主人公・真下わかばと関わる人たちが、次々と殺されていく──サスペンスホラー&ラブロマンス映画『Love Will Tear Us Apart』が、8月19日(土)から全国公開中。今年4月、「ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭」でワールドプレミア上映された作品だ。
主演を務めるのは、『サヨナラまでの30分』『藍に響け』などで注目された久保田紗友。物語のカギを握る役を、映画『はだかのゆめ』、連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』などに出演する青木 柚が務める。『サラバ静寂』『転がるビー玉』などの宇賀那健一監督がメガホンをとった。
“誰も見たことがない、究極の愛の形”を、美しい映像で描き出す同作。複雑な要素を持つ同作を、久保田と青木をどう演じたか。撮影の裏側のほか、「気合いを入れるときに聴く曲」やラジオについてなど、素顔にも迫った。(J-WAVE NEWS編集部)
久保田紗友:びっくり箱みたいな脚本だなと思いました。あと、監督はこれをコメディとして書いているのか、シリアスに書いているのかがわからなくて。だからこそ遊び甲斐があるというか、いろいろなアプローチができそうだなと思いました。
青木 柚:究極の愛という主軸はありつつ、突飛なことをしだす人がいたり、クスッと笑える要素もあって。テーマパークのようにいろいろな要素が詰まっていて、面白い脚本だなと思いました。
──久保田さんは真下わかば、青木さんは小林幸喜を演じる上で、それぞれをどのような人物だと捉えましたか?
久保田:わかばからは“弱い人ほど刀を隠し持っている”みたいな強さを感じました。家庭内で虐げられて育って、ずっと誰かに認められたい、愛されたいと思っているのですが、なかなか満たされなくてすごく苦しくて。そういう過酷な状況でも諦めないエネルギー、奥底に眠る闘争心を感じました。
──ご自身と似ていると感じた部分はありますか?
久保田:自分自身もあんまり人に悩みを話したりできないのでそこは似ている気がします。わかばは外から受ける苛立ちや寂しさといった負のストレスを蓄積して発散できずにいると思うので。わかばの場合は、だからこそそれが爆発したときの威力が大きいんですけど。私も悩みを話せずにいましたけど、最近は人に話せば意外と助けてくれるんだ、助けてくれる人はそばにいるんだということを感じられるようになったので、爆発することはないですけど。
──青木さんはいかがですか?
青木:僕が演じた役の核となる部分は、誰かに対する深い愛情。だからこそ悪意ではなく“そうせざるを得なかった”みたいなことが、この役には多く含まれているなと思いました。自分自身には当てはまらない感情もあり、なかなか簡単には共感できない部分もあったのですが、撮影中はしっかり役の思考に寄り添うことを大事にしました。行動だけだと一面的にしか見えないけど、心を深掘りしていくと、いろんなことが積み重なったうえでのあの行動で。とはいえ、難しい役どころでした。
──おっしゃる通り難しい役どころだったと思いますが、この役を掴めるようになったのはいつ頃ですか?
青木:掴んだのかな……うーん。結果掴めたのかは自分には判断できないですが、現実として、この役を演じる俳優は僕一人しかいないわけで。一番近くにはいれたのではないかなとは思います。
──脚本を読んだ印象を伺った際に、お二人とも「いろいろな要素がある」とおっしゃっていましたが、この作品は本当に人によって、様々な受け取り方ができる映画だと思います。お二人自身は、この作品からどのようなものを受け取りましたか?
久保田:究極の愛、真実の愛って、本当に相手を守りたいかどうかなんだなって。すごく愛を感じましたね。
青木:本人同士にしかわからない愛の強さや目に見えない特別な繋がりというものがあるのだなということ、それが第三者から見たら残酷で面白おかしく見えることもあるということを感じました。演じる我々は一直線でしたけど、観客としてこの映画を第三者から見たときにそう感じました。
久保田:確かに演じているときは一直線でしたね。
青木:うん。やってるときはすごく真面目にやってたよね。
久保田:共演する前、お芝居にめちゃめちゃ厳しいストイックな方なのかなと思っていて……。
青木:それ、すごいいろんな人に言われる(笑)!
久保田:怖い方なのかなって思っていたんです。
青木:それもよく言われます(笑)。
久保田:実際ももちろんお芝居には厳しいというか、すごく真面目に取り組んでいて、現場に緊張感をもたらしてくれる存在ではあったのですが、すごく気さくな方で。モチベーションを高め合える存在でした。
青木:僕は久保田さんの出演する作品を以前から拝見していて「カッコいい」というイメージがあって、最初は。
久保田:「最初は」!?(笑)
青木:最後まで聞いて!(笑) で、会ったらちゃんとカッコいい人でした!
久保田:あー、よかったよかった!
青木:ですが、さっきも「人に悩みを話せない」と言っていましたし、強いだけじゃないのかなとも思うんです。きっと揺らいでいるような瞬間もあって、それが、わかばの心情と重なるというか。今回で知らない一面も見られた感じがしたので、また違う作品、違う役柄でも一緒にお芝居できたらいいなと思いました。
久保田:気合を入れるときは断然K-POP。踊れそうな曲を聴いてテンションをあげます。
──中でも特によく聴く曲を1曲挙げるなら?
久保田:BLACKPINKの「Tally」ですね。
──あわせて踊ったり?
久保田:心の中で踊ります(笑)。
青木:僕はMOROHAさんの「勝ち負けじゃないと思える所まで俺は勝ちにこだわるよ」と「tomorrow」。本多劇場で舞台をやっていたときは、映画『アイスと雨音』の中でMOROHAを聴いていたのと同じ場所に座ってイヤホンで聴いて気合を入れていました。
──ちなみにお二人は普段、ラジオは聴かれますか?
久保田・青木:聴きます!
──どんな時にどんな番組を?
久保田:歩いているときや移動中ですね。芸人さんがやられている番組だったり、自分が気になっているテーマを語り合っている番組だったり、好きなアーティストがやられている番組だったり。いろいろなジャンルの番組を聴いています。ラジオは自分で求めていかなくても情報を得られるので、思わぬ情報や予想外の情報が得られるところがすごく好きです。
青木:僕も好きなアーティストや気になる人の番組は聴きます。それこそJ-WAVEだと、SKY-HIさんがやっている「DIVE TO THE NEW WORLD」や松居大悟さんの「JUMP OVER」。家事をしているときや移動中にふらっと聴くことが多いですね。
──お二人ともラジオをよく聴かれているとのことなので、ぜひJ-WAVEの番組にもいらしてください!
久保田・青木:はい!
(取材・文=小林千絵、撮影=友野雄/久保田紗友担当=ヘアメイク:ナライユミ、スタイリスト:高橋 茉優/青木 柚担当=ヘアメイク:くつみ綾音、スタイリスト:Yoshie Ogasawara)
キャスト:
久保田紗友
青木柚 莉子 ゆうたろう
前田敦子(特別出演)/ 高橋ひとみ
田中俊介 麿 赤兒/ 吹越満
スタッフ:
監督:宇賀那健一
プロデューサー:當間咲耶香 宇賀那健一
共同プロデューサー/編集:小美野昌史
脚本:宇賀那健一 渡辺紘文 音楽:小野川浩幸 服部正嗣
撮影:岩倉具輝 照明:加藤大輝 録音:Keefar
美術:横張聡 助監督:平波亘 制作担当:宮司侑佑
スタイリスト:小笠原吉恵 ヘアメイク:くつみ綾音
スチール:柴崎まどか 特殊メイク/特殊造形:千葉美生 遠藤斗貴彦 VFX:若松みゆき
制作プロダクション:VANDALISM
配給:VANDALISM 配給協力:エクストリーム
コピーライト:Ⓒ『Love Will Tear Us Apart』製作委員会
2023年/87分/シネスコ/5.1サラウンド/DCP/カラー/R15+
主演を務めるのは、『サヨナラまでの30分』『藍に響け』などで注目された久保田紗友。物語のカギを握る役を、映画『はだかのゆめ』、連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』などに出演する青木 柚が務める。『サラバ静寂』『転がるビー玉』などの宇賀那健一監督がメガホンをとった。
“誰も見たことがない、究極の愛の形”を、美しい映像で描き出す同作。複雑な要素を持つ同作を、久保田と青木をどう演じたか。撮影の裏側のほか、「気合いを入れるときに聴く曲」やラジオについてなど、素顔にも迫った。(J-WAVE NEWS編集部)
びっくり箱みたいな脚本
──最初に『Love Will Tear Us Apart』の脚本を読んだときの印象を教えてください。久保田紗友:びっくり箱みたいな脚本だなと思いました。あと、監督はこれをコメディとして書いているのか、シリアスに書いているのかがわからなくて。だからこそ遊び甲斐があるというか、いろいろなアプローチができそうだなと思いました。
──久保田さんは真下わかば、青木さんは小林幸喜を演じる上で、それぞれをどのような人物だと捉えましたか?
久保田:わかばからは“弱い人ほど刀を隠し持っている”みたいな強さを感じました。家庭内で虐げられて育って、ずっと誰かに認められたい、愛されたいと思っているのですが、なかなか満たされなくてすごく苦しくて。そういう過酷な状況でも諦めないエネルギー、奥底に眠る闘争心を感じました。
<Ⓒ『Love Will Tear Us Apart』製作委員会>
久保田:自分自身もあんまり人に悩みを話したりできないのでそこは似ている気がします。わかばは外から受ける苛立ちや寂しさといった負のストレスを蓄積して発散できずにいると思うので。わかばの場合は、だからこそそれが爆発したときの威力が大きいんですけど。私も悩みを話せずにいましたけど、最近は人に話せば意外と助けてくれるんだ、助けてくれる人はそばにいるんだということを感じられるようになったので、爆発することはないですけど。
──青木さんはいかがですか?
青木:僕が演じた役の核となる部分は、誰かに対する深い愛情。だからこそ悪意ではなく“そうせざるを得なかった”みたいなことが、この役には多く含まれているなと思いました。自分自身には当てはまらない感情もあり、なかなか簡単には共感できない部分もあったのですが、撮影中はしっかり役の思考に寄り添うことを大事にしました。行動だけだと一面的にしか見えないけど、心を深掘りしていくと、いろんなことが積み重なったうえでのあの行動で。とはいえ、難しい役どころでした。
<Ⓒ『Love Will Tear Us Apart』製作委員会>
青木:掴んだのかな……うーん。結果掴めたのかは自分には判断できないですが、現実として、この役を演じる俳優は僕一人しかいないわけで。一番近くにはいれたのではないかなとは思います。
久保田:究極の愛、真実の愛って、本当に相手を守りたいかどうかなんだなって。すごく愛を感じましたね。
青木:本人同士にしかわからない愛の強さや目に見えない特別な繋がりというものがあるのだなということ、それが第三者から見たら残酷で面白おかしく見えることもあるということを感じました。演じる我々は一直線でしたけど、観客としてこの映画を第三者から見たときにそう感じました。
久保田:確かに演じているときは一直線でしたね。
青木:うん。やってるときはすごく真面目にやってたよね。
互いのイメージは「ストイック」「カッコいい」共演してみて
──久保田さんと青木さんは今回が初共演でしたが、共演したお互いの印象はどのようなものでしたか?久保田:共演する前、お芝居にめちゃめちゃ厳しいストイックな方なのかなと思っていて……。
青木:それ、すごいいろんな人に言われる(笑)!
久保田:怖い方なのかなって思っていたんです。
青木:それもよく言われます(笑)。
久保田:実際ももちろんお芝居には厳しいというか、すごく真面目に取り組んでいて、現場に緊張感をもたらしてくれる存在ではあったのですが、すごく気さくな方で。モチベーションを高め合える存在でした。
久保田:「最初は」!?(笑)
青木:最後まで聞いて!(笑) で、会ったらちゃんとカッコいい人でした!
久保田:あー、よかったよかった!
青木:ですが、さっきも「人に悩みを話せない」と言っていましたし、強いだけじゃないのかなとも思うんです。きっと揺らいでいるような瞬間もあって、それが、わかばの心情と重なるというか。今回で知らない一面も見られた感じがしたので、また違う作品、違う役柄でも一緒にお芝居できたらいいなと思いました。
気合いを入れるときに聴く楽曲は?
──J-WAVE NEWSは、音楽に力を入れるラジオ局のJ-WAVEが運営しています。お二人が気合いを入れるときに聴く曲があれば教えてください。久保田:気合を入れるときは断然K-POP。踊れそうな曲を聴いてテンションをあげます。
──中でも特によく聴く曲を1曲挙げるなら?
久保田:BLACKPINKの「Tally」ですね。
──あわせて踊ったり?
久保田:心の中で踊ります(笑)。
久保田・青木:聴きます!
──どんな時にどんな番組を?
久保田:歩いているときや移動中ですね。芸人さんがやられている番組だったり、自分が気になっているテーマを語り合っている番組だったり、好きなアーティストがやられている番組だったり。いろいろなジャンルの番組を聴いています。ラジオは自分で求めていかなくても情報を得られるので、思わぬ情報や予想外の情報が得られるところがすごく好きです。
青木:僕も好きなアーティストや気になる人の番組は聴きます。それこそJ-WAVEだと、SKY-HIさんがやっている「DIVE TO THE NEW WORLD」や松居大悟さんの「JUMP OVER」。家事をしているときや移動中にふらっと聴くことが多いですね。
──お二人ともラジオをよく聴かれているとのことなので、ぜひJ-WAVEの番組にもいらしてください!
久保田・青木:はい!
(取材・文=小林千絵、撮影=友野雄/久保田紗友担当=ヘアメイク:ナライユミ、スタイリスト:高橋 茉優/青木 柚担当=ヘアメイク:くつみ綾音、スタイリスト:Yoshie Ogasawara
『Love Will Tear Us Apart』作品情報
2023年8月19日(土)よりユーロスペースほか、全国順次公開キャスト:
久保田紗友
青木柚 莉子 ゆうたろう
前田敦子(特別出演)/ 高橋ひとみ
田中俊介 麿 赤兒/ 吹越満
スタッフ:
監督:宇賀那健一
プロデューサー:當間咲耶香 宇賀那健一
共同プロデューサー/編集:小美野昌史
脚本:宇賀那健一 渡辺紘文 音楽:小野川浩幸 服部正嗣
撮影:岩倉具輝 照明:加藤大輝 録音:Keefar
美術:横張聡 助監督:平波亘 制作担当:宮司侑佑
スタイリスト:小笠原吉恵 ヘアメイク:くつみ綾音
スチール:柴崎まどか 特殊メイク/特殊造形:千葉美生 遠藤斗貴彦 VFX:若松みゆき
制作プロダクション:VANDALISM
配給:VANDALISM 配給協力:エクストリーム
コピーライト:Ⓒ『Love Will Tear Us Apart』製作委員会
2023年/87分/シネスコ/5.1サラウンド/DCP/カラー/R15+