「第18回ショパン国際ピアノコンクール」で2位を獲得した反田恭平さんが、コンクールに向けて準備したことや、ショパンの音楽を奏でるために大切なことを語った。
反田さんが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『~JK RADIO~TOKYO UNITED』(ナビゲーター:ジョン・カビラ)のワンコーナー「THE HIDDEN STORY」。オンエアは1月14日(金)。
反田:存在を知っているのと本格的に受けようと思って準備するのはぜんぜん違うわけで。ショパンは大好きなんだけど、好きと得意は別の問題だったんですね。
目標を優勝に定めた反田さんは、留学先をロシアからポーランドに変更したそうだ。
反田:そこからざっと2010年、2015年のコンクール参加者800名が何を弾いたのか、曲目を調べてひとつずつ正の字を書きました。「この人は何次予選でこの曲を弾いて、この回で何人それを弾いたのか」を調べたら浮き彫りになった結果があったんですね。そこから自分に合う曲を見つけだして、コンクールで実際に弾いて合うかどうかを試していきました。
反田:僕の先生が御年85、86歳くらいのロシア人の先生で、すごくお腹が大きいんですよ。そういう先生の演奏って、ふくよかな音が出るんですね。非常に面白い結果論なんですけど、脂肪分の多い人の演奏は、より深みのある音。逆に気になったのは、「筋肉質になったらどういう音が出るのかな」という疑問でした。周りでピアノを弾いているマッチョがいないのもあって、自分でやってみようと決めたんですね。それでダメだったら落とせばいいので。1、2年前だったかな? 上質な筋肉をつけたかったので、トレーナーをつけてバーベルとかをやってみたんですよ。
身体を鍛えた結果、演奏音が硬質的なものに変化した実感を得た。しかし「ショパンには合わない」と判断した反田さんは、1年かけて筋肉量を落とした。
反田:ピアノの世界には、それくらい差が出るんですよね。我々は0.0何ミリの世界で指を動かして音をコントロールしているわけですから。
反田:僕は迷う余地もなく第一番を演奏しました。というのも、この世に存在するすべてのクラシック作品のなかで、一番好きな作品なんですよ。すごく自分に近い作品だと感じたんです。ちょっと厳格なところもあったり、ころっと変わったり、人には見せないようなかわいらしいシーンも出てくるんですね。第一楽章は、青春みたいな感じなんですよ。第一楽章は40分あって全部好きなんですけど、そのなかでもとりわけ大好きなのが20秒くらいのコンチェルトなんですよね。それを弾きたいがゆえにコンクールを受けたのもあるし、それをあの場所で弾くのが夢でした。
YouTubeで公開されているファイナルの演奏の18分30秒からの部分だ。
反田:最終的には自分を信じること。ふたつ目に、鳴らしている空間に身を委ねること。これがけっこう難しいんですよ。これができたのが予備予選とファイナルでした。お客さんの反応もありますし、家で練習しても予想がつかないのがライブだと思うんですよね。お客さんにどう聴こえているか、審査員にどう聴こえているか、自分が求めているショパンなのかを、しっかりと耳でコントロールしながら、あとは音に身を任せる。それがショパンを演奏するうえで一番きれいに弾けるんじゃないかなと思います。
反田恭平さんの最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
『~JK RADIO~TOKYO UNITED』のワンコーナー「THE HIDDEN STORY」では、トップセラーからモノづくりにかける夢を聞く。放送は毎週金曜の10時40分から。
反田さんが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『~JK RADIO~TOKYO UNITED』(ナビゲーター:ジョン・カビラ)のワンコーナー「THE HIDDEN STORY」。オンエアは1月14日(金)。
過去のコンクール参加者800名が弾いた曲を調べて…
2021年にポーランドで開催された「第18回ショパン国際ピアノコンクール」で、反田さんは見事2位に入賞。5年に1回開催される同コンクールには、30歳以下という出場資格がある。27歳の反田さんにとって、今回が最後のチャンスだった。12歳の頃からコンクールの存在は認知していた反田さんが、実際に受けようと決心したのは約6年前だったという。反田:存在を知っているのと本格的に受けようと思って準備するのはぜんぜん違うわけで。ショパンは大好きなんだけど、好きと得意は別の問題だったんですね。
目標を優勝に定めた反田さんは、留学先をロシアからポーランドに変更したそうだ。
反田:そこからざっと2010年、2015年のコンクール参加者800名が何を弾いたのか、曲目を調べてひとつずつ正の字を書きました。「この人は何次予選でこの曲を弾いて、この回で何人それを弾いたのか」を調べたら浮き彫りになった結果があったんですね。そこから自分に合う曲を見つけだして、コンクールで実際に弾いて合うかどうかを試していきました。
筋肉をつけたら、音はどう変わる? 自らやってみた
コンクールに備えて髪型や体型にもこだわった反田さん。一見して日本人だと認識してもらうことに注力したという。侍をイメージした髪型にした反田さんは、次にふくよかな音を鳴らすために体型も変えたと語る。反田:僕の先生が御年85、86歳くらいのロシア人の先生で、すごくお腹が大きいんですよ。そういう先生の演奏って、ふくよかな音が出るんですね。非常に面白い結果論なんですけど、脂肪分の多い人の演奏は、より深みのある音。逆に気になったのは、「筋肉質になったらどういう音が出るのかな」という疑問でした。周りでピアノを弾いているマッチョがいないのもあって、自分でやってみようと決めたんですね。それでダメだったら落とせばいいので。1、2年前だったかな? 上質な筋肉をつけたかったので、トレーナーをつけてバーベルとかをやってみたんですよ。
身体を鍛えた結果、演奏音が硬質的なものに変化した実感を得た。しかし「ショパンには合わない」と判断した反田さんは、1年かけて筋肉量を落とした。
反田:ピアノの世界には、それくらい差が出るんですよね。我々は0.0何ミリの世界で指を動かして音をコントロールしているわけですから。
コンクールでどうしても演奏したかった20秒
「ショパン国際ピアノコンクール」のファイナルでは、ピアノ協奏曲の第一番か第二番をオーケストラと共に演奏する。反田さんが選んだのは第一番だった。反田:僕は迷う余地もなく第一番を演奏しました。というのも、この世に存在するすべてのクラシック作品のなかで、一番好きな作品なんですよ。すごく自分に近い作品だと感じたんです。ちょっと厳格なところもあったり、ころっと変わったり、人には見せないようなかわいらしいシーンも出てくるんですね。第一楽章は、青春みたいな感じなんですよ。第一楽章は40分あって全部好きなんですけど、そのなかでもとりわけ大好きなのが20秒くらいのコンチェルトなんですよね。それを弾きたいがゆえにコンクールを受けたのもあるし、それをあの場所で弾くのが夢でした。
YouTubeで公開されているファイナルの演奏の18分30秒からの部分だ。
KYOHEI SORITA – final round (18th Chopin Competition, Warsaw)
ショパンの音楽を奏でるために大切なこと
最後に反田さんが、ショパンの音楽を奏でるために大切なことを語った。反田:最終的には自分を信じること。ふたつ目に、鳴らしている空間に身を委ねること。これがけっこう難しいんですよ。これができたのが予備予選とファイナルでした。お客さんの反応もありますし、家で練習しても予想がつかないのがライブだと思うんですよね。お客さんにどう聴こえているか、審査員にどう聴こえているか、自分が求めているショパンなのかを、しっかりと耳でコントロールしながら、あとは音に身を任せる。それがショパンを演奏するうえで一番きれいに弾けるんじゃないかなと思います。
反田恭平さんの最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
『~JK RADIO~TOKYO UNITED』のワンコーナー「THE HIDDEN STORY」では、トップセラーからモノづくりにかける夢を聞く。放送は毎週金曜の10時40分から。
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2022年1月21日28時59分まで
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