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自分の声や表現を好きになるきっかけに。XinUが語る、「ルーツとなる曲」との出会い

自分の声や表現を好きになるきっかけに。XinUが語る、「ルーツとなる曲」との出会い

XinU(シンユウ)が、自身の音楽のルーツや、楽曲『いつのまにか』に込めた想いを明かした。

XinUが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』内のコーナー「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」。オンエアは6月7日(水)、8日(木)。同コーナーでは、アーティストたちの自身の楽曲に込めた想いと、彼らのアーティスト人生に大きく影響を与えた楽曲との出会いの話を通じて、音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けする。

自分らしさは、客観的な視点を持っていること

ミュージックコレクティブXinUは「f分の1の揺らぎ」を持つと言われるスモーキーなボイスの持ち主で、デビューシングルのリリースは2021年。今ではJ-WAVEのさまざまな番組で楽曲がオンエアされている。

そんなXinUは2022年4月に『XinU EP#01』を発売し、翌2023年5月には『XinU EP#02』をリリース。さらにこの2つの作品の収録曲と未収録の楽曲を集めた1stフルアルバム『XinU』を5月31日に発売した。今回は同作品収録曲『いつのまにか』で、どんな自分らしさを表現したのか、語ってもらった。

XinU:『いつのまにか』は、Ovallのmabanuaさんを迎えて制作しました。届いた楽曲のイントロからはガシガシ前へ進んでいくイメージを受けたので、歌詞もそれに触発されて作りました。悩むことはたくさんあるし、誰かの言葉に傷付いたり、流されたり、もがいてばかりの日々なんだけど、振り返ると歩いてきた道とか、そばにいてくれる人はいて。その存在に気づくとまた頑張れる、という経験がありました。そんな風に傷ついた人がまた前を向いて歩いて行ける、そんな楽曲になったらいいなという思いを込めて書きました。

XinUらしさですが、歌詞を全て、日本語で書いているところかなと思います。自分の気持ちが1番ノリやすいのが、やっぱり母国語なので。どの曲も日本語のみで、言葉のフロー、リズムへのノリというのをすごく気をつけて、意識して書いています。

性格的には、客観的になるところかなと思っています。見ている世界の視野の狭さだったり、何かに飲まれてしまうこともあるんですけど、あっても何日か何時間かですぐに客観的に離れたところから見る癖があって。そういう部分が私らしさかなと思います。

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XinU:『いつのまにか』という楽曲の中だと、冒頭で<すべて投げ出して 逃げたくなる衝動>と綴っています。これは私がもがいているときの実体験からきています。そこから逃げ出すために光となるような部分を描いたのが<言い訳ばかりの日々に気がつけば 扉は開いてく>というところ。客観的に見て、光を見つけられたら、道は開いていくと思っていて、そんな視点がこの曲の自分らしい点だと思っています。

『いつのまにか』で注目してほしい部分は、前向きになれるような歌詞です。みんな大変なことがあるけれど、これまでも乗り越えてきたよねというメッセージを歌っています。そういった気持ちで皆さんに寄り添えたらうれしいです。歌詞はmabanuaさんから届いたリズムのノリのよさを絶対活かしたいと思って、3回以上書き直しました。mabanuaさんから届いた音源はご自身で歌われていたんですけど、それを何度も聴き込んで、自分の中に取り込んだことも印象深く覚えています。『いつのまにか』を聴いてくださった方が、いつのまにか顔を前に上げていってくれたらうれしいです。

“声”に興味が出てきたときに出会った楽曲

スモーキーボイスの持ち主・XinU。そんな彼女のルーツの1曲は、Karla Bonoff(カーラ・ボノフ)の『The Water Is Wide』。合唱やアカペラなど、声に興味が出てきたときに出会ったという。



XinU:世界中の人がカバーしている曲なので聴く機会があって、改めて調べていくと、カーラ・ボノフさんのバージョンを聴いたときに自然と涙が流れてきました。言葉がわかったわけじゃないけど、感動した記憶があります。『The Water Is Wide』はスコットランド民謡ですけど、そこからスコットランドやスウェーデンの民謡にも興味が出て聴くようになりました。

元々私は声が低いし、歌声についても迫力のあるハイトーンに憧れるけれど、出せない。なので「歌手にはなれないだろう」と決め付けていたんです。でもこの曲を聴いて、世界にはこんなに素敵な曲があると思ったり、人を癒せたり、別の世界に連れてってくれる力があるんだなと感じました。そこから今まで、時間はかかっているんですけど、私も自分なりの表現で歌っていいんだと思えるようになりました。そんなきっかけの曲になってます。

今は声の低さやスモーキーであるところも自分らしいと大切にしているし、聴いてくれる人がそう言ってくれることで、より自分も好きな部分として、受け止められます。そして『The Water Is Wide』をきっかけにジャズやソウルなんかを聴くようになり、今のXinUを形成するようになりました。

どこか素朴で人を癒すような声が特徴的なカーラ・ボノフ。XinUはそんな彼女の歌声に背中を押されるものがあったようだ。

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アーティストの話を通じて音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けするコーナー「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」は、J-WAVE『SONAR MUSIC』内で月曜~木曜の22時41分ごろからオンエア。Podcastでも配信しており、過去のオンエアがアーカイブされている。

【XinU 出演回のトークを聞く】

・Apple Podcastで聞く
前編後編

・Spotifyで聞く
前編後編

・公式ページ
https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/opportunity/

(構成=中山洋平)

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