Galileo Galileiが、コロナ禍を経て増えているという宅録(自宅録音)について語った。
この内容をお届けしたのは、J-WAVEで4月10日(月)に放送された番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。ゲストとしてGalileo Galileiの尾崎雄貴(Vo/Gt)と岩井郁人(Gt)が北海道稚内市にある「わんわんスタジオ」から出演。さらにGalileo Galileiのファンであるシンガーソングライターの大橋ちっぽけにも話を訊いた。
まずはGalileo Galileiに、自らの活動拠点「わんわんスタジオ」について質問。現在のスタジオは2代目で、かつてはメンバー5人で住んでいた3階建ての家屋の1階部分をガレージから改装して作ったものが1代目だったという。
尾崎:2代目スタジオは僕がいま住んでいる家が二世帯住宅になっていて、これもまた3階建てなんです。その1階部分が二世帯住宅の1個になっていて、そっちをまるっとお風呂、トイレ付の2代目スタジオとして使っています。
あっこゴリラ:1代目はいつからやっているんでしたっけ?
岩井:2012年ぐらいです。
尾崎:デビューして1年だけみんなで北海道から東京に上京したんです。1年でダメになって「北海道に帰りたい」となって帰って、そこからみんなで1代目に住み始めました。
あっこゴリラ:いまでこそ宅録とかベッドルームミュージックって主流にはなってきていると思いますが、ガリレオが最初に作った2012年ごろというのは、そういうバンドはあまりいなかったんじゃないですか?
尾崎:ちょうどその時期、海外のイギリスとかアメリカとかの僕らと同世代の10代のバンドに元気があったんです。YouTubeとかにポンポン曲を上げて、みんな自分たちの寝室とかお父さんのガレージとか、そういうところに自分たちのスタジオ的なものを構えていました。そこをみんなのたまり場にしてやっているのを見て「こういう生活が一番音楽にいいんじゃないか」という感じでやり始めたんです。
あっこゴリラ:すごく海外っぽくていいなって。
岩井:北海道はそういう広い土地ですし、さっき言ったとおり家賃も安いんです。あと音を出しても、あまり防音しなくてもあまりなにも言われないみたいな。それこそアメリカの北のほうに近かったりもするんです。
尾崎:僕が稚内で高校生のときにバンドをスタートしたときも、それこそベースの佐藤くんのガレージを使って、そこにブルーシートを敷いてお父さんの車を追い出してずっとやっていました。
あっこゴリラ:ははは(笑)。
尾崎:稚内という町に貸しスタジオがなかったんです。自分たちの部屋かそういうガレージを使うしかなくて。もともとそういう風にやっていたので、東京に行って貸しスタジオを借りたとき、ぶっちゃけそれがストレスになって。「1時間でお金とられるんだ」みたいな(笑)。
岩井:重い機材を持ってね。
あっこゴリラ:住んでいる町にスタジオがないという理由でバンドをあきらめている人がいたら「いや、Galileo Galileiがいるから」っていう感じだよね(笑)。
番組では「わんわんスタジオ」で初めて録音して制作したという『さよならフロンティア』をオンエアした。
あっこゴリラ:最初の音源で、めちゃくちゃクオリティ高いですね。
尾崎:この1個前か2個前の『青い栞』という曲のときは、まだ東京にいて。自分たちの部屋で録ったよね。せまい和室、僕が1人暮らししていた部屋の和室で録っていて。この曲でちょうど札幌に引っ越してガレージを手に入れて。広い空間だったので、いざスタジオというのをどうやって作ろう? というなかでいろいろ試しながら作った曲になっています。
あっこゴリラ:それも「この機材をそろえよう」とか「こういうのにトライしてみよう」というのもメンバー以外の人を入れずにやっているんですか?
尾崎:自分たちで好きなバンドの機材を調べたりだとか。さっき話をしたようなバンドがYouTubeにアップしている動画を観て「これ使ってるんだ」みたいな感じで機材をそろえていきました。
Galileo Galileiファンである大橋にとっても「わんわんスタジオ」は憧れの場所なのだという。
大橋:それこそ僕もガリレオのYouTubeチャンネルとかでこのスタジオの初代のころの映像も観ていたりしていて。自分たちの秘密基地じゃないけど母艦みたいなのを持っているのってすごくいいなと。それとプライベートスタジオを持っているプロのミュージシャンっていると思うんですけど「わんわんスタジオ」はDIY感というか、自分たちがひとつひとつ愛を持って作り上げていった場所なんだろうなという感じが伝わってくるのがいいなと思います。
大橋:宅録において導入したことで作曲の影響を与えた機材、ステップアップにつながったなみたいなものはありますか?
尾崎:アウトボードのエフェクターというか、アウトボードのコンプレッサーはたぶん買ってすごく、音楽の乗りとかビートの乗りとか、ビートの乗りがボーカルにおよぼす影響とか、そういう全体を見るきっかけになりました。EQという音の帯域とか高い音を大きくしたり小さくしたりとかって、あれよりコンプレッサーが音楽的にすごく楽しいです。プレイに近いというか。
岩井:音を圧縮する機械だよね。
尾崎:コンプはいつも使ってます。わざわざプラグインというソフトじゃなくてアウトボード、ちゃんと機材を使って一番かけているのはコンプレッサーです。
あっこゴリラ:そうなんだ! わざわざなんですね。
岩井:いわゆるデジタルじゃなくて、アナログの機材として持っています。
尾崎:プラグインもいっぱいいいのあるんですけど、やっぱりアウトボードのコンプレッサーが楽しくて好きです。メモリが曲に反応するのを見ているだけでも超楽しいです。
あっこゴリラ:すごく機材好きなんだなというのが伝わってきちゃいました。やっぱり音の乗り的にもアナログのほうがいいなという感じがします?
尾崎:アナログのほうがいいのと、指でつまみを動かすという行為がけっこう重要だなと僕は思っていて。どうしてもプラグインだとトラックパッドとかマウスでちょこちょこっていじるけど、アウトボードだと大きいそれぞれ違うツマミがついていて、それをグリグリするんです。カチカチという段階のもあるし。あれは音楽的に僕は重要な動きだなと思っています。
あっこゴリラ:なるほど、軽量スプーンじゃなくて指先で塩の分量をやっている的なね。
尾崎:本当にそんな感じです。
大橋:経験、技術みたいなものはどうやって身につけていったんでしょうか。
尾崎:トライアンドエラーだと思います。なにより自分の耳を信じてトライしてみて、音を1回書き出してみて、それを車で聴いたり自分の部屋でヘッドホンで聴いて、落ち込んだりするときも何回もありました。いまリリースされている音源にすごい後悔が残っている曲もいっぱいあります。そういうことの積み重ねだなと思うので、演奏のプレイに近いです。演奏もそうだと思いますが「あの日のライブ、あれがよくなかったんだよな」と。でも逆にそれが「いい音だ」と言ってくれる人もいたり。よし悪し、正解がないなと思うので。
あっこゴリラ:確かに、ないからこそ自分の正解を見つけたいですよね。
尾崎:僕らも曲を作るとか楽器をプレイする、ライブをするというのに、ミックスも宅録もくっついちゃっている感じです。
尾崎は視聴者からの「宅録していてワクワクする瞬間は?」という質問に答えた。
尾崎:想像を超えるものが生まれたときだよね。
岩井:うん。
尾崎:宅録もそうですし自分たちがやるのって、自分に飽きるか飽きないかの勝負なんです。そこに集まっているメンバー同士、お互いに飽きないかどうかなので。飽きたら終わっちゃうんです。お互い驚きあえて「そんなの出てくるの、お前?」みたいなが起こること。それは自分に対してもそうなんですけど、それをキャッチするというのが、いまでも一番重要なことかな。驚きを自分に感じたいという「俺、すげえかもしれない」というのを。
あっこゴリラ:それはひねり出しながらやっていくという感じですか?
尾崎:毎日、曲を作っていると気分がジェットコースターみたいに変わるので。昨日はめっちゃよかった曲が、今日はめちゃめちゃ最低な曲だなと思ってボツにしたり。
あっこゴリラ:本当にそうですよね。
尾崎:そのボツにしようとするのを、メンバーで僕の弟のドラムの和樹に止められたりとか。
あっこゴリラ:すごくいいメンバー!
尾崎:けっこう僕は「ダメだ」と思ったら捨てちゃうんです。それをよく止められてリリースするというのがあるんです。
岩井:確かに。
あっこゴリラ:本当にいいメンバーに恵まれましたね。ちっぽけさんはどうですか? 自分自身が作られていて「捨てちゃいたい」と思うことがあるじゃないですか。
大橋:ありますし、僕は誰も止めてくれないので全捨てしちゃいます(笑)。
尾崎・岩井:(笑)。
Galileo Galileiの最新情報は、公式サイトまで。
大橋ちっぽけの最新情報は、公式サイトまで。
この内容をお届けしたのは、J-WAVEで4月10日(月)に放送された番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。ゲストとしてGalileo Galileiの尾崎雄貴(Vo/Gt)と岩井郁人(Gt)が北海道稚内市にある「わんわんスタジオ」から出演。さらにGalileo Galileiのファンであるシンガーソングライターの大橋ちっぽけにも話を訊いた。
メンバーが住む家に作った「わんわんスタジオ」
この日のテーマは「始めてみよう。宅録バンド活動」で、近年の音楽制作の新たな形となりつつある宅録の手軽さやおもしろさを特集した。まずはGalileo Galileiに、自らの活動拠点「わんわんスタジオ」について質問。現在のスタジオは2代目で、かつてはメンバー5人で住んでいた3階建ての家屋の1階部分をガレージから改装して作ったものが1代目だったという。
尾崎:2代目スタジオは僕がいま住んでいる家が二世帯住宅になっていて、これもまた3階建てなんです。その1階部分が二世帯住宅の1個になっていて、そっちをまるっとお風呂、トイレ付の2代目スタジオとして使っています。
あっこゴリラ:1代目はいつからやっているんでしたっけ?
岩井:2012年ぐらいです。
尾崎:デビューして1年だけみんなで北海道から東京に上京したんです。1年でダメになって「北海道に帰りたい」となって帰って、そこからみんなで1代目に住み始めました。
あっこゴリラ:いまでこそ宅録とかベッドルームミュージックって主流にはなってきていると思いますが、ガリレオが最初に作った2012年ごろというのは、そういうバンドはあまりいなかったんじゃないですか?
尾崎:ちょうどその時期、海外のイギリスとかアメリカとかの僕らと同世代の10代のバンドに元気があったんです。YouTubeとかにポンポン曲を上げて、みんな自分たちの寝室とかお父さんのガレージとか、そういうところに自分たちのスタジオ的なものを構えていました。そこをみんなのたまり場にしてやっているのを見て「こういう生活が一番音楽にいいんじゃないか」という感じでやり始めたんです。
あっこゴリラ:すごく海外っぽくていいなって。
岩井:北海道はそういう広い土地ですし、さっき言ったとおり家賃も安いんです。あと音を出しても、あまり防音しなくてもあまりなにも言われないみたいな。それこそアメリカの北のほうに近かったりもするんです。
尾崎:僕が稚内で高校生のときにバンドをスタートしたときも、それこそベースの佐藤くんのガレージを使って、そこにブルーシートを敷いてお父さんの車を追い出してずっとやっていました。
あっこゴリラ:ははは(笑)。
尾崎:稚内という町に貸しスタジオがなかったんです。自分たちの部屋かそういうガレージを使うしかなくて。もともとそういう風にやっていたので、東京に行って貸しスタジオを借りたとき、ぶっちゃけそれがストレスになって。「1時間でお金とられるんだ」みたいな(笑)。
岩井:重い機材を持ってね。
あっこゴリラ:住んでいる町にスタジオがないという理由でバンドをあきらめている人がいたら「いや、Galileo Galileiがいるから」っていう感じだよね(笑)。
番組では「わんわんスタジオ」で初めて録音して制作したという『さよならフロンティア』をオンエアした。
あっこゴリラ:最初の音源で、めちゃくちゃクオリティ高いですね。
尾崎:この1個前か2個前の『青い栞』という曲のときは、まだ東京にいて。自分たちの部屋で録ったよね。せまい和室、僕が1人暮らししていた部屋の和室で録っていて。この曲でちょうど札幌に引っ越してガレージを手に入れて。広い空間だったので、いざスタジオというのをどうやって作ろう? というなかでいろいろ試しながら作った曲になっています。
あっこゴリラ:それも「この機材をそろえよう」とか「こういうのにトライしてみよう」というのもメンバー以外の人を入れずにやっているんですか?
尾崎:自分たちで好きなバンドの機材を調べたりだとか。さっき話をしたようなバンドがYouTubeにアップしている動画を観て「これ使ってるんだ」みたいな感じで機材をそろえていきました。
Galileo Galileiファンである大橋にとっても「わんわんスタジオ」は憧れの場所なのだという。
大橋:それこそ僕もガリレオのYouTubeチャンネルとかでこのスタジオの初代のころの映像も観ていたりしていて。自分たちの秘密基地じゃないけど母艦みたいなのを持っているのってすごくいいなと。それとプライベートスタジオを持っているプロのミュージシャンっていると思うんですけど「わんわんスタジオ」はDIY感というか、自分たちがひとつひとつ愛を持って作り上げていった場所なんだろうなという感じが伝わってくるのがいいなと思います。
コンプレッサーを「アナログの機材」として使用
大橋はデモ音源を制作する際には宅録を実施しており、疑問に思っていることについてGalileo Galileiの2人に投げかけた。大橋:宅録において導入したことで作曲の影響を与えた機材、ステップアップにつながったなみたいなものはありますか?
尾崎:アウトボードのエフェクターというか、アウトボードのコンプレッサーはたぶん買ってすごく、音楽の乗りとかビートの乗りとか、ビートの乗りがボーカルにおよぼす影響とか、そういう全体を見るきっかけになりました。EQという音の帯域とか高い音を大きくしたり小さくしたりとかって、あれよりコンプレッサーが音楽的にすごく楽しいです。プレイに近いというか。
岩井:音を圧縮する機械だよね。
尾崎:コンプはいつも使ってます。わざわざプラグインというソフトじゃなくてアウトボード、ちゃんと機材を使って一番かけているのはコンプレッサーです。
あっこゴリラ:そうなんだ! わざわざなんですね。
岩井:いわゆるデジタルじゃなくて、アナログの機材として持っています。
尾崎:プラグインもいっぱいいいのあるんですけど、やっぱりアウトボードのコンプレッサーが楽しくて好きです。メモリが曲に反応するのを見ているだけでも超楽しいです。
あっこゴリラ:すごく機材好きなんだなというのが伝わってきちゃいました。やっぱり音の乗り的にもアナログのほうがいいなという感じがします?
尾崎:アナログのほうがいいのと、指でつまみを動かすという行為がけっこう重要だなと僕は思っていて。どうしてもプラグインだとトラックパッドとかマウスでちょこちょこっていじるけど、アウトボードだと大きいそれぞれ違うツマミがついていて、それをグリグリするんです。カチカチという段階のもあるし。あれは音楽的に僕は重要な動きだなと思っています。
あっこゴリラ:なるほど、軽量スプーンじゃなくて指先で塩の分量をやっている的なね。
尾崎:本当にそんな感じです。
「自分の正解」を見つけるために
続いて大橋は宅録を実施する際の「ミキシング」「マイキング」といった技術に関する疑問を尋ねた。大橋:経験、技術みたいなものはどうやって身につけていったんでしょうか。
尾崎:トライアンドエラーだと思います。なにより自分の耳を信じてトライしてみて、音を1回書き出してみて、それを車で聴いたり自分の部屋でヘッドホンで聴いて、落ち込んだりするときも何回もありました。いまリリースされている音源にすごい後悔が残っている曲もいっぱいあります。そういうことの積み重ねだなと思うので、演奏のプレイに近いです。演奏もそうだと思いますが「あの日のライブ、あれがよくなかったんだよな」と。でも逆にそれが「いい音だ」と言ってくれる人もいたり。よし悪し、正解がないなと思うので。
あっこゴリラ:確かに、ないからこそ自分の正解を見つけたいですよね。
尾崎:僕らも曲を作るとか楽器をプレイする、ライブをするというのに、ミックスも宅録もくっついちゃっている感じです。
尾崎は視聴者からの「宅録していてワクワクする瞬間は?」という質問に答えた。
尾崎:想像を超えるものが生まれたときだよね。
岩井:うん。
尾崎:宅録もそうですし自分たちがやるのって、自分に飽きるか飽きないかの勝負なんです。そこに集まっているメンバー同士、お互いに飽きないかどうかなので。飽きたら終わっちゃうんです。お互い驚きあえて「そんなの出てくるの、お前?」みたいなが起こること。それは自分に対してもそうなんですけど、それをキャッチするというのが、いまでも一番重要なことかな。驚きを自分に感じたいという「俺、すげえかもしれない」というのを。
あっこゴリラ:それはひねり出しながらやっていくという感じですか?
尾崎:毎日、曲を作っていると気分がジェットコースターみたいに変わるので。昨日はめっちゃよかった曲が、今日はめちゃめちゃ最低な曲だなと思ってボツにしたり。
あっこゴリラ:本当にそうですよね。
尾崎:そのボツにしようとするのを、メンバーで僕の弟のドラムの和樹に止められたりとか。
あっこゴリラ:すごくいいメンバー!
尾崎:けっこう僕は「ダメだ」と思ったら捨てちゃうんです。それをよく止められてリリースするというのがあるんです。
岩井:確かに。
あっこゴリラ:本当にいいメンバーに恵まれましたね。ちっぽけさんはどうですか? 自分自身が作られていて「捨てちゃいたい」と思うことがあるじゃないですか。
大橋:ありますし、僕は誰も止めてくれないので全捨てしちゃいます(笑)。
尾崎・岩井:(笑)。
Galileo Galileiの最新情報は、公式サイトまで。
大橋ちっぽけの最新情報は、公式サイトまで。
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