漫画家・絵津鼓による『モアザンワーズ』とその後日譚『IN THE APARTMENT』を原作にしたAmazon Originalドラマ『モアザンワーズ/More Than Words』が現在配信中。愛し合う男性同士とそれを見守るひとりの女性の日々を綴ったピュアな青春群像劇で、年下の槙雄(青木柚)を愛する大学生・永慈を中川大輔が演じている。
劇中では金髪姿も披露し、自身の名を一躍広めた仮面ライダー迅とはまた違った魅力を表出。そんな中川がドラマの撮影秘話はもちろんのこと、ガチの“ラジオ愛”を語りつくす。
【関連記事】友人カップルの子どもを産むと決意─繊細な青春群像劇の実写化に、役者たちの思いは?
仕事終わりに事務所でマネジャーさんから「次にこういう作品があります」とサプライズ的にさらっと言われました。あまりにもさらっとしたサプライズだったため、嬉しすぎてしばらくは「マジですか!?」を連呼したという思い出があります(笑)。それほど驚くくらい、今回の作品は自分の好きなテイストであり、かつ企画書の段階から素晴らしい作品が生まれるという予感がありました。共演者および製作陣の皆さん全員とご一緒したかったので、まさにサプライズなご褒美だと思っています。
──撮影に入るにあたり、どのような準備をされましたか?
同性愛というものをきちんと理解をしなければいけないと思い、LGBTQ+の方と実際にお会いしたりして、槙雄(青木)と愛し合う大学生・永慈の目線で世界を見るように心がけて価値観を広げていきました。あとは脚本に書かれている通り永慈の心情に迫っていきながら役を作っていきました。
劇中の金髪は地毛ではなくて精巧なカツラです。僕専用のカツラとしてヘアメイクさんが製作してくださって、地毛を染めたのではないかと思うくらい自然な仕上がりで素晴らしかったです。手間もコストもかかったと思いますが、今回のドラマはカツラをはじめ、小道具の一つひとつにこだわりがあって、随所から作品への愛が感じられました。
──金髪姿のご自身の感想は?
金髪にすることで、永慈の印象がより柔らかいものになった気がします。そして一人だけ金髪ということで特異な存在として目立つ(笑)。金髪ヘアはかつて雑誌の企画で同じような髪色に染めたことがあるので、3年ぶりくらいです。俳優という仕事はヘアカラーを自分の意識では決めづらいところがあるので、永慈という役柄を通してイメージチェンジができて気分転換にもなりました。
──金髪姿記念に自撮りしたりとかは……?
ははは(笑)。自撮りはさすがにしませんでしたが、マネジャーさんに撮ってもらった写真はSNSにアップしました。髪の毛の色を変えるというのは注目を集めるようで、「新鮮!」などと大きな反響をいただきました。ちなみカツラという説明はファンの方々にはしていないので、このままみんなをダマそうと思います。あ、でもここで言ってしまったから結局はバレますね……。
──方言のセリフも新鮮ですね! でも難しくはありませんでしたか?
難しかったですが、撮影期間中は普段から方言で話すように心がけていました。例えばタクシーの運転手さんは僕がどこの出身なのかわからないわけですから、言葉を交わしてみて地元の人だと思われるのかどうかを試してみたりしました。「関西の方ですか?」と聞かれることもあったり、怪しまれるようなこともあったりして。方言指導の先生がとても情熱的な方で「一切妥協はしませんよ」と最初に言われましたが、本当にクランクアップまで妥協せずにご指導いただきました(笑)。その方の熱量のお陰で方言のクオリティはかなり上がったと思います。
やはり沖縄で過ごした高校時代でしょうか。放課後にみんなで海に行ってパンツ一枚で防波堤から飛び込むということをやっていました。沖縄の海は港の近くであってもすごく澄んでいて本当に綺麗。5人くらいで国道58号線を自転車で走りながらそんな海へと向かう。泳ぎ疲れたらラーメンを食べに行く。今振り返ってみても青春だったなと思います。
──そんな沖縄時代の友人たちは現在の中川さんの活躍どう見ていますか?
連絡は今も取り合っていますが、改めて話し合ったことはないですね。観てくれているのかな?でも友だちが興味のある方と僕が共演したりすると「どんな人だった!?」というミーハーな連絡が来たりします(笑)。
──中川さんはプロフィール欄に「ラジオを聴くのが趣味」と書くくらいラジオ好きなんですよね?
ラジオ……大好きです! リスナー歴は6年くらいで、大学1年生の頃から聴き始めました。通っていた大学が芸術系だったので製作している時間が多くて、そんなときに手を休めずに耳だけで楽しめるエンターテインメントはないものかと探したところからラジオに行きつきました。お笑い芸人さんの番組をきっかけにラジオにドはまりしました。
──ずばり、ラジオの魅力とは?
何かの作業をしながら気軽に聴くことができるのがいいですよね。例えば洗い物や洗濯、掃除など、日々の面倒な作業も「ラジオを聴くために!」と思うと苦にならず前向きに取り組むことができる。朝起きるのがつらいときとかにも目覚まし代わりにラジオをつけたり、ランニング中にも聴いたりします。ラジオはもはや僕にとってのエネルギー源です。
──かなりのラジオ好きですね! いちリスナーとして番組に参加したりとかは?
僕は参加するよりも、一方的に番組を聴いていたいと思うタイプのリスナー。ただただ面白いラジオ番組を耳で享受するだけで十分です。でもパーソナリティーとして番組を持つことには憧れがあります。一人語りよりも、アシスタントの方と二人一組で放送するラジオ番組を担当してみたいです。冗談抜きで僕は本当にたくさんラジオを聴いていて、やることがなかったら朝から晩まで聴いています(笑)。
──ラジオを趣味にしたことで今の仕事に活きたことはありますか?
ラジオのお陰で喋るのが好きになりました。ラジオに出会う前は会話が苦手で、聞かれたことに対して考え込んでしまうタイプでした。それがラジオを聴く中で喋るって面白いと感じて、喋ることに対するハードルが低くなったような気がします。会話の楽しさはラジオが教えてくれました。
ジャンルはバラバラで、その時々によって変わります。『モアザンワーズ/More Than Words』撮影時は、滞在先のホテルの雰囲気がそうさせたみたいで、スティーヴィー・ワンダーやマーヴィン・ゲイなどのモータウン系のアーティストを好んで聴いていました。リラックスできるようなホテルの雰囲気とモータウン系の曲がマッチするような気がしたんです。
──『モアザンワーズ/More Than Words』は世界中で視聴可能です。世界中の人に観られるという実感はありますか?
世界配信……。すごいですよね。壮大すぎて実感はわきません。ただ同性愛をテーマにした作品はアジア圏で多く製作されていて支持も集めていると聞きます。『モアザンワーズ/More Than Words』も海外の方々に観ていただき、この作品を通して今の世界がより良いものになってくれたら嬉しいです。
(取材・文/石井隼人)
劇中では金髪姿も披露し、自身の名を一躍広めた仮面ライダー迅とはまた違った魅力を表出。そんな中川がドラマの撮影秘話はもちろんのこと、ガチの“ラジオ愛”を語りつくす。
【関連記事】友人カップルの子どもを産むと決意─繊細な青春群像劇の実写化に、役者たちの思いは?
嬉しすぎて「マジですか!?」
──出演決定を知らされたときのリアクションを教えてください!仕事終わりに事務所でマネジャーさんから「次にこういう作品があります」とサプライズ的にさらっと言われました。あまりにもさらっとしたサプライズだったため、嬉しすぎてしばらくは「マジですか!?」を連呼したという思い出があります(笑)。それほど驚くくらい、今回の作品は自分の好きなテイストであり、かつ企画書の段階から素晴らしい作品が生まれるという予感がありました。共演者および製作陣の皆さん全員とご一緒したかったので、まさにサプライズなご褒美だと思っています。
──撮影に入るにあたり、どのような準備をされましたか?
同性愛というものをきちんと理解をしなければいけないと思い、LGBTQ+の方と実際にお会いしたりして、槙雄(青木)と愛し合う大学生・永慈の目線で世界を見るように心がけて価値観を広げていきました。あとは脚本に書かれている通り永慈の心情に迫っていきながら役を作っていきました。
(C)2022 NJcreation, All Rights Reserved.
3年ぶりの金髪は「素晴らしいカツラ」
──金髪姿も披露されていますね!劇中の金髪は地毛ではなくて精巧なカツラです。僕専用のカツラとしてヘアメイクさんが製作してくださって、地毛を染めたのではないかと思うくらい自然な仕上がりで素晴らしかったです。手間もコストもかかったと思いますが、今回のドラマはカツラをはじめ、小道具の一つひとつにこだわりがあって、随所から作品への愛が感じられました。
──金髪姿のご自身の感想は?
金髪にすることで、永慈の印象がより柔らかいものになった気がします。そして一人だけ金髪ということで特異な存在として目立つ(笑)。金髪ヘアはかつて雑誌の企画で同じような髪色に染めたことがあるので、3年ぶりくらいです。俳優という仕事はヘアカラーを自分の意識では決めづらいところがあるので、永慈という役柄を通してイメージチェンジができて気分転換にもなりました。
(C)2022 NJcreation, All Rights Reserved.
ははは(笑)。自撮りはさすがにしませんでしたが、マネジャーさんに撮ってもらった写真はSNSにアップしました。髪の毛の色を変えるというのは注目を集めるようで、「新鮮!」などと大きな反響をいただきました。ちなみカツラという説明はファンの方々にはしていないので、このままみんなをダマそうと思います。あ、でもここで言ってしまったから結局はバレますね……。
──方言のセリフも新鮮ですね! でも難しくはありませんでしたか?
難しかったですが、撮影期間中は普段から方言で話すように心がけていました。例えばタクシーの運転手さんは僕がどこの出身なのかわからないわけですから、言葉を交わしてみて地元の人だと思われるのかどうかを試してみたりしました。「関西の方ですか?」と聞かれることもあったり、怪しまれるようなこともあったりして。方言指導の先生がとても情熱的な方で「一切妥協はしませんよ」と最初に言われましたが、本当にクランクアップまで妥協せずにご指導いただきました(笑)。その方の熱量のお陰で方言のクオリティはかなり上がったと思います。
青春はパンツ一枚で海ダイブ
──ちなみに中川さんの青春時代とはいつですか?やはり沖縄で過ごした高校時代でしょうか。放課後にみんなで海に行ってパンツ一枚で防波堤から飛び込むということをやっていました。沖縄の海は港の近くであってもすごく澄んでいて本当に綺麗。5人くらいで国道58号線を自転車で走りながらそんな海へと向かう。泳ぎ疲れたらラーメンを食べに行く。今振り返ってみても青春だったなと思います。
──そんな沖縄時代の友人たちは現在の中川さんの活躍どう見ていますか?
連絡は今も取り合っていますが、改めて話し合ったことはないですね。観てくれているのかな?でも友だちが興味のある方と僕が共演したりすると「どんな人だった!?」というミーハーな連絡が来たりします(笑)。
ラジオはエネルギー源! 日々の作業も前向きになれる
ラジオ……大好きです! リスナー歴は6年くらいで、大学1年生の頃から聴き始めました。通っていた大学が芸術系だったので製作している時間が多くて、そんなときに手を休めずに耳だけで楽しめるエンターテインメントはないものかと探したところからラジオに行きつきました。お笑い芸人さんの番組をきっかけにラジオにドはまりしました。
──ずばり、ラジオの魅力とは?
何かの作業をしながら気軽に聴くことができるのがいいですよね。例えば洗い物や洗濯、掃除など、日々の面倒な作業も「ラジオを聴くために!」と思うと苦にならず前向きに取り組むことができる。朝起きるのがつらいときとかにも目覚まし代わりにラジオをつけたり、ランニング中にも聴いたりします。ラジオはもはや僕にとってのエネルギー源です。
──かなりのラジオ好きですね! いちリスナーとして番組に参加したりとかは?
僕は参加するよりも、一方的に番組を聴いていたいと思うタイプのリスナー。ただただ面白いラジオ番組を耳で享受するだけで十分です。でもパーソナリティーとして番組を持つことには憧れがあります。一人語りよりも、アシスタントの方と二人一組で放送するラジオ番組を担当してみたいです。冗談抜きで僕は本当にたくさんラジオを聴いていて、やることがなかったら朝から晩まで聴いています(笑)。
──ラジオを趣味にしたことで今の仕事に活きたことはありますか?
ラジオのお陰で喋るのが好きになりました。ラジオに出会う前は会話が苦手で、聞かれたことに対して考え込んでしまうタイプでした。それがラジオを聴く中で喋るって面白いと感じて、喋ることに対するハードルが低くなったような気がします。会話の楽しさはラジオが教えてくれました。
スティーヴィー・ワンダーやマーヴィン・ゲイ
──『モアザンワーズ/More Than Words』は、くるり、STUTS、iri、宗藤竜太、劇伴は小西遼(CRCK/LCKS)が務めるなど、音楽面も豪華ですね! 中川さんは普段どのような音楽を聴きますか?ジャンルはバラバラで、その時々によって変わります。『モアザンワーズ/More Than Words』撮影時は、滞在先のホテルの雰囲気がそうさせたみたいで、スティーヴィー・ワンダーやマーヴィン・ゲイなどのモータウン系のアーティストを好んで聴いていました。リラックスできるようなホテルの雰囲気とモータウン系の曲がマッチするような気がしたんです。
──『モアザンワーズ/More Than Words』は世界中で視聴可能です。世界中の人に観られるという実感はありますか?
世界配信……。すごいですよね。壮大すぎて実感はわきません。ただ同性愛をテーマにした作品はアジア圏で多く製作されていて支持も集めていると聞きます。『モアザンワーズ/More Than Words』も海外の方々に観ていただき、この作品を通して今の世界がより良いものになってくれたら嬉しいです。