新宿の大規模な再開発について、『日経ビジネス』記者の佐藤嘉彦さんが解説した。
この内容をお届けしたのは、J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ・ノイハウス萌菜)のワンコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」。10月11日(火)のオンエア内容をテキストで紹介する。
サッシャ:完成図はどのようなものが予定されているのでしょうか。
佐藤:小田急百貨店の新宿店本館を地上48階建て高さ260メートルの高層ビルに建て替えます。一帯開発なので2023年3月に小田急グループの商業施設である新宿ミロードの一部、2025年には残りのミロードの全館が営業を終えて全体を建て替え、2027年に新しいビルがオープンする予定です。
サッシャ:新宿駅の西口って小田急線とJR西口の改札があるじゃないですか? 改札も変わって一部が迂回になるのでしょうか。
佐藤:そうですね。地下は工事中でも使えると思うのですが、上は一旦取り壊して建て替えるそうです。
サッシャ:京王百貨店はどうなるのですか?
佐藤:建て替えが予定されています。その横にあるルミネ新宿ルミネ1と、甲州街道を挟んで向こう側のJRビル一帯も再開発をして、そちらが完成するのは2040年代ですね。
新宿駅西口周辺の整備がおこなわれたのが1960年代のこと。老朽化が進み駅の構造が複雑になったことを踏まえ、2012年に特定都市再生緊急整備地域に指定された。
佐藤:新宿区と東京都が「新宿の拠点再整備方針~新宿グランドターミナルの一体的な再編」を策定しました。方針のなかには4つ掲げられているものがあります。
1:国際交流都市の玄関口になる
2:駅と街の回遊性を高める
3:国際競争力の強化に資する整備をする
4:周辺地域の街づくりを展開していく
ノイハウス:現在も新宿って何でもあるってイメージがあるのですが、そこをさらに変えていかなければならないニーズがあったのでしょうか?
佐藤:新宿のイメージって個々人によってバラバラなんですよ。新宿西口と聞くと、私の場合は都庁や高層ビル群を思い浮かべるんですね。ある人はヨドバシカメラとか家電量販店を思い浮かべる方もいらっしゃるでしょうし、思い出横丁といった飲み屋街も新宿の西口の顔になっていると思います。
ノイハウス:そう言われてみると、いろいろありますね!
小田急電鉄の調べによると、新宿では買い物や食事などそれぞれの目的を済ますと帰宅する人が多く、街の回遊性の低さや滞在時間の短さが課題となっているそうだ。「新宿の拠点再整備方針~新宿グランドターミナルの一体的な再編」で掲げられた4つの目標は、どのようにして達成できるのだろうか?
佐藤:現在の西口広場を中心に、周囲を高層ビルが取り囲む形に変わっていきます。そのなかで繋がるようなペデストリアンデッキ(高架で設置された歩行者専用通路)といったものを作って、積極的に街に出ていく形になると思います。
サッシャ:渋谷に近い形ですかね?
佐藤:そうですね。これまでのビルは百貨店ばかりだったと思うんですけども、高層ビルになりますので上のほうにはオフィスとかホテル、あとは国際競争力の強化という方針に従ってオープンイノベーションの拠点が作られる予定となっています。
サッシャ:言われてみれば、たしかに外国の方が泊まれるような高級ホテルが駅前にないですよね。
佐藤:西口広場を挟んで駅と反対側の部分に明治安田生命新宿ビルがあったのですが、すでに解体されていて、地上23階建てのビルの建て替え工事が始まっています。こちらは六本木ヒルズの再開発などで実績がある森ビルが参画しています。そこから道を挟んで反対側の新宿スバルビルは小田急電鉄が取得しまして、解体済みになっています。こちらの敷地ではビルを建てず、上空の権利を小田急百貨店の建て替えにくっつけるそうです。
サッシャ:そのぶん高い建物を建てられるということですね。
佐藤:そうです。駅の建物が大きくなり、新宿西口広場が少し手前に出てくるイメージですね。
サッシャ:なるほど。これから新宿はどんなイメージにしていくんでしょうか?
佐藤:難しい問題ですよね。現在は国際競争力が謳われていますので、世界のいろいろな才能が集まる街にしていくのかなと思います。商業施設で言えば百貨店という顔がなくなってテナントビルになるわけですけども、テナント型の商業施設はどこも同じようなテナントが入るんですね。そこをどう差別化していくのかっていうのは大きな課題なのかなと思います。
ノイハウス:誰でも行く街だからこそ、誰にでも刺さる街にするっていうのはなかなか難しそうですね。
J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」では、毎回ニューノーマル時代のさまざまなエッジにフォーカスする。放送は月曜~木曜の10時10分ごろから。
この内容をお届けしたのは、J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ・ノイハウス萌菜)のワンコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」。10月11日(火)のオンエア内容をテキストで紹介する。
新宿西口が生まれ変わる。4つの方針とは
新宿駅で西口のシンボルだった小田急百貨店の新宿店本館が閉館。10月からは西口で大規模な再開発が始動している。今回は再開発の現場で取材をしている『日経ビジネス』記者の佐藤さんから話を聞いた。サッシャ:完成図はどのようなものが予定されているのでしょうか。
佐藤:小田急百貨店の新宿店本館を地上48階建て高さ260メートルの高層ビルに建て替えます。一帯開発なので2023年3月に小田急グループの商業施設である新宿ミロードの一部、2025年には残りのミロードの全館が営業を終えて全体を建て替え、2027年に新しいビルがオープンする予定です。
サッシャ:新宿駅の西口って小田急線とJR西口の改札があるじゃないですか? 改札も変わって一部が迂回になるのでしょうか。
佐藤:そうですね。地下は工事中でも使えると思うのですが、上は一旦取り壊して建て替えるそうです。
サッシャ:京王百貨店はどうなるのですか?
佐藤:建て替えが予定されています。その横にあるルミネ新宿ルミネ1と、甲州街道を挟んで向こう側のJRビル一帯も再開発をして、そちらが完成するのは2040年代ですね。
新宿駅西口周辺の整備がおこなわれたのが1960年代のこと。老朽化が進み駅の構造が複雑になったことを踏まえ、2012年に特定都市再生緊急整備地域に指定された。
佐藤:新宿区と東京都が「新宿の拠点再整備方針~新宿グランドターミナルの一体的な再編」を策定しました。方針のなかには4つ掲げられているものがあります。
1:国際交流都市の玄関口になる
2:駅と街の回遊性を高める
3:国際競争力の強化に資する整備をする
4:周辺地域の街づくりを展開していく
ノイハウス:現在も新宿って何でもあるってイメージがあるのですが、そこをさらに変えていかなければならないニーズがあったのでしょうか?
佐藤:新宿のイメージって個々人によってバラバラなんですよ。新宿西口と聞くと、私の場合は都庁や高層ビル群を思い浮かべるんですね。ある人はヨドバシカメラとか家電量販店を思い浮かべる方もいらっしゃるでしょうし、思い出横丁といった飲み屋街も新宿の西口の顔になっていると思います。
ノイハウス:そう言われてみると、いろいろありますね!
小田急電鉄の調べによると、新宿では買い物や食事などそれぞれの目的を済ますと帰宅する人が多く、街の回遊性の低さや滞在時間の短さが課題となっているそうだ。「新宿の拠点再整備方針~新宿グランドターミナルの一体的な再編」で掲げられた4つの目標は、どのようにして達成できるのだろうか?
佐藤:現在の西口広場を中心に、周囲を高層ビルが取り囲む形に変わっていきます。そのなかで繋がるようなペデストリアンデッキ(高架で設置された歩行者専用通路)といったものを作って、積極的に街に出ていく形になると思います。
サッシャ:渋谷に近い形ですかね?
佐藤:そうですね。これまでのビルは百貨店ばかりだったと思うんですけども、高層ビルになりますので上のほうにはオフィスとかホテル、あとは国際競争力の強化という方針に従ってオープンイノベーションの拠点が作られる予定となっています。
サッシャ:言われてみれば、たしかに外国の方が泊まれるような高級ホテルが駅前にないですよね。
今後、新宿はどんな街になっていく?
佐藤さんは新宿西口周辺の再開発事情について語った。佐藤:西口広場を挟んで駅と反対側の部分に明治安田生命新宿ビルがあったのですが、すでに解体されていて、地上23階建てのビルの建て替え工事が始まっています。こちらは六本木ヒルズの再開発などで実績がある森ビルが参画しています。そこから道を挟んで反対側の新宿スバルビルは小田急電鉄が取得しまして、解体済みになっています。こちらの敷地ではビルを建てず、上空の権利を小田急百貨店の建て替えにくっつけるそうです。
サッシャ:そのぶん高い建物を建てられるということですね。
佐藤:そうです。駅の建物が大きくなり、新宿西口広場が少し手前に出てくるイメージですね。
サッシャ:なるほど。これから新宿はどんなイメージにしていくんでしょうか?
佐藤:難しい問題ですよね。現在は国際競争力が謳われていますので、世界のいろいろな才能が集まる街にしていくのかなと思います。商業施設で言えば百貨店という顔がなくなってテナントビルになるわけですけども、テナント型の商業施設はどこも同じようなテナントが入るんですね。そこをどう差別化していくのかっていうのは大きな課題なのかなと思います。
ノイハウス:誰でも行く街だからこそ、誰にでも刺さる街にするっていうのはなかなか難しそうですね。
J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」では、毎回ニューノーマル時代のさまざまなエッジにフォーカスする。放送は月曜~木曜の10時10分ごろから。
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2022年10月18日28時59分まで
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番組情報
- STEP ONE
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