最新作『1秒先の彼』が上映中の山下敦弘監督が、人生に影響を与えた出会いについて語り、おすすめの楽曲を紹介した。
山下監督が登場したのは『STEP ONE』のワンコーナー「LISTEN AND LEARN」(ナビゲーター:サッシャ、ノイハウス萌菜)。ここでは7月10日(月)のオンエア内容をテキストで紹介する。
【radikoで聴く】
10日(月)OA分:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20230710093322
11日(火)OA分:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20230711093538
12日(水)OA分:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20230712093445
13日(木)OA分:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20230713093445
※それぞれ再生期限はオンエアの一週間後まで。
そんな山下監督の人生に影響を与えた人物は、同じく映画監督の熊切和嘉監督だという。熊切監督は2023年2月、Hey! Say! JUMPの中島裕翔主演の映画『#マンホール』を手がけたことでも知られている。
山下: 1995年に僕が大阪芸術大学に入学して、熊切監督とは同じ寮だったのですぐに出会うんですけど、出会ったと同時に熊切監督の卒業制作を手伝うことになりました。そこで2年間ぐらいずっとお手伝いをさせてもらうことになるんですけど、有志で集まった若い後輩のスタッフ含めて、キャストもみんなほぼノーギャラで出ているような状況のなか、朝5時とか6時くらいに熊切さんが僕らを起こしに来て、夜まで撮影をやって寮に戻って、そこから熊切さんがずっと明日の撮影の準備をしてるんですね。夜中までずっとやっていて、僕らも最初は手伝ってるんですけど、眠くなって寝てしまう。で、次の日の朝5時くらいにまた熊切さんが俺らを起こしにくるみたいな。「この人、いつ寝てるんだ?」ぐらいな感じで、過酷な撮影をずっとやってたんですけど、そういう姿を見ながらとにかく映画を1本作ることへの執念みたいなものをずっと見させてもらいました。
山下:僕らが卒業制作を作るってときに、熊切さんの執念みたいなものを僕らは真似するというよりかは「あれはできないな」っていうふうに、同級生のスタッフみんなで話し合って、「じゃあ僕らだったらどういうふうに作ろうかと」いうことで、僕らなりの映画作りをしていったので、いまとなっては熊切さんの映画を作る姿勢にはすごく感謝しています。映画監督の仕事は、ある種、映画を終わらせること。完成させることが使命なので、そこに関して熊切さんは2年とか2年半かけて映画を作っていって、最後はちゃんと完成させて上映までした。途中で辞めない、完成させるって当たり前なんですけど、自主映画では映画を途中で辞めるやつがいっぱいいたので、映画を作ってそれを上映することで、関わった人たちに結果を残すというか、返すというか……。そういったことは、すごく熊切さんに影響を受けていると思います。
サッシャ:映画を終わらせることが監督の仕事なんだって、印象的でしたね。大学時代に知り合って、みんなボランティアなんだけど、たぶんそれだとモチベーションが上がらないところを、監督自ら率先してどんどんやっていったら「ついていきたい」っていう気持ちにする。監督としての引っ張る力が、魅力でもあるんでしょうね。
ノイハウス:自分で自分の作品を信じるっていうのもワンステップですけど、それ以上に他の人にも信じてもらえるような熱量っていうのは、なかなかこみ上げさせられないですよね。
サッシャ:やっぱり自分が行動で示して、背中で見せるってことになるんでしょうね。
山下:学生の頃、エレファントカシマシばっかり聴いていて、『珍奇男』っていうタイトルなんですけど、影響を受けた熊切監督のことを思い出したらまさに珍奇男っていう名前が浮かんでしまったので(笑)。久々に聴きたいと思いました。
そんな山下監督が手がける最新作『1秒先の彼』が、現在全国上映中だ。
山下:主演が岡田将生くん、清原果耶さんで、京都を舞台にしたとてもかわいらしいファンタジーラブストーリーです。台湾映画のリメイクなんですが、オリジナルとはまた違った京都ならではの物語になっています。初恋を思い出すような映画になっていると思うので、ぜひこの夏に劇場で見てもらえたらなと思います。
脚本は宮藤官九郎、主題歌は、シンガーソングライターの幾田りらが書き下ろした『P.S.』。「消えた1日」を2人の視点から描いたストーリーと、至福のラストシーンをぜひ劇場で見届けては。
J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「LISTEN AND LEARN」では、さまざまな業界のトップランナーが、これまでの経験から得た学びをシェアする。放送は月曜~木曜の9時35分ごろから。
山下監督が登場したのは『STEP ONE』のワンコーナー「LISTEN AND LEARN」(ナビゲーター:サッシャ、ノイハウス萌菜)。ここでは7月10日(月)のオンエア内容をテキストで紹介する。
【radikoで聴く】
10日(月)OA分:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20230710093322
11日(火)OA分:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20230711093538
12日(水)OA分:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20230712093445
13日(木)OA分:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20230713093445
※それぞれ再生期限はオンエアの一週間後まで。
「この人、いつ寝てるんだ?」過酷な撮影の思い出
大学の卒業制作として発表した『どんてん生活』が高い評価を受け、映画監督としてのキャリアをスタートした山下監督。2005年公開の『リンダ リンダ リンダ』、2007年の『天然コケッコー』など、数々のヒット作を繰り出し、『天然コケッコー』では第32回報知映画賞・最優秀監督賞を最年少で受賞した。そんな山下監督の人生に影響を与えた人物は、同じく映画監督の熊切和嘉監督だという。熊切監督は2023年2月、Hey! Say! JUMPの中島裕翔主演の映画『#マンホール』を手がけたことでも知られている。
山下: 1995年に僕が大阪芸術大学に入学して、熊切監督とは同じ寮だったのですぐに出会うんですけど、出会ったと同時に熊切監督の卒業制作を手伝うことになりました。そこで2年間ぐらいずっとお手伝いをさせてもらうことになるんですけど、有志で集まった若い後輩のスタッフ含めて、キャストもみんなほぼノーギャラで出ているような状況のなか、朝5時とか6時くらいに熊切さんが僕らを起こしに来て、夜まで撮影をやって寮に戻って、そこから熊切さんがずっと明日の撮影の準備をしてるんですね。夜中までずっとやっていて、僕らも最初は手伝ってるんですけど、眠くなって寝てしまう。で、次の日の朝5時くらいにまた熊切さんが俺らを起こしにくるみたいな。「この人、いつ寝てるんだ?」ぐらいな感じで、過酷な撮影をずっとやってたんですけど、そういう姿を見ながらとにかく映画を1本作ることへの執念みたいなものをずっと見させてもらいました。
「作って上映する」ことの大切さを学ばせてくれた
その後、卒業制作を作る時期が訪れた山下監督は同級生たちと話し合い、ある「決断」をしたそうだ。山下:僕らが卒業制作を作るってときに、熊切さんの執念みたいなものを僕らは真似するというよりかは「あれはできないな」っていうふうに、同級生のスタッフみんなで話し合って、「じゃあ僕らだったらどういうふうに作ろうかと」いうことで、僕らなりの映画作りをしていったので、いまとなっては熊切さんの映画を作る姿勢にはすごく感謝しています。映画監督の仕事は、ある種、映画を終わらせること。完成させることが使命なので、そこに関して熊切さんは2年とか2年半かけて映画を作っていって、最後はちゃんと完成させて上映までした。途中で辞めない、完成させるって当たり前なんですけど、自主映画では映画を途中で辞めるやつがいっぱいいたので、映画を作ってそれを上映することで、関わった人たちに結果を残すというか、返すというか……。そういったことは、すごく熊切さんに影響を受けていると思います。
サッシャ:映画を終わらせることが監督の仕事なんだって、印象的でしたね。大学時代に知り合って、みんなボランティアなんだけど、たぶんそれだとモチベーションが上がらないところを、監督自ら率先してどんどんやっていったら「ついていきたい」っていう気持ちにする。監督としての引っ張る力が、魅力でもあるんでしょうね。
ノイハウス:自分で自分の作品を信じるっていうのもワンステップですけど、それ以上に他の人にも信じてもらえるような熱量っていうのは、なかなかこみ上げさせられないですよね。
サッシャ:やっぱり自分が行動で示して、背中で見せるってことになるんでしょうね。
タイムラグのなかに生まれる、奇跡のラブストーリー
山下監督には毎日楽曲も選んでもらう。この日選曲したのは、エレファントカシマシ『珍奇男』。山下:学生の頃、エレファントカシマシばっかり聴いていて、『珍奇男』っていうタイトルなんですけど、影響を受けた熊切監督のことを思い出したらまさに珍奇男っていう名前が浮かんでしまったので(笑)。久々に聴きたいと思いました。
そんな山下監督が手がける最新作『1秒先の彼』が、現在全国上映中だ。
山下:主演が岡田将生くん、清原果耶さんで、京都を舞台にしたとてもかわいらしいファンタジーラブストーリーです。台湾映画のリメイクなんですが、オリジナルとはまた違った京都ならではの物語になっています。初恋を思い出すような映画になっていると思うので、ぜひこの夏に劇場で見てもらえたらなと思います。
脚本は宮藤官九郎、主題歌は、シンガーソングライターの幾田りらが書き下ろした『P.S.』。「消えた1日」を2人の視点から描いたストーリーと、至福のラストシーンをぜひ劇場で見届けては。
主題歌を書き下ろした幾田りら。山下監督は<幾田さんが作ってくれた主題歌「P.S.」が映画に一つの答えを導き出してくれました。『1秒先の彼』という映画は“相手を想う気持ち”についての映画です。素直で優しくて等身大の歌をありがとうございました。俺もまた劇場に聴きに行きます!>とコメントを寄せている。(画像・コメント出典)
radikoで聴く
2023年7月17日28時59分まで
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番組情報
- STEP ONE
-
月・火・水・木曜9:00-13:00