サブスクを主体に活躍するアーティストはどのように収入を得ているのか? 音楽プロデューサーのさんでぼとシンガートラックメーカーのSUKISHAが解説した。
2人が登場したのはJ-WAVEで放送された番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。オンエアは10月13日(木)。
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『ぴえんのうた』など針スピ子が歌う「〇〇のうたシリーズ」を作詞作曲編曲をする音楽プロデューサーのさんでぼと、『4分半のマジック』がSNSからヒットし、Twitter上でサブスクの売り上げを公開し話題となるシンガートラックメーカーのSUKISHAがそれぞれ持論を展開した。
あっこゴリラ:サブスクはCDよりアーティストの収益が落ちるという意見もあるみたいなんですけど、実際はどうなんですか?
さんでぼ:前提条件で話は変わってくると思うんですけど、CD全盛期と比べたらそうじゃないですかね。でもCDが過去のメディアになってる今だったら、サブスクの有無だけだと結果的には変わらないのかなって感覚です。他の要素が大きいかなと。
SUKISHA:基本的にはやり方とか実力とか運とかそういうものが全部絡んでくると思っていて、CDが全盛期だったときのやり方と同じやり方でやったら売り上げが絶対減っていって、コストは変わらないので、変わらないやり方で頑張っている方は収入が落ちたって言うことは、想像はしやすいかなと思います。
SUKISHAは先日サブスク収益について、自身の収入をSNSで赤裸々に公開した。
あっこゴリラ:2000万円って超すごいですね。
SUKISHA:去年「1000万って言ってるけど累計収益だろ」って言われたことがあったから、今年は無事累計収益が2000万円いったってことだから、1年くらいで1000万円くらいは稼いだよって話をしました。なんで僕にそんな収益が入ってくるかって1人で全部作ってるからで。音楽って昔はスタジオとかで時間とお金をかけていろんな人が関わって作ってたと思うんですけど、今は1人で作れるようになったし、そういう人が増えたから、配信も1人でやると印税だったり原盤だったりの分配率が100パーセントだから。
あっこゴリラ:SUKISHAさんって曲のミックスもマスタリングも自分でやるんですか。
SUKISHA:全て自分です。
あっこゴリラ:うわ、それは強い。私はトラックメーカーだったりいろいろ分配があるから、100パーセント自分に配分されることは基本的にはないけど、私自身は2020年から独立したんですけど、そこからのほうが収入は安定したというか、サブスクのおかげで増えたって感じはあるし、まわりのミュージシャンもそういう人が多いなっていう感覚がありますね。
SUKISHA:単純に昔より利益を割る人の数が少ないじゃないですか。
あっこゴリラ:そう、大きな会社に所属すると、その分関わる人が増えるからそこで分配とかも変わってくるけど。
SUKISHA:Twitterでそれをお話したかったってことですね。
一方、さんでぼもSUKISHAと同様に楽曲制作はほぼ自分1人で行っているため、人数が少ない分、1人当たりの収入は増えると話す。
あっこゴリラ:今って1人で完結できちゃう時代だよね。
さんでぼ:自由だし生きやすい時代だと思います。
あっこゴリラ:これまでそういうアーティストがなかなか芽を出すことが難しかった面もあったと思うから、そういう意味ではいろんなアーティストがチャンスの機会が増えたと思うし、クリエイターにちゃんとお金が入るようになったっていうことは、サブスクはいろんな人を救ってるんじゃないかなっていう印象があります。
さんでぼ:自由に生きられる人は絶対に増えたと思います。
あっこゴリラ:あと、コラボとかもめっちゃしやすくなりました。利益を何割ずつで割ってって。インディペンデントのアーティスト同士のフィーチャリングとかがめちゃくちゃやりやすいっていうか。「割り勘でいこう」みたいな感じで、そこのパーセンテージは永久に入り続けるから積み立てしてる感覚もあります。音楽が好きでやってるわけだけど。
さんでぼ:ヘンな風に悩むことが少なくなったというか。自分でやってると自分で責任が取れるから。いろんな人とやるのっていろんな人の意思が絡んでくるから自分のやりたいこととちょっと変わってくることも想像はつきやすいので。
あっこゴリラ:さんでぼさんって意外ですよね。めっちゃサブスクと相性がいい楽曲ばっかりじゃないですか。
さんでぼ:もともと出オチのギャグみたいな曲ばっかりなので構造的にたまたまサブスクと相性がよいとされる楽曲になっただけですね。
あっこゴリラ:インスピレーションの元がSNSにある感じがするんですけど。
さんでぼ:ここ2年くらいは毎月1曲新曲をリリースする感じなので、だからまわりにあるものをネタにするしかないですよね。だから自然とそうなりますね。
あっこゴリラ:SUKISHAさんはサブスクを全く意識してないって感じですか。
SUKISHA:サブスクを意識するというか、聴いてくれる人のことを気にすることはありますね。例えばラップをしてるんだったらラップが好きな人がカッコいいと思うものって自分も好きなものじゃないですか。「このラップヤバくない?」ってラップをするっていうのと同じで、自分が好きな曲で聴いた人が「これ誰の曲?」って調べちゃうくらいの曲を作ることは気にしますけど、それがアルゴリズムに勝手にのって広がって行くきっかけになると思ってるので。プレイリスト入りがどうだというよりはサブスクで「この曲が好きな人はこの曲も好きですよ」ってオススメに出てくると広がって行くっていう印象なので、カッコいいと思う曲を作ることがいちばん大事だと思っています。
2人の会話を聞いたあっこゴリラも「私もサブスクは全く気にしてない」と言う。
あっこゴリラ:SUKISHAさんは今、面白いと思うサブスクってありますか。
SUKISHA:今はロボット掃除機・ルンバのサブスクとかいろいろあるじゃないですか。
あっこゴリラ:香水のサブスクもできたらしいですよね。
さんでぼ:車もレンタルできるサブスクとかもありますよね。でもずっとほしいなって思っているサブスクがあって、マンガの読み放題なんですよね。それをやったらめちゃくちゃもうかると思うんですよ。人気マンガって海外では海賊版で読まれているので、権利関係もちゃんとしてグッズとかも販売したらめちゃくちゃ売れると思います。
あっこゴリラ:本当にそう思う。ちゃんと出版社とか作者に還元されるし、みんなハッピーだと思いますよね。
あっこゴリラ:たぶんだけどサブスクになじみがない世代もたくさんいると思うし、サブスクに対してネガティブなイメージを持っている方もいるかもしれないけど使い方次第で本当にみんなハッピーになれるコンテンツだよっていうのはあらためて伝えたいですよね。
SUKISHA:情報の分断が起きてると思うので、知らない人に教えられないっていうようなものをなくしていきたいと思います。
あっこゴリラ:生き残らせたいアーティストはサブスクをたくさん聴いたらいいんですよね。いろんな人にシェアしてたくさん聴けば、ちゃんと還元されるから。
SUKISHA:一方で、多くの人間が関わらないと作れないっていう人たちは圧倒的なヒットを出すしかないのはちょっと難しさはありますよね。バンドの人たちって大変だと思います。
あっこゴリラ:確かに。
SUKISHA:絶対に3人から4人はいるわけだから、サブスクはいいところも悪いところもあるというか。これまでうまくできていた人たちがうまくできなくなる可能性もあるので。だから「サブスクを使ったら絶対に成功するよ」とは言えないので、うまくやれるかどうかはやり方次第なんですよって伝えた上で、みんな頑張ろうねってしか言えないんですけどね。
あっこゴリラ:ライブバンドとかはCDをずっと主体でやってますからね。
SUKISHA:CD以外の何かがないといけないよなっては思っているけど、CDに変わる新しいものって出てきてないんですよね。
あっこゴリラ:最近CDのリリースの仕方もみんなチャレンジされてるので、もうちょっといろいろトライしていって新しいものが出てくる気がしています。
J-WAVE『SONAR MUSIC』は月~木の22:00-24:00にオンエア。
2人が登場したのはJ-WAVEで放送された番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。オンエアは10月13日(木)。
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サブスクはCDよりアーティストの収益が落ちる?
サブスクリプションが定着した今、音楽業界がどう変化したのか?『ぴえんのうた』など針スピ子が歌う「〇〇のうたシリーズ」を作詞作曲編曲をする音楽プロデューサーのさんでぼと、『4分半のマジック』がSNSからヒットし、Twitter上でサブスクの売り上げを公開し話題となるシンガートラックメーカーのSUKISHAがそれぞれ持論を展開した。
あっこゴリラ:サブスクはCDよりアーティストの収益が落ちるという意見もあるみたいなんですけど、実際はどうなんですか?
さんでぼ:前提条件で話は変わってくると思うんですけど、CD全盛期と比べたらそうじゃないですかね。でもCDが過去のメディアになってる今だったら、サブスクの有無だけだと結果的には変わらないのかなって感覚です。他の要素が大きいかなと。
SUKISHA:基本的にはやり方とか実力とか運とかそういうものが全部絡んでくると思っていて、CDが全盛期だったときのやり方と同じやり方でやったら売り上げが絶対減っていって、コストは変わらないので、変わらないやり方で頑張っている方は収入が落ちたって言うことは、想像はしやすいかなと思います。
SUKISHAは先日サブスク収益について、自身の収入をSNSで赤裸々に公開した。
「サブスクは儲からない」というお話、よく聞くんですが儲からないということはないです。去年累計収益1000万と報告しましたが今年無事累計収益2000万いきました。これだけでこれから先全て賄えるかというと危機感たっぷりですが、「儲からない」と言う場合の大半は分配率か作品が広まるかの問題かと! https://t.co/7oXM3VaOjn pic.twitter.com/GYJe1jl3aB
— SUKISHA (@sukisha_jpn) September 26, 2022
あっこゴリラ:2000万円って超すごいですね。
SUKISHA:去年「1000万って言ってるけど累計収益だろ」って言われたことがあったから、今年は無事累計収益が2000万円いったってことだから、1年くらいで1000万円くらいは稼いだよって話をしました。なんで僕にそんな収益が入ってくるかって1人で全部作ってるからで。音楽って昔はスタジオとかで時間とお金をかけていろんな人が関わって作ってたと思うんですけど、今は1人で作れるようになったし、そういう人が増えたから、配信も1人でやると印税だったり原盤だったりの分配率が100パーセントだから。
あっこゴリラ:SUKISHAさんって曲のミックスもマスタリングも自分でやるんですか。
SUKISHA:全て自分です。
あっこゴリラ:うわ、それは強い。私はトラックメーカーだったりいろいろ分配があるから、100パーセント自分に配分されることは基本的にはないけど、私自身は2020年から独立したんですけど、そこからのほうが収入は安定したというか、サブスクのおかげで増えたって感じはあるし、まわりのミュージシャンもそういう人が多いなっていう感覚がありますね。
SUKISHA:単純に昔より利益を割る人の数が少ないじゃないですか。
あっこゴリラ:そう、大きな会社に所属すると、その分関わる人が増えるからそこで分配とかも変わってくるけど。
SUKISHA:Twitterでそれをお話したかったってことですね。
一方、さんでぼもSUKISHAと同様に楽曲制作はほぼ自分1人で行っているため、人数が少ない分、1人当たりの収入は増えると話す。
あっこゴリラ:今って1人で完結できちゃう時代だよね。
さんでぼ:自由だし生きやすい時代だと思います。
あっこゴリラ:これまでそういうアーティストがなかなか芽を出すことが難しかった面もあったと思うから、そういう意味ではいろんなアーティストがチャンスの機会が増えたと思うし、クリエイターにちゃんとお金が入るようになったっていうことは、サブスクはいろんな人を救ってるんじゃないかなっていう印象があります。
さんでぼ:自由に生きられる人は絶対に増えたと思います。
あっこゴリラ:あと、コラボとかもめっちゃしやすくなりました。利益を何割ずつで割ってって。インディペンデントのアーティスト同士のフィーチャリングとかがめちゃくちゃやりやすいっていうか。「割り勘でいこう」みたいな感じで、そこのパーセンテージは永久に入り続けるから積み立てしてる感覚もあります。音楽が好きでやってるわけだけど。
さんでぼ:ヘンな風に悩むことが少なくなったというか。自分でやってると自分で責任が取れるから。いろんな人とやるのっていろんな人の意思が絡んでくるから自分のやりたいこととちょっと変わってくることも想像はつきやすいので。
サブスクを意識した楽曲制作はしていない
続いては楽曲制作の話題になり、さんでぼもSUKISHAもサブスクを意識した制作はしていないという。あっこゴリラ:さんでぼさんって意外ですよね。めっちゃサブスクと相性がいい楽曲ばっかりじゃないですか。
さんでぼ:もともと出オチのギャグみたいな曲ばっかりなので構造的にたまたまサブスクと相性がよいとされる楽曲になっただけですね。
あっこゴリラ:インスピレーションの元がSNSにある感じがするんですけど。
さんでぼ:ここ2年くらいは毎月1曲新曲をリリースする感じなので、だからまわりにあるものをネタにするしかないですよね。だから自然とそうなりますね。
あっこゴリラ:SUKISHAさんはサブスクを全く意識してないって感じですか。
SUKISHA:サブスクを意識するというか、聴いてくれる人のことを気にすることはありますね。例えばラップをしてるんだったらラップが好きな人がカッコいいと思うものって自分も好きなものじゃないですか。「このラップヤバくない?」ってラップをするっていうのと同じで、自分が好きな曲で聴いた人が「これ誰の曲?」って調べちゃうくらいの曲を作ることは気にしますけど、それがアルゴリズムに勝手にのって広がって行くきっかけになると思ってるので。プレイリスト入りがどうだというよりはサブスクで「この曲が好きな人はこの曲も好きですよ」ってオススメに出てくると広がって行くっていう印象なので、カッコいいと思う曲を作ることがいちばん大事だと思っています。
2人の会話を聞いたあっこゴリラも「私もサブスクは全く気にしてない」と言う。
あっこゴリラ:SUKISHAさんは今、面白いと思うサブスクってありますか。
SUKISHA:今はロボット掃除機・ルンバのサブスクとかいろいろあるじゃないですか。
あっこゴリラ:香水のサブスクもできたらしいですよね。
さんでぼ:車もレンタルできるサブスクとかもありますよね。でもずっとほしいなって思っているサブスクがあって、マンガの読み放題なんですよね。それをやったらめちゃくちゃもうかると思うんですよ。人気マンガって海外では海賊版で読まれているので、権利関係もちゃんとしてグッズとかも販売したらめちゃくちゃ売れると思います。
あっこゴリラ:本当にそう思う。ちゃんと出版社とか作者に還元されるし、みんなハッピーだと思いますよね。
サブスクは使い方次第でみんなハッピーになれるコンテンツ
番組後半ではさんでぼとSUKISHAがサブスクで見つけた注目アーティストを紹介する場面も。最後に3人は、サブスクの今後について話し合った。あっこゴリラ:たぶんだけどサブスクになじみがない世代もたくさんいると思うし、サブスクに対してネガティブなイメージを持っている方もいるかもしれないけど使い方次第で本当にみんなハッピーになれるコンテンツだよっていうのはあらためて伝えたいですよね。
SUKISHA:情報の分断が起きてると思うので、知らない人に教えられないっていうようなものをなくしていきたいと思います。
あっこゴリラ:生き残らせたいアーティストはサブスクをたくさん聴いたらいいんですよね。いろんな人にシェアしてたくさん聴けば、ちゃんと還元されるから。
SUKISHA:一方で、多くの人間が関わらないと作れないっていう人たちは圧倒的なヒットを出すしかないのはちょっと難しさはありますよね。バンドの人たちって大変だと思います。
あっこゴリラ:確かに。
SUKISHA:絶対に3人から4人はいるわけだから、サブスクはいいところも悪いところもあるというか。これまでうまくできていた人たちがうまくできなくなる可能性もあるので。だから「サブスクを使ったら絶対に成功するよ」とは言えないので、うまくやれるかどうかはやり方次第なんですよって伝えた上で、みんな頑張ろうねってしか言えないんですけどね。
あっこゴリラ:ライブバンドとかはCDをずっと主体でやってますからね。
SUKISHA:CD以外の何かがないといけないよなっては思っているけど、CDに変わる新しいものって出てきてないんですよね。
あっこゴリラ:最近CDのリリースの仕方もみんなチャレンジされてるので、もうちょっといろいろトライしていって新しいものが出てくる気がしています。
J-WAVE『SONAR MUSIC』は月~木の22:00-24:00にオンエア。
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2022年10月20日28時59分まで
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番組情報
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