「数滴で劇的に変わる!」“潤滑油”の効果に堀田 茜も驚き─ENEOSの研究施設を取材

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提供:ENEOS株式会社


ENEOSの研究開発の主要拠点である中央技術研究所──最先端のデジタル技術を活用したこの巨大施設では、燃料、潤滑油、水素、合成燃料、バイオ燃料など、さまざまなエネルギーに関する研究が行われている。今回、モデルで俳優の堀田茜が、「潤滑油」について現地取材を行った。

取材・インタビューの模様を伝えたのは、堀田茜がナビゲートするJ-WAVEの番組『ENEOS FOR OUR EARTH -ONE BY ONE-』。毎週ゲストを招き、地球のより良い未来の実現に向けたSDGsについてリスナーと共に学ぶプログラムだ。

オンエアは、2024年10月26日、11月2日だった。収録の模様はJ-WAVEの公式YouTubeチャンネルでも楽しめる。

潤滑油はCO2(二酸化炭素)削減に貢献

「みなさんは潤滑油という言葉、耳にしたことありますよね?」

番組の冒頭でそうリスナーに投げかけた堀田。機械を滑らかに動かすため油をさすように、人間関係や物事を円滑に運ぶために、仲立ちとなる物や人を指す言葉としても使われる潤滑油を、実際に見たことがあるという人は決して多くないだろう。今回は、その潤滑油を研究している神奈川県・横浜市にある同施設を堀田が取材。まずはENEOS株式会社 潤滑油販売部の山岸純也さんに話を聞いた。


堀田:潤滑油とは、一体どういった油なのでしょうか?

山岸:物と物のあいだに入り込む油のことでして、摩擦を軽減させる機能を有する商材となっています。

堀田:「潤滑油」という言葉は、人間関係でも使うことがありますよね。実際には、何のために使われているのか、教えていただけませんか。

山岸:たとえば、自転車のチェーンに油をさして滑らかにすることがあると思うんですけど、油がない状態ですと、金属と金属の表面同士が直接擦れ合ってしまいます。そのあいだに油をさすことで、金属同士が接触しないようにします。液体を介在させることで、摩擦が下がるというわけです。

堀田:なるほど。なかなか目にすることはないですが、さまざまな機械において、潤滑油が活躍しているのでしょうね。その潤滑油は、どのようにして作られているんですか?

山岸:潤滑油を構成する要素は大きく2つありまして、ベースオイルと呼ばれる「基油」と、化学品の「添加剤」です。使用される機械や商品にもよりますが、ベースオイルが8割、添加剤が2割の比率で構成されています。ベースオイルも大きく分けて3種類ありまして「鉱物油」「合成油」「植物油」といったものがあります。そのなかで鉱物油が、いちばんポピュラーなものとして用いられています。

堀田:(鉱物油の原料を見て)真っ黒ですね!

山岸:こちらは中東から持ってきた原油で、減圧蒸留という処理を行っています。

堀田:最初の段階が醤油みたいな色で、精製されて黄色いオイルに変わるんですね! なぜ、この鉱物油が1番ポピュラーなものなのでしょうか?

山岸:大量に作っているため、製造コストが非常に安いことがあげられます。この3つのなかでいちばん安価に作れるので、一般レベルに普及しています。

堀田:鉱物油は全体の何%を占めているんですか?

山岸:おおよそですが、80%程度は鉱物油が市場で使用されている状況です。

堀田:大部分を占めていますね……! この研究所では、潤滑油の研究が続けられているということですが、これからの時代、潤滑油に求められるものは何だとお考えですか?

山岸:カーボンニュートラルへの貢献があげられると思います。潤滑油の長寿命性や省エネルギー性は、お客さまが消費する際のCO2(二酸化炭素)排出削減に貢献できますが、これに加えて、この先は植物由来の潤滑油を用いていくことが求められています。植物は、光合成によってCO2を吸収します。つまり、植物由来の潤滑油を調達することで、原料調達から、製品使用までの距離感で、CO2の排出を削減できると考えています。

年間約35.5トンのCO2削減が実現

さまざまな潤滑油を実際に見ながら、取材を行った堀田。潤滑油といっても、用途によって適したものが異なってくるのだという。

山岸:潤滑油にもいろいろ種類があるのですが、自動車のエンジンに使われるエンジンオイルですと、粘度が低い、サラサラのものが使われることが多いです。それとは反対に、工場にあるギア・滑車などには、粘度が高いものが使われます。

堀田:ネバネバしていると潤滑油として機能しなさそうですけど、必要なんですね。おもしろい。潤滑油は、全部で何種類ありますか?

山岸:ENEOSでは、現在2000種類ほど取り扱っております。

堀田:そんなにですか……!? その数を用途によって使い分けるということは、摩擦が少なくなる以上に、何かメリットがあるものなのでしょうか?

山岸:潤滑油が摩擦を下げるというのは、機能としてもちろん第一ですが、それ以外に「熱を逃す機能」を有しています。そのほか、鉄の上に油を敷いて酸素を遮断し、錆を防ぐという役割もあります。また、摩擦が低減すると省エネルギーにも繋がります。機械から生み出されるCO2削減は、我々が求められるテーマになります。

堀田:潤滑油によって、具体的にどのくらいCO2の削減が行われるのでしょうか?

山岸:現在、ENEOSで展開している省エネルギー性を付与した潤滑油は、トラックなど大型の商用車にも使われていて、10車両分で年間約35.5トンのCO2削減が実現できています。

堀田:しかも、その潤滑油が植物由来だったら、より地球にも優しいということですもんね。さらに環境に優しい潤滑油を作るため、課題はありますか?

山岸:潤滑油の調達・製造・流通……その各段階でCO2は排出されてしまいますので、原材料調達からお客さまのもとで廃棄されるまでの全体を見て、CO2を削減していく。そういったカーボンニュートラルへの取り組みが、課題だと感じています。

堀田: ENEOS中央技術研究所で働いている方が、たくさんの研究を重ねて、日々CO2削減に向き合い、地球環境に貢献しているということがよくわかりました!

実際に潤滑油が作られる工程を見学

その後、堀田は場所を移動し、研究現場・実験室を取材。実際に潤滑油の製造工程を見学した。案内してくれたのは、ENEOS潤滑油研究開発部の森脇愛利子さんだ。

堀田:こちらの実験室では、どういったことを行っているんですか?

森脇:サンプルの調合・性状確認・性能の評価を行っています。潤滑油でいちばん大事なことは、お客さまのニーズにあった油を用意することなので、私たちがその性能を満たすようなレシピを考え調合して、評価を受ける。その試行錯誤を繰り返しています。

堀田:レシピという表現がすごくおもしろいですね。今回、見学させていただく潤滑油は、どういった種類ですか?

森脇:自動車のエンジンルームで使われているエンジンオイルを作ってみようと思います。

堀田:エンジンオイル製造工程のステップ1は何を行うのでしょうか?

森脇:まず基油を作ります。合成油をビーカーに張り込んでいき、次に添加剤を注ぎます。基油だけでは、性能を担保することができないので、添加剤を足していきますが、お客さまがほしい性能に合わせてそれぞれ選ぶようにしています。

堀田:(実際に材料を混ぜて撹拌している様子を見ながら)レシピとおっしゃっていましたが、本当に料理で使うミキサーと変わらないくらいのスピードで撹拌していくんですね。

森脇:そうです。きちんと撹拌しておかないと粘土の高い添加剤が下にくっついてしまいます。性能をきちんと担保するために、しっかりと撹拌しています。

「数滴で劇的に変わる」

初めて潤滑油が作られる工程、そして完成品を目の当たりにした堀田。色が変わっていく過程などを興味津々に見守った。

堀田:潤滑油の効果は先ほど教えていただきましたが、潤滑油を使った前と後で、機械の動きがどう変わるのか実際に検証していただけますか?

森脇:今回はこちらのベアリングを使います。機械や玩具なんかで使われている、軸を滑らかに回転させるための部品となっています。これを回していただけるとよくわかると思いますが「からから」と音がしませんか?

堀田:音がします!

森脇:それは金属同士が擦れる音なんです。しかし、そのあいだに潤滑油を入れると、その音がなくなります。

堀田:本当だ! 音が鳴らないし、するすると滑らかに回転します。おもしろいですね!

森脇:これが潤滑油の役割になります。

堀田:こんな数滴で劇的に変わるものなんですね! 潤滑油、恐るべし。

森脇:もっと重たい物で荷重がかかって「ギシギシ」聞こえてくるものだって滑らかにしてくれます。

堀田:私たちが知らないところで、本当に潤滑油は大活躍してくれているんですね。これからの研究現場としての課題はありますか?

森脇:お客さまが使っている機械が高性能になってくると、私たちが作る潤滑油もそれに合わせないといけません。どんどん技術革新は進んでいます。それに応えられるよう、日々、努力はしていますが、やはり試行錯誤する数がとても多くなります。ただ、壁は高いほど乗り越えるのが楽しいので、これからも真摯に研究を重ねていきます。

堀田:潤滑油について知らないことだらけでしたが、本当に勉強になりました。本日はありがとうございました!

(構成=中山洋平)
番組情報
ENEOS FOR OUR EARTH -ONE BY ONE-
毎週土曜日
14:00-14:30

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