VTuberライブの企画やサポートを行う飯寄雄麻さんが、この半年のVTuberシーンの変動と、今年おすすめのVTuberを紹介した。
飯寄さんが登場したのはJ-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。番組では、毎回ゲストを迎え、様々なテーマを掘り下げていく。ここでは3月15日(火)にオンエアした内容をテキストで紹介する。
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昨年秋に『SONAR MUSIC』で飯寄さんがVTuberシーンを語ってから半年、今回は昨年末から今年前半のVTuberの状況報告をした。
【関連記事】VTuberに音楽ファンが打ちのめされた「転機」とは? 今、見逃せない存在を紹介
あっこゴリラ:これはVTuberの裾野を広げるツールになるでしょうか?
飯寄:そうですね。カルチャーって広がって行くためには技術やツールが必要になると思っていて。こうやって誰でも使えるツールが新しく増えるのは選択肢が増えてすごくいいことだと思っています。
実際にあっこゴリラが「RiBLA Broadcast (β)」を体験した。
あっこゴリラ:使用できるキャラクターがあって、私はJaneを選びました。私が動いたり表情を変えたりしたらその通りにJaneが動いてくれるんです。ビックリしたのは指ハートとか、そういう細かい動きもやってくれるんだよね。口も私がしゃべるとJaneの口が動くんですよ。これすごいよ。
「RiBLA Broadcast (β)」は無料で利用が可能。また配信ツールに繋げることで、YouTubeなど配信プラットフォームで配信することができる。
あっこゴリラ:これあるとみんな顔出さなくなってくるよ。コンプレックスとかあったとして、人前に出たくないけど何か発信したいっていう人とかも絶対にいいし、ライブはしたくないけど曲は作りたいっていうミュージシャンも多いからすごくいいですよね。
飯寄:アバター文化がより広まるのかなって思います。
あっこゴリラ:あらためてキズナアイさんの功績ってどんなところでしょうか。
飯寄:いちばん最初にインパクトがあったのは、2018年4月に開催された「ニコニコ超会議2018」で小林幸子さんとコラボした『千本桜』でしょうか。
あっこゴリラ:話題になってましたよね!
飯寄:初期からコラボレーションなどを通して、バーチャル・ユーチューバーとしての道を切り開いていきました。音楽面では同年にサウンドプロデューサーのNorくんと楽曲を発表したり、9週連続リリースをしたことが大きかったと思います。
あっこゴリラ:VTuberの可能性を切り開いた方ですよね。
飯寄:9週連続リリースのサウンドプロデューサー陣にはYunomiさん、Teddyloidさん、☆Taku Takahashiさん、DE DE MOUSEさんとかいて。VTuberとクラブミュージックの組み合わせが一般的になっていったり、クラブカルチャーにもだんだん影響を与えていきました。
そんなキズナアイが活動休止を迎えたことで、VTuberシーンにはどんな影響があるのだろうか。
飯寄:音楽ジャンル的にも境界線が曖昧になっていくような気がしています。例えばボカロPって括られてた時代とかアイドル楽曲ってカテゴライズされていた時代があると思うんですけど、カルチャーが広がることでそれがあまり意味をなさなくなって、キズナアイさんのVTuber然としたものに一区切りが付いたかなって印象があります。
あっこゴリラ:中でも注目のVTuberは誰ですか?
飯寄:ピーナッツくんですね。頭はピーナッツで体は黄色、白いブリーフをはいて赤いスカーフを首に巻いている5歳の男の子です。着ぐるみで「ゆるキャラグランプリ2019」に出場して1位を獲得したりするんですけど、ラッパーとしてのピーナッツくんをぜひ聴いてほしいですね。
あっこゴリラ:これは強いよ! ピーナッツくんが言ってくれるだけでスッと入ってくるし。子どもがどぎついことを言っているとか、キャラクターがどぎついことを言っているのっていちばん刺さるじゃないですか(笑)。だから強いんですよ。これからVTuberラッパーって増えると思う。
飯寄:アバターを着て表現するって、それなりのカウンターもあると思うので。
飯寄:楽曲を自身で作曲するなど、すごく才能のあるVTuberですね。
あっこゴリラ:注目ポイントは?
飯寄:パスピエさんみたいな歌声ですかね。最近ファーストフルアルバム『LowMidNight』がリリースされたばかりで、それも注目したいです。
あっこゴリラ: VTuberの音楽と括るのもバカらしくなるというか、いわゆる肉声とはちょっと違ったりもしつつも混ざってきている感じがすごくしますね。
飯寄:Perfumeって最初はアイドルって言われてたじゃないですか。同じように「これってアイドルなの?」って気づき始めるんじゃないかなって。僕らは純粋にいい音楽をおすすめしたいって気持ちは強いですね。
続いて飯寄さんはシンガーHACHIを紹介した。
飯寄:セカンドシングル『Rainy proof』と6枚目のシングル『八月の蛍』を手掛けた海野水玉さんとのプロジェクトにも注目していただきたいです。
あっこゴリラ:今後、VTuberシーンはどうなっていくと思いますか?
飯寄:先ほども言ったんですけど、境界線がすごく曖昧になっていくと思っていて。あんまりVTuberって括らずにタレントとかアイドルとして見てもらったほうがいいのかなと思いますね。あと、個人がアバターの人格を持つことが当たり前になるような気がするんです。いろいろとインディーズシーンを見ていますけど、アバターを身にまとうだけでこんなにも新しい才能がまだまだいるんだなって発見できるのも面白いですね。
あっこゴリラ:アバターを誰でも持つ時代って本当に来ると思う。
飯寄:アバターをまとうことで、自分の能力以上のものを出せる可能性もあると思います。
あっこゴリラ:よくも悪くも責任が乗ってこないから、普段自分が言えないようなことが言えるところもあると思いますよね。
飯寄:新しい才能が音楽シーンにいい影響を与えてほしいなと思います。
J-WAVE『SONAR MUSIC』は月曜~木曜の22:00-24:00にオンエア。
飯寄さんが登場したのはJ-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。番組では、毎回ゲストを迎え、様々なテーマを掘り下げていく。ここでは3月15日(火)にオンエアした内容をテキストで紹介する。
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VTuberシーンの今は?
2016年、キズナアイの誕生から始まったバーチャル・ユーチューバー「VTuber」の世界。動画投稿や生配信を行う配信者とその声に合わせて動く3Dや2DのCGでできたキャラクターを指すVTuberは、近年歌の世界に進出。「VTuber楽曲大賞」や「NHKバーチャル紅白歌合戦」など大きな大会も開かれており、今や一大音楽ジャンルを形成している。昨年秋に『SONAR MUSIC』で飯寄さんがVTuberシーンを語ってから半年、今回は昨年末から今年前半のVTuberの状況報告をした。
【関連記事】VTuberに音楽ファンが打ちのめされた「転機」とは? 今、見逃せない存在を紹介
状況報告(1)無料で誰でもVTuberになれる時代が到来
先月、エイベックスの関連会社「エイベックス・テクノロジーズ」が無料で誰でもVTuberになれるPC用ソフトウェア「RiBLA Broadcast (β)」をリリース。PCとウェブカメラがあればすぐさま使用できるという。過去にもVTuberになれるツールはあったが、指の動きまで追えてトラッキングできる最新のツールになっている。あっこゴリラ:これはVTuberの裾野を広げるツールになるでしょうか?
飯寄:そうですね。カルチャーって広がって行くためには技術やツールが必要になると思っていて。こうやって誰でも使えるツールが新しく増えるのは選択肢が増えてすごくいいことだと思っています。
実際にあっこゴリラが「RiBLA Broadcast (β)」を体験した。
あっこゴリラ:使用できるキャラクターがあって、私はJaneを選びました。私が動いたり表情を変えたりしたらその通りにJaneが動いてくれるんです。ビックリしたのは指ハートとか、そういう細かい動きもやってくれるんだよね。口も私がしゃべるとJaneの口が動くんですよ。これすごいよ。
「RiBLA Broadcast (β)」は無料で利用が可能。また配信ツールに繋げることで、YouTubeなど配信プラットフォームで配信することができる。
あっこゴリラ:これあるとみんな顔出さなくなってくるよ。コンプレックスとかあったとして、人前に出たくないけど何か発信したいっていう人とかも絶対にいいし、ライブはしたくないけど曲は作りたいっていうミュージシャンも多いからすごくいいですよね。
飯寄:アバター文化がより広まるのかなって思います。
状況報告(2)キズナアイが無期限活動休止
2016年に活動を開始。世界初のVTuberとしてトップを走ってきたパイオニア・キズナアイが先月のオンラインライブをもっておよそ5年間の活動に休止符を打った。チャンネル登録者数は300万人以上、YouTubeでの活動のみならず、テレビ出演や音楽活動も展開したキズナアイの休止前のラストライブは大きな反響をもたらした。あっこゴリラ:あらためてキズナアイさんの功績ってどんなところでしょうか。
飯寄:いちばん最初にインパクトがあったのは、2018年4月に開催された「ニコニコ超会議2018」で小林幸子さんとコラボした『千本桜』でしょうか。
あっこゴリラ:話題になってましたよね!
飯寄:初期からコラボレーションなどを通して、バーチャル・ユーチューバーとしての道を切り開いていきました。音楽面では同年にサウンドプロデューサーのNorくんと楽曲を発表したり、9週連続リリースをしたことが大きかったと思います。
あっこゴリラ:VTuberの可能性を切り開いた方ですよね。
飯寄:9週連続リリースのサウンドプロデューサー陣にはYunomiさん、Teddyloidさん、☆Taku Takahashiさん、DE DE MOUSEさんとかいて。VTuberとクラブミュージックの組み合わせが一般的になっていったり、クラブカルチャーにもだんだん影響を与えていきました。
そんなキズナアイが活動休止を迎えたことで、VTuberシーンにはどんな影響があるのだろうか。
飯寄:音楽ジャンル的にも境界線が曖昧になっていくような気がしています。例えばボカロPって括られてた時代とかアイドル楽曲ってカテゴライズされていた時代があると思うんですけど、カルチャーが広がることでそれがあまり意味をなさなくなって、キズナアイさんのVTuber然としたものに一区切りが付いたかなって印象があります。
状況報告(3)個人勢の躍進
飯寄さんによると、現在VTuberは大きな芸能プロダクションや企業がアーティストをマネジメントしているかたちが大半なのだが、それとは別に企業の力を借りない個人の力だけで活動するVTuberが躍進しているという。あっこゴリラ:中でも注目のVTuberは誰ですか?
飯寄:ピーナッツくんですね。頭はピーナッツで体は黄色、白いブリーフをはいて赤いスカーフを首に巻いている5歳の男の子です。着ぐるみで「ゆるキャラグランプリ2019」に出場して1位を獲得したりするんですけど、ラッパーとしてのピーナッツくんをぜひ聴いてほしいですね。
飯寄:アバターを着て表現するって、それなりのカウンターもあると思うので。
今年注目したいVTuberシンガー
最後のパートは飯寄さんが今年注目したいVTuberシンガーを紹介。まずは花奏かのんをあげた。飯寄:楽曲を自身で作曲するなど、すごく才能のあるVTuberですね。
あっこゴリラ:注目ポイントは?
飯寄:パスピエさんみたいな歌声ですかね。最近ファーストフルアルバム『LowMidNight』がリリースされたばかりで、それも注目したいです。
飯寄:Perfumeって最初はアイドルって言われてたじゃないですか。同じように「これってアイドルなの?」って気づき始めるんじゃないかなって。僕らは純粋にいい音楽をおすすめしたいって気持ちは強いですね。
続いて飯寄さんはシンガーHACHIを紹介した。
飯寄:セカンドシングル『Rainy proof』と6枚目のシングル『八月の蛍』を手掛けた海野水玉さんとのプロジェクトにも注目していただきたいです。
飯寄:先ほども言ったんですけど、境界線がすごく曖昧になっていくと思っていて。あんまりVTuberって括らずにタレントとかアイドルとして見てもらったほうがいいのかなと思いますね。あと、個人がアバターの人格を持つことが当たり前になるような気がするんです。いろいろとインディーズシーンを見ていますけど、アバターを身にまとうだけでこんなにも新しい才能がまだまだいるんだなって発見できるのも面白いですね。
あっこゴリラ:アバターを誰でも持つ時代って本当に来ると思う。
飯寄:アバターをまとうことで、自分の能力以上のものを出せる可能性もあると思います。
あっこゴリラ:よくも悪くも責任が乗ってこないから、普段自分が言えないようなことが言えるところもあると思いますよね。
飯寄:新しい才能が音楽シーンにいい影響を与えてほしいなと思います。
J-WAVE『SONAR MUSIC』は月曜~木曜の22:00-24:00にオンエア。
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