現代の方針に合った理想のリーダー像について、『チームが自ずと動き出す 内村光良リーダー論』著者で株式会社dea代表の畑中翔太さんが語った。
畑中さんが登場したのは『STEP ONE』のワンコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」(ナビゲーター:サッシャ、ノイハウス萌菜)。ここでは12月7日(火)のオンエア内容をテキストで紹介する。
サッシャ:内村さんはイメージもいいんですけど、実際に現場でも評判が非常に高いんですか?
畑中:そうですね、内村さんの現場はチームがまとまっていいものが作れる、テレビでいうと視聴率が取れるという話を聞いたことがあります。
サッシャ:畑中さんも、現場でご一緒だったことがある?
畑中:はい、CMの現場で内村さんと初めてお会いして、そのときの立ち振る舞いみたいなのが、僕のなかでは衝撃的でした。
サッシャ:いちばん衝撃的だったのは?
畑中:CMの現場ってけっこう待ちの時間も長いので、楽屋に戻ったりするのは当たり前のことなんですけど、内村さんはずっと現場に立っていて「椅子に座ってください」っていっても「いいです、いいです」っていって、現場がどう動いているかを見ているんです。エキストラさんにたまに声をかけたり、作り手側にも一緒に立ってくれたりとかして、内村さんがそこにいてリーダーになるのが当たり前のような現場になっていて、一晩の撮影でそこまでされる方って今まで見たことがなくて。それで「あの大御所の内村さんが」っていうので興味をもって、この本を書くきっかけにさせて頂きました。
著書では、内村と交流のある業界関係者への取材内容を紹介している。
畑中:僕自身は内村さんと関係性も長くなくて、悪い意味ではなくもともとファンではなかったので、内村さんとご一緒している芸人さん、後輩さん、あとはコントをされている中川大志さんとかいとうあさこさんとか塚地(武雅)さんなどの業界の方から、ヘアメイクさんや番組を一緒に作っているプロデューサーの方、さらに本も書いていらっしゃるので書籍担当の方とか。内村さんってすごくいろいろな面があるので、そこを24名のいろんな人にお話を聞きました。
畑中:内村さんはプレッシャー型じゃないというか、「あれやれ、これやれ」「こうしろ」ってあんまり物事を多くいわないタイプで、自分の背中で見せつつ、みんながいつの間にかそれに巻き込まれていくっていうのが、どこの現場でも起こっているようです。
サッシャ:じゃあ、先陣を切るタイプ?
畑中:そうですね。僕、内村さんって「誰よりもいちばん汗をかく」っていうのを本の第一項目にしたんですけど、それがやっぱりみなさんがいちばん言っていたことでした。
サッシャ:普通は大御所になれば、誰かが汗をかいてくれるわけですよね。
畑中:たとえば稽古の現場に入ると、内村さんが汗ダラダラになってもう稽古をしていて、「あれ、(入りの)時間、今なのに」みたいな。別に早く入れともいわないし、でも内村さんがいつもそうだと、みんなが少しずつ「もっと前に入ろう」みたいになって、内村さんはいわないけどいつの間にかルールというか、ちゃんとした規範を作るみたいなのがすごいところですね。
内村について「汗をかきながらも、自分が一番楽しんでいる」と語った畑中さん。サッシャが「わかりやすく人に好かれたいと思うと透けて見えるが、内村さんはどのように求心力を生んでいるのか?」と質問すると、畑中さんは「上下という肩書をつけない姿勢がある」と答えた。
畑中:たとえば、監督をやられていた『ピーナッツ』という映画の撮影時、ちょっと雨が降って、グラウンドが使えない。演者さんが待っている時間に談笑をしていたら内村さんがいなくて、どこに行ったのかと思ったら整備員さんに交じって何十分もずっとトンボがけをしていたらしくて。内村さんは別にそれをやれとも言わないし、「俺、やってるぞ」ともいわないのですが、「とりあえずこのグラウンドが早く整備されるほうがいいだろう」ということで監督だけど自然にやるみたいな。
サッシャ:監督だから何をやらなきゃいけない、っていうのがないってこと?
畑中:そういうのは全くないですし、MCだから偉いっていう考えも毛頭なくて、けっこう構成員みたいな感じの考えです。そのときの立ち位置がMC、監督っていうだけで、照明の方とも何も変わらない、エキストラさんともイーブンで話していくっていう、そこが求心力かなと思います。
畑中:萎縮させないだけだとひっちゃかめっちゃかになっちゃいますが、最後はリーダーがどんなことがあっても背負えるっていうところがあるので、「内村さんに振れば落としてくれる」っていうので、若手の人がわちゃわちゃ飛び出て、「どうしようどうしよう内村さん」で笑いに落としてまとまるから、内村さんの現場は思い切ってやれるっていう。放牧させながら、最後は自分が責任を背負うって、(下の人間を)成長させることもできるし、リーダーとしての成果も作れるみたいな、そういうところは学びだなと思います。
サッシャ:背負ってくれるってすごいですね。会社でもね、いろんなロジックやアイデアを出しても、最後は受け止めてくれるから好きなことがいえる。
畑中:最初から「俺が」っていうふうにならないというのが大事かもしれないですね。
畑中:(取材対象に)「内村さんって最高ですね」って言ったら、それまでいいことを言っていたのに「いやいや、全然完璧な人じゃないです」「あの人はすごく弱いですよ」っておっしゃるんです。たとえば、50歳になられたあとの舞台とかでも、初日に水を飲んでいるんですけど、緊張で手が震えて口から水をこぼしている。あの内村さんがブルブルに震えて緊張が止まらないっていう姿を見ちゃうと「この人は完璧じゃないからこそ、支えなければ」って思うらしくて。「自分たちも一緒になれれば、この人をなんとかできるんじゃないか」って思わせるっていうのもすごいなと思います。
ノイハウス:そういう面を見せるっていうのも、難しいですもんね。
サッシャ:話を聞いていると、上司になったら楽をしようっていう発想はダメですね。
畑中:逆ですね。上司になるからこそいちばん頑張る。そうすると、むしろ見え方も倍になるかもしれないです。
J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」では、毎回ニューノーマル時代のさまざまなエッジにフォーカスする。放送は月曜~木曜の10時10分ごろから。
畑中さんが登場したのは『STEP ONE』のワンコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」(ナビゲーター:サッシャ、ノイハウス萌菜)。ここでは12月7日(火)のオンエア内容をテキストで紹介する。
「あの大御所の内村さんが」現場の姿に衝撃を受け本を執筆
5年連続で理想の上司1位を獲得している、内村光良。お笑いタレントとしてはもちろん、映画監督や俳優、司会者、作家など幅広い分野で活躍する内村のリーダーとしての魅力を、『チームが自ずと動きだす 内村光良リーダー論』(朝日新聞出版)著者の畑中さんが語った。サッシャ:内村さんはイメージもいいんですけど、実際に現場でも評判が非常に高いんですか?
畑中:そうですね、内村さんの現場はチームがまとまっていいものが作れる、テレビでいうと視聴率が取れるという話を聞いたことがあります。
サッシャ:畑中さんも、現場でご一緒だったことがある?
畑中:はい、CMの現場で内村さんと初めてお会いして、そのときの立ち振る舞いみたいなのが、僕のなかでは衝撃的でした。
サッシャ:いちばん衝撃的だったのは?
畑中:CMの現場ってけっこう待ちの時間も長いので、楽屋に戻ったりするのは当たり前のことなんですけど、内村さんはずっと現場に立っていて「椅子に座ってください」っていっても「いいです、いいです」っていって、現場がどう動いているかを見ているんです。エキストラさんにたまに声をかけたり、作り手側にも一緒に立ってくれたりとかして、内村さんがそこにいてリーダーになるのが当たり前のような現場になっていて、一晩の撮影でそこまでされる方って今まで見たことがなくて。それで「あの大御所の内村さんが」っていうので興味をもって、この本を書くきっかけにさせて頂きました。
著書では、内村と交流のある業界関係者への取材内容を紹介している。
畑中:僕自身は内村さんと関係性も長くなくて、悪い意味ではなくもともとファンではなかったので、内村さんとご一緒している芸人さん、後輩さん、あとはコントをされている中川大志さんとかいとうあさこさんとか塚地(武雅)さんなどの業界の方から、ヘアメイクさんや番組を一緒に作っているプロデューサーの方、さらに本も書いていらっしゃるので書籍担当の方とか。内村さんってすごくいろいろな面があるので、そこを24名のいろんな人にお話を聞きました。
率先して動き、アピールも無理強いもしない
映画監督として、芸人として、どういった内村と接するかによってそれぞれ受ける印象は異なるが、畑中さんは「本質的なところは同じことを言っている」と感じたそうだ。畑中:内村さんはプレッシャー型じゃないというか、「あれやれ、これやれ」「こうしろ」ってあんまり物事を多くいわないタイプで、自分の背中で見せつつ、みんながいつの間にかそれに巻き込まれていくっていうのが、どこの現場でも起こっているようです。
サッシャ:じゃあ、先陣を切るタイプ?
畑中:そうですね。僕、内村さんって「誰よりもいちばん汗をかく」っていうのを本の第一項目にしたんですけど、それがやっぱりみなさんがいちばん言っていたことでした。
サッシャ:普通は大御所になれば、誰かが汗をかいてくれるわけですよね。
畑中:たとえば稽古の現場に入ると、内村さんが汗ダラダラになってもう稽古をしていて、「あれ、(入りの)時間、今なのに」みたいな。別に早く入れともいわないし、でも内村さんがいつもそうだと、みんなが少しずつ「もっと前に入ろう」みたいになって、内村さんはいわないけどいつの間にかルールというか、ちゃんとした規範を作るみたいなのがすごいところですね。
内村について「汗をかきながらも、自分が一番楽しんでいる」と語った畑中さん。サッシャが「わかりやすく人に好かれたいと思うと透けて見えるが、内村さんはどのように求心力を生んでいるのか?」と質問すると、畑中さんは「上下という肩書をつけない姿勢がある」と答えた。
畑中:たとえば、監督をやられていた『ピーナッツ』という映画の撮影時、ちょっと雨が降って、グラウンドが使えない。演者さんが待っている時間に談笑をしていたら内村さんがいなくて、どこに行ったのかと思ったら整備員さんに交じって何十分もずっとトンボがけをしていたらしくて。内村さんは別にそれをやれとも言わないし、「俺、やってるぞ」ともいわないのですが、「とりあえずこのグラウンドが早く整備されるほうがいいだろう」ということで監督だけど自然にやるみたいな。
サッシャ:監督だから何をやらなきゃいけない、っていうのがないってこと?
畑中:そういうのは全くないですし、MCだから偉いっていう考えも毛頭なくて、けっこう構成員みたいな感じの考えです。そのときの立ち位置がMC、監督っていうだけで、照明の方とも何も変わらない、エキストラさんともイーブンで話していくっていう、そこが求心力かなと思います。
受け止めてくれる安心感
畑中さんは、内村のチームマネジメントの特徴として「自由に放牧させる」イメージがあるとコメント。「こうしたほうがいい」などは言わずに、まずは自由にやらせてみる方向性があると話し、共演者や関係者を萎縮させないので「みなさんやりやすそうな感じはあると思います」と話した。畑中:萎縮させないだけだとひっちゃかめっちゃかになっちゃいますが、最後はリーダーがどんなことがあっても背負えるっていうところがあるので、「内村さんに振れば落としてくれる」っていうので、若手の人がわちゃわちゃ飛び出て、「どうしようどうしよう内村さん」で笑いに落としてまとまるから、内村さんの現場は思い切ってやれるっていう。放牧させながら、最後は自分が責任を背負うって、(下の人間を)成長させることもできるし、リーダーとしての成果も作れるみたいな、そういうところは学びだなと思います。
サッシャ:背負ってくれるってすごいですね。会社でもね、いろんなロジックやアイデアを出しても、最後は受け止めてくれるから好きなことがいえる。
畑中:最初から「俺が」っていうふうにならないというのが大事かもしれないですね。
「弱さを見せる」が強さに変わる
関係者への取材を重ねていくうちに、「内村さんは完璧じゃない」と話す人が多かったと畑中さんは振り返った。畑中:(取材対象に)「内村さんって最高ですね」って言ったら、それまでいいことを言っていたのに「いやいや、全然完璧な人じゃないです」「あの人はすごく弱いですよ」っておっしゃるんです。たとえば、50歳になられたあとの舞台とかでも、初日に水を飲んでいるんですけど、緊張で手が震えて口から水をこぼしている。あの内村さんがブルブルに震えて緊張が止まらないっていう姿を見ちゃうと「この人は完璧じゃないからこそ、支えなければ」って思うらしくて。「自分たちも一緒になれれば、この人をなんとかできるんじゃないか」って思わせるっていうのもすごいなと思います。
ノイハウス:そういう面を見せるっていうのも、難しいですもんね。
サッシャ:話を聞いていると、上司になったら楽をしようっていう発想はダメですね。
畑中:逆ですね。上司になるからこそいちばん頑張る。そうすると、むしろ見え方も倍になるかもしれないです。
J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」では、毎回ニューノーマル時代のさまざまなエッジにフォーカスする。放送は月曜~木曜の10時10分ごろから。
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2021年12月14日28時59分まで
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番組情報
- STEP ONE
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月・火・水・木曜9:00-13:00