
音楽プロデューサー・冨田恵一が、車がある生活について語り、冨田ラボの新曲の制作エピソードを語った。
冨田恵一が登場したのは、9月27日(土)放送の『CITROËN FOURGONNETTE』(ナビゲーター:長岡亮介)。ペトロールズの長岡が、心地よい音楽を紹介しながら、気の置けない仲間とともに、ときにはひとり語りで大人のライフスタイルを提案していくプログラムだ。
長岡:2023年7月に東京ドームシティホールで「冨田ラボ 20th Anniversary Presents “HOPE for US”」の際に呼んでいただきました。その前に一度、赤坂BLITZでも歌いましたね。
冨田:そうそう。
長岡:そのときはゲスト陣が1曲ずつどんどん歌っていって、ものすごく緊張したんです。
冨田:へええ!
長岡:MCもなくて、2番の終わりくらいに「慣れてきたな」と思ったら、もう曲が終わるからバッとステージをはける、そんな感じだったんですよ。だから、自分の緊張をほぐしたいなと思って。(歌に入る前に)バンドのみなさんへちょっとしたアクションをしたい気持ちがあって。それに冨田ラボの20周年でもあったので、テキーラを買いに行ったんですよ(笑)。それで冨田さんに渡してから歌ったっていう経緯がありました。
冨田:なるほど、あれは緊張をほぐすためだったんですね。僕がライブでいちばん驚いたのは、あのときだったんですよ。弾いているところにお酒を渡されるなんて思わなかった。すごく驚いたし、うれしい気持ちがあったから何かリアクションしたかったんだけど、曲が進んでいるじゃん。片手で弾きながら「ちょっと~!」ってやりたかったんだけど、必死だったから「ああ~!」となったのがいい思い出ですね(笑)。
長岡:その節はすみませんでした(笑)。
冨田:いやいや、すごくうれしかったです。
長岡:そのとき歌ったのは『パスワード feat. 長岡亮介』という曲ですけども、それが冨田さんとの出会いでしたよね。
冨田:いまは違うんですけど、冨田ラボではゲストの方を呼んでいて。僕はたしか、ギタリストとしての長岡さんを先に知ったのかな。そこからペトロールズとか長岡さんの歌を聴いて、歌ってほしいなって思ったんですよ。
長岡:うれしいです。
冨田:それであの曲を書いたんですが、曲のやり取りのことで強く覚えていることがあります。長岡さんの録音を何度も聴いて、わりとぴったりのキーで作ったものをお渡ししたんです。ところが、長岡さんから「もっと高いキーにしてほしい」と言われて。「あれ、俺けっこう調べたんだけどなあ」と思ったんですよね(笑)。だけど、高い声で歌う長岡さんがすばらしくて。さすが、言ってくるだけのことはあるなって思った(笑)。でも、あとになって「ライブで歌うときのことを考えるとちょっと高くし過ぎたかな」とおっしゃってて。
長岡:そうそう、難しいんですよね(笑)。最近はどんなことをされてますか?
冨田:僕は本当に仕事人間で、仕事ばっかりしてますね(笑)。
長岡:そんな仕事ばかりしてる冨田さんから、1曲お願いしてもいいですか(笑)?
冨田:では、長岡さんと最初の邂逅をした『パスワード feat. 長岡亮介』を聴きたいです。
長岡:自分で言うのもなんですけど、素敵な曲だなあ。
冨田:すばらしい歌です。
長岡:しかも、フルゴネット(ライトバン)形式の車だったんですよね。
冨田:そうです。昔って、いまみたいにハードディスクとかUSBを持って行けば済むわけではなくて、機材をそのまま運ばないといけなかったんですよね。なので、物をたくさん積める車が必要だったんです。
長岡:冨田さんにとって、車の中にいる時間ってどういう時間ですか?
冨田:部屋とか家にいるのと同じ、完全にプライベートな空間です。たとえば、このあとは家に帰りますけど、車に乗った途端、家に着いたのと同じ気持ちになるんですよね。
長岡:なるほど。ちなみに、いまはどんな車に乗ってらっしゃるんですか?
冨田:昔ほど頻繁に機材を運ばないですが、ワゴンタイプの車です。だけど、機材を積まないにしてもフルゴネットの形が好きなんですよ。
長岡:僕も大好きです。
冨田:ね。かわいい。
長岡:やっぱり鍵盤を積むからですか?
冨田:はじまりはそうでしたね。僕は25歳で免許を取ったんですけど、それって機材を運ぶためだったんですよ。車にそこまで詳しくないけど、積めるものとしてワゴンタイプにして。だから、ワゴンしか買ったことないです。ワゴンの形は好きですね。
長岡:しかも、いろんな楽器をやられるからなあ。遠出はされますか?
冨田:コロナ禍前は子どもが小さかったのもあって、そこまで遠出ではないけど、毎年1回か2回は温泉とか旅行に行ってました。コロナ禍で一度中断して、そのあいだに子どもも大きくなってしまって、最近はあまり家族旅行をしてないんです。
冨田:静岡県伊豆市に土肥温泉という温泉があるんですけど、ちょっと穴場的な場所で。人が多すぎもせず、すごく好きで何度か行ってたんですね。そこに向かうときに西伊豆スカイラインという道路があるんですよ。10キロぐらいある道なんですけど、わりと標高が高いところを走っていて、景色がすごくいいんですよね。
長岡:ほうほう!
冨田:しかも、交通量がすごく少ないんですよ。まっすぐな道ではないので注意して運転するんですけど、何カ所か休むところもあって、すべてが展望台みたいな感じなんですよね。
長岡:尾根寄りなところを走っているんですかね。
冨田:そこに行ったときは必ず2カ所ぐらいで休憩します。きれいな道なのでおすすめですね。
長岡:俺も走ったことがあるのかなあ。僕は伊豆スカイラインを走ったことがあって、雪が降ってきて。それをすごく覚えています。
冨田:走り切れました?
長岡:はい。だけど、ちょっと怖かったなあ。伊豆でも雪が降るんだなって思いました。
ここで冨田が、再び楽曲を紹介。「2024年ぐらいに見つけたもので、車で聴いていて気持ちがいい曲です」とコメントし、Mini Treesの『Push and Pull』をオンエアした。
長岡:おめでとうございます! 新メンバーが加入したんですよね。
冨田:はい。いまの冨田ラボは5人なんですよ。シンガーが4人加入したんですけど、コーラスというわけではなくて、リードシンガーが4人なんですよ。
長岡:これまた斬新ですね。
冨田:いままでのようにフィーチャリングの方を迎えることをやめたわけではなくて、(ゲストを迎える場合は)4人のシンガーはコーラスを担当します。それ以外は、メンバーのうちのひとりがリードシンガーを担当します。
長岡:ボーカリストを4人入れた理由としては、声まわりに重きを置いて進めていきたい意図があるのでしょうか?
冨田:そうですね。コーラスに関して言うと、『パスワード feat. 長岡亮介』でもかなりコーラスが入ってたじゃないですか。僕の作品はわりとコーラスを多用するので、コーラスができるメンバーがいるのは本当にうれしいことなんです。そして、同じメンバーで作品を重ねていくなかで、それぞれがどう変化していくのか。その様子を楽しみたい気持ちもありました。いままで自分でやってこられなかったことでもあり、その想いがいちばん大きかったですね。
長岡:たしかに、そうですよね。同じ人と同じ曲をやっていても曲ってどんどん変わっていくものですし。
冨田:僕、そういう経験が学生時代ぐらいにしかないんですよ。そういうことをやりたいなと思ったのがいちばん大きな理由ではありますね。
長岡:新曲について教えていただけますか?
冨田:冨田ラボが新体制になってから3曲目なんですけども、1曲目が加入したメンバーを紹介する意味も込めて、4人がリレー形式で歌ったんですね。2曲目はUAさんをフィーチャリングしたもので、今回が新体制・冨田ラボのいちばん中心的なかたちとなります。メンバーのひとりがリードボーカル、残り3人がコーラスのかたちを初めてとった曲です。今回は北村 蕗さんがリードボーカルを担当しています。
『World Tree』を聴いた長岡は、「いろんなところに誘われる感じがします。すごいですね」と感想を述べた。
冨田恵一の最新情報は公式サイトまで。
東京都内のどこかにある特別な場所=「新しいカルチャーが生まれる場所」から長岡亮介がお届けする“大人の空間”を連想させるプログラム『CITROËN FOURGONNETTE』。放送は毎週土曜22時から。
冨田恵一が登場したのは、9月27日(土)放送の『CITROËN FOURGONNETTE』(ナビゲーター:長岡亮介)。ペトロールズの長岡が、心地よい音楽を紹介しながら、気の置けない仲間とともに、ときにはひとり語りで大人のライフスタイルを提案していくプログラムだ。
冨田恵一と長岡亮介の出会いを振り返る
冨田恵一は「冨田ラボ」名義でこれまでに7枚のアルバムを発表。活動20年目を迎えた2022年には約3年ぶりとなるオリジナルアルバム『7+』をリリース。2025年3月には楽曲『the birds of four』をリリースするとともに、冨田ラボに北村 蕗、ヨウ(Natsudaidai)、Arche、santa(S.A.R.)の4人のシンガーが新メンバーとして加入し、新体制として始動することを発表した。音楽プロデューサーとしては、キリンジ、MISIA、平井 堅、中島美嘉、ももいろクローバーZ、RIP SLYME、椎名林檎など、数多くのアーティストに楽曲を提供。冨田と長岡は2年ぶりの再会となる。長岡:2023年7月に東京ドームシティホールで「冨田ラボ 20th Anniversary Presents “HOPE for US”」の際に呼んでいただきました。その前に一度、赤坂BLITZでも歌いましたね。
冨田:そうそう。
長岡:そのときはゲスト陣が1曲ずつどんどん歌っていって、ものすごく緊張したんです。
冨田:へええ!
長岡:MCもなくて、2番の終わりくらいに「慣れてきたな」と思ったら、もう曲が終わるからバッとステージをはける、そんな感じだったんですよ。だから、自分の緊張をほぐしたいなと思って。(歌に入る前に)バンドのみなさんへちょっとしたアクションをしたい気持ちがあって。それに冨田ラボの20周年でもあったので、テキーラを買いに行ったんですよ(笑)。それで冨田さんに渡してから歌ったっていう経緯がありました。
冨田:なるほど、あれは緊張をほぐすためだったんですね。僕がライブでいちばん驚いたのは、あのときだったんですよ。弾いているところにお酒を渡されるなんて思わなかった。すごく驚いたし、うれしい気持ちがあったから何かリアクションしたかったんだけど、曲が進んでいるじゃん。片手で弾きながら「ちょっと~!」ってやりたかったんだけど、必死だったから「ああ~!」となったのがいい思い出ですね(笑)。
長岡:その節はすみませんでした(笑)。
冨田:いやいや、すごくうれしかったです。
長岡:そのとき歌ったのは『パスワード feat. 長岡亮介』という曲ですけども、それが冨田さんとの出会いでしたよね。
冨田:いまは違うんですけど、冨田ラボではゲストの方を呼んでいて。僕はたしか、ギタリストとしての長岡さんを先に知ったのかな。そこからペトロールズとか長岡さんの歌を聴いて、歌ってほしいなって思ったんですよ。
長岡:うれしいです。
冨田:それであの曲を書いたんですが、曲のやり取りのことで強く覚えていることがあります。長岡さんの録音を何度も聴いて、わりとぴったりのキーで作ったものをお渡ししたんです。ところが、長岡さんから「もっと高いキーにしてほしい」と言われて。「あれ、俺けっこう調べたんだけどなあ」と思ったんですよね(笑)。だけど、高い声で歌う長岡さんがすばらしくて。さすが、言ってくるだけのことはあるなって思った(笑)。でも、あとになって「ライブで歌うときのことを考えるとちょっと高くし過ぎたかな」とおっしゃってて。
長岡:そうそう、難しいんですよね(笑)。最近はどんなことをされてますか?
冨田:僕は本当に仕事人間で、仕事ばっかりしてますね(笑)。
長岡:そんな仕事ばかりしてる冨田さんから、1曲お願いしてもいいですか(笑)?
冨田:では、長岡さんと最初の邂逅をした『パスワード feat. 長岡亮介』を聴きたいです。
長岡:自分で言うのもなんですけど、素敵な曲だなあ。
冨田:すばらしい歌です。
パスワード feat. 長岡亮介
機材を載せられるフルゴネット車を愛用していた
続いて、冨田に「車がある生活」について聞いた。1990年代終わりから2000年代初頭までフランス車を愛用していたという。長岡:しかも、フルゴネット(ライトバン)形式の車だったんですよね。
冨田:そうです。昔って、いまみたいにハードディスクとかUSBを持って行けば済むわけではなくて、機材をそのまま運ばないといけなかったんですよね。なので、物をたくさん積める車が必要だったんです。
長岡:冨田さんにとって、車の中にいる時間ってどういう時間ですか?
冨田:部屋とか家にいるのと同じ、完全にプライベートな空間です。たとえば、このあとは家に帰りますけど、車に乗った途端、家に着いたのと同じ気持ちになるんですよね。
長岡:なるほど。ちなみに、いまはどんな車に乗ってらっしゃるんですか?
冨田:昔ほど頻繁に機材を運ばないですが、ワゴンタイプの車です。だけど、機材を積まないにしてもフルゴネットの形が好きなんですよ。
長岡:僕も大好きです。
冨田:ね。かわいい。
長岡:やっぱり鍵盤を積むからですか?
冨田:はじまりはそうでしたね。僕は25歳で免許を取ったんですけど、それって機材を運ぶためだったんですよ。車にそこまで詳しくないけど、積めるものとしてワゴンタイプにして。だから、ワゴンしか買ったことないです。ワゴンの形は好きですね。
長岡:しかも、いろんな楽器をやられるからなあ。遠出はされますか?
冨田:コロナ禍前は子どもが小さかったのもあって、そこまで遠出ではないけど、毎年1回か2回は温泉とか旅行に行ってました。コロナ禍で一度中断して、そのあいだに子どもも大きくなってしまって、最近はあまり家族旅行をしてないんです。
絶景が堪能できる「西伊豆スカイライン」がお気に入り
冨田はお気に入りの道として「西伊豆スカイライン」を挙げた。冨田:静岡県伊豆市に土肥温泉という温泉があるんですけど、ちょっと穴場的な場所で。人が多すぎもせず、すごく好きで何度か行ってたんですね。そこに向かうときに西伊豆スカイラインという道路があるんですよ。10キロぐらいある道なんですけど、わりと標高が高いところを走っていて、景色がすごくいいんですよね。
長岡:ほうほう!
冨田:しかも、交通量がすごく少ないんですよ。まっすぐな道ではないので注意して運転するんですけど、何カ所か休むところもあって、すべてが展望台みたいな感じなんですよね。
長岡:尾根寄りなところを走っているんですかね。
冨田:そこに行ったときは必ず2カ所ぐらいで休憩します。きれいな道なのでおすすめですね。
長岡:俺も走ったことがあるのかなあ。僕は伊豆スカイラインを走ったことがあって、雪が降ってきて。それをすごく覚えています。
冨田:走り切れました?
長岡:はい。だけど、ちょっと怖かったなあ。伊豆でも雪が降るんだなって思いました。
ここで冨田が、再び楽曲を紹介。「2024年ぐらいに見つけたもので、車で聴いていて気持ちがいい曲です」とコメントし、Mini Treesの『Push and Pull』をオンエアした。
Mini Trees - "Push and Pull" (Official Lyric Visualizer)
北村 蕗がリードボーカルを担当した新曲をリリース
冨田ラボは9月24日(水)に新曲『World Tree』をリリースした。冨田ラボ - World Tree (Official Visualizer)
冨田:はい。いまの冨田ラボは5人なんですよ。シンガーが4人加入したんですけど、コーラスというわけではなくて、リードシンガーが4人なんですよ。
長岡:これまた斬新ですね。
冨田:いままでのようにフィーチャリングの方を迎えることをやめたわけではなくて、(ゲストを迎える場合は)4人のシンガーはコーラスを担当します。それ以外は、メンバーのうちのひとりがリードシンガーを担当します。
長岡:ボーカリストを4人入れた理由としては、声まわりに重きを置いて進めていきたい意図があるのでしょうか?
冨田:そうですね。コーラスに関して言うと、『パスワード feat. 長岡亮介』でもかなりコーラスが入ってたじゃないですか。僕の作品はわりとコーラスを多用するので、コーラスができるメンバーがいるのは本当にうれしいことなんです。そして、同じメンバーで作品を重ねていくなかで、それぞれがどう変化していくのか。その様子を楽しみたい気持ちもありました。いままで自分でやってこられなかったことでもあり、その想いがいちばん大きかったですね。
長岡:たしかに、そうですよね。同じ人と同じ曲をやっていても曲ってどんどん変わっていくものですし。
冨田:僕、そういう経験が学生時代ぐらいにしかないんですよ。そういうことをやりたいなと思ったのがいちばん大きな理由ではありますね。
長岡:新曲について教えていただけますか?
冨田:冨田ラボが新体制になってから3曲目なんですけども、1曲目が加入したメンバーを紹介する意味も込めて、4人がリレー形式で歌ったんですね。2曲目はUAさんをフィーチャリングしたもので、今回が新体制・冨田ラボのいちばん中心的なかたちとなります。メンバーのひとりがリードボーカル、残り3人がコーラスのかたちを初めてとった曲です。今回は北村 蕗さんがリードボーカルを担当しています。
『World Tree』を聴いた長岡は、「いろんなところに誘われる感じがします。すごいですね」と感想を述べた。
冨田恵一の最新情報は公式サイトまで。
東京都内のどこかにある特別な場所=「新しいカルチャーが生まれる場所」から長岡亮介がお届けする“大人の空間”を連想させるプログラム『CITROËN FOURGONNETTE』。放送は毎週土曜22時から。
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番組情報
- CITROËN FOURGONNETTE
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毎週土曜22:00-22:54
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長岡亮介