
2000年代のJ-POPが海外でリバイバルヒットしている背景を探った。ゲストとしてHALCALIが出演し、現在の心境を語った。
HALCALIが登場したのは、6月12日(水)放送のJ-WAVE『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ、ノイハウス萌菜)内、音楽以外の「+1」なトピックをゲストに尋ねるコーナー「MUSIC+1」だ。
辰巳:まず、この1年ほどで、2000年代の日本の楽曲が世界中でリバイバルヒットしました。たとえば、Tommy february6さんの『Lonely in Gorgeous』は2005年の曲ですが、SNSの動画の再生数が10億回。HALCALIさんの『おつかれSUMMER』という2003年の楽曲も大バズしていまして、Spotifyの平均の数字がデイリー2,000回から15万回に、世界中の配信需要が1年で10倍以上に伸びたと報じられています。特に熱いのがアメリカ、その次にメキシコやフィリピンといった英語圏が中心になって、特に若い子が「これはすごい!」という感じでTikTokなどで動画を作っています。
辰巳さんによると、ここ数年、世界中でY2K(Year 2000)ブームが続いているという。
辰巳:Tommy february6さんは日米のY2Kの架け橋のような存在になっていまして、2024年にはアメリカの人気ラッパー・Doja CatがTommy heavenly6さんの『Wait till I can dream』の動画をいきなりXに載せるなど、いろいろ話題になっています。Y2Kブームは日本が大きな地位を世界的に占めています。たとえば、ソニーのウォークマンやプレイステーション。ソフトパワー大国のアメリカだと、リアルタイムで原宿ストリートファッションやロリータファッションが取り上げられました。Pharrell WilliamsやGwen Stefaniといった音楽スターが「カワイイジャパン」や「ハラジュクファッション」といったものとずっとコラボしてきたので、たぶん認識的にも世界的に有名になってきたというのもあります。
ノイハウス:馴染みもあったというか、その当時のことを経験された方々がいまでも「懐かしい」と思えるということですよね。もちろんZ世代の方にも、すごくウケているムーブメントではあります。
サッシャ:今回、『おつかれSUMMER』がリバイバルヒットしている、というのは知っていました?
HALCA:春ぐらいに当時のディレクターさんとマネージャーさんから連絡をいただいて知りました。タイミングはYUCALIちゃんと一緒だったかな。
YUCALI:マネージャーとのグループラインがあるんですが、リンクを送ってくれて「海外でこんなことになってるよ」「へー」って。HALCAと同じタイミングです。
ノイハウス:数字もすごいですよね。1日の平均の2,000回から15万回、これが1日ですよ? そこまで飛ぶとなると、やはりどこかからは「なにかが起こっているぞ」と情報が入ってきますよね。
現在の状況を「不思議なもので、あまり実感がない」と語ったHALCALIのふたり。辰巳さんにはTommy february6やHALCALIが、なぜいまバズっているのかについて尋ねた。
辰巳:特にJ-POPのバズで重要な役割を果たしているのが、世界各国のアニメファンです。Tommy february6さんで最初にバズった『Lonely in Gorgeous』というのは、2005年のアニメ『Paradise Kiss』の主題歌です。矢沢あいさんの漫画が原作になっていまして、この曲をTikTokの“パラキス”ファンがキャラのコスプレをしたりしているビデオを載せていました。最近でも、イタリアの人気バンド・MÅNESKINが矢沢あいさんの『NANA』のキャラを真似た写真を投稿するなど、ファッショナブルなアニメファンのあいだで新たにファンをつけている作家です。さらにHALCALIさんにしても、アメリカで大人気の『パワーパフガールズ』の日本版のアニメや『NARUTO -ナルト-』に楽曲を提供していました。
辰巳さんによると、重要なのは海外のアニメファンが日本語を学び、理解していることだという。
辰巳:やはりオタクなので字幕なしで観たい、という方も多い。そのなかでHALCALIさんの『おつかれSUMMER』の最初のバズは、アニメ映像や手描きアニメを使った「推し動画」でも人気があったんですが、ちゃんと歌詞の内容に合わせて動画が作られていました。歌詞をアニメキャラの映像に載せて、推し動画みたいな感じで愛でているんです。いままでの世界的J-POPバズは、雰囲気やサウンド重視が多かったんですが、HALCALIさんのバズの場合はちゃんと日本語の歌詞が理解されたうえで広まったと。英語圏でもこれからは、J-POPがリバイバルで歌詞の魅力も重要視されるようになるかもしれません。
ノイハウス:歌詞もきちんと理解して、そのうえでアニメ映像を載せたりとか。いままではサウンドがかわいいとか、かっこいいというのはあったと思います。いまのお話訊いておふたりはいかがですか?
YUCALI:『NARUTO -ナルト-』や『交響詩篇エウレカセブン』に楽曲を提供させていただいていたので、そこが盛り上がるのはわかるんです。ですが、この『おつかれSUMMER』はアルバム『ハルカリベーコン』のなかの1曲で。それをよく見つけて、歌詞を訳して、盛り上がるところまでいってくれたな、みたいな(笑)。本当に不思議なことが起こるものだな、という感じです。
HALCA:アニメってやっぱりすごく世界で愛されているんだなというのは、知っていたけど「まさか自分も関わっているなんて」という。不思議だし、すごくありがたいなと思います。
HALCA:当時、中学生だったので、学校終わりに代官山にあるFPM(Fantastic Plastic Machine)の田中(知之)さんのスタジオで録ったなと覚えていて。当時は仕事をしている感覚は全然なくて。
サッシャ:そんな感じありました。
HALCA:ふたりで歌って踊るのがただただ楽しくて、スタジオに遊びに行っていたので。スタジオでおやつ食べて雑談しながら、レコーディングしていった感じです。
YUCALI:デモを全部、田中さんが声を入れてくださっていて。ものすごく渋い声でこの歌を歌っているんですよ(笑)。
サッシャ:あの田中さんの(笑)。
YUCALI:いまも忘れられないくらい、脳裏に焼き付いています。インパクトは強かったです。
サッシャ:それがいま、リバイバルヒットになっています。
ノイハウス:ライターの辰巳さんは、Tommy february6やHALCALIが現代でも世界中の人に愛される理由をこんなふうに話されています。
辰巳:やっぱり、かわいい個性を貫くアーティストというところが大きな魅力かなと思います。世界的に求められているジャパンカルチャー、特に音楽だと甘くかわいい女性ボーカル、かわいさ満点みたいな感じで、ビデオを作りたくなるようなキュートさや、ゆるさ。あとはゲームのようなテンションも鍵になります。かわいさもありつつ、Tommy february6さんもHALCALIさんも独自の音楽性や、アーティストとしての技術や世界観を持っていたと。ロックやラップの部分もすごく骨太というか技術があって厚くやっているところが特徴かなと思いました。
HALCALI は6月13日(金)に、2005年リリースのリミックスアルバム『ハルカリミックス』を配信リリース。石野卓球やTOKYO NO.1 SOULSETの川辺ヒロシ、岡村靖幸といった面々がリミックスを担当したスペシャルな内容となっている。最後に、ふたりはリスナーに向けてメッセージを送った。
HALCA:日本ではもちろん、こうして世界のたくさんの方に聴いてもらって『STEP ONE』に呼んでいただけて、本当に感謝しています。どうもありがとうございます。
サッシャ:大人になった!
HALCA:いやいや、そんなに変わらないです(笑)。サッシャともデビュー当時からお世話になっていて、またあらためてここで会えたことがすごくうれしくて、今日は楽しかったです。
YUCALI:13年ぶりにふわっとふたりでメディアに出ちゃった(笑)。これも私たちらしいかなと。今後どんなことをやっていくかまだからないですけど、まずはリミックスアルバムが配信されたら、いっぱい聴いてもらって。私たちもお気に入りの曲がたくさんあるので、それを楽しんで夏のお供にしてもらえたらうれしいです。
J-WAVE『STEP ONE』のコーナー「MUSIC+1」では、ゲストとして毎回話題のミュージシャンが登場する。放送は月曜~木曜の12時30分ごろから。
HALCALIが登場したのは、6月12日(水)放送のJ-WAVE『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ、ノイハウス萌菜)内、音楽以外の「+1」なトピックをゲストに尋ねるコーナー「MUSIC+1」だ。
6月19日28時頃まで再生可能
2000年代の楽曲が海外でリバイバルヒット
2024年から25年にかけて、世界中でリバイバルヒットとなったのが、Tommy february6が2005年にリリースした『Lonely in Gorgeous』。さらに、HALCALIが2003年にリリースした『おつかれSUMMER』もヒットした。そこで、いったいどのくらい世界でヒットしているのか、アメリカのポップカルチャーや音楽を専門とするライター・辰巳JUNKさんが解説した。辰巳:まず、この1年ほどで、2000年代の日本の楽曲が世界中でリバイバルヒットしました。たとえば、Tommy february6さんの『Lonely in Gorgeous』は2005年の曲ですが、SNSの動画の再生数が10億回。HALCALIさんの『おつかれSUMMER』という2003年の楽曲も大バズしていまして、Spotifyの平均の数字がデイリー2,000回から15万回に、世界中の配信需要が1年で10倍以上に伸びたと報じられています。特に熱いのがアメリカ、その次にメキシコやフィリピンといった英語圏が中心になって、特に若い子が「これはすごい!」という感じでTikTokなどで動画を作っています。
辰巳さんによると、ここ数年、世界中でY2K(Year 2000)ブームが続いているという。
辰巳:Tommy february6さんは日米のY2Kの架け橋のような存在になっていまして、2024年にはアメリカの人気ラッパー・Doja CatがTommy heavenly6さんの『Wait till I can dream』の動画をいきなりXに載せるなど、いろいろ話題になっています。Y2Kブームは日本が大きな地位を世界的に占めています。たとえば、ソニーのウォークマンやプレイステーション。ソフトパワー大国のアメリカだと、リアルタイムで原宿ストリートファッションやロリータファッションが取り上げられました。Pharrell WilliamsやGwen Stefaniといった音楽スターが「カワイイジャパン」や「ハラジュクファッション」といったものとずっとコラボしてきたので、たぶん認識的にも世界的に有名になってきたというのもあります。
ノイハウス:馴染みもあったというか、その当時のことを経験された方々がいまでも「懐かしい」と思えるということですよね。もちろんZ世代の方にも、すごくウケているムーブメントではあります。
[HD] Tommy february6 - ♥Lonely in Gorgeous♥
HALCALIがメディアに13年ぶりの登場
ここで、番組ではオンラインゲストとしてHALCALIのHALCAとYUKALIが登場。HALCALIは活動休止宣言などはしていないものの、メディアへの出演は13年ぶりになるという。サッシャ:今回、『おつかれSUMMER』がリバイバルヒットしている、というのは知っていました?
HALCA:春ぐらいに当時のディレクターさんとマネージャーさんから連絡をいただいて知りました。タイミングはYUCALIちゃんと一緒だったかな。
YUCALI:マネージャーとのグループラインがあるんですが、リンクを送ってくれて「海外でこんなことになってるよ」「へー」って。HALCAと同じタイミングです。
ノイハウス:数字もすごいですよね。1日の平均の2,000回から15万回、これが1日ですよ? そこまで飛ぶとなると、やはりどこかからは「なにかが起こっているぞ」と情報が入ってきますよね。
現在の状況を「不思議なもので、あまり実感がない」と語ったHALCALIのふたり。辰巳さんにはTommy february6やHALCALIが、なぜいまバズっているのかについて尋ねた。
辰巳:特にJ-POPのバズで重要な役割を果たしているのが、世界各国のアニメファンです。Tommy february6さんで最初にバズった『Lonely in Gorgeous』というのは、2005年のアニメ『Paradise Kiss』の主題歌です。矢沢あいさんの漫画が原作になっていまして、この曲をTikTokの“パラキス”ファンがキャラのコスプレをしたりしているビデオを載せていました。最近でも、イタリアの人気バンド・MÅNESKINが矢沢あいさんの『NANA』のキャラを真似た写真を投稿するなど、ファッショナブルなアニメファンのあいだで新たにファンをつけている作家です。さらにHALCALIさんにしても、アメリカで大人気の『パワーパフガールズ』の日本版のアニメや『NARUTO -ナルト-』に楽曲を提供していました。
辰巳さんによると、重要なのは海外のアニメファンが日本語を学び、理解していることだという。
辰巳:やはりオタクなので字幕なしで観たい、という方も多い。そのなかでHALCALIさんの『おつかれSUMMER』の最初のバズは、アニメ映像や手描きアニメを使った「推し動画」でも人気があったんですが、ちゃんと歌詞の内容に合わせて動画が作られていました。歌詞をアニメキャラの映像に載せて、推し動画みたいな感じで愛でているんです。いままでの世界的J-POPバズは、雰囲気やサウンド重視が多かったんですが、HALCALIさんのバズの場合はちゃんと日本語の歌詞が理解されたうえで広まったと。英語圏でもこれからは、J-POPがリバイバルで歌詞の魅力も重要視されるようになるかもしれません。
ノイハウス:歌詞もきちんと理解して、そのうえでアニメ映像を載せたりとか。いままではサウンドがかわいいとか、かっこいいというのはあったと思います。いまのお話訊いておふたりはいかがですか?
YUCALI:『NARUTO -ナルト-』や『交響詩篇エウレカセブン』に楽曲を提供させていただいていたので、そこが盛り上がるのはわかるんです。ですが、この『おつかれSUMMER』はアルバム『ハルカリベーコン』のなかの1曲で。それをよく見つけて、歌詞を訳して、盛り上がるところまでいってくれたな、みたいな(笑)。本当に不思議なことが起こるものだな、という感じです。
HALCA:アニメってやっぱりすごく世界で愛されているんだなというのは、知っていたけど「まさか自分も関わっているなんて」という。不思議だし、すごくありがたいなと思います。
レコーディング当時は仕事をしている感覚はなかった
番組ではHALCALIの『おつかれSUMMER』をオンエア。ふたりはレコーディング時のエピソードを明かした。おつかれSUMMER
サッシャ:そんな感じありました。
HALCA:ふたりで歌って踊るのがただただ楽しくて、スタジオに遊びに行っていたので。スタジオでおやつ食べて雑談しながら、レコーディングしていった感じです。
YUCALI:デモを全部、田中さんが声を入れてくださっていて。ものすごく渋い声でこの歌を歌っているんですよ(笑)。
サッシャ:あの田中さんの(笑)。
YUCALI:いまも忘れられないくらい、脳裏に焼き付いています。インパクトは強かったです。
サッシャ:それがいま、リバイバルヒットになっています。
ノイハウス:ライターの辰巳さんは、Tommy february6やHALCALIが現代でも世界中の人に愛される理由をこんなふうに話されています。
辰巳:やっぱり、かわいい個性を貫くアーティストというところが大きな魅力かなと思います。世界的に求められているジャパンカルチャー、特に音楽だと甘くかわいい女性ボーカル、かわいさ満点みたいな感じで、ビデオを作りたくなるようなキュートさや、ゆるさ。あとはゲームのようなテンションも鍵になります。かわいさもありつつ、Tommy february6さんもHALCALIさんも独自の音楽性や、アーティストとしての技術や世界観を持っていたと。ロックやラップの部分もすごく骨太というか技術があって厚くやっているところが特徴かなと思いました。
HALCALI は6月13日(金)に、2005年リリースのリミックスアルバム『ハルカリミックス』を配信リリース。石野卓球やTOKYO NO.1 SOULSETの川辺ヒロシ、岡村靖幸といった面々がリミックスを担当したスペシャルな内容となっている。最後に、ふたりはリスナーに向けてメッセージを送った。
HALCA:日本ではもちろん、こうして世界のたくさんの方に聴いてもらって『STEP ONE』に呼んでいただけて、本当に感謝しています。どうもありがとうございます。
サッシャ:大人になった!
HALCA:いやいや、そんなに変わらないです(笑)。サッシャともデビュー当時からお世話になっていて、またあらためてここで会えたことがすごくうれしくて、今日は楽しかったです。
YUCALI:13年ぶりにふわっとふたりでメディアに出ちゃった(笑)。これも私たちらしいかなと。今後どんなことをやっていくかまだからないですけど、まずはリミックスアルバムが配信されたら、いっぱい聴いてもらって。私たちもお気に入りの曲がたくさんあるので、それを楽しんで夏のお供にしてもらえたらうれしいです。
J-WAVE『STEP ONE』のコーナー「MUSIC+1」では、ゲストとして毎回話題のミュージシャンが登場する。放送は月曜~木曜の12時30分ごろから。
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2025年6月19日28時59分まで
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番組情報
- STEP ONE
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月・火・水・木曜9:00-13:00
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サッシャ、ノイハウス萌菜