音楽プロデューサーでアーティストのYaffleが「クリエイティブの刺激」をテーマに楽曲をセレクトした。
Yaffleが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『MOTORING MUSIC』。オンエアは7月8日(金)。Yaffleは同番組の7月の選曲担当を務めている。
そして今回の選曲基準を、Yaffleはこう話した。
Yaffle:いままで自分が聴いたことがないジャンルや曲を聴いてみて、「ここは好きだな」「ここは微妙だな」とか、そういうことをよく思うんです。そのなかでも音楽が好きな人だったら、曲を聴いて大体近い、近似値のほかの曲が出てくると思うんですけど、今回はいままでの文脈のなかの音楽としても成立しているけれど「なんだこれ?」と思ったような曲を選ばせていただきました。
Yaffleは1曲目にFlumeの『Say Nothing feat. MAY-A』をピックアップした。
Yaffle:Flumeは毎回出るたびに刺激になります。この人は毎回「なにかやってやろう」という感じがすごくしていて、ちょうど破綻ギリギリのところで保たれているのが面白い。
Yaffleは、「EDMの定石としてドロップ(インストで盛り上がる箇所)があるが、この曲にはない」と解説する。
Yaffle:歌手の人はフィーチャリングなので、ドロップの瞬間のみFlumeだけが音楽を出しているという状態になるわけですけど、そこをバッサリ切って詰めていて。どんどん聴いているうちにハマっていく曲なのに新規性があるというね。よく昔からどんどん聴いていたら深く好きになっていくという話はあるんですけど。そういうある種普通の曲の感想を持たせながら、でもサウンド自体はすごく新規性があるというのは、すばらしいバランス感覚だなと思います。
Yaffle:それこそ曲が終始スカスカなんですよね。ふわっとした言い方をすると「厚みがない」。専門的に言えば、Childish Gambinoの歌の下らへんで支えてくれる人がいなくて、すごく独特な雰囲気なんですけど、それで本人の声の表情づけが抜けてくるんですよね。本人も俳優、コメディアンなので、声色を使ってうまく変化させていくのが素晴らしいなと思います。
同曲のプロデューサーはLudwig Göranssonが務めている。彼はもともと映画やドラマなどの劇伴をしており、Childish Gambino主演のドラマの楽曲を担当したことから意気投合。アルバムのプロデューサーとして声がかけられたそうだ。
Yaffle:当時のポップスの文脈とはちょっと違うというか、独特の音響感があるというか。ある種ちょっと物語っぽいところが味になっている気がします。
Yaffleはこの曲を「このぐらいスカスカのほうがいいな」と、自分を奮い立たせるために聴くという。
Yaffle:たとえばCMソングとか2、3秒で心を掴まれるような曲も大事ですけど、この曲は真逆。ずっと聴いていると4分ぐらいで「うわあ」ってなってくるというか、ようは音楽の連続性ですね。時間軸で表現する芸術という意味では、それがすごく効果的に動いている。そんな玄人話は置いておいても曲としてすごくいいですよね。普通に聴いてもいいし、(音楽を)やっている人からしても「メチャクチャとがっているな」って思う、理想的な楽曲です。
この曲が収録されているアルバム『Princess Catgirl』は、ジャケットにも描かれている猫を擬人化させたような女の子・Princess Catgirlがシンガーとして歌っているというコンセプトのもと、全編ピッチシフターのエフェクトがかけられた楽曲で構成されている。
Yaffle:おいしいものばかり出されると飽きちゃうので、ビビビビと舌が痺れるようなやつをちょこちょこ出して、たまにおいしいのを出すとすごくおいしく感じるみたいな理論。音楽というか芸術、作るもの全般はそうなんだと思いますが、その加減がすごくよくて。どこかに向かう飛行機の上でこれを全部バーッと聴いたのですが、完成度が高くて素晴らしいなって思いました。
『MOTORING MUSIC』では月替わりのゲストが大好きな音楽を選曲。音楽の話から個性を感じるプログラム。放送は毎週金曜日の16時から。
Yaffleが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『MOTORING MUSIC』。オンエアは7月8日(金)。Yaffleは同番組の7月の選曲担当を務めている。
文脈を探る作業
Yaffleは「大体全部の創作物というのは文脈があるから、いきなりみんなが見たことも聞いたこともないものを作っても知覚できない」と話し、文脈を探るために人は「自分は何が好きか」を探すと語る。そして今回の選曲基準を、Yaffleはこう話した。
Yaffle:いままで自分が聴いたことがないジャンルや曲を聴いてみて、「ここは好きだな」「ここは微妙だな」とか、そういうことをよく思うんです。そのなかでも音楽が好きな人だったら、曲を聴いて大体近い、近似値のほかの曲が出てくると思うんですけど、今回はいままでの文脈のなかの音楽としても成立しているけれど「なんだこれ?」と思ったような曲を選ばせていただきました。
Yaffleは1曲目にFlumeの『Say Nothing feat. MAY-A』をピックアップした。
Yaffleは、「EDMの定石としてドロップ(インストで盛り上がる箇所)があるが、この曲にはない」と解説する。
Yaffle:歌手の人はフィーチャリングなので、ドロップの瞬間のみFlumeだけが音楽を出しているという状態になるわけですけど、そこをバッサリ切って詰めていて。どんどん聴いているうちにハマっていく曲なのに新規性があるというね。よく昔からどんどん聴いていたら深く好きになっていくという話はあるんですけど。そういうある種普通の曲の感想を持たせながら、でもサウンド自体はすごく新規性があるというのは、すばらしいバランス感覚だなと思います。
自分を奮い立たせるときに聴く曲
続いてYaffleはChildish Gambinoの『Redbone』をセレクト。同曲には「ここで1回頂点になった」という印象を持っているのだという。同曲のプロデューサーはLudwig Göranssonが務めている。彼はもともと映画やドラマなどの劇伴をしており、Childish Gambino主演のドラマの楽曲を担当したことから意気投合。アルバムのプロデューサーとして声がかけられたそうだ。
Yaffle:当時のポップスの文脈とはちょっと違うというか、独特の音響感があるというか。ある種ちょっと物語っぽいところが味になっている気がします。
Yaffleはこの曲を「このぐらいスカスカのほうがいいな」と、自分を奮い立たせるために聴くという。
Yaffle:たとえばCMソングとか2、3秒で心を掴まれるような曲も大事ですけど、この曲は真逆。ずっと聴いていると4分ぐらいで「うわあ」ってなってくるというか、ようは音楽の連続性ですね。時間軸で表現する芸術という意味では、それがすごく効果的に動いている。そんな玄人話は置いておいても曲としてすごくいいですよね。普通に聴いてもいいし、(音楽を)やっている人からしても「メチャクチャとがっているな」って思う、理想的な楽曲です。
完成度の高さを評価した曲
Yaffleは3曲目にノルウェーのDJ、プロデューサー、トラックメイカー、Cashmere Catの『FOR YOUR EYES ONLY』を選んだ。Yaffle:おいしいものばかり出されると飽きちゃうので、ビビビビと舌が痺れるようなやつをちょこちょこ出して、たまにおいしいのを出すとすごくおいしく感じるみたいな理論。音楽というか芸術、作るもの全般はそうなんだと思いますが、その加減がすごくよくて。どこかに向かう飛行機の上でこれを全部バーッと聴いたのですが、完成度が高くて素晴らしいなって思いました。
『MOTORING MUSIC』では月替わりのゲストが大好きな音楽を選曲。音楽の話から個性を感じるプログラム。放送は毎週金曜日の16時から。
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毎週金曜16:00-16:30
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武藤千春