タレントの武井 壮がSDGsの達成のための教育の必要性について語った。
武井が登場したのは毎週週替わりでJ-WAVEが厳選した企画をお届けする特別な時間『J-WAVE SELECTION ITOCHU DEAR LIFE, DEAR FUTURE』。オンエアは3月27日(日)。ナビゲーターはSHELLYが務め、武井とトークを繰り広げた。
同番組は、SDGsに関する活動を後押しする情報発信・体験の場である、青山のITOCHU SDGs STUDIOから発信。オンエアだけでなく、デジタル音声コンテンツとして提供・配信するサービス「SPINEAR」でも配信。SpotifyやApple Podcastsでも楽しめる。エピソードは月曜日に、3回にわけて更新。
■ITOCHU SDGs STUDIO公式サイト https://www.itochu.co.jp/ja/corporatebranding/sdgs/about.html
武井:まずは情報の発信の場として。数万人の観客がスタジアムに集まることがあれば、数億人の人たちが放送を観ることもある。そういったところにメッセージを乗せて、競技の合間にでもそういったことができることもプラスになると思います。あとは僕が一番思うのは、先日のパラリンピックを観ていて「いいルールだな」と思ったことがあって。スポーツをやっている人は反対するかもしれないけど、たとえばパラリンピックのスキーのアルペン種目。あの競技はタイムを競うんですが、障がいの度合が違っても同じカテゴリで勝負しているんです。選手の障がいの重さをパーセンテージで数値化して、たとえばこのクラスの選手は80何パーセントで、一番軽い人は100パーセント。100パーセントの人は1秒が1秒で進む時計を使うんです。
SHELLY:なるほど。
武井:80パーセントの人は1秒で0.8秒しか進まない時計で勝負するんです。これって、「能力の差があるんだから、そこはタイムとしてもっとゆっくり進めてあげようよ」という、同じルールで戦えるすごく柔らかい設定じゃないですか。これってもしかしたらパラリンピックじゃなくてもできるんじゃない? たとえば飢餓や貧困ってSDGsのなかでもすごく大きな問題になっているじゃないですか。その問題がある国のスポーツの環境、コーチの人数が何人登録されているのかといったものをパーセンテージ化するんです。
SHELLY:数値化できそう。
武井:ただ単にいい環境で鍛えまくった人たちが金メダル(を獲る大会)じゃなくて。国の環境だったりとかその教育の質だったりとか、そういったものを(考える)。
SHELLY:それはまたメダルの数がガラッと変わりますよね。
武井:よくオリンピックって「平等じゃないですか」って、こういう問題のときに叫ぶ人がいるんだけど、僕はいつも言ってるんですよ。「オリンピックはもともと平等じゃありませんよ」って。本当に飢餓、貧困に苦しむ、教育がないことに苦しむ国の人がたくさんいるなかで、スポーツがビジネス化、商業化してきて、資本主義の先進国がすごく大きな力を発揮するようになってきた歴史がある。「参加することに意義がある」ということの本当の意味を追いかける平等なスポーツの大会があってもいいんじゃないかなと僕は思いますけどね。
武井:教育ってぼくはシェアだと思うんです。たとえば地球上のものとかって数は決まっているわけじゃないですか。物質や鉱物の量とか、さまざまなものの量は決まっているんです。それがいろいろな形を変えてグルグル回っているだけで、それがたとえば1か国にすごく集中していて。だけどそれをたとえば生産する術や、それを手に入れる方法、ビジネスの仕方を教育で教えていくって、シェアしていくことじゃないですか。これはスポーツも一緒で、たとえばトレーニング理論。日本を含め、非常に先進国は発達している。それは過去、スポーツの文化が広まってマーケットが大きくなって、たくさんそこでプレイする人が増えて、いろいろなメソッドを発見して研究してというところにお金が入って、たくさんの人が従事できたからこそ、それが積み上げられた。だけど弱い国にわざわざ教えに行くかというと、行かないんです。シェアしないんです。手に入れた人たちがシェアすること、それが教育で「こんな道具をこんな風に使えばいいよ」ということを世界でシェアして平均化していくというのがすごく重要なんです。
武井:僕らは料理が出てきたら「おいしそう」って言うじゃないですか。でも全盲の子がいたんですが、彼らはわからないわけです、料理を見たことがないから。お魚やお肉の食感は知っているだろうけど、形を見たことがないのでお肉がなんなのか知らないわけじゃないですか。
SHELLY:見た目はですよね。
武井:そこからまずスタートして、僕の隣にその方に座ってもらって、まずお肉がある場所(を伝える)。それで、どんな調理がされていて、どんな形になっているのかということを伝えると「あ、なんかいつもよりおいしいですね」って言ってくれるわけですよ。
SHELLY:ステキ!
武井:彼らがおいしさを感じるのはその素材を舌とかで触って感じる感触、食感とか食べやすさだったりするんです。僕らは「舌ざわり」とかよく言いますけど、それって「柔らかい」とか「固い」ぐらいじゃないですか。(彼らは)それが細かくほぐれる感じとか(表現する)。僕らはプルンとしたものを見てプルンとしたものを食べると、プルンとしているってわかっているから「なんか溶けちゃいますね」とか言うんですけど。
SHELLY:想像通りというか。
武井:それがまったく違う表現になるんです。
SHELLY:口に入れるまで食感を想像していないんですもんね。
武井:それを入れてから舌ざわりで味を表現してくるんです。
SHELLY:発見ですね。
武井:自分も楽しい時間をすごすため、みんなで楽しい時間をすごすためにできることがまだあるんだって思えて、それはすごく学びになりました。
武井:「放送でもっとできることがあるのに」とか「番組ってもっとできることあるのに」「メディアってもっとできることがあるのに」ってずっと思っているんです。だからそういうことのために、僕は毎日1時間必ず、なにか自分がまだ知らなかったこと、うろ覚えだったこと、新しく知った情報みたいなものを調べて、自分のできるかもしれないことを増やしていくことというのがテーマになっているんです。
SHELLY:毎日やってらっしゃるんですね。
武井:毎日です。芸能人になろうと思って30すぎのときに修行を始めた日から、本当に毎日1時間必ず欠かさずやっていることなので、約20年近く。
SHELLY:すごいですね。
武井:それによって僕がテレビに出たときとかのおしゃべりの「武井これも知ってるの?」とか「意外だった」とよく言われますが、そういったことでお仕事がまた増えたりしているのも、この1時間が毎日あったからこそなんです。
最後に武井はSDGsが掲げている17の目標の達成を目指す2030年について、どんな社会になってほしいのと問われ「すべての人が地球上のどこに行っても豊かで幸せで快適な『ステキな星だな』と感じられるような社会になってくれたら」と語った。
武井:いま「ウクライナに旅行しようか」って言えないじゃないですか。でも僕はウクライナ人ですごく仲がいいYouTuberの友だちがいて「ウクライナに遊びに行こうね」って、ついこないだまで言っていたんです。それが、そうじゃない環境になってしまった。いまだに人間の欲だったり利権で争いあったり戦争し合ったりしている。経済制裁をするというのも、実弾は使わないけど、国民が疲弊する、ダメージになるわけじゃないですか。だからどちらも攻撃だと思うんです。そんな世の中はもういい加減、SDGsって言ってるなかで「なにしてるの?」って思っているんです。本当に地球上のどこに行ってもみんなが幸せでステキだなと思える時間をすごせる場所になってくれたらうれしいなって。本当に心から思っています。
SHELLYがナビゲートするプログラム『ITOCHU DEAR LIFE, DEAR FUTURE』の放送は毎月第4日曜日の22時から。
武井が登場したのは毎週週替わりでJ-WAVEが厳選した企画をお届けする特別な時間『J-WAVE SELECTION ITOCHU DEAR LIFE, DEAR FUTURE』。オンエアは3月27日(日)。ナビゲーターはSHELLYが務め、武井とトークを繰り広げた。
同番組は、SDGsに関する活動を後押しする情報発信・体験の場である、青山のITOCHU SDGs STUDIOから発信。オンエアだけでなく、デジタル音声コンテンツとして提供・配信するサービス「SPINEAR」でも配信。SpotifyやApple Podcastsでも楽しめる。エピソードは月曜日に、3回にわけて更新。
■ITOCHU SDGs STUDIO公式サイト https://www.itochu.co.jp/ja/corporatebranding/sdgs/about.html
「参加することに意義がある」スポーツ大会のあり方
昨年は東京オリンピック、今年は北京で冬季オリンピックが開催された。実際に国連はSDGsの達成にスポーツが重要な役割を担っていると発言。武井も、スポーツの役割について語る。武井:まずは情報の発信の場として。数万人の観客がスタジアムに集まることがあれば、数億人の人たちが放送を観ることもある。そういったところにメッセージを乗せて、競技の合間にでもそういったことができることもプラスになると思います。あとは僕が一番思うのは、先日のパラリンピックを観ていて「いいルールだな」と思ったことがあって。スポーツをやっている人は反対するかもしれないけど、たとえばパラリンピックのスキーのアルペン種目。あの競技はタイムを競うんですが、障がいの度合が違っても同じカテゴリで勝負しているんです。選手の障がいの重さをパーセンテージで数値化して、たとえばこのクラスの選手は80何パーセントで、一番軽い人は100パーセント。100パーセントの人は1秒が1秒で進む時計を使うんです。
SHELLY:なるほど。
武井:80パーセントの人は1秒で0.8秒しか進まない時計で勝負するんです。これって、「能力の差があるんだから、そこはタイムとしてもっとゆっくり進めてあげようよ」という、同じルールで戦えるすごく柔らかい設定じゃないですか。これってもしかしたらパラリンピックじゃなくてもできるんじゃない? たとえば飢餓や貧困ってSDGsのなかでもすごく大きな問題になっているじゃないですか。その問題がある国のスポーツの環境、コーチの人数が何人登録されているのかといったものをパーセンテージ化するんです。
SHELLY:数値化できそう。
武井:ただ単にいい環境で鍛えまくった人たちが金メダル(を獲る大会)じゃなくて。国の環境だったりとかその教育の質だったりとか、そういったものを(考える)。
SHELLY:それはまたメダルの数がガラッと変わりますよね。
武井:よくオリンピックって「平等じゃないですか」って、こういう問題のときに叫ぶ人がいるんだけど、僕はいつも言ってるんですよ。「オリンピックはもともと平等じゃありませんよ」って。本当に飢餓、貧困に苦しむ、教育がないことに苦しむ国の人がたくさんいるなかで、スポーツがビジネス化、商業化してきて、資本主義の先進国がすごく大きな力を発揮するようになってきた歴史がある。「参加することに意義がある」ということの本当の意味を追いかける平等なスポーツの大会があってもいいんじゃないかなと僕は思いますけどね。
貧困や飢餓をなくす“シェア”の重要性
武井はSDGsの目標1の「貧困をなくそう」、目標2が「飢餓をゼロに」を解決するためには教育が重要だと解説した。武井:教育ってぼくはシェアだと思うんです。たとえば地球上のものとかって数は決まっているわけじゃないですか。物質や鉱物の量とか、さまざまなものの量は決まっているんです。それがいろいろな形を変えてグルグル回っているだけで、それがたとえば1か国にすごく集中していて。だけどそれをたとえば生産する術や、それを手に入れる方法、ビジネスの仕方を教育で教えていくって、シェアしていくことじゃないですか。これはスポーツも一緒で、たとえばトレーニング理論。日本を含め、非常に先進国は発達している。それは過去、スポーツの文化が広まってマーケットが大きくなって、たくさんそこでプレイする人が増えて、いろいろなメソッドを発見して研究してというところにお金が入って、たくさんの人が従事できたからこそ、それが積み上げられた。だけど弱い国にわざわざ教えに行くかというと、行かないんです。シェアしないんです。手に入れた人たちがシェアすること、それが教育で「こんな道具をこんな風に使えばいいよ」ということを世界でシェアして平均化していくというのがすごく重要なんです。
パラアスリートとの新年会で得た学び
武井は自身のYouTubeチャンネル「武井壮百獣の王国」でパラアスリートの選手たちと新年会の様子を公開。今回パラリンピックの放送を観るたびに涙したという武井は、選手たちへの感謝の気持ちで席を設けたが、そこでもあらたな感動があったそう。武井:僕らは料理が出てきたら「おいしそう」って言うじゃないですか。でも全盲の子がいたんですが、彼らはわからないわけです、料理を見たことがないから。お魚やお肉の食感は知っているだろうけど、形を見たことがないのでお肉がなんなのか知らないわけじゃないですか。
SHELLY:見た目はですよね。
武井:そこからまずスタートして、僕の隣にその方に座ってもらって、まずお肉がある場所(を伝える)。それで、どんな調理がされていて、どんな形になっているのかということを伝えると「あ、なんかいつもよりおいしいですね」って言ってくれるわけですよ。
SHELLY:ステキ!
武井:彼らがおいしさを感じるのはその素材を舌とかで触って感じる感触、食感とか食べやすさだったりするんです。僕らは「舌ざわり」とかよく言いますけど、それって「柔らかい」とか「固い」ぐらいじゃないですか。(彼らは)それが細かくほぐれる感じとか(表現する)。僕らはプルンとしたものを見てプルンとしたものを食べると、プルンとしているってわかっているから「なんか溶けちゃいますね」とか言うんですけど。
SHELLY:想像通りというか。
武井:それがまったく違う表現になるんです。
SHELLY:口に入れるまで食感を想像していないんですもんね。
武井:それを入れてから舌ざわりで味を表現してくるんです。
SHELLY:発見ですね。
武井:自分も楽しい時間をすごすため、みんなで楽しい時間をすごすためにできることがまだあるんだって思えて、それはすごく学びになりました。
誰もが幸せを感じられる世界に
SHELLYが「セルフリスペクトとは?」と質問を投げかけると、武井は「自分のできること、持っているものというのを増やしていくこと」だと回答してその理由を説明した。武井:「放送でもっとできることがあるのに」とか「番組ってもっとできることあるのに」「メディアってもっとできることがあるのに」ってずっと思っているんです。だからそういうことのために、僕は毎日1時間必ず、なにか自分がまだ知らなかったこと、うろ覚えだったこと、新しく知った情報みたいなものを調べて、自分のできるかもしれないことを増やしていくことというのがテーマになっているんです。
SHELLY:毎日やってらっしゃるんですね。
武井:毎日です。芸能人になろうと思って30すぎのときに修行を始めた日から、本当に毎日1時間必ず欠かさずやっていることなので、約20年近く。
SHELLY:すごいですね。
武井:それによって僕がテレビに出たときとかのおしゃべりの「武井これも知ってるの?」とか「意外だった」とよく言われますが、そういったことでお仕事がまた増えたりしているのも、この1時間が毎日あったからこそなんです。
最後に武井はSDGsが掲げている17の目標の達成を目指す2030年について、どんな社会になってほしいのと問われ「すべての人が地球上のどこに行っても豊かで幸せで快適な『ステキな星だな』と感じられるような社会になってくれたら」と語った。
武井:いま「ウクライナに旅行しようか」って言えないじゃないですか。でも僕はウクライナ人ですごく仲がいいYouTuberの友だちがいて「ウクライナに遊びに行こうね」って、ついこないだまで言っていたんです。それが、そうじゃない環境になってしまった。いまだに人間の欲だったり利権で争いあったり戦争し合ったりしている。経済制裁をするというのも、実弾は使わないけど、国民が疲弊する、ダメージになるわけじゃないですか。だからどちらも攻撃だと思うんです。そんな世の中はもういい加減、SDGsって言ってるなかで「なにしてるの?」って思っているんです。本当に地球上のどこに行ってもみんなが幸せでステキだなと思える時間をすごせる場所になってくれたらうれしいなって。本当に心から思っています。
オンエアをお届けした、青山のITOCHU SDGs STUDIO。
番組情報
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毎週第4日曜22:00-22:54