三浦大知が「この魂だけは守り抜く」という強さを感じた楽曲。7年ぶりのアルバム『OVER』を語る

三浦大知が、前作『HIT』から約7年ぶりとなるニューアルバム『OVER』について語った。

三浦が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『～JK RADIO～TOKYO UNITED』のワンコーナー「THE HIDDEN STORY」。オンエアは3月22日（金）。

アルバムを作る意義とは

三浦は2月14日、ニューアルバム『OVER』をリリースした。前作『HIT』から約7年ぶり、コンセプチュアルプロジェクト『球体』からは約6年ぶりとなる。その理由は、この7年の間に音楽の聴かれ方が変わったことが一番大きいという。

三浦：ここ数年、いろんなところからお話をいただいて、単曲で制作を進めていくことが続いていたっていう感じだったので、次のアルバムをどうしようという悩みが特にあったわけではないです。この7年でアルバムの聴かれ方というか音楽の聴かれ方がだいぶ変わって。みんなが自分の好きなプレイリストを作る文化になって、みんなが好きなように単曲で音楽を聴く方向にどんどんなっていって、僕の中で「アルバムである理由みたいなものがないとアルバムは作れないよね」っていうのが、なんとなくありました。

『OVER』は全曲新曲で構成されているが、三浦はすでにシングル7枚をリリースしており、この7枚プラス新曲を収録して「これがアルバムです」と言うには、「シングル曲が多すぎると感じた」という。

三浦：もはや、ほぼプレイリストなんじゃないかっていう。それだとアルバムとして作る理由みたいなものを見出すのが難しいなと思ったので、新作はアルバムのための曲、全曲新曲で構成することに意味があるんじゃないかと思いました。アルバムの前にシングルコレクションというのを別で作っちゃって、そこにシングルを全部入れさせていただいて、『OVER』というアルバムに関してはゼロから構築しています。

シングルはDVD＆Blu-ray＋CD『DAICHI MIURA DOCUMENTARY 2019-2023 + SINGLE COLLECTION 2018-2023 "COLOR___S"』にまとめて収録されている。

三浦：個人的には『OVER』はさらっと聴けることを目指していて、ものすごく充実した内容だけど、1周がスルッと過ぎていくような心地よいアルバムになるといいなと思って作っています。

参加アーティストを選ぶ基準はなんだったのだろうか。

三浦：『OVER』っていうコンセプトがまずあって。今の自分を超えて1歩、2歩、新しいエリアにちゃんと足を踏み込んでトライしていくことを目指しました。初めて一緒に楽曲を作るアーティストの方とも積極的にコラボレーション作品を作らせていただき、今まで一緒にやっている方も今までにない新しい音像感みたいなものを作っていけたらいいなあと思って、それぞれお声がけさせていただいたという感じです。

アルバム収録曲への思い

アルバムの1曲目はNao'ymt作詞作曲『Pixelated World』。 三浦：今回のアルバムは1曲1曲を強いものにしたいなと思って。なんとなくネガティブなものをみんなが共有しながら生きているこの世界、表面がピクセル化して少しずつ崩れていくような、ちょっと不安定なこの世界で、自分自身はピクセル化されない、この魂だけは守り抜くという覚悟を感じる曲だったので、今の時代だから生まれた楽曲だなあと思ったし、これは1曲目に持ってくるべきじゃないか、この強さをもってアルバムがスタートするのがいいんじゃないかと思いました。

2曲目は、国内外のトップアーティストに楽曲を提供しているトラックメイカーのTOMOKO IDAがサウンドプロデューサーを担当、作詞はSOULHEADのTSUGUMI と三浦大知による共作となった『能動』。 三浦：TOMOKO IDAさんは昔からの知り合いで、クラブのイベントとかで一緒に飲んだりする友だちだったんですけど、音楽でがっつり絡んだことはなくて。いち音楽ファンとして彼女の曲を聴いていて、かっこいいなあと思っていました。いつかTOMOKOのトラックで歌ってみたいという気持ちがずっとあって。今回『OVER』を作る上で初めてのトラックメイカーを……となったときに思いついたのがTOMOKOの楽曲だったので、お願いして作っていただいたという感じです。

三浦大知は、翌週も続けて同コーナーに出演した。radikoで2024年4月5日（金）28時頃まで再生可能。 『～JK RADIO～TOKYO UNITED』のワンコーナー「THE HIDDEN STORY」では、トップセラーからモノづくりにかける夢を聞く。放送は毎週金曜の10時40分頃から。