新東京の杉田春音(Vo)が、自身の音楽のルーツや、楽曲『ポラロイド』に込めた想いを明かした。
新東京が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』内のコーナー「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」。オンエアは2月8日(水)、9日(木)。同コーナーでは、アーティストたちの自身の楽曲に込めた想いと、彼らのアーティスト人生に大きく影響を与えた楽曲との出会いの話を通じて、音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けする。
杉田:新曲『ポラロイド』は新東京の中ではかなり明るめで、聴きやすい曲になっています。『ポラロイド』というインスタントカメラがタイトルになっておりまして、日々の儚さや、かけがえのなさ、一方でそれらを未来に残せる素晴らしさを描きました。
最初に『ポラロイド』というタイトルが決まって、新東京は詞が先なので、「ポラロイドをテーマに新東京っぽく歌詞を書いたらどうなるかな」というので僕が作詞をして、それを、とし(田中利幸 Key)に渡して、歌詞から出た世界観を曲にしていって、最後は楽器隊みんなで肉付けをしていって、最終的にこの形になりました。
この曲、明るめではあるものの、歌詞の中には影のようなものが見え隠れしていたりだとか、手放しで明るいと言えるわけではなくて、すごく複雑な感情を描いた内容になっています。
僕たちの思う新東京らしさですが、僕はサウンドとリリックの両方から漂う“都会感”だと思っています。新東京というバンド名はもともと、新しい僕たちの世界観を打ち出したいという意味の「新」と、都会を舞台にした曲を作りたいと言う意味で「東京」を組み合わせたものです。そんなバンド名だけあって、サウンドとリリックの両方から都会感が漂うようになっています。
東京ってすごく綺麗で煌びやかで華やかで憧れの存在に見えるかもしれないですけど、生活していると、やっぱり随所に冷たさだったり、ちょっと人を寄せ付けない闇みたいなものが見え隠れする瞬間があるように思えて。だからこそ僕がどう都会を見ているかみたいなものが、この曲に現れているんじゃないかなと思っています。
『ポラロイド』の都会感は、サウンド面で各楽器がアクティブに動いているっていう部分でも表現されていると思います。歌詞については、絶望だったり希望だったり寂しさだったり、儚さだったり、都会から感じ取れるメッセージみたいなものが随所に表現されていて。例えば僕の一番好きな歌詞は<近づきすぎると見えないものがあって/見えないものに囚われた過去があって/そんな中に夜の切れ目を探す日々が/どうか続きますように>という部分なんですが、絶望の中にひとひらの希望みたいなのを見出したことを表現しています。とても好きな歌詞になりました
聴いてくださる方は、ぜひ、ご自身の大切にされている思い出みたいなものを頭に浮かべながら、聴いてみていただけるとうれしいです。
杉田:新東京のルーツとなる1曲は、Charaさんの『やさしい気持ち』です。僕がこの楽曲に出会ったのは、高校3年生とか大学生になった頃でしたけど、その当時、バンドを組む前だったんですが、ギターで弾き語りとかをよくやっていました。そんな中で、僕の声は生まれつき、ウィスパーボイスだったので、そのことで不安になることが多々ありました。
そんなときに、Charaさんの楽曲に出会いました。ここまでウィスパーボイスを全開にして、しかもメジャーシーンで大活躍している素晴らしいアーティストがいるんだというのを知って、すごく大きな衝撃を受けたことを覚えています。
Charaさんは、普通の歌唱法よりもたくさん息を吐いて、息を贅沢に使う歌い方をしているんですけど、これで歌うと、曲がアンニュイになったりだとか、すごくモヤがかかったような仕上がりになるんです。すごくかっこいいなと思うし、大好きな歌い手です。
Charaさんは、この歌唱法を完璧に使いこなしているがゆえに、すごくアンニュイで、素敵でオシャレでどこか都会感もある曲に仕上がっていると感じます。「ウィスパーボイスって、ちゃんと使いこなせばすごくいいんだな」って僕の自信にも繋がりました。
Charaさんのお陰で自分のウィスパーボイスもすごく大好きになったし、今の新東京の活動でもそういった不安とかに屈することなく、自信満々で歌えているんじゃないかなって思います。
自身のウィスパーボイスに悩んでいたという杉田。しかし、Charaの歌声と出会ったことで、短所だと思い込んでいたことを長所に変えられたそうだ。
アーティストの話を通じて音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けするコーナー「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」は、J-WAVE『SONAR MUSIC』内で月曜~木曜の22時41分ごろからオンエア。Podcastでも配信しており、過去のオンエアがアーカイブされている。
【新東京 杉田春音 出演回のトークを聞く】
・Apple Podcastで聞く
前編/後編
・Spotifyで聞く
前編/後編
・公式ページ
https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/opportunity/
(構成=中山洋平)
新東京が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』内のコーナー「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」。オンエアは2月8日(水)、9日(木)。同コーナーでは、アーティストたちの自身の楽曲に込めた想いと、彼らのアーティスト人生に大きく影響を与えた楽曲との出会いの話を通じて、音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けする。
新東京らしさはサウンドとリリックの両方から漂う“都会感”
2021年に結成されたギターレス4ピースバンドの新東京。さまざまなジャンルの音楽を飲み込んだユニークなサウンドと、杉田が書く、どこか陰鬱としながらも聴く人を惹きつける歌詞の世界観が話題を集めている。そんな彼らの『ポラロイド』は、2月の「J-WAVE SONAR TRAX」に選出された。この楽曲でどんな自分たちらしさを表現したのか、杉田に語ってもらった。杉田:新曲『ポラロイド』は新東京の中ではかなり明るめで、聴きやすい曲になっています。『ポラロイド』というインスタントカメラがタイトルになっておりまして、日々の儚さや、かけがえのなさ、一方でそれらを未来に残せる素晴らしさを描きました。
最初に『ポラロイド』というタイトルが決まって、新東京は詞が先なので、「ポラロイドをテーマに新東京っぽく歌詞を書いたらどうなるかな」というので僕が作詞をして、それを、とし(田中利幸 Key)に渡して、歌詞から出た世界観を曲にしていって、最後は楽器隊みんなで肉付けをしていって、最終的にこの形になりました。
この曲、明るめではあるものの、歌詞の中には影のようなものが見え隠れしていたりだとか、手放しで明るいと言えるわけではなくて、すごく複雑な感情を描いた内容になっています。
僕たちの思う新東京らしさですが、僕はサウンドとリリックの両方から漂う“都会感”だと思っています。新東京というバンド名はもともと、新しい僕たちの世界観を打ち出したいという意味の「新」と、都会を舞台にした曲を作りたいと言う意味で「東京」を組み合わせたものです。そんなバンド名だけあって、サウンドとリリックの両方から都会感が漂うようになっています。
東京ってすごく綺麗で煌びやかで華やかで憧れの存在に見えるかもしれないですけど、生活していると、やっぱり随所に冷たさだったり、ちょっと人を寄せ付けない闇みたいなものが見え隠れする瞬間があるように思えて。だからこそ僕がどう都会を見ているかみたいなものが、この曲に現れているんじゃないかなと思っています。
『ポラロイド』の都会感は、サウンド面で各楽器がアクティブに動いているっていう部分でも表現されていると思います。歌詞については、絶望だったり希望だったり寂しさだったり、儚さだったり、都会から感じ取れるメッセージみたいなものが随所に表現されていて。例えば僕の一番好きな歌詞は<近づきすぎると見えないものがあって/見えないものに囚われた過去があって/そんな中に夜の切れ目を探す日々が/どうか続きますように>という部分なんですが、絶望の中にひとひらの希望みたいなのを見出したことを表現しています。とても好きな歌詞になりました
聴いてくださる方は、ぜひ、ご自身の大切にされている思い出みたいなものを頭に浮かべながら、聴いてみていただけるとうれしいです。
新東京 “ポラロイド” MV
自分の声を好きになれたCharaとの出会い
都会的なサウンドを表現する新東京の杉田。そんな彼のルーツとなるのはCharaの楽曲。弾き語りをしていた10代の後半で出会い、自分の声をポジティブに捉えるきっかけになったという。そんなときに、Charaさんの楽曲に出会いました。ここまでウィスパーボイスを全開にして、しかもメジャーシーンで大活躍している素晴らしいアーティストがいるんだというのを知って、すごく大きな衝撃を受けたことを覚えています。
Charaさんは、普通の歌唱法よりもたくさん息を吐いて、息を贅沢に使う歌い方をしているんですけど、これで歌うと、曲がアンニュイになったりだとか、すごくモヤがかかったような仕上がりになるんです。すごくかっこいいなと思うし、大好きな歌い手です。
Charaさんは、この歌唱法を完璧に使いこなしているがゆえに、すごくアンニュイで、素敵でオシャレでどこか都会感もある曲に仕上がっていると感じます。「ウィスパーボイスって、ちゃんと使いこなせばすごくいいんだな」って僕の自信にも繋がりました。
Charaさんのお陰で自分のウィスパーボイスもすごく大好きになったし、今の新東京の活動でもそういった不安とかに屈することなく、自信満々で歌えているんじゃないかなって思います。
自身のウィスパーボイスに悩んでいたという杉田。しかし、Charaの歌声と出会ったことで、短所だと思い込んでいたことを長所に変えられたそうだ。
Chara 『やさしい気持ち』
アーティストの話を通じて音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けするコーナー「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」は、J-WAVE『SONAR MUSIC』内で月曜~木曜の22時41分ごろからオンエア。Podcastでも配信しており、過去のオンエアがアーカイブされている。
【新東京 杉田春音 出演回のトークを聞く】
・Apple Podcastで聞く
前編/後編
・Spotifyで聞く
前編/後編
・公式ページ
https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/opportunity/
(構成=中山洋平)
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