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マンウィズ、DAOKO…中野雅之が「プロデュース業」で得た学びと、カニエ・ウェストからの影響

マンウィズ、DAOKO…中野雅之が「プロデュース業」で得た学びと、カニエ・ウェストからの影響

THE SPELLBOUND/BOOM BOOM SATELLITESの中野雅之が、アーティスト業とプロデュース業の違いや、Kanye Westへの思い、さらにTHE SPELLBOUNDのニューアルバムについて語った。

中野が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)。ビールを飲みながら、クリスとゲストが音楽談義を繰り広げる番組だ。ここでは2月4日(金)のオンエアをテキストで紹介する。

THE SPELLBOUNDは2月23日(水)にデビューアルバム『THE SPELLBOUND』をリリースする。

この番組ではゲストが、ビールに合う“おみや”を紹介する。中野は奈良漬を持ち寄り、ビールともに楽しんだ。

MAN WITH A MISSIONへのプロデュースで勇気をもらった

2016年にBOOM BOOM SATELLITESのメンバー・川島道行が亡くなり、そこから中野はさまざまなアーティストのプロデュースを行ってきた。

中野:正解がない仕事なので毎回ベストを尽くしては反省しての繰り返しで、この6年はあっという間でした。僕がいちばん作品に関わっているのはMAN WITH A MISSIONですね。

クリス:中野さんが加わったことでMAN WITH A MISSIONはどう変わったんでしょう。

中野:僕があんまりどうこう言えることではないかもしれないけど、僕にプロデュースを頼んだりする時点で、ものすごく成長に対する願望というか、ないものを吸収したいとか音楽制作自体に刺激がほしいとか、そういう貪欲さからだと思うので、そういう姿を隣で見ていて僕は逆に勇気をもらうこととか多かったですし、僕にとってひとつのライフワークというか、彼らと一緒にすごす時間はとても大切な時間になっています。

クリス:MAN WITH A MISSIONとの接点ってありました?

中野:ルーツになってる音楽体験で共通するものがたくさんあったりとか、「何かみたいなギターサウンド」と表現するときに共通言語がいっぱいあったり、一緒にレコーディングしていて重なる部分はありますね。

クリス:具体的にはどういうアーティストが会話に出てくるんですか?

中野:メンバーそれぞれ違うんですけど、例えばジャン・ケン・ジョニーは90年代のオルタナティブロックについてカバーしている幅が広いので、Rage Against the MachineをはじめB級なものから、一緒にデモを作ったりレコーディングをしたりするときに、そういうキーワードが出てくることが多いですね。

プロデュース業は学びばかりだった

中野は他にも布袋寅泰やDAOKO、miletなどの楽曲を幅広くプロデュースしている。

クリス:プロデュース業に専念したここ数年はどういう実りがありましたか?

中野:学びばかりだったので、苦労したり楽しんだりしながらやってきて、初めての経験がずっと続く感じでしたね。川島道行っていうひとりの人間とずっと向きあって何十年も過ごして音楽制作をやってきたけど、それとプロデュースは全く違うタイプのことでした。長所と短所ってアーティストごとにあるので、長所を伸ばして短所をカバーしたりして最適なかたちで楽曲に集約していく。

クリス:BOOM BOOM SATELLITESってすごくオリジナリティがあったから、プロデュース業って真逆の活動なのかなって。

中野:そうですね。ちゃんとポップスとして機能することも大事だし。DAOKOちゃんなんかはポップアイコンでしたし。自分がアーティストのときはわがままに提案してなんぼだと思うけど、プロデュースの場合はそれぞれのアーティストが持っているものなので、それに僕が合わせていくというか、寄り添っていく、導いていくような仕事だと思います。

そんな中野はここ数年間で影響を受けたアーティストとしてKanye Westをあげる。

中野:ここ10年はいつも頭の片隅に意識がある人というか。全く予想もしていないようなアイデアをぶち込んでくる驚きと感動が必ず用意されている稀なアーティストだなと。ジャンルの特定が不能なサウンドというか。とてもハイレベルでセンスがよくて、ぶっ飛んでるアイデアなんだけど納得してしまうような説得力がいつもあって。マネしたいことはそんなにないんですけど、こういう大胆なことをちゃんとポップスとして聴かせる度量はいつか身に着けてみたいなって。そういうちょっとした嫉妬みたいなものですね。

立ち上げたレーベル名は占い師に…

続いて音楽配信サービスの話題になった。

中野:配信でもじゅうぶん音楽を楽しめる音質になっているので、特別な理由がない限りモノとしてCDを持っているとか、そこに重きはないですね。ただ、今度アルバムを出すんですけど、ファンとのコミュニケーションのツールとして今回もCDとBlu-rayがしっかりパッケージされた、ちょっと手に取った感触がいい商品を届けることはいまだにやっていますね。

クリス:そういうのって日本人らしさみたいなものがありますよね。手に取れる部分を愛でるとか。

中野:情みたいなものだと思うんですけど、それによって自分がアーティストのことを好きだと表現することもリスナーからするとあるし、このかろうじて残っている文化があとどれくらい続くのかは僕自身もわからないですけどね。

THE SPELLBOUNDは2月23日(水)にデビューアルバム『THE SPELLBOUND』をリリース。このアルバムは中野が設立したレーベル「中野ミュージック」初の音楽作品となる。

中野:「中野ミュージック」という名前はいろいろ考えたんですけど、占い師に選んでもらったんですよ。カッコいい横文字の名前とかいっぱい候補はあったんですけど、冗談で「中野ミュージック」も紛れ込ませていたら占い師が「あら、これがいいじゃない」と言ってピックアップして(笑)。そういうどうしようもないエピソードがあります。

クリス:予定調和じゃない感じがあって、逆に座りがいいですよね。

中野:そうですね。逆に腹がくくれたという感じですね。

2月26日(土)にはアルバムのリリースに合わせて、「THE SPELLBOUND the first album launching special live」を東京・渋谷のSpotify O-EASTで開催予定。

クリス:どんなライブになりそうですか?

中野:すでに2021年に2回ワンマンをやっているので、今回はアルバムリリースの記念です。アルバムの曲順通りにできるだけ再現していくような、もう一度アルバムを追体験できるような内容にしたいと思っているんですけど、まだいろいろ思案中です。

クリス:あまり時間はないですね。

中野:そうですね、急がないと(笑)。

THE SPELLBOUNDの最新情報は、公式サイトまたは、Twitterまで。

番組の公式サイトでは、過去ゲストのトーク内容をアーカイブ。オンエアで扱った音楽の情報も掲載している。

・過去ゲストのアーカイブページ
https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/archives.html

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番組情報
SAPPORO BEER OTOAJITO
毎週金曜
23:00-23:30