J-WAVEでは2024年の毎週末、ラジオ番組『LA LANTERNE D'HERMÈS』をオンエアしている。
この番組は、エルメスの年間プロジェクト「ランタンエルメス」をラジオやPodcastなど通じて盛り上げるためにスタートした。「ランタンエルメス」は、エルメスの年間テーマである「フォーブルの魂」のスピリットを受け継ぐ銀座メゾンエルメスがメディアとなり、毎月のテーマに沿った新鮮なプログラムを展開している。
2月には、銀座メゾンエルメスでの公開収録も実施。2月のテーマは「JUKEBOX」で、銀座メゾンエルメスに特製のジュークボックスも展示された。ここでは公開収録二登場した、羊文学の塩塚モエカ(Vo, Gt)、音楽家の蓮沼執太のトークを紹介する。ナビゲーターはクリス智子。
・ポッドキャストページ
その魂を受け継ぐ銀座メゾンエルメスは、エルメスが日本の顧客を迎えるべく設けた「メゾン(家)」。ここに置かれたLP再生専用のジュークボックスで、エルメスが提供する音楽の世界に浸ることができる。近年、ジュークボックスを見かける機会は激減してしまったが、塩塚と蓮沼は触れた経験はあるのだろうか?
塩塚:沖縄に行ったときに、オールド雑貨が置いてあるお店にあって、コインを入れて、曲を流したことがあります。内臓された7インチシングル盤からの選曲でしたけど、それがジュークボックスの初体験でした。映画やドラマの中で見たことがありましたが、本物を見たのはそのときが初めてです。
詳しい友だちが一緒にいた中で、私は「やっていいですか?」と、ソワソワしながら再生ボタンを押しました。音も良くて、楽しい体験だったと記憶しています。
蓮沼:よく行っていたボウリング場にジュークボックスが置いてありました。それで曲を選ぶと、みんなのためのBGMになったわけです。なので、わざと変な曲をかけて、場の空気を乱すようなことをしていましたね。みんなの成績を下げることが狙いだったんです(笑)。
逆の体験でいうと、ほかの方がかっこいい曲を流してくれて、自分自身の気持ちが盛り上がった記憶もあります。
塩塚:私が選んだのは、MAYA HAWKE(マヤ・ホーク)というシンガーソングライターのアルバム『MOSS』という作品です。女優としても活動されていて、『ストレンジャー・シングス』にも出演しています。フォーキーな雰囲気の作品で、ゆったりと楽しむことができ、最近よく聴いているので、選びました。
レコード屋さんとか、CDショップに行って、試聴機に入っている作品を聴いたりする中で好きな作品に出会うことが多いんですけど、『MOSS』は大阪でよく行っている「FLAKE RECORDS」というショップで発見しました。
一方、蓮沼がセレクトした作品は?
蓮沼:ご存命ではないアーティストですが、吉村弘さんの『GREEN』という作品を選びました。1986年に作られたアルバムです。日本のアンビエントミュージックのパイオニアと知られるような方で、特に寝るときとかに、聴きたくなるようなサウンドです。
塩塚:私もお風呂に入るときに聴いています。
蓮沼:必需品ですよね。お亡くなりになったあと、吉村さんのスタジオにお伺いする機会があって、いろいろ資料を見させていただいたんですけど、未発表の音源もけっこうあって、すごくいい時間を過ごすことができました。
蓮沼:僕はわりと明るいものよりも、暗いものが好きなんです。谷崎潤一郎が好きな影響か、ピカピカな世界というよりかは、少し薄暗い世界の方が良く見えるというか。要はそういう雰囲気が好きなんですね。真っ白な世界というより、薄暗い世界が好き。そういった世界観は作り出す作品に、どこか共通しているかもしれません。
塩塚:私はけっこう、歌詞に「光」とか入っています。光のイメージは、中心から周りに向かって、パワーを広げていくようなもの。銀座メゾンエルメスも昼間は周りの方が明るいけれど、夜になると「発光しているように見える」と聞きました。まさにこのビル自体が、ランタンとなって、銀座という街を照らしているんだなと。素敵だなと感じました。
そんな銀座メゾンエルメスにて、塩塚と蓮沼はライブもおこなった。
蓮沼:地下一階のスペースでライブをしたんですが、そのフロアの床面積の半分以上に楽器が置かれていました。そんな光景は今まで、誰も見たことがないと思うので、それだけでも必見かと思います。一生懸命、演奏しました。
塩塚:今日はビル中、音楽で埋め尽くされていたので、私も頑張って歌いました。聴いてくれるとうれしいです。
二人のセッションの様子をおさめた動画は「ランタンエルメス」特設サイトに掲載されている。
また、蓮沼は、エルメスによるドキュメンタリームービー『HUMAN ODYSSEY それは、創造を巡る旅。』の7つのエピソードの音楽を制作している。
蓮沼:映像を観ながら作った作品もあるし、真摯にものづくりと向かい合うクリエイターを追ったドキュメンタリー映像だったので、その方々の作品を見させてもらいながら作りました。僕も音楽家なので、音楽の作り手のひとりとして、堂々と参加したいという思いで携わりました。
J-WAVEが手がけるエルメスの番組『LA LANTERNE D'HERMÈS』は、毎週土曜と日曜の16:58、17:58にオンエア。また、「ランタンエルメス」特設サイトでは、そのほかのコンテンツも展開中だ。3月は「JUMPING」をテーマにお届けしている。
(構成=中山洋平)
この番組は、エルメスの年間プロジェクト「ランタンエルメス」をラジオやPodcastなど通じて盛り上げるためにスタートした。「ランタンエルメス」は、エルメスの年間テーマである「フォーブルの魂」のスピリットを受け継ぐ銀座メゾンエルメスがメディアとなり、毎月のテーマに沿った新鮮なプログラムを展開している。
2月には、銀座メゾンエルメスでの公開収録も実施。2月のテーマは「JUKEBOX」で、銀座メゾンエルメスに特製のジュークボックスも展示された。ここでは公開収録二登場した、羊文学の塩塚モエカ(Vo, Gt)、音楽家の蓮沼執太のトークを紹介する。ナビゲーターはクリス智子。
・ポッドキャストページ
塩塚と蓮沼が明かす、ジュークボックスの体験
エルメスの年間テーマ「フォーブルの魂」は、パリ、フォーブル=サントノーレ24番地にあるエルメス第1号店に由来している。その魂を受け継ぐ銀座メゾンエルメスは、エルメスが日本の顧客を迎えるべく設けた「メゾン(家)」。ここに置かれたLP再生専用のジュークボックスで、エルメスが提供する音楽の世界に浸ることができる。近年、ジュークボックスを見かける機会は激減してしまったが、塩塚と蓮沼は触れた経験はあるのだろうか?
塩塚:沖縄に行ったときに、オールド雑貨が置いてあるお店にあって、コインを入れて、曲を流したことがあります。内臓された7インチシングル盤からの選曲でしたけど、それがジュークボックスの初体験でした。映画やドラマの中で見たことがありましたが、本物を見たのはそのときが初めてです。
詳しい友だちが一緒にいた中で、私は「やっていいですか?」と、ソワソワしながら再生ボタンを押しました。音も良くて、楽しい体験だったと記憶しています。
蓮沼:よく行っていたボウリング場にジュークボックスが置いてありました。それで曲を選ぶと、みんなのためのBGMになったわけです。なので、わざと変な曲をかけて、場の空気を乱すようなことをしていましたね。みんなの成績を下げることが狙いだったんです(笑)。
逆の体験でいうと、ほかの方がかっこいい曲を流してくれて、自分自身の気持ちが盛り上がった記憶もあります。
ゆったり楽しめる楽曲をセレクト
イベントの中では塩塚が選んだ楽曲をジュークボックスで流す一幕も。どんな作品をセレクトしたのか?塩塚:私が選んだのは、MAYA HAWKE(マヤ・ホーク)というシンガーソングライターのアルバム『MOSS』という作品です。女優としても活動されていて、『ストレンジャー・シングス』にも出演しています。フォーキーな雰囲気の作品で、ゆったりと楽しむことができ、最近よく聴いているので、選びました。
レコード屋さんとか、CDショップに行って、試聴機に入っている作品を聴いたりする中で好きな作品に出会うことが多いんですけど、『MOSS』は大阪でよく行っている「FLAKE RECORDS」というショップで発見しました。
一方、蓮沼がセレクトした作品は?
蓮沼:ご存命ではないアーティストですが、吉村弘さんの『GREEN』という作品を選びました。1986年に作られたアルバムです。日本のアンビエントミュージックのパイオニアと知られるような方で、特に寝るときとかに、聴きたくなるようなサウンドです。
塩塚:私もお風呂に入るときに聴いています。
蓮沼:必需品ですよね。お亡くなりになったあと、吉村さんのスタジオにお伺いする機会があって、いろいろ資料を見させていただいたんですけど、未発表の音源もけっこうあって、すごくいい時間を過ごすことができました。
「優しい灯り・光」に、ふたりが思うこと
銀座メゾンエルメスは、2024年を通して「ランタンエルメス」というプロジェクトを展開していく。ランタンのような優しい灯り・光についての印象は?蓮沼:僕はわりと明るいものよりも、暗いものが好きなんです。谷崎潤一郎が好きな影響か、ピカピカな世界というよりかは、少し薄暗い世界の方が良く見えるというか。要はそういう雰囲気が好きなんですね。真っ白な世界というより、薄暗い世界が好き。そういった世界観は作り出す作品に、どこか共通しているかもしれません。
塩塚:私はけっこう、歌詞に「光」とか入っています。光のイメージは、中心から周りに向かって、パワーを広げていくようなもの。銀座メゾンエルメスも昼間は周りの方が明るいけれど、夜になると「発光しているように見える」と聞きました。まさにこのビル自体が、ランタンとなって、銀座という街を照らしているんだなと。素敵だなと感じました。
そんな銀座メゾンエルメスにて、塩塚と蓮沼はライブもおこなった。
蓮沼:地下一階のスペースでライブをしたんですが、そのフロアの床面積の半分以上に楽器が置かれていました。そんな光景は今まで、誰も見たことがないと思うので、それだけでも必見かと思います。一生懸命、演奏しました。
塩塚:今日はビル中、音楽で埋め尽くされていたので、私も頑張って歌いました。聴いてくれるとうれしいです。
また、蓮沼は、エルメスによるドキュメンタリームービー『HUMAN ODYSSEY それは、創造を巡る旅。』の7つのエピソードの音楽を制作している。
蓮沼:映像を観ながら作った作品もあるし、真摯にものづくりと向かい合うクリエイターを追ったドキュメンタリー映像だったので、その方々の作品を見させてもらいながら作りました。僕も音楽家なので、音楽の作り手のひとりとして、堂々と参加したいという思いで携わりました。
J-WAVEが手がけるエルメスの番組『LA LANTERNE D'HERMÈS』は、毎週土曜と日曜の16:58、17:58にオンエア。また、「ランタンエルメス」特設サイトでは、そのほかのコンテンツも展開中だ。3月は「JUMPING」をテーマにお届けしている。
(構成=中山洋平)
番組情報
- LA LANTERNE D'HERMÈS
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毎週土曜・日曜16:58-、17:58-