藤井 風やiriのプロデュースでも活躍のYaffle、制作で“雑談”を大事にする理由とは?

作曲家・Yaffleが、楽曲制作で意識しているポイントや、ゴールデンウィークに開催される「TOKYO M.A.P.S」への意気込みを語った。

Yaffleが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAISON CARD TOKIO HOT 100』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ここでは4月17日(日)のオンエアの内容をテキストで紹介する。

『Wish You Could Come』制作エピソード

今回の放送では、クリスとYaffleが今週の100曲チャートをカウントダウンしながらトークを展開。Yaffleが制作した楽曲のエピソードを語った。

クリス:Yaffle feat. Saticaの『Wish You Could Come』はロサンゼルスに行ってコライト(共作)で作ったんですよね? コライトのセミナーがあったんですか?
Yaffle:2、3週間ほどロサンゼルスに行ったんですけど、いろんなスタジオで1日1アーティスト呼んで、いろんな曲を作っていく作業をしてできたものです。
クリス:シンガーソングライターやボーカリストと組んで作った感じですか?
Yaffle:そうですね。トップライナー、ビートメイカー、トラックメイカーといった言い方をしていますけども、僕が曲のアイディアを持ち込んで、「こういうイメージがある」と伝えます。彼女(Satica)からきた返しに対して僕がまた答えていくって感じですね。
クリス:Yaffle君はいろんなJ-POPアーティストをプロデュースしていますけども、『Wish You Could Come』はすごく洋楽っぽいよね。マーケット、ターゲットが違うの? それとも自分のなかでは同じ?
Yaffle:逆に言うと、自分の素に近いかなって思っています。自分の趣味ではあるかもしれない。
クリス:なるほどね。すごく楽曲制作のバリエーションがあるシンガーソングライターだなと感じました。
Yaffle:ありがとうございます。
クリス:メロウでハウスっぽいサウンドが元々お好きってことですね。
Yaffle:そうですね。
クリス:僕もすごく好きですし、カッコいい曲だなと思いました。

楽曲制作で意識しているポイントは?

Yaffleは藤井 風、iri、SIRUPといった、さまざまなタイプのアーティトの楽曲をプロデュースしている。

クリス:相手のアーティスト性を意識している部分はあると思うんだけど、プロデュースにおける“Yaffle流”って何? 
Yaffle:雑談が多いかもしれないですね(笑)。音楽のヒントを音楽に求めると、いつも袋小路になっちゃうんですよね。その人がハマっているものとか普段考えていることとか、関係ないことを自分なりに音楽に落としていくほうが解決の糸口になったりするかなあ。
クリス:なるほどね。そういう風に思えたのは、試行錯誤があってのことですか?
Yaffle:音楽に限らず、関係ないところから何か作るのは前から好きですね。大袈裟な言い方ですけど、その人の持っている“信念”に興味があるんです。それを音楽に活かしてみたら面白いかなと思って作曲でもそうするようになりました。
クリス:間接的に話していくうちにわかることってありますもんね。
Yaffle:単刀直入に「こういう感じがいい」って話になっちゃうと、言ったまんまになっちゃう可能性もありますからね。
クリス:僕は作品を作った人に「これはどんな意味を持つんですか?」とは聞かないんですね。野暮だと思うから。
Yaffle:たしかに。
クリス:(意味は)聴く人が解釈するものだと思うので。それに近い部分があるかもしれないですね。
Yaffle:そうですね。作っている人が意味を全部分かっているわけではないですからね。

SNSの普及により、音楽の聴き方が変わってきたとクリスは指摘する。Yaffleは時代の変化とともに作曲スタイルを変えているのだろうか?

クリス:意識して曲を作るようになってきています?
Yaffle:意識しないようにして、無意識に引っ張られていくぐらいがちょうどいいかなと思っています。音楽を広める媒体が増えると音楽が変わっていくのは当たり前だと思っているんですけど、自分は「TikTok向けの音楽を作る」みたいなことを考えるのは苦しいですね。意識しないようにするぐらいがちょうどいいかなと思っています。
クリス:なるほどね。自分のやりたいサウンドって出すほうですか? それとも、完全に“仕事請負人”として楽曲制作に挑みます?
Yaffle:全部“自分事”だと思って曲は出しています。ただ、その最終決定はアーティストに委ねます。あとあとになって「僕はこうしたほうがいいと思っていたんだよね」って言いたくないです(笑)。
クリス:「自分はこう思うけどどうなの?」と伝えるけど、最終的に選択するのはアーティストということですね。

プロデューサーごとのプレイリストを作って音楽性を研究

楽曲プロデューサーごとのプレイリストを作り、作曲家のスタイルを意識して音楽を聴くとYaffleは語る。

Yaffle:世代で言うとNigel Godrichとか、Adeleのプロデューサーとか。曲を並べていくと共通点があると思うので、すごく参考にしています。
クリス:プロデューサーの研究をこれまでしてきたんですね。
Yaffle:そうですね。分類するのが好きなので、「この人はこういうアプローチなんだ」「こうやったらこうなるのかな」って考えます。
クリス:自分でセオリーを作るのが楽しいんですね。

Yaffleがオーガナイザーを務めるイベントを開催!

5月3日(火・祝)と5月4日(水・祝)の2日間、「J-WAVE & Roppongi Hills present TOKYO M.A.P.S Yaffle EDITION」が開催される。Yaffleがオーガナイザーを迎え、オリジナリティ溢れる魅力的なアーティストが出演。場所は六本木ヒルズアリーナ。詳細は公式ページをチェック。

クリス:5月3日はeill、iri、Nulbarich、Ryohu、新東京。5月4日はAAAMYYY、Kroi、TENDRE、WONK、Yaffleです。非常に魅力的な出演者ですけども、Yaffle君はどういう形で選んだんですか?
Yaffle:自分と同じような文脈を持つ人ですね。世代が近かったり、自分とシンパシーを感じる人を集めたら面白いんじゃないかなと思いました。
クリス:なるほど。このなかでいうとNulbarichが先輩って感じですかね?
Yaffle:たしかに。でも、世に出た時代がみんな近いかなと思いますし、その部分はけっこう意識しましたね。
クリス:同世代、ジェネレーション的な個性ってあると思います?
Yaffle:めちゃくちゃあると思います。違うジャンルでも同じように共通で影響を受けたものは必ずあります。考え方も通ずる部分がありますしね。
クリス:出演者のなかにはアマチュア時代から知っている人もいるんですか?
Yaffle:iriちゃんはデビュー前からやっていました。

Yaffleは今後の活動予定について語った。

Yaffle:今年は自分のプロジェクトを強くやっていきたいという思いがあります。近々いろんないい報告ができると思いますので、期待していてください。

『SAISON CARD TOKIO HOT 100では、J-WAVE全番組のオンエアチャート、インターネット投票、東京都内主要のCDショップのセールスチャート、ストリーミングを集計。J-WAVEのオフィシャルチャートとして、毎週100曲のオリジナルランキングをオンエアする。放送は毎週日曜日の13時から。
radikoで聴く
2022年4月24日28時59分まで

PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

番組情報
SAISON CARD TOKIO HOT 100
毎週日曜
13:00-16:54

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