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森 星&ホラン千秋が対談! ホランが思う“自分らしさ”は「『自分が好きな自分』を追いかけること」

森 星&ホラン千秋が対談! ホランが思う“自分らしさ”は「『自分が好きな自分』を追いかけること」

森 星とホラン千秋が、「自分らしさ」をテーマに対談を行った。

この内容をお届けしたのは、5月6日(火)に放送されたJ-WAVEの特別番組『J-WAVE SPECIAL Ameri THE BEGINNING OF US』(ナビゲーター:堀田 茜)のコーナー「Find My Style」。「自分なりに、自分らしく」を表現するゲストを迎え、さまざまな話を訊く番組だ。

森のライフスタイルに、多くのヒントを得たホラン

森との対談に、ホランは「今日が本当に楽しみだった!」と、うれしそうに切り出す。

ホラン:私、森 星ちゃんを好きになって、ここ5、6年ずっと追いかけていたので、今日お会いできて光栄ですよ!

森:うれしい、生きていてよかったー(笑)! 私が高校生のころから髪を切っていただいている美容室に、ホランさんもいらっしゃっているとお聞きしました。

ホラン:なぜ美容院が一緒なのかというところも含めて、“(自分)らしさ”みたいなところにつながってくるんですけど。私、2019年に森 星ちゃんがYouTubeでルームツアーをやっていたのを見て、「なんて素敵な人なんだ!」と思いました。もちろん、テレビでも拝見していましたが、パーソナルな部分、どんなものやどんな人たちを好きで、どんなマインドを持っているかみたいなのは、YouTubeを拝見するまで全然知らなかったんです。それを見て「マインドもファッションもライフスタイルも、すごく素敵!」って、フォールインラブしちゃったんですよ。

森:ありがとうございます!

ホラン:そこから森 星ちゃんのインテリアやファッション、「どんなものが好きなのかな」というのを見ていくうちに、「星ちゃんが好きなものって、私も好きかも?」と感じて、同じソファも見に行きましたし、千歳烏山にあるヴィンテージショップにも行きました。でも、「これは私も好きだけど、自分に合っているかな」というのは、トライして初めてしっくりくるかこないか、みたいなのがあると思うんですよ。そういうのをしていくうちに派生して、その先にある「これが好きだな」「今度あれにトライしてみようかな」とか、自分が好きなオリジナルなものに出会っていくじゃないですか。

森:まさに私もそう思っている、今日このごろ(笑)。というのは、やっぱり“自分らしさ”って、自分がピンとくるものって、わかるまでにいろいろなプロセスを経て、たまには自分にとっての無駄も作っていって、でもそれが無駄じゃなかったりもして。いろいろなベクトルのものに触れていくと、本当に自分の心がときめくものがどんどん言語化できるようになるし、そこにはグレーの幅広い濃淡があるので、それが自分らしさにつながっていくヒントなのかなって。いま、まさにホランさんがおっしゃっていたように、「憧れ」をつくることもたまには必要だし、憧れを追いかけていった先に「私、ここなんだ!」っていう部分を見つけたときに、「自分の心に嘘をつかないって、こういうことなんだ」って。

ホラン:それこそ、星ちゃんがちょっと前にバッサリショートヘアにした時期があるじゃないですか。そのあとの襟足が少し伸びてきてパーマをかけていたスタイルが「マジで好き!」と思って、ピンポイントでやってくれる人ということで、星ちゃんのヘアカットをしている人のところに行ってお願いしたの。でも、そのまま自分に取り入れても骨格や背の高さ、性格も違うしというところをうまくプロの人とカウンセリングしていくなかで「自分のヘアの場合はこれがいいんだ」「こういうふうにチェンジしていくと楽しいんだ」と。「楽しい」をひとりで見つけられなかったら、誰かと一緒に見つけていくっていうのもいいですよね。

森:いいですね。髪って、バッサリ切りたいフェーズと、伸ばしてずっしり深めていきたいときがあって、それって自分の心の表れだと思うんです。その心を自分ひとりで消化していると「私、何がやりたいんだろう」「振り返ってみて、何か残せていた?」と悶々としてしまうときがあるから、美容室やヘアメイクさん、家族と「自分探しの旅」を共有することで、そのときの自分というものを髪型やメイク、ファッションで表現する。1回対話して言葉にすると出しやすかったりもするし、そうやって表現した自分を鏡で見たときに「自分はいま、ここに立っているんだ」っていうのが自信につながっていくのかなと思うと、モデルを10年くらいやってきて、やっとファッションやヘアメイクの楽しみとか、意味合いが最近やっとわかってきたような気がします。

ホラン:アイデアを見つける、それを言語化する、それをまとめる、表現するのが全部がうまい人ももちろんいるけど「これはうまいけど、これは苦手だな」というときに、それが得意な人に頼っちゃったほうが、表現するときにすごく楽になりますよね。

森:うんうん。企業やチームワークでも感じますね。自分と同じ人はいないから、やり方ひとつ、こだわりひとつにしても「自分でやっちゃったほうがいい」という人もいるけれど、ホランさんがおっしゃるとおり役割分担していって、思いやりを持って「ありがとう」を言うと、物事を実現する、かたちにするためのチームワークの大切さが感じられますね。

ふたりが思う“自分らしさ”とは…

お互いの思いや経験を伝え合うなか、ホランはあらためて「“自分らしさ”って何だと思いますか?」と、森に質問する。

森:いまの私が思う“自分らしさ”は、「心に嘘をつかないこと」かな。普段起こっている現象を、たとえば聞くものなら「まぁ、聞いている」のではなく、もうちょっと心で感じ取れるようになれたら、「自分らしく生きているな」と自信を持って言えるのではないかなと思っています。

ホラン:その「心で聞く」というのは、星ちゃんの場合、ただ耳で聞くだけではなく、どうしていると「心で聞けているな」って確信を持てるんですか?

森:「もう少し集中してみる」みたいな、本当にあいまいなことだと思うんですよ(笑)。私、最近目を見るときにちょっと目の奥のほうを見るようなクセを実験しているんです。

ホラン:その実験は、いまのところどうですか?

森:いい感じ! 私が身を置いているファッションの世界は、すごくスピードの速い現場もあって、パンデミック前の自分は、愛はあるけれど表層的になってしまって、イベントや社交的な場での反省ポイントや自分自身への違和感があったんです。

ホラン:もっとじっくり人と会話したり、コミュニケーションとったりすればよかった、みたいな?

森:うん。で、パンデミックを通して自分の暮らしという、もうちょっと身近なものを見直したときに物事の見方が少しずつ変わってきたのかな。いろいろな人たちとの出会いを通して、もうちょっと心で対話してみたり、相手の心を見るように見つめてみたりしたときに「本当」でいられて、相手も自分らしくいてくれたらいいなっていう……。

ホラン:人工的なやり取りじゃなくて、オーガニックなやり取りになるというところに、「心を通わせる」というのがあるのかもしれないですよね。

森:うまくまとめてくれた(笑)! ホランさんは、“自分らしさ”についてどうお考えになっているんですか?

ホラン:今日このごろの話ですが、「“らしさ”って、もう考えなくていいよな」と思ったんです。“らしさ”って、すごくあいまいじゃないですか。起きたときに機嫌が悪い自分もいるし、すごくハッピーな自分もいるし、すごく集中している自分もいる。どれも自分だから、全部自分らしいはずなのに、「自分らしいってなんだろう」ということに囚われちゃって、でも答えはない。「これだ」と思ったのも自分がそう思っているだけで、正解かどうかはわからないと考えると、「自分らしい自分」という非常にあいまいなものを追い求めるより、「自分が好きな自分」を追いかけていれば、それってつまり「“らしい”だよな」と思って。あてもない旅をするのももちろんいいけど、それをしなくてもけっこうハッピーかなって。

“悩み”は、それが大事なものだという証拠

20歳ごろからモデルとして活躍する森は、「最近、どういうスタンスでいたいのかに迷うことも多い」とホランに打ち明ける。

森:いまでもお仕事をもらうとうれしいけど、20代のときは「あれもやる」「これもやる!」という感じでした。でも、30代になって「自分がどこに立っているかをしっかりと決めないと、ダサいかな?」とか……(笑)。外から見た自分を気にしすぎているのかもしれないのですが、何でしょうね?

ホラン:たとえば、「違うな」「やりたくないな」という気持ちになっているとしたら、20代のうちにそう思えるだけの経験を積んで、自分のなかの物差しができたんじゃないかな。「これは自分らしくないからやりたくない」「これがメッセージとして世の中に発するものは、私が発したいものじゃない」とか「心のなかに積み重なっていく自分らしさと違うものは、やるべきじゃない」という、哲学みたいなものができたからじゃない?

森:そうかもしれない。「これはちょっと違うな」とか、「これは何かあるな」というのが少しクリアになってきたからこそ、物事の選択がある意味、楽しくもなった。

ホラン:「自分を知る」という意味でも、自分ができる仕事ややりたいことがわからないときは、いろいろなことにトライすることで自分が見えてくるから、とりあえずアクションを起こす。モヤモヤしたら「何でモヤモヤしたんだろう?」って考えるっていうのを継続することは、絶対のちの自分に全部つながるから大事だなと思います。さっき星ちゃんが「迷ったこともある」と話していたけど、「自分ってどんな人間なのかな」「何が“自分らしさ”なんだろう」って、迷った時期ってありますか?

森:昨日とか(笑)? でも「よりこだわりを持ててきたのかな」って、その悩みがちょっと楽しくなってきました。悩みに本気で向き合っていれば、遅かれ早かれ答えがやってきて、また進めて見たことない景色が訪れる。たまに逃げたくなったり、立ち上がれなくなったりしそうなときはあるんですけど、「新しい景色が見たい」というのが原動力になっています。

ホラン:悩むってことは、自分にとって大事なものだからってことですもんね。悩んで答えが出なくても「これは私が人生で大事にしたいことなんだ」と思えたら、1個収穫ですよね。

森:うん、たしかに。ホランさん、わかりやすいなぁ!

ホラン:そんなことないのよ(笑)。悩むポイントがみんな違うのは、それぞれ人生で大切なものが違うから。たとえば、恋愛とかでもあるじゃないですか。自分にとってはどうでもいいことだけど、ほかの人にとってはその人の人生で大事な部分だから悩むんだなというところは、「そんなことで悩まなくていいよ」と言わずに、悩ませてあげる。

森:私のお母さん、そんな感じです(笑)。母親はいつも無償の愛でいてくれるからありがたいんだけど、私が悩んでいるのを聞いて「こんなに恵まれているよ」「あなた、そんなことで悩むなんて」という感じの時もあるので、「考えすぎかな」「考えるのをやめよう」となっていた時期もありました。でも、ホランさんのいまの言葉を聞いて、母親とは違うベクトルで大事なことがあるから、母親には「考えすぎだ」と感じることもあるのだと思いました。

ホラン、2025年のテーマは「助けになりすぎない」

「悩んでいる人は、悩ませてあげる」という部分について、ホランは例を挙げて森に説明する。

ホラン:たとえば、友だちが悩んでいると、苦しんでいるのを見たくないし、早く楽になるために自分が役立てるなら、力になって解決してあげたくなるんですけど、そこで悩む機会を奪ってしまうと、たぶんその人はまたどこかで同じことで悩むんですよ。だから「私はこう思う」という自分なりのヒントはお伝えできたとしても、その人から悩む機会を奪わないのはすごく重要なことだと思います。自分の力で解決できれば、その人は解決方法を自分で身につけられるわけだから、悩む人は「自分で悩むから、誰も私のために解決しようと思わないで!」で、いいと思う。

森:ちゃんと悩みなさい、向き合いなさい、ということですね。

ホラン:でも、こっちももどかしいから「こうすれば、そんなにたいしたことないのに」と言ってあげたいけど、「助けになりすぎてはいけない」というのが、私の今年のテーマなんです。

森:そう思うきっかけがあったんですか?

ホラン:誰かに決断してもらって、それがうまくいかなかったときに「あの人の言ったことを聞いちゃったから」「聞かなければよかった」って思っちゃうと、すごく悔しいじゃないですか。でも、自分で決めたときはできるだけ正解になるようにがんばるし、失敗したときも「自分で決めたんだから、仕方がない」と思える。だから、たとえば私が友だちに何か言って、実際そうしてくれてうまくいかなかったときに「千秋が言ったことを聞いたから、うまくいかなかった」とは思ってほしくない。私が言ったことがヒントになってはほしいけど、「自分で決断したからうまくいったんだな」という成功体験につながることも、自分で決断して失敗することも大事だなと。私はお節介を焼きたいタイプだけど、「(助けになりすぎないことが)相手にとってもいいかもしれない」と、2024年の年末ぐらいから思って(今年のテーマにした)。

森:なるほど。人はひとりでは生きられないし、お互いがあってこそだけど、結局は自分で決めることだし、自分で決めないともったいない。蓄えにしていかないとね。他人の人生を生きているわけじゃないから、自分で責任を持って決断してまいります!

森は2021年より、日本の伝統文化の魅力を再発見するプロジェクト・tefutefu, Inc.のクリエイティブディレクターを務めている。5月3日(土)からは、ロサンゼルス・Galerie Lullaで展示会『IROSABI』を開催中だ。

森:自分らしさや、自分の心がピンとくるものを追い求めていったときに、モデルを通して世界の手仕事に巡り会うチャンスもあって、一方で、日本の独特の美学を見つめ直すとものすごく豊かに生きるヒントがいっぱいあるなということにも気づき、日々の選択や暮らしが楽しくなりました。その楽しさをかたちにするために3年前にチームを作って、先人の生き方や「どういうものに心が動いたのか」ということを勉強してきたので、いまの自分が表現できることを表現できる場ということで、『IROSABI』展を企画しました。10人ほどの職人さん、作家さんをキュレーションして、6月28日(土)まで展示をします。期間中には一閑張りのワークショップや草木染め、音を聴いたりお酒をたしなんだりという時間もつくります。『IROSABI』は、経年変化を色で感じるという美学で、時間の変化を視覚的な部分で捉えると、どのように心が変化するのかということを、アメリカ圏で実験的に行う場となります。

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2025年5月13日28時59分まで

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番組情報
J-WAVE SPECIAL Ameri THE BEGINNING OF US
2025年5月6日(火・祝)
18:00-19:55