日向坂46小坂菜緒が語る、「常にアイドルでいる」幸福感。ファンを幸せにしたい気持ちを原動力に

アイドルのみならず、女優、ファッションモデルなど幅広く活躍する、日向坂46メンバーの小坂菜緒。彼女が週に1回声を届けるラジオ番組が、J-WAVE『SONYSONPO QUEST FOR THE FUTURE』(毎週金曜24:00-24:30)だ。

毎週テーマを決めて"はじめて”の視点も加えながらトークする同番組。テーマには「ファッション」「ゲーム」「高校野球」など、小坂の好きなものや趣味が設定されることも多く、話に熱が帯びて、テレビなどではなかなか見られない意外な一面があらわになることも少なくない。今回、ラジオで発信することにどんな意義を感じているのか、また、アイドル活動へのモチベーション、今後のビジョンなどについて、幅広くインタビューした。

ラジオの現場はリラックス「もはや家みたい」

――2023年10月6日からスタートした『SONYSONPO QUEST FOR THE FUTURE』ですが、まずはここまで収録してみての感想を聞かせてください。

番組では、私のやりたいことや知りたいことをテーマに設定いただくことも多く、私の「好き」を掘り下げながらリスナーの方にお届けできるので、いつも楽しく取り組んでいます。とはいえ、初回の収録はすごく緊張しました。一人でラジオをするのが久しぶりだったこともあって、「どんなふうに進めていくんだろう……」と探り探りだったのですが、2回目の収録からはリラックスして臨めました。今では、収録の合間にスタッフさんたちと「最近どんなことがあったか」とか他愛もない雑談をする機会も増えて、もはや家みたいな感じです(笑)。

――リスナーさんからは「声が癒される」と評判のようですね。

そう言っていただけて、すごく幸せです。正直なところ、今までは自分の声があまり好きではなかったんです。でも、『SONYSONPO QUEST FOR THE FUTURE』を始めてから「癒される」「菜緒ちゃんの声、好きだよ」と言ってくれる人が本当にたくさん増えて、ちょっとずつ自信を持てるようになりました。

饒舌さが「意外」と驚かれることも

――番組ではこれまで様々なテーマに基づいたトークを展開してきましたが、ご自身の中で特に「気持ちが乗った」と感じたのはどの回ですか?

私の地元である大阪をテーマにした回と、趣味の「読書」をテーマにした回です。今振り返ると、信じられないくらい饒舌になっていた気がします。好きなことへの熱量からか、スタッフさんたちから「早口になっているよ」と注意されたくらいです(笑)。

――たしかに番組を拝聴していると、高い熱量で話されていることが多い印象を受けます。テレビなどではクールな印象もあるので、今まで知らない一面を知ったという人も多いのではないでしょうか?

そうですね。「こんなにしゃべる子だったんだ」と驚かれることが増えました。『SONYSONPO QUEST FOR THE FUTURE』をきっかけに私のことを知り、感想を伝えるためにミート&グリート(個別トーク会)に来てくださる方や、日向坂46には好きなメンバーのメッセージを定期購読できる「メッセージアプリ」というものがあるんですけど、「ラジオを聴いて菜緒ちゃんのメッセージを登録しました」と言ってくださる方もいて。そんなふうに、実際にこのラジオを通して日向坂のファンが増えている実感があって、すごくうれしいです。

いつか公開収録で感謝を直接伝えたい

――日向坂46にはラジオパーソナリティーをしているメンバーが多いですよね。また、グループの冠TV番組「日向坂で会いましょう」で長く共演しているオードリーさんもラジオ番組を持っています。ナビゲーターとして、こういった近しい方々の番組を参考にすることはあるのでしょうか?

参考というよりは、普通に楽しんで聴いています。特にオードリーさんの番組は眠れない夜などに聴いているのですが、一つの話から色々な含みを持たせつつ話が繋がっていくことが多く、いちリスナーとして楽しませていただいてます。私もそういう話し方ができたら、聴いている人をもっと楽しませられるんだろうなと思ったりもします。

――今後『SONYSONPO QUEST FOR THE FUTURE』で挑戦したことがあれば教えてください。

公開収録をしてみたいです。リスナーさんをお招きしてみなさんの目の前で声を届けたいですし、番組に届くメッセージには愛に溢れたものがとても多いので、感謝の気持ちを直接伝えたいという思いもあります。いつか叶えられたらうれしいです。

「ファンのことをずっと考えていられる」という幸福

――第12回「ゲーム」がテーマの回では「常にアイドルのことを考えて生活している」「『自分をどうやって見せよう、どういうふうにアイドルとして人前に立とう』と常にお仕事のことを考えて過ごしている」とお話しされていました。そういった高いプロ意識を持つようになったきっかけは何なのでしょうか?

グループ加入後、すぐに一期生の先輩たちと合流できたことが大きかったように思います。デビューして間もなくの頃から先輩たちと一緒に楽曲をパフォーマンスしたり、活動する機会がたくさんあったから、早い段階で「アイドルとしての自覚をちゃんと持たなきゃ!」という気持ちが芽生えました。それが今に繋がっている気がします。

――「常にアイドルのことを考えて生活する」というモチベーションは、どんなことから生まれますか?

そうやって過ごすことが楽しいんです。アイドルである以上、ファンのみなさんのことを常に忘れないようにしていたくて。たとえば、プライベートでお出かけしても、「この写真をブログに載せたらみんな喜んでくれるかな」と自然に考えます。四六時中アイドルとして生活することは、マイナスに捉えれば大変なことなのかもしれません。でも、プラスに捉えれば、いつもファンのみなさんのことを考えていられる幸福感があるんです。私は応援してくださる方々を喜ばせたいし、幸せにしたいという気持ちをずっと持ち続けていたい。きっと、そう考えている自分が好きで、そんなアイドルでいる自分が好きなんだと思います。

日向坂46の柱のような存在になりたい

――今年2024年は、小坂さんがアイドルとしてデビューしてから7周年の年です。現在21歳の小坂さんにとって人生の1/3をアイドルとして過ごしていることになりますが、改めて中学三年生から現在に至るまでのアイドル人生はどんな時間でした?

あまり意識していなかったんですけど、今そう言われて「すごいな」と思いました。「気付いたらそんなに経っていたんだ」という気持ちです。ほんとにこの7年、あっという間すぎて……。けやき坂46から日向坂46に変わったことが、つい最近のように感じられます。この7年、日向坂にもいろいろな変化がありました。特に2022年9月からは四期生が加わって大所帯になり、二期生である私は活動期間的にグループで上のほうになりました。大所帯になればなるほどグループの一体感を保つのが難しくなる面もあります。だからこそ最近は、日向坂を守りたいという思いが今まで以上に強くなり、自分が日向坂を支える、いわば柱みたいな存在になりたいと思うようになりました。

――では、この7年、アイドルの道を選んだことでどんな成長・変化がご自身の中にあったと思いますか?

あらゆることに向上心を持って取り組めるようになったと思います。昔は失敗が怖くて、挑戦することから逃げ続けていました。でも7年前、オーディションを受けるという挑戦からは逃げませんでした。あの時、一歩踏み出したおかげでアイドルになることができ、そこから「挑戦することも悪くないかも」と思えるようになり、どんどん前向きになっていった気がします。

――これからのアイドル人生において、グループ・個人としてどんなことを成し遂げたいか、野望を聞かせて欲しいです。

野望は……いっぱいあるんですけど、やっぱり、もっとたくさんの人に日向坂46を広めたいという思いが一番強いです。どんな活動を通してでも、このラジオを通してでも、本当にもっともっと日向坂の魅力を伝えたいし、「こんなメンバーがいる」ということを知ってほしいです。

――最後に、改めて『SONYSONPO QUEST FOR THE FUTURE』の注目ポイントを含めて、リスナーやファンの方へメッセージをお願いします。

日向坂46のメンバーがパーソナリティーを務めるラジオは、バラエティーのような楽しい雰囲気の番組が多くあります。その一方で『SONYSONPO QUEST FOR THE FUTURE』は、毎週金曜夜12時にオンエアされることもあって、緩やかな時間を感じていただけるような唯一無二の空気感があり、そこが強みではないかなと思います。

ラジオが好きな方など、私のことを知らない方にもどんどんこの番組を広めていきたいです。そして、いつも聴いてくださっている方にはちょっと見たことない私や、みなさんしか知らない私を見せていけるように頑張っていきますので、これからもぜひ聴いていただけたらうれしいです。

(取材・文=小島浩平)

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