昨年8年ぶりに神奈川・Billboard Live YOKOHAMAで開催した、J-WAVEオリジナルの音楽授賞式「SAISON CARD TOKIO HOT 100 AWARD」を今年は、Billboard Live TOKYOに場所を変え、3月20日(水・祝)に開催。今年は二部構成で行った本イベント、第一部の授賞セレモニーでは、受賞結果の発表とともに、注目のアーティストたちがパフォーマンス。そして、第二部では結成35周年を迎えた東京スカパラダイスオーケストラがスペシャルライブを披露した。ここでは、その授賞式の模様をお届けする。
ラジオでは、3月24日(日)放送の番組『SAISON CARD TOKIO HOT 100』(13:00~16:54)内でも授賞式の模様をオンエア。radikoタイムフリー機能で3月31日(日)まで聴取可能。
【『SAISON CARD TOKIO HOT 100』radikoタイムフリー】
Part1:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20240324130000
Part2:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20240324150000
そして今夜は彼の受賞を記念し、スペシャルなライブパフォーマンスを披露するというサプライズも。ステージの準備が整うまでクリス・ペプラーがimaseへショートインタビューを敢行。以前番組に出演した際に「セクシーになる」と公言していたというimaseに対し、「なったじゃん!」と彼の成長を讃えるクリス。「『NIGHT DANCER』のBUZZに気づいたタイミングは?」という問いにimaseは、「SNSなどでダンスを踊ってくれる方が増えたときに実際に多くの方がこの曲を聴いてくれていると実感した」と回答。また、5月に初のCDとしてファーストアルバムをリリースすることについても聞くと、「自分にとって名刺代わりになるものだと思うので、やっとリリースることができてすごく嬉しい」と話した。ライブでは、「NIGHT DANCER」と「ミッドナイトガール」の2曲を披露したimase。バックダンサー5人を引き連れたこの日ならではのライブパフォーマンスでは、その唯一無二の歌声とスキルフルなパフォーマンスを存分に披露し、会場を大いに盛り上げた。ライブ後は「ありがとうございます!」とオーディエンスに手を振ってステージを後にした。
続いて、「BEST PERFORMANCE OF 2023」国内アーティスト部門。King Gnu、sumika、BE:FIRST、Mrs. GREEN APPLE、YOASOBIの5組のノミネートから、栄光の賞を勝ち取ったのは、sumikaだった。昨年5月に雨降る横浜スタジアムにて「sumika 10th Anniversary Live『Ten to Ten to 10』」を開催し、バンドとファンが一体となった感動的なステージを魅せてくれた彼ら。この日バンドメンバー全員で会場へ駆けつけてくれた。片岡健太は受賞に対して「10年間バンドをやっていますが、このような賞をいただくことは初めて。バンドを続けてきてよかったなと思います」とあいさつ。また、2024年はどんな活動が期待できるのかというクリスの問いには「2024年はツアーを3本予定しています。だから1年中ライブをやっている年になります。体調を崩さないようによく寝てよく食べて過ごそうと思います」と回答。片岡からクリスへ「また飲みに行きましょうね」と声をかけ、ふたりの関係性が垣間見られる一幕もあった。
そして、TOMOOは受賞記念パフォーマンスとして「Super Ball」を披露。ステージの準備が整うまでクリスによるショートインタビューも行われた。「『Super Ball』が幅広く支持された理由は?」という問いに彼女は「想像でしかないけど、ひとつはみんな葛藤していたり悩んだりしているからかなと思います。自分や周りの人の葛藤を想像しながら作っていった曲なので、そういう部分が届いたのかもしれないなと思います。あとは、サウンドメイクに携わってくれた方たちの力はすごく大きいです」と。また、曲作りに関しても話を聞くと、「抽象的ですけど、日常生活の中でボヤ~っと思ったり、考えたりしたことがそのときに目の前にあるアイテムや物体にリンクしていく瞬間が曲の取っ掛かりになることが多い。何気ないところにアイデアが転がっている」と回答した。ライブパフォーマンスでは、跳ねるような弾く鍵盤と求心力のある歌声で会場を掌握。この日限りのスペシャルな弾き語りセットに、オーディエンスは彼女の生み出す音楽に酔いしれていた。ライブを終えると、「ありがとうございます!」と大きく一礼をして会場を後にした。
「ここからたっぷりエンジョイしていただきます!」とクリスが口火を切ると、会場に流れ始めるSE「るろうの形代」。会場に集まったオーディエンスは歓声を上げ、手拍子を始める、ムーディーな桜色の照明がステージを照らす中、静かにメンバーがステージへ登場。東京スカパラダイスオーケストラのスペシャルなライブは「Walkin'」からキックオフした。ライブ冒頭からスキルフルなソロプレイを魅せつける面々。NARGOのトランペット、のトロンボーン、先ほどまでの授賞式ムードは何処へやら、圧倒的なサウンドでオーディエンスの心を鷲掴みしている。スタートからフルボルテージで「Walkin'」を終えると、続くは大森はじめがハンドマイクでセンターに立ち奏でる「スキャラバン」。ステージを縦横無尽に移動しながら、会場の一体感を作り上げるスカパラのメンバー。演奏をしながらスカダンを繰り出し、ステージにいるメンバーがいちばんこの最高な事象を楽しんでいる様子。そんな姿を観て、オーディエンスも呼応するかのように拳を高く突き上げ、彼らの音楽の世界へのめり込んでいく。
2曲を立て続けに演奏すると、谷中敦が口を開く。「エンジョイしてますか? コロナも去って、こうやって一緒に楽しめる世の中になりましたね! 声を出す練習をしよう!」と発すると、オーディエンスは「オーー!」と声を上げる。そんな姿を見て、嬉しそうな谷中。「クリスさんに観てもらえるのも嬉しい。今夜は、パラダイスを感じてもらいますよ!」と始まった、最新曲「The Last Ninja」。加藤隆志の圧巻のギターソロに圧倒されるオーディエンス。会場の熱がどんどん上昇していくのが肌で分かる。管楽器隊とギター、ベースが一列に並び、曲の最後にはポージング。セクシーかつクールなその立ち姿に会場は感嘆の声を漏らす。間髪を入れずに始まった「Wild Cat」では、腕が取れてしまうのではないかと思うくらいに腕を上下させるオーディエンス。メンバーはそんなオーディエンスに応えるように音を奏でている。手拍子が鳴り止まない会場。暗転しても光る北原のオレンジ色のシャツに目を奪われてしまいそうになりながらも、ライブは「La Noche」、「White Light」と極上のセットリストで進行していく。
GAMOがマイクを持ち「みんなの声がもっと聴きたいな!」とオーディエンスを煽ると、「Paradise Has No Border」のお馴染みのフレーズが会場に響き渡り、会場はこの日いちばんの歓声に包まれた。GAMOは「皆さん最高だ! ビルボードでもいつものやつをやっちゃいます! 最高にハッピーな気分を俺たちにアピールしてみてください! どこがいちばん盛り上がっているんだ!」とスカパラの鉄板コースへ。オーディエンスが大きな声を聞かせる中、「そんなもんじゃまだいけねえな! もっと!」と煽り続けるGAMO。その声に呼応して大歓声が生まれる会場。スカパラしか生み出すことのできないこの一体感。「HEY!」の合図で、観客は拳を突き上げていた。っていた。「最高だぜ!」とライブアンセムを披露し終わると、ステージの中心にはアコーディオンを持った沖祐市の姿があった。
優しい光が彼を照らすと、沖は口を開く。「スカパラもちょうど35周年を迎えます。とても嬉しく思います」と優しい語り口でMCが始まると、これまでの思い出を回顧しながら、アルバイト中に開局したばかりのJ-WAVEを聴いていたと話す。「春のイメージあるJ-WAVE、新たな息吹を感じることができる」と話したのち、スタートした「君と僕」。この曲は、デビューアルバム『スカパラ登場』(1990年)の最後に収録される楽曲。口笛とアコーディオン、そして柔らかい光が差し込むステージ。なんともエモーショナルな雰囲気が漂う、会場。曲の途中からは、管楽器のメンバーが沖を囲むようにステージへ登場し、優しいサウンドをオーディエンスの耳へ届けている。センチメンタルな雰囲気をかき消すように場内に響く、「81.3 J-WAVE」というジングル。スカパラの粋な演出に会場には笑みが溢れる。
多幸感が広がる会場で茂木欣一が口を開く「開局から、そして今も日頃、J-WAVEを聴かせてもらっているので、感謝の気持ちを込めて名前は茂木欣一.3でいきたいと思います!」という愛のこもったMC。今日は胸熱だったと話す茂木は、「別所さんとサッシャさんとクリスさんが一同に介しているのは僕的にはフェスですね!」と会場を沸かせる。そんなJ-WAVE愛に溢れたMCの後に披露されたのは、「倒れないドミノ」。ちょうど4年前、我々が経験したパンデミック。全ての人間がつらかったあのとき、何かできないかと2020年の3月にスタジオに入り制作したこの楽曲。TOKIO HOT 100チャートで4週連続1位を獲得したこともあると茂木は話す。〈春が来るだろう 遠くないだろう〉と歌詞にはあるけれど、ようやく春が来た。確かにあの時期はつらく、大変な期間。しかし、あのときに蒔いた種が今こうして、花を咲かせていると思うと、非常に感慨深い。スカパラが4年前に制作した「倒れないドミノ」をこの特別な空間でオーディエンスとともに音を奏で、歌う、こんな幸せなことはない。きっと会場にいる全員がそう思ったはずだ。
続けて披露された、「Pf~水琴窟 -SUIKINKUTSU-」ではステージ後ろの幕が開き、都会の夜景とスカパラを堪能できる空間へと変化、沖の情感たっぷりの鍵盤捌きに寄り添うようにプレイするスカパラの面々。そんな圧巻の演奏にオーディエンスは固唾を飲む。少しの切なさをはらみながら展開していくサウンドに酔いしれていると、小気味のいいサウンドが耳に届く。最後はスカパラらしい2曲でライブは幕を閉じる。「Dale Dale! ~ダレ・ダレ!~」、「DOWN BEAT STOMP」で起こる最大級のコール&レスポンスとシンガロング。会場にいる全員を味方にして、極上のスカサウンドを提示するスカパラ。そんなサウンドに乗せられて、手拍子する人、踊ってしまう人、Billboard Live TOKYOには最高の景色が広がっていた。
「めっちゃ楽しかった!」と谷中がライブを締めると、再びクリスがステージへ。興奮気味に感謝と称賛の言葉伝えると、「桜色の衣装を着用されている皆さんですが、まさにJ-WAVEとスカパラは同期の桜といった感じで!」とトーク。最後には、ショートインタビューを敢行し、デビューから35年経った現在の姿をどう感じていますか?という問いに谷中は「今の姿は全く想像つかない。あっという間でしたというにはあまりにいろんなことがあった35年。こうやってやらせてもらえること自体幸せだなと。年々仕事が忙しくなってるので、年齢ともにラクしようと思っていたら、逆になってきていて大丈夫かなって思ってる(笑)」と回答。また、6月6日~7月31日に行われるツアー、そして11月16日(土)には、阪神甲子園球場で「35th Anniversary Live スカパラ甲子園」開催についても触れ、会場は大きな歓声で包まれた。最後は谷中の熱いメッセージで特別な夜は幕を閉じた。
(文:笹谷淳介/写真:荒金大介)
【番組概要】 放送局:J-WAVE(81.3FM)
番組名:SAISON CARD TOKIO HOT 100
放送日時:毎週日曜13:00~16:54
ナビゲーター:クリス・ペプラー
番組HP:http://www.j-wave.co.jp/original/tokiohot100/
【授賞式概要】
タイトル:J-WAVE SAISON CARD TOKIO HOT 100 AWARD
日程: 2024年3月20日(水・祝)
開催場所: Billboard Live TOKYO
MC: クリス・ペプラー
HP: https://www.j-wave.co.jp/jlc/jme/entry/enquete/tokioaward2024
ラジオでは、3月24日(日)放送の番組『SAISON CARD TOKIO HOT 100』(13:00~16:54)内でも授賞式の模様をオンエア。radikoタイムフリー機能で3月31日(日)まで聴取可能。
【『SAISON CARD TOKIO HOT 100』radikoタイムフリー】
Part1:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20240324130000
Part2:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20240324150000
imase、国内外での活躍+楽曲提供&プロデュースが評価
J-WAVEの番組『SAISON CARD TOKIO HOT 100』ナビゲーターのクリス・ペプラーが、本授賞式の司会進行を務める。早速、彼の呼び込みで最初のプレゼンターとして、月曜から木曜の夕方4時からオンエア中の『GRAND MARQUEE』のナビゲーターを務める、タカノシンヤとCeleina Annが登場し、「BEST BUZZ OF 2023」の発表へ。この賞は、インターネットやSNSでバズったアーティストに贈られるもの。新しい学校のリーダーズ、imase、10-FEET、NewJeans、YOASOBIの5組がノミネートされた。その中から受賞したのは、パンデミック中にデビューし、2022年リリースの楽曲「NIGHT DANCER」が昨年に入ってから各配信プラットフォームのグローバルチャートでも上昇、一躍メインストリームに駆け登ったimase。日本だけでなく韓国をはじめとする海外でも人気を博した彼は、LE SSERAFIMへの楽曲提供&プロデュースでも話題になったことが受賞のポイントとなった。imaseは「本当に素敵な賞をいただけて、光栄に思います。また賞をもらえるように気を引き締めて、今年も頑張ろうと思います」とあいさつ。そして今夜は彼の受賞を記念し、スペシャルなライブパフォーマンスを披露するというサプライズも。ステージの準備が整うまでクリス・ペプラーがimaseへショートインタビューを敢行。以前番組に出演した際に「セクシーになる」と公言していたというimaseに対し、「なったじゃん!」と彼の成長を讃えるクリス。「『NIGHT DANCER』のBUZZに気づいたタイミングは?」という問いにimaseは、「SNSなどでダンスを踊ってくれる方が増えたときに実際に多くの方がこの曲を聴いてくれていると実感した」と回答。また、5月に初のCDとしてファーストアルバムをリリースすることについても聞くと、「自分にとって名刺代わりになるものだと思うので、やっとリリースることができてすごく嬉しい」と話した。ライブでは、「NIGHT DANCER」と「ミッドナイトガール」の2曲を披露したimase。バックダンサー5人を引き連れたこの日ならではのライブパフォーマンスでは、その唯一無二の歌声とスキルフルなパフォーマンスを存分に披露し、会場を大いに盛り上げた。ライブ後は「ありがとうございます!」とオーディエンスに手を振ってステージを後にした。
sumikaとMÅNESKIN、ライブへの評価に喜びの声
J-WAVEで『STEP ONE』のナビゲーターを務めるサッシャとノイハウス萌菜をプレゼンターに迎え発表されたのは、「BEST PERFORMANCE OF 2023」。この賞は、2023年に日本で話題となったライブや、ステージ・パフォーマンスが印象的だった国内・海外のアーティスト各1組に贈られるもの。海外アーティスト部門では、BLACKPINK、Coldplay、HARRY STYLES、MÅNESKIN、RED HOT CHILI PEPPERSの錚々たる5組がノミネートされ受賞したのはMÅNESKIN。ここ数年ロックバンドがヒットを飛ばせない状況下の中でシーンを存分に盛り上げた彼ら。昨年12月のJAPANツアーでは4公演全てがソールドアウト! そして今年のSUMMER SONICではヘッドライナーを務めることが決定しており、クリス、サッシャ、ノイハウス萌菜の3人は興奮気味に彼らの魅力をトークした。会場には、ボーカルのダミアーノ・ダヴィドの受賞メッセージ動画が流れ、会場を沸かせた。映像の中でダミアーノは、「ベストパフォーマンス賞に選ばれてとても嬉しい。いつも応援ありがとう。また日本に行くことを楽しみにしているよ、またね!」とコメントを寄せていた。株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ ソニー・ミュージックジャパンインターナショナルマーケティング2部1課 奥平裕紀が登壇し、MÅNESKINに代わり、トロフィーを受け取った。
これからの活躍が期待されるTOMOO
「BEST SONAR TRAX OF 2023」の発表には、『JAM THE PLANET』でナビゲーターを務めるグローバーが登場。この賞は、J-WAVEが注目するアーティストの楽曲「SONAR TRAX」の中で特に反響の多かった注目アーティストに贈られる。ノミネートされた5組はこれからの音楽シーンを担うであろうアーティストばかり。新東京、TOMOO、Hana Hope、Haruy、Mina Okabeの中から選ばれたのは、TOMOO。10月のSONAR TRAX「Super Ball」は、TOKIO HOT 100 12月24日付けチャートで最高2位を記録。また彼女はミュージシャンの間でも評価されていることに触れ、Official髭男dism・藤原 聡、Vaundy、マカロニえんぴつ・はっとりなども注目する、次世代を担うシンガーソングライターと紹介された。グローバーは「歌声やメロディセンス、表現で、口コミがすごいことになっていますよね!」と称賛。現在の気持ちを聞くとTOMOOは「本当にたくさん届けていただいたこと、聴いていただいたことが嬉しいです。今残せるのはコレだという本物の情熱でできた曲なので、2重3重で嬉しい。感謝して頑張りたいと思います」とあいさつ。東京スカパラダイスオーケストラ、35年にわたる精力的な活動を称えて
「おはようモーニング!」でお馴染み、『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』を担当、 別所哲也がプレゼンターとして発表するのは「J-WAVE 35th Anniversary AWARD」。この賞は、J-WAVE開局35周年を記念した特別賞として、35年間のチャートに数々のヒットソングを送り込んだアーティストに贈られるもの。受賞したのは、東京スカパラダイスオーケストラ。ステージには、NARGO(Trumpet) ・谷中敦(Baritone Sax) ・茂木欣一(Drums)の3人が登壇。別所は、受賞の背景に触れ、「実はスカパラとJ-WAVEはほぼ同期。東京スカパラダイスオーケストラの35年の精力的な活動実績、ジャンルを超えたボーダーレスなコラボレーションを次々と実現させたチャレンジ精神、そして日本で“スカ”という音楽ジャンルを広め定着させた功績を称えさせていただきました」と熱量たっぷりに話した。メンバーを代表して谷中は「スカパラのメンバー、それぞれの家族、今日を支えてくれているスタッフ、そしていつも追い続けてくれるファンの方々に最大限の感謝を捧げたいです。ありがとうございます」とあいさつ。続けて、「何がカッコいいか、何が面白いかというのは時代によってどんどん変わっていくもの。だから何が面白いかを探し続ける35年間だったと思います。これからもあいつら面白いことをやっているなと言われるような活動をしていこうと思うので、何卒よろしくお願いします」と締め括った。NewJeansが2冠達成
「SAISON CARD TOKIO HOT 100 AWARD」最後の賞は、MCを務めるクリス・ペプラーより発表される「DIRECTOR’S CHOICE OF 2023」。この賞は、J-WAVEの番組制作に携わる全ディレクターの投票によって決定されたもの。受賞したのは、NewJeansの「DITTO」だ。正確には、2022年12月に配信リリースされた本楽曲だが、リリース後すぐにオンエアされ、翌2023年の1月第2週には最高ポジション2位を記録しチャートイン通算50週を超えるスーパーロングヒット。驚くのは、現在もまだチャートインしているということだ。そしてNewJeansは、今年元日にオンエアされた特番『J-WAVE NEW YEAR SPECIAL SAISON CARD TOKIO HOT 100 THE ANNUAL COUNT DOWN SLAM JAM 2023』で、2023年の年間チャート1位が確定し「BEST SONG OF 2023」も受賞。「TOKIO HOT 100 AWARD」2冠を達成した。会場には、NewJeansのMINJI、HANNI、DANIELLE、HAERIN、HYEINによる喜びの声が流れた。動画内で彼女たちは「私たちの音楽を愛し、たくさん聴いてくださる方々に感謝の気持ちを伝えたいです」とコメント。また1位を獲得したことは想像もしてなかったと話し、熱意を込めた楽曲であり努力の結果だとも話した。2023年、日本での思い出については、「メンバーと代表と観光をしてショッピングしたこと、そして夏に出演したSUMMER SONICは忘れられない思い出です」とHANNIが語った。動画の最後には今年の目標として、「もっと努力して成長した姿を見せたい」、「Bunniesの皆さんとお会いして素敵な時間を過ごしたい」、「メンバーたちと一緒に旅行をしたり、たくさん経験をして学ぶことの多い1年にしたい」と抱負を語った。HYBE JAPAN CEOのハン・ヒョンロックがメンバーに代わり、トロフィーを受け取った。
東京スカパラダイスオーケストラによる、スペシャルライブ
第一部が幕を閉じ、しばしの休憩の後スタートした「SAISON CARD TOKIO HOT 100 AWARD」第二部では、東京スカパラダイスオーケストラのオンステージ。MCのクリス・ペプラーが改めて、スカパラとJ-WAVEの関係について語る。スカパラのデビューは1989年、J-WAVEは1988年の12月が開局ということでほぼ同期。長年の間、縁を繋いできた両者だが、この度J-WAVEは彼らの功績を讃え、「J-WAVE 35th Anniversary AWARD」を贈ったのだった。「ここからたっぷりエンジョイしていただきます!」とクリスが口火を切ると、会場に流れ始めるSE「るろうの形代」。会場に集まったオーディエンスは歓声を上げ、手拍子を始める、ムーディーな桜色の照明がステージを照らす中、静かにメンバーがステージへ登場。東京スカパラダイスオーケストラのスペシャルなライブは「Walkin'」からキックオフした。ライブ冒頭からスキルフルなソロプレイを魅せつける面々。NARGOのトランペット、のトロンボーン、先ほどまでの授賞式ムードは何処へやら、圧倒的なサウンドでオーディエンスの心を鷲掴みしている。スタートからフルボルテージで「Walkin'」を終えると、続くは大森はじめがハンドマイクでセンターに立ち奏でる「スキャラバン」。ステージを縦横無尽に移動しながら、会場の一体感を作り上げるスカパラのメンバー。演奏をしながらスカダンを繰り出し、ステージにいるメンバーがいちばんこの最高な事象を楽しんでいる様子。そんな姿を観て、オーディエンスも呼応するかのように拳を高く突き上げ、彼らの音楽の世界へのめり込んでいく。
2曲を立て続けに演奏すると、谷中敦が口を開く。「エンジョイしてますか? コロナも去って、こうやって一緒に楽しめる世の中になりましたね! 声を出す練習をしよう!」と発すると、オーディエンスは「オーー!」と声を上げる。そんな姿を見て、嬉しそうな谷中。「クリスさんに観てもらえるのも嬉しい。今夜は、パラダイスを感じてもらいますよ!」と始まった、最新曲「The Last Ninja」。加藤隆志の圧巻のギターソロに圧倒されるオーディエンス。会場の熱がどんどん上昇していくのが肌で分かる。管楽器隊とギター、ベースが一列に並び、曲の最後にはポージング。セクシーかつクールなその立ち姿に会場は感嘆の声を漏らす。間髪を入れずに始まった「Wild Cat」では、腕が取れてしまうのではないかと思うくらいに腕を上下させるオーディエンス。メンバーはそんなオーディエンスに応えるように音を奏でている。手拍子が鳴り止まない会場。暗転しても光る北原のオレンジ色のシャツに目を奪われてしまいそうになりながらも、ライブは「La Noche」、「White Light」と極上のセットリストで進行していく。
GAMOがマイクを持ち「みんなの声がもっと聴きたいな!」とオーディエンスを煽ると、「Paradise Has No Border」のお馴染みのフレーズが会場に響き渡り、会場はこの日いちばんの歓声に包まれた。GAMOは「皆さん最高だ! ビルボードでもいつものやつをやっちゃいます! 最高にハッピーな気分を俺たちにアピールしてみてください! どこがいちばん盛り上がっているんだ!」とスカパラの鉄板コースへ。オーディエンスが大きな声を聞かせる中、「そんなもんじゃまだいけねえな! もっと!」と煽り続けるGAMO。その声に呼応して大歓声が生まれる会場。スカパラしか生み出すことのできないこの一体感。「HEY!」の合図で、観客は拳を突き上げていた。っていた。「最高だぜ!」とライブアンセムを披露し終わると、ステージの中心にはアコーディオンを持った沖祐市の姿があった。
優しい光が彼を照らすと、沖は口を開く。「スカパラもちょうど35周年を迎えます。とても嬉しく思います」と優しい語り口でMCが始まると、これまでの思い出を回顧しながら、アルバイト中に開局したばかりのJ-WAVEを聴いていたと話す。「春のイメージあるJ-WAVE、新たな息吹を感じることができる」と話したのち、スタートした「君と僕」。この曲は、デビューアルバム『スカパラ登場』(1990年)の最後に収録される楽曲。口笛とアコーディオン、そして柔らかい光が差し込むステージ。なんともエモーショナルな雰囲気が漂う、会場。曲の途中からは、管楽器のメンバーが沖を囲むようにステージへ登場し、優しいサウンドをオーディエンスの耳へ届けている。センチメンタルな雰囲気をかき消すように場内に響く、「81.3 J-WAVE」というジングル。スカパラの粋な演出に会場には笑みが溢れる。
多幸感が広がる会場で茂木欣一が口を開く「開局から、そして今も日頃、J-WAVEを聴かせてもらっているので、感謝の気持ちを込めて名前は茂木欣一.3でいきたいと思います!」という愛のこもったMC。今日は胸熱だったと話す茂木は、「別所さんとサッシャさんとクリスさんが一同に介しているのは僕的にはフェスですね!」と会場を沸かせる。そんなJ-WAVE愛に溢れたMCの後に披露されたのは、「倒れないドミノ」。ちょうど4年前、我々が経験したパンデミック。全ての人間がつらかったあのとき、何かできないかと2020年の3月にスタジオに入り制作したこの楽曲。TOKIO HOT 100チャートで4週連続1位を獲得したこともあると茂木は話す。〈春が来るだろう 遠くないだろう〉と歌詞にはあるけれど、ようやく春が来た。確かにあの時期はつらく、大変な期間。しかし、あのときに蒔いた種が今こうして、花を咲かせていると思うと、非常に感慨深い。スカパラが4年前に制作した「倒れないドミノ」をこの特別な空間でオーディエンスとともに音を奏で、歌う、こんな幸せなことはない。きっと会場にいる全員がそう思ったはずだ。
続けて披露された、「Pf~水琴窟 -SUIKINKUTSU-」ではステージ後ろの幕が開き、都会の夜景とスカパラを堪能できる空間へと変化、沖の情感たっぷりの鍵盤捌きに寄り添うようにプレイするスカパラの面々。そんな圧巻の演奏にオーディエンスは固唾を飲む。少しの切なさをはらみながら展開していくサウンドに酔いしれていると、小気味のいいサウンドが耳に届く。最後はスカパラらしい2曲でライブは幕を閉じる。「Dale Dale! ~ダレ・ダレ!~」、「DOWN BEAT STOMP」で起こる最大級のコール&レスポンスとシンガロング。会場にいる全員を味方にして、極上のスカサウンドを提示するスカパラ。そんなサウンドに乗せられて、手拍子する人、踊ってしまう人、Billboard Live TOKYOには最高の景色が広がっていた。
「めっちゃ楽しかった!」と谷中がライブを締めると、再びクリスがステージへ。興奮気味に感謝と称賛の言葉伝えると、「桜色の衣装を着用されている皆さんですが、まさにJ-WAVEとスカパラは同期の桜といった感じで!」とトーク。最後には、ショートインタビューを敢行し、デビューから35年経った現在の姿をどう感じていますか?という問いに谷中は「今の姿は全く想像つかない。あっという間でしたというにはあまりにいろんなことがあった35年。こうやってやらせてもらえること自体幸せだなと。年々仕事が忙しくなってるので、年齢ともにラクしようと思っていたら、逆になってきていて大丈夫かなって思ってる(笑)」と回答。また、6月6日~7月31日に行われるツアー、そして11月16日(土)には、阪神甲子園球場で「35th Anniversary Live スカパラ甲子園」開催についても触れ、会場は大きな歓声で包まれた。最後は谷中の熱いメッセージで特別な夜は幕を閉じた。
(文:笹谷淳介/写真:荒金大介)
【番組概要】 放送局:J-WAVE(81.3FM)
番組名:SAISON CARD TOKIO HOT 100
放送日時:毎週日曜13:00~16:54
ナビゲーター:クリス・ペプラー
番組HP:http://www.j-wave.co.jp/original/tokiohot100/
【授賞式概要】
タイトル:J-WAVE SAISON CARD TOKIO HOT 100 AWARD
日程: 2024年3月20日(水・祝)
開催場所: Billboard Live TOKYO
MC: クリス・ペプラー
HP: https://www.j-wave.co.jp/jlc/jme/entry/enquete/tokioaward2024