかに、ちょっと電子音っぽい音とか入ったりしている気がします。
Oasisの復活作とも言える『Don't Believe the Truth』
最後に山田が紹介したのは、2005年リリースの6枚目のオリジナルアルバム『Don't Believe the Truth』だった。Oasis - Lyla
山田は収録曲のなかでも『The Importance of Being Idle』が特に好きだという。
Oasis - The Importance Of Being Idle (Official Video)
Oasis - Let There Be Love (Official Video)
山田:ノエルが「録ったものが気に入らねえ」「アルバムにはできねえ」みたいなことを言って、そのセッションで作った素材の大部分を破棄したそうです。“スクラップアンドビルド”みたいな感じですよね。それで、あらためてデイヴ・サーディとの共同プロデュースで制作されますが、2004年はじめにドラマーのアラン・ホワイトがバンドを離れてしまいます。その代わりにビートルズのドラマーであるリンゴ・スターの長男、ザック・スターキーが録音とツアーに参加したときのアルバムでもあります。
アルバムからどの曲を最初にシングルとして出すかは、Oasisとレーベルのあいだで話し合いが行われたという。
山田:バンドとしては別の曲、『Mucky Fingers』とかを先行シングルにしたいという意見もあったんですが、最終的には『Lyla』がファンや商業的判断などを考慮して選ばれました。たしかに、流行りそうですよね、キャッチーでね。レーベルとかはたしかにこれを推したいと、それこそラジオとかいろいろなチャートに入りそうな曲調だしね。でも、それに対してノエル自身は「シングルとして出すのはバンドの意図どおりではなかったけど、結果としては成功したんだけどね」みたいなことを発言していて、やっぱり素直には認められないみたいな感じかもしれません。
Mucky Fingers
山田:特にリードシングルの『Lyla』や『The Importance of Being Idle』がヒットして、どちらもUKチャート1位になっています。本当にファンや音楽シーンのなかでは当時、アルバムとして「これがOasisの復活作ですよね」と見なされていることが多いと。前作『Heathen Chemistry』の疲弊感、方向性のあいまいさからの脱却としても評価されています。
J-WAVE『THE PLAYBACK』は演出家・山田健人が、音だけの世界=「ラジオ」でその頭の中に浮かんでいる世界や作品について言語化していく。放送は毎週金曜の深夜26時から。
番組情報
- THE PLAYBACK
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毎週金曜26:00-26:30