第13回小説現代長編新人賞を受賞した神津凛子による長編小説を実写映画化した『スイート・マイホーム』(9月1日公開)。そのジャパンプレミアが8月3日に都内映画館で実施され、主演の窪田正孝、共演の蓮佛美沙子、奈緒、磯村アメリ、そして齊藤工監督が参加した。
1台のエアコンで家全体を暖められるという「まほうの家」と呼ばれる念願のマイホームに引っ越したら最後、次々と奇妙で不可解な現象に襲われる……。日本での劇場公開を前に上海国際映画祭やニューヨーク・アジアン映画祭での上映に立ち会った齊藤監督。現地の様子を訊かれると「観客の皆さんの感情がストレートで、まるでアトラクションのように悲鳴が起こったりした。怯えてくれたり、思わぬところで笑いが起こったり。アトラクションとしてこの作品をふんだんに味わってくれて、この映画がどんなものなのかを教えてもらった気がした」と好感触を得ていた。すると6歳の子役・磯村は「めっちゃ怖かった~! 全部が怖いです!」と大きな声で恐怖予告をしていた。
愛する妻と幼い娘のために一軒家を購入する主人公・清沢賢二を演じた窪田は、俳優としての齊藤監督とは最多共演の仲だと明かし「そんな工さんが監督として描く世界で自由に動くことができるのは貴重な時間でしたが、不思議な感じもあった。一緒にやっていた20代の頃は自分も調子に乗っていたときがあったので恥ずかしい部分も……。でもそれも含めてぶつけたかった」とオファーを快諾したという。
そんな関係性も含めて窪田を抜擢したという齊藤監督。その一方で「主人公を窪田正孝さんが演じていただくのが一映画ファンとしての第一条件でした」と一人の俳優としても信頼しており「この原作の世界に太刀打ちできるのは生身の人間の表現だったりするので、僕なんかが太刀打ちできない枠の役者さんたちが集まってくれました」とオールスターキャスト集結に自信を得ていた。
賢二の妻で暖かい新居への移転を夢見ている清沢ひとみ役の蓮佛。夫・窪田について「醸し出している雰囲気や佇まいや現場での向き合い方が柔らかくて穏やか。その空気感に引っ張ってもらってひとみとして安心して隣にいさせていただきまし。怖くておぞましい作品ですが、幸せな現場でした」と信頼しきりだった。
賢二とひとみの長女・清沢サチ役の磯村は「磯村アメリ、6歳です」と指で6歳のマークを作りながら挨拶。それにつられる形で齊藤監督も「齊藤工です。もうすぐ42歳です!」と饒舌に挨拶した。このように磯村は無邪気な笑顔や発言で会場をほっこりとさせながら「撮影は楽しかった! (窪田が)肩車とかしてくれた!」と回想し、齊藤監督については「優しい! かっこよくて可愛くて優った!」とチャーミングな言い回しで笑いを誘った。
賢二たちの新居「まほうの家」の営業担当・本田役の奈緒は「齊藤組に入りたかったので今回参加が出来て良かった。撮影日数は少なかったけれど、組の穏やかな空気に包まれて楽しかったです」と感謝。
また本作のテーマにちなみ「我が家の秘密」をフリップに記入して発表。磯村は「カエル」と書いて「友だちからオタマジャクシをもらってカエルになったけれど一匹いなくなった。部屋のどこかにいるかもしれません。これは秘密です!」と詳細を説明。これに齊藤監督は「部屋にいるじゃなくて、いなくなった……怖いね」と意外にもイマジネーションを刺激されていた。
一方、齊藤監督は磯村に倣って「我が家の秘密」について「カエル」とボケながらも「謎の破裂音。家でパン!という音が時折する」と発表した。これに蓮佛は「え? 本当のやつ? 怖い」と怯えたが、その正体はなんと「酵母」だった!?
齊藤監督は「発酵食品で酵素ジュースを作っていて、発酵すると瓶の中の空気が破裂する。瓶の蓋を開けるなんて相当強い力だと思う」と解説。しかしこれにポカン顔だったのは6歳の磯村で「発酵? わからない。なんだろう?」と言葉が理解できなかった様子。すると齊藤監督は「要するに人間が出来る唯一の錬金術だね」と絶妙に言い換えていた。
(取材=石井隼人)
1台のエアコンで家全体を暖められるという「まほうの家」と呼ばれる念願のマイホームに引っ越したら最後、次々と奇妙で不可解な現象に襲われる……。日本での劇場公開を前に上海国際映画祭やニューヨーク・アジアン映画祭での上映に立ち会った齊藤監督。現地の様子を訊かれると「観客の皆さんの感情がストレートで、まるでアトラクションのように悲鳴が起こったりした。怯えてくれたり、思わぬところで笑いが起こったり。アトラクションとしてこの作品をふんだんに味わってくれて、この映画がどんなものなのかを教えてもらった気がした」と好感触を得ていた。すると6歳の子役・磯村は「めっちゃ怖かった~! 全部が怖いです!」と大きな声で恐怖予告をしていた。
愛する妻と幼い娘のために一軒家を購入する主人公・清沢賢二を演じた窪田は、俳優としての齊藤監督とは最多共演の仲だと明かし「そんな工さんが監督として描く世界で自由に動くことができるのは貴重な時間でしたが、不思議な感じもあった。一緒にやっていた20代の頃は自分も調子に乗っていたときがあったので恥ずかしい部分も……。でもそれも含めてぶつけたかった」とオファーを快諾したという。
そんな関係性も含めて窪田を抜擢したという齊藤監督。その一方で「主人公を窪田正孝さんが演じていただくのが一映画ファンとしての第一条件でした」と一人の俳優としても信頼しており「この原作の世界に太刀打ちできるのは生身の人間の表現だったりするので、僕なんかが太刀打ちできない枠の役者さんたちが集まってくれました」とオールスターキャスト集結に自信を得ていた。
賢二の妻で暖かい新居への移転を夢見ている清沢ひとみ役の蓮佛。夫・窪田について「醸し出している雰囲気や佇まいや現場での向き合い方が柔らかくて穏やか。その空気感に引っ張ってもらってひとみとして安心して隣にいさせていただきまし。怖くておぞましい作品ですが、幸せな現場でした」と信頼しきりだった。
賢二とひとみの長女・清沢サチ役の磯村は「磯村アメリ、6歳です」と指で6歳のマークを作りながら挨拶。それにつられる形で齊藤監督も「齊藤工です。もうすぐ42歳です!」と饒舌に挨拶した。このように磯村は無邪気な笑顔や発言で会場をほっこりとさせながら「撮影は楽しかった! (窪田が)肩車とかしてくれた!」と回想し、齊藤監督については「優しい! かっこよくて可愛くて優った!」とチャーミングな言い回しで笑いを誘った。
賢二たちの新居「まほうの家」の営業担当・本田役の奈緒は「齊藤組に入りたかったので今回参加が出来て良かった。撮影日数は少なかったけれど、組の穏やかな空気に包まれて楽しかったです」と感謝。
また本作のテーマにちなみ「我が家の秘密」をフリップに記入して発表。磯村は「カエル」と書いて「友だちからオタマジャクシをもらってカエルになったけれど一匹いなくなった。部屋のどこかにいるかもしれません。これは秘密です!」と詳細を説明。これに齊藤監督は「部屋にいるじゃなくて、いなくなった……怖いね」と意外にもイマジネーションを刺激されていた。
一方、齊藤監督は磯村に倣って「我が家の秘密」について「カエル」とボケながらも「謎の破裂音。家でパン!という音が時折する」と発表した。これに蓮佛は「え? 本当のやつ? 怖い」と怯えたが、その正体はなんと「酵母」だった!?
齊藤監督は「発酵食品で酵素ジュースを作っていて、発酵すると瓶の中の空気が破裂する。瓶の蓋を開けるなんて相当強い力だと思う」と解説。しかしこれにポカン顔だったのは6歳の磯村で「発酵? わからない。なんだろう?」と言葉が理解できなかった様子。すると齊藤監督は「要するに人間が出来る唯一の錬金術だね」と絶妙に言い換えていた。
(取材=石井隼人)