【ゲイ】と【腐女子】から「私」と「あなた」へ……12月3日公開の映画『彼女が好きなものは』の先行上映イベントが11月26日に都内で行われ、主演の神尾楓珠、共演の山田杏奈、今井翼、そして草野翔吾監督が出席した。
「異性を愛したい」「家庭を築きたい」。世間で“ふつう”と言われる幸せを手にしたいと願いながらも、自分らしさとの狭間で葛藤する主人公・安藤 純を繊細に演じた神尾。その恋人・佐々木誠役の今井は「僕自身にとって、このような役柄は初めて。同性を愛しているからと言って閉鎖的に過ごさなければいけないという固定観念は時代錯誤。同性を愛することは特別なことではなく、周囲もそれを特別視しない。純を思う包容力を通して、そんなことを大切にしました」と演じる上でのテーマを口にしていた。
印象的なシーンの話題になると、今井は純とのデートを紗枝に目撃される場面を挙げた。紗枝から投げられたヨーヨーが破れて水を浴びるアクションでは「中途半端になると衣装などを乾かしてやり直さなければいけないので、一発勝負の撮影でした。投げられることを感じてはいけないので、ビンタされる芝居と同じ要領で平静を装いながらやっていました」と苦労もあったよう。
また神尾とのラブシーンには「女性とのラブシーンもそうですが、相手の純が美しく見えるように心掛けてやりました。楓珠君は僕よりも年下で素敵な俳優さんで、僕なんかよりもしっかりしている。色々と安心してやらせてもらいました」と一回り以上年下の神尾に全幅の信頼を寄せていた。
すると神尾は、誠との別れのシーンでラムネが噴き出す箇所を挙げて「実際はこぼれる予定ではなかったけれど、いざ本番でやってみたらラムネがこぼれた。それを今井さんが芝居でカバーしてくれたときは、誠さんの優しさが出ていて泣きそうになりました。あのシーンを思い出すと今でも泣きそうになる」と今井のアドリブに感動。
ラムネが噴きこぼれた際、今井は機転を利かせてハンカチを取り出したという。しかもそのハンカチは小道具ではなく「撮影の合間に汗を拭くのに使ったものを瞬時に使いました」と今井。「二人の最後の時間の中で僕も自然とそうなった。撮影を重ねる中で生まれたコミュニケーションがそういうところに出たのかもしれない」と心境を解説した。
【関連記事】神尾楓珠、吉岡里帆と語る! 尊敬する俳優は?
また今井は主演の神尾について「巷では僕の若い頃の顔と系統が似ていると言ってくれる人がいるみたいで、ありがたい」と最敬礼すると、神尾も「こちらこそですよ!」と恐縮しつつ「僕ら二人のシーンは濃い顔と濃い顔で迫力のあるシーンになっています」と笑わせた。そんな今井を神尾は「今井さんは僕らの目線の高さに合わせてくれて、弱いところも見せてくれた。純としてありのままに対峙できたのは、今井さんのお人柄のお陰です」と感謝していた。
(取材=石井隼人)
「異性を愛したい」「家庭を築きたい」。世間で“ふつう”と言われる幸せを手にしたいと願いながらも、自分らしさとの狭間で葛藤する主人公・安藤 純を繊細に演じた神尾。その恋人・佐々木誠役の今井は「僕自身にとって、このような役柄は初めて。同性を愛しているからと言って閉鎖的に過ごさなければいけないという固定観念は時代錯誤。同性を愛することは特別なことではなく、周囲もそれを特別視しない。純を思う包容力を通して、そんなことを大切にしました」と演じる上でのテーマを口にしていた。
印象的なシーンの話題になると、今井は純とのデートを紗枝に目撃される場面を挙げた。紗枝から投げられたヨーヨーが破れて水を浴びるアクションでは「中途半端になると衣装などを乾かしてやり直さなければいけないので、一発勝負の撮影でした。投げられることを感じてはいけないので、ビンタされる芝居と同じ要領で平静を装いながらやっていました」と苦労もあったよう。
また神尾とのラブシーンには「女性とのラブシーンもそうですが、相手の純が美しく見えるように心掛けてやりました。楓珠君は僕よりも年下で素敵な俳優さんで、僕なんかよりもしっかりしている。色々と安心してやらせてもらいました」と一回り以上年下の神尾に全幅の信頼を寄せていた。
すると神尾は、誠との別れのシーンでラムネが噴き出す箇所を挙げて「実際はこぼれる予定ではなかったけれど、いざ本番でやってみたらラムネがこぼれた。それを今井さんが芝居でカバーしてくれたときは、誠さんの優しさが出ていて泣きそうになりました。あのシーンを思い出すと今でも泣きそうになる」と今井のアドリブに感動。
ラムネが噴きこぼれた際、今井は機転を利かせてハンカチを取り出したという。しかもそのハンカチは小道具ではなく「撮影の合間に汗を拭くのに使ったものを瞬時に使いました」と今井。「二人の最後の時間の中で僕も自然とそうなった。撮影を重ねる中で生まれたコミュニケーションがそういうところに出たのかもしれない」と心境を解説した。
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また今井は主演の神尾について「巷では僕の若い頃の顔と系統が似ていると言ってくれる人がいるみたいで、ありがたい」と最敬礼すると、神尾も「こちらこそですよ!」と恐縮しつつ「僕ら二人のシーンは濃い顔と濃い顔で迫力のあるシーンになっています」と笑わせた。そんな今井を神尾は「今井さんは僕らの目線の高さに合わせてくれて、弱いところも見せてくれた。純としてありのままに対峙できたのは、今井さんのお人柄のお陰です」と感謝していた。
(取材=石井隼人)