吉岡里帆が聞く、中村佳穂が「音楽の道に進む」と決意した瞬間

シンガーソングライター・中村佳穂が、音楽の道を進んだ転機を振り返った。

中村が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『UR LIFESTYLE COLLEGE』(ナビゲーター:吉岡里帆)。4月10日(日)のオンエア内容をテキストで紹介する。

京都出身で同世代の2人が対談

中村は20歳の頃から本格的な音楽活動をスタートしソロ、デュオ、バンドなど、さまざまな形で幅広く活躍。2021年は細田 守監督映画『竜とそばかすの姫』で主人公のすず・Belle役の声と劇中歌を担当し注目を集めた。まず吉岡は、中村との共通点がいくつかある点を挙げた。

吉岡:来ていただいてとっても嬉しいです。
中村:こちらこそ!
吉岡:地元が私と同じ、京都なんですよね。そして、中村佳穂さんは1992年の5月生まれということで。私は1993年の1月生まれなので、かなり歳も近いです。
中村:まあ! 嬉しい。
吉岡:同世代です。今って東京にお住まいですか?
中村:いえ、関西です。
吉岡:そうなんですか! 東京に通われているんですね。ということは、関西で一人暮らしをされているんでしょうか?
中村:そうです。
吉岡:そうなんですね。今回はそのあたりのお話も伺っていきたいと思います。

音楽と絵に夢中になった幼少期

中村はどのような幼少期を過ごしていたのだろうか?

中村:幼少期の頃は一番ませていて、色鉛筆でスケッチブックにいろいろ描いたり、オカリナを吹きながら歩いていました(笑)。
吉岡:めっちゃかわいい。インタビューを拝見したのですが、絵と音楽、どちらに進むかずっと悩んでいたそうですね。絵も小さい頃から描いていたとのことですが、音楽との出会いも早かったですか?
中村:そうですね。無意識に鼻歌を歌っていたので、小さい頃から「どっちも好きだなあ」と思っていました。
吉岡:なるほど。芸術に触れる機会は誰からのギフトですか?
中村:両親共々教師でして、いろんな習い事を小さい頃からやらせてくれたんですね。残ったのが絵と音楽って感じでした。
吉岡:へええ! そうだったんですね。

吉岡は、事前アンケートで中村が「歌うことが大好きで、気になることすべてに『なぜ?』と語りかけていました。その姿勢は今でも変わっていないような気がします」と答えていたことに触れた。

中村:何でもかんでも気になっちゃっていました。学生時代にbe動詞を習ったとき、手を挙げて「なんでa動詞はないんですか?」と聞いたりしていました(笑)。
吉岡:面白い(笑)。好奇心が旺盛という感じがめっちゃ伝わってきますよ。
中村:そうですね。気になり癖は今も変わっていない気がします。

音楽の道に進んだきっかけ

音楽を仕事にしたいと思った転機を訊くと、中村は「美大に通いながら音楽活動をしようと思っていた時期もあった」と話す。ところが美術大学の合否判定のタイミングで、考えに変化が生じたと語る。

中村:美術大学に行けるって雰囲気がしたときに、“自分の道”がなんとなく見えた気がしたんです。そのときに自分は「違う」と思ったみたいで、すごくモヤモヤしたんですよ。当時、油絵を描いていたんですけども、涙を流していて。周りにいた友人とか私も含めて「こういう気持ちだということは、美大に行くって選択は“違う”可能性があるな」と思いました。
吉岡:第六感的に心が感じているというか。
中村:そうですね。残っているほうは歌だから、「私は音楽を生業にしたほうがいいかもしれない」って19歳ぐらいのときに気付きました。
吉岡:すごい。「両方をやる」って選択をする方もいるなかで、1本だけを選んだ理由は?
中村:絵を描いていたときの友人が、「中村は何でも器用にこなせるタイプだからこそ、一個に絞らないとあとあとつらいかもよ」と言ってくれたんです。
吉岡:そんな先のことまで読んじゃうって、相当中村さんのことを見ていてくださった方ですよね。
中村:そうですね。高校のときはとことん話し合っていました。今でもその感覚はある気がしますし、(友人からの助言は)そのときに自分でも思っていたことだけど、なんとなく見ていなかった気がしたから、「ほんまやねえ」って言って(笑)。
吉岡:納得したと(笑)。
中村:そう(笑)。「私、行こうと思ってた大学をやめるわ」と言いましたね。
吉岡:すごい決断じゃないですか。「やれる」って確信はあったんですか? 今みたいな自分を想像できたのかなと思いまして。
中村:絵と音楽、どちらも手放したくないもののどちらかを手放すっていう感覚だったので、その先を考えるみたいなことではなかったです。「これ(音楽)がいい」ってことしか考えていなかったかな。
吉岡:そうなんですね。じゃあ、ピュアな思いから音楽活動がスタートした感じなんでしょうか?
中村:そうですね。「歌が歌いたいです!」って感じでした(笑)。
吉岡:私は今まで中村さんの音楽を聴いたことがあるだけの一人だったけど、お話を聴くとすごく納得するというか、体から「届けたい」って気持ちが溢れていて、歌に乗っているのをすごく感じます。
中村:嬉しい。
吉岡:「歌いたい」という気持ちからスタートしているからなんだな、と合点がいく話でした。

楽曲『Q日』の制作エピソード

番組では、中村が3月21日にリリースしたアルバム『NIA』より『Q日』がオンエアされた。



吉岡:気持ちがいい曲! 勝手に体がノっちゃいますね。
中村:ありがとうございます!
吉岡:『Q日』という曲はどのようにして生まれたのでしょうか?
中村:家具とかを整えているときに、「一回買ってみないとわかんないものが多すぎる」って思ったんですね。「このランチョンマット、意外と合わないなあ」とか、自分で買ってみることが大事だと思うことがあったので、(その気持ちを)曲にしました(笑)。
吉岡:そういう経緯があったんですね(笑)。聴いていると肩の力がスッと抜けていく感じがあって、この緩い感じがすごくいいです。
中村:嬉しい。「大金を稼いでめっちゃ物を買うぞ!」っていうよりは「うっかり入ったお金でめちゃくちゃかわいいドレスを買ったのに、来年に着られなくなった」みたいな感覚の曲です(笑)。
吉岡:気持ちいいなあ。歌詞もかわいらしいですし、「自分の匂いと街が溶けてく」ってところもすごく好きです。感受性がすごく刺激されます。(歌詞を読んでいると)想像ができちゃうんですよね。休みの日って「ああもう、何もしたくない。何にもしません私は」って決めて、ダラっとする瞬間があるんですけど、それを言葉にしてくれた感じがした(笑)。

中村が“お気に入りの家具”を紹介

『UR LIFESTYLE COLLEGE』では、ゲストのライフタイムに注目。吉岡は中村の自宅の写真を見ながらトークを進行した。

吉岡:もうね、めっちゃかわいいお部屋! すごい素敵。こちらに映っているのはスタジオですか?
中村:そうです。作りたてなのでまだ家具は少ない状態ですね。一番景色がいい場所に机を置いています。
吉岡:窓の数がすごく多いですね。周りの景色を一望できる感じです。
中村:そうですね。
吉岡:あと、天井から降りてきているガラス製のインテリアが気になります。
中村:これはiittala(イッタラ)のAteenan aamu (アテネの朝)です。
吉岡:iittala! 私も大好き!
中村:この作品は3本セットで販売されていて、風で揺れると「カラーンカラーン」と教会の(鐘の)音が鳴ります。
吉岡:すごい。
中村:でも、音楽を作っているから鳴らないように距離を空けています(笑)。
吉岡:家具の写真も送ってくださったんですね。ありがとうございます。
中村:今欲しいと思ってチェックしている家具も含まれております(笑)。
吉岡:FLYMEe Japan Style(フライミージャパンスタイル)さんが扱っている「ショウジ スクリーン」がかわいいし、かなりおしゃれですね。
中村:ARIAKE(アリアケ)という日本の家具屋さんが作っている衝立です。
吉岡:いろんなものが掛けられそうですね。
中村:こちらは買っちゃいました(笑)。
吉岡:(笑)。(使い心地は)どうですか?
中村:すごくいいです。部屋があまり区切られていない家が好きなんですけど、一つになりすぎているのもちょっと……って思うことがあって。

部屋づくりのセンスを吉岡が絶賛!

吉岡は中村の“生活”を映し出した写真に注目した。

吉岡:パンを焼いているお写真もありましたが、料理もお好きですか?
中村:「曲作りのついでにできる」と思っていたら、パンまで焼けるようになりました(笑)。嬉しい限りです。
吉岡:いいですねえ。そういう時間って大切ですよね。あと、この写真もすごく好きです。大きな植物があって、黒いソファ、黒いピアノがある。カッコいい、この空間。
中村:ありがとうございます。開かれた空間は好きなんですけど、ピアノを弾くときは狭いところが好きなんですね。
吉岡:へええ! それって昔からですか?
中村:そうですね。小さくなって弾くことが多いのですが、このお家は開かれているので「なるべく空間を狭くしたい」と意識したんですよ。それで、植物を置くことにしました。
吉岡:なるほど。ギュっとしているけれど、家具と植物のバランスがいいからすっごくおしゃれ。物が多いとかじゃなくて、「計算されている」感じがすごくします。
中村:あらまあ(笑)。
吉岡:めっちゃおしゃれです。カッコいい。

全国ツアーの意気込みを語る

中村は2022年9月14日(水)より、全国ツアー「中村佳穂 TOUR NIA・near」を開催予定だ。

吉岡:ぜひ、ツアーのお話も伺いたいです。
中村:9月から全国をまわりたいと思います。8公演あるんですけど、私、ここまで公演することって人生で初めてなんですよ。
吉岡:ええ~!
中村:ぜひ、応援をしに来ていただけると嬉しいです。
吉岡:楽しみですね。中村さんのパフォーマンスをぜひライブで観たいです。本日はありがとうございました!

中村佳穂の最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで

『UR LIFESTYLE COLLEGE』では、心地よい音楽とともに、より良いライフスタイルを考える。オンエアは毎週日曜18時から。
radikoで聴く
2022年4月17日28時59分まで

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番組情報
UR LIFESTYLE COLLEGE
毎週日曜
18:00-18:54

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