「新NISA」は今までと何が違うの? FPが解説、“これから始めたい人”へのアドバイスも

2024年からスタートする、「新NISA」制度を解説した。

この内容をお届けしたのは、J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ・小林涼子<代演>)のワンコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」。1月17日(火)のオンエア内容をテキストで紹介する。  

NISA(少額投資非課税制度)を解説

今回は、2024年から実施される新しい制度「新NISA」に注目。従来型の「NISA」との変更点や注意点などを、FP事務所アイプランニング代表を務めるファイナンシャルプランナー・飯村久美さんから聞いた。まず、飯村さんはNISAの仕組みを説明。

飯村:NISAは少額投資非課税制度というのが正式名称なんですね。通常は株を取引したりだとか投資信託を運用すると、売って儲かった部分、運用益とか配当金に関しては税金がかかっています。税金は普通預金にもかかっていますね。NISAという口座をひらき、そのなかで取引をしたものに関しては、利益に対する税金がかからない、非課税になるという制度です。

預貯金等の利子等に対する税金は20.315パーセントだが、NISA口座内では免除される。

小林:少額というのはいくらまでが対象なのでしょうか?

飯村:今年までのNISAには3つの種類があるんですね。子どもができる「ジュニアNISA」と、大人ができる「一般NISA」と「つみたてNISA」です。一般NISAは税金が免除されて運用できる期間は5年間で、年間の投資額は120万円までとなっています。

サッシャ:月で割ると10万円ということですね。

飯村:一般NISAの場合、一度に100万円を投じるのもOKです。一方で、つみたてNISAは毎月積み立てていくタイプのものでして、年間40万円まで、ひと月で計算すると33,333円です。つみたてNISAは20年間にわたって非課税期間が続きます。それが今年までのNISAになります。

サッシャ:便宜的に言うところの「旧NISA」ですね。

新NISAで変わったところは?

新NISAではジュニアNISAが廃止となり、非課税対象となる金額が変更される。

飯村:運用益で非課税になる枠が増えます。一般NISAは年間120万円から240万円、つみたてNISAは年間40万円から120万円になります。

サッシャ:つみたてNISAは月10万円まで積み立てができるようになるんですね。

飯村:そうです。さらに、これまで一般NISAとつみたてNISAは両方同時にはできず、毎年どちらかを選ぶ制度でした。新NISAでは併用可能になるので、合わせて年間360万円まで投資枠が拡大されます。旧NISAは今年ラストチャンスでできますので、今年の非課税枠は使ったほうがお得です。

小林:教育資金、マイホームの購入など、ライフスタイルが変わるといった、私たち国民の資産運用をアシストするために制度が変更になったという認識でよろしいのでしょうか?

飯村:はい。今までは制度の期間が決まっていたり投資額が少なくて、使い勝手が悪かったんですね。新NISAでは期間に定めがなくなり恒久化されますので好きなときに始められますし、自分のライフスタイルに応じてお金の出し入れが自由になったのも改正の1つの大きなポイントになっています。

サッシャ:新NISAの口座を開設できる場所は決まっているのでしょうか?

飯村:投資なので証券口座になりますから、銀行や証券会社でNISA口座をひらく必要があります。そのなかで、一般NISAは株や投資信託などを買えます。つみたてNISAの場合、金融庁が認めた長期投資にふさわしい投資信託しか買えなくなっていますので、これからNISAを始めたい方はつみたてNISAをコツコツ買っていくのがいいかなと思います。

無理のない資産運用が大切

最後に、飯村さんからNISAを始める人に向けた注意点を聞いた。

飯村:やはり、わからないものには手を出してはいけないと思います。自分の家計のなかで「これくらいだったら投資しても大丈夫」という、無理のない投資額を決めるのが大切です。投資についてしっかり学んで、わかるところからコツコツするのが大事だと思いますね。そのためにはライフプランを立てて、いつお金がかかってどうやって貯めるかという計画が大事かなと思います。

小林:結婚、出産、車の購入などがありますもんね。1年間心配せずに生活ができるぐらいの貯蓄の外で(NISAを)やりなさいという話をお聞きしたことがあります。

飯村:素晴らしいです。人生、何が起こるかわからないですから、1年ぐらいはしっかりと生活ができるぐらいの資金は残し、将来に向けてはコツコツ積み立てて老後の資金を貯める。そういったときにNISA制度を活用できるかと思います。

サッシャ:あくまでも自分の家計、自分の立ち位置で合わせるのが重要ですね。

飯村:そうなんです。日本人って今まで投資の教育とかお金の勉強をしてこなかったので「投資は怖いもの」という意識はあると思うんですね。でも、投資にはリスクが大きいものだけじゃなく、コツコツできるものもあるので、そういったものをしっかり知ることが大切だと思います。2022年からは高校の授業で投資教育(資産形成)を学ぶようになったんですよ。

サッシャ:そうなんですか!? 自分も教えてほしかったなあ。知識として知っていて損はないですよね。

12月1日、飯村さんは書籍『年収300万円でもラクラク越えられる「貯蓄1000万円の壁」』(KADOKAWA)を出版した。

飯村:お金の貯め方、初めての方でもわかりやすいコツコツ安心型の資産形成の話を盛り込んでいます。ぜひお手に取っていただければ嬉しいです。

J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」では、毎回ニューノーマル時代のさまざまなエッジにフォーカスする。放送は月曜~木曜の10時10分ごろから。
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2023年1月24日28時59分まで

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番組情報
STEP ONE
月・火・水・木曜
9:00-13:00

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