Yogee New Wavesの角舘健悟(Vo./Gt.)がとっておきのアナログレコードを紹介し、自身の音楽ルーツや表現への想いを語った。
角舘が登場したのは、10月からスタートしたJ-WAVEの新番組『WOWOW MUSIC // POOL』(ナビゲーター:中田クルミ)。ここでは10月8日(金)のオンエアをテキストで紹介する。
Yogee New Wavesは10月13日に4thアルバム『WINDORGAN』をリリースした。
中田:音楽学科ってなにをやっていたの?
角舘:僕がいたところは情報音楽といって、DTMをいじったりMax MSPというソフトを使ってアンビエントを作ったり、そういうちょっと奇天烈なところだったんですね。クルミ(中田)はもっと日芸の“花の場所”にいたわけでしょ。
中田:花の場所(笑)。私のいた場所は映画学科の演技コースだから、ちょっと芸能の香りのする人がワイワイキャピキャピやってた感じだった。
角舘:そうそう(笑)。
中田:わりと学科を越えて仲良くしていることが多かったよね。
角舘:そうだね、一緒に制作をしたこともあったし、ごはんも食べたし、みんなで一緒に帰ったりしましたよね。
『WOWOW MUSIC // POOL』では、ゲストが毎回とっておきのアナログレコードを持参する。角舘は「とっておきすぎて持ってきたくないぐらい」と前置きをして秘蔵の1枚を紹介。スティーヴィー・ワンダーが22歳でリリースした名盤『Talking Book』の収録曲『Tuesday Heartbreak』だ。
角舘がこの曲に出会ったのは2017年から2018年の冬ごろ。Yogee New Wavesやサニーデイ・サービス、GRAPEVINEでキーボードを担当する高野 勲からオススメしてもらったのだとか。
角舘:「健悟、スティーヴィー好き?」って訊かれて「好きですよ」って言ったら「『Talking Book』聴きなよ」って聴かされて、「めちゃくちゃいいじゃん!」「いまの俺に一番ビッタシきてます」みたいな。スティーヴィー・ワンダーの『Talking Book』は名曲ぞろいで、『Superstition』もすごくいい曲ですね。この曲は特にバンドマンだったらセッションで「1回やろうぜ」みたいになる曲。
中田:それはなぜ?
角舘:クルミはダンスもやってたからわかると思うんだけど、ダンスで最初に踊る曲とかあるじゃない? それに近いものがあると思う。ブラックミュージック好きなミュージシャンたちが『Superstition』をセッションして握手するみたいな感じ。
中田:ダンスだと、ダンスが上手な人になった気持ちになれる曲があったりするけど、そんな感じ?
角舘:そうかも。
中田:「イケてる人になったぞ」みたいな。
角舘:そうそう。「みんな言わなくてもこれ知ってるよね?」でやったら「お、いいね」みたいになるのがこの曲かもね。
角舘:Hi-Standardのコピーバンドでした。僕はドラムでね。
中田:ハイスタのドラムって大変だよね?
角舘:大変。バタバタです。楽しいんですけどね。
中田:歌っていたわけではないの?
角舘:ドラムでひたすらコーラスですね。
角舘がドラムからボーカルに転身したのは、とある理由があったのだという。
角舘:Yogeeが最初のギターボーカルのバンドなんです。それまでもオリジナルとかやってたんだけど、ドラムをやりながら書いていて。パンクバンドやハードコアバンドをやっていた時期もあったんだけど、情感というか自分の持っているあたたかい感覚みたいなのが、ハードコアのドラムじゃ伝わらないことに3年ぐらいやってやっと気づいて。それで、Yogeeをはじめてみたら、みんなすごく「いいね」って言ってくれて。
中田:声があたたかくて気持ちいい。お風呂に入ってる気持ちになった。自分の全神経がゆるまっていく感じ。
角舘:この肩の力の抜け感は東京にはないですよね。
中田:確かに東京にはない空気感。Yogeeの曲もけっこうそういうところがありませんか?
角舘:おそらくそこをやりたいんですよね。
中田:私、沖縄に行ってて、健悟がゲストに来てくれるというからYogeeの曲を沖縄という土地で聴き倒してきたんですよ。
角舘:いいじゃないですか。
中田:フィット感がすごくて。すごく広い道路と空とYogeeの曲。そのときに歌詞の母音がすごくあたたかいなと思ったんだけど、意識してますか?
角舘:意識はしてないかな。昔はもうちょっと喉のエッジをきかせていたんです。それがスティーヴィー・ワンダーを好きになってから、あたたかい感じが好きになりました。聴いている音楽によって変わるね。昔はもっと尖ってる曲をたくさん聴いてたから。
中田:どんどん自分の内面性と対話していく感じになったり?
角舘:めちゃくちゃありますね。あんまりここには抗いたくなくて。抗いがちといえば抗いがちなんですけど、抗うとどこかで苦しくなりますね。そうすると苦しい音楽になっちゃうから。
角舘:僕らはアルバムごとにアナログを作るんです。デザインもするし、音もこだわっているので、感覚的にアナログにこだわらざるを得ないというか。世界的に上には上がいるので、自分なりにできることからやっていますけど。最近はよく聴くレコードの年代に合わせたスピーカーを買いました。
中田:違う?
角舘:もう全然違う。世界が違う。
中田:へえ! そんなに変わるものなんだ。
角舘:いまのスピーカーで聴くと、アナログがアナログっぽくないの。ペロンとして立体感がないんです。もっとレコードってデコボコしているイメージなんだけど。だから簡単に言うと「スピーカーのなかにスティーヴィー・ワンダーがいる」って感じ。なかにいて演奏してくれているみたいな臨場感があるんですよね。
中田:それは確かに楽しみ方がさらに広がりますよね。いろいろ研究した結果ですか?
角舘:コロナ禍のおうち時間の楽しみ方ですよね。
Yogee New Wavesの最新情報は、公式サイトまたは、Twitterまで。
POOL、それは誰もが音楽を自由に楽しめる場所。『WOWOW MUSIC // POOL』では毎週、音楽好きがとっておきのアナログを持って登場。放送は毎週金曜日22時から。
角舘が登場したのは、10月からスタートしたJ-WAVEの新番組『WOWOW MUSIC // POOL』(ナビゲーター:中田クルミ)。ここでは10月8日(金)のオンエアをテキストで紹介する。
Yogee New Wavesは10月13日に4thアルバム『WINDORGAN』をリリースした。
Yogee New Waves - 4th Album『WINDORGAN』Teaser #shorts #YOG #WINDORGAN
角舘と中田は同級生だった
角舘と中田は日本大学芸術学部出身の同級生で、中田は映画学科、角舘は音楽学科だった。中田:音楽学科ってなにをやっていたの?
角舘:僕がいたところは情報音楽といって、DTMをいじったりMax MSPというソフトを使ってアンビエントを作ったり、そういうちょっと奇天烈なところだったんですね。クルミ(中田)はもっと日芸の“花の場所”にいたわけでしょ。
中田:花の場所(笑)。私のいた場所は映画学科の演技コースだから、ちょっと芸能の香りのする人がワイワイキャピキャピやってた感じだった。
角舘:そうそう(笑)。
中田:わりと学科を越えて仲良くしていることが多かったよね。
角舘:そうだね、一緒に制作をしたこともあったし、ごはんも食べたし、みんなで一緒に帰ったりしましたよね。
『WOWOW MUSIC // POOL』では、ゲストが毎回とっておきのアナログレコードを持参する。角舘は「とっておきすぎて持ってきたくないぐらい」と前置きをして秘蔵の1枚を紹介。スティーヴィー・ワンダーが22歳でリリースした名盤『Talking Book』の収録曲『Tuesday Heartbreak』だ。
角舘がこの曲に出会ったのは2017年から2018年の冬ごろ。Yogee New Wavesやサニーデイ・サービス、GRAPEVINEでキーボードを担当する高野 勲からオススメしてもらったのだとか。
角舘:「健悟、スティーヴィー好き?」って訊かれて「好きですよ」って言ったら「『Talking Book』聴きなよ」って聴かされて、「めちゃくちゃいいじゃん!」「いまの俺に一番ビッタシきてます」みたいな。スティーヴィー・ワンダーの『Talking Book』は名曲ぞろいで、『Superstition』もすごくいい曲ですね。この曲は特にバンドマンだったらセッションで「1回やろうぜ」みたいになる曲。
中田:それはなぜ?
角舘:クルミはダンスもやってたからわかると思うんだけど、ダンスで最初に踊る曲とかあるじゃない? それに近いものがあると思う。ブラックミュージック好きなミュージシャンたちが『Superstition』をセッションして握手するみたいな感じ。
中田:ダンスだと、ダンスが上手な人になった気持ちになれる曲があったりするけど、そんな感じ?
角舘:そうかも。
中田:「イケてる人になったぞ」みたいな。
角舘:そうそう。「みんな言わなくてもこれ知ってるよね?」でやったら「お、いいね」みたいになるのがこの曲かもね。
最初はドラムを担当
続いて角舘の音楽ルーツを掘り下げる。角舘が自発的に音楽を始めたのは中学1年生のとき。共通の音楽を知る友人と「コピーバンドを始めよう」とバンドを組んだのがきっかけだったという。角舘:Hi-Standardのコピーバンドでした。僕はドラムでね。
中田:ハイスタのドラムって大変だよね?
角舘:大変。バタバタです。楽しいんですけどね。
中田:歌っていたわけではないの?
角舘:ドラムでひたすらコーラスですね。
角舘がドラムからボーカルに転身したのは、とある理由があったのだという。
角舘:Yogeeが最初のギターボーカルのバンドなんです。それまでもオリジナルとかやってたんだけど、ドラムをやりながら書いていて。パンクバンドやハードコアバンドをやっていた時期もあったんだけど、情感というか自分の持っているあたたかい感覚みたいなのが、ハードコアのドラムじゃ伝わらないことに3年ぐらいやってやっと気づいて。それで、Yogeeをはじめてみたら、みんなすごく「いいね」って言ってくれて。
スティーヴィーの影響であたたかさのある音楽に
番組では角舘のオススメとしてブラジル出身のシンガーソングライター・Sessaの『Grandeza』をオンエア。角舘の音楽との共通点を語った。Sessa - Grandeza (Live on KEXP)
角舘:この肩の力の抜け感は東京にはないですよね。
中田:確かに東京にはない空気感。Yogeeの曲もけっこうそういうところがありませんか?
角舘:おそらくそこをやりたいんですよね。
中田:私、沖縄に行ってて、健悟がゲストに来てくれるというからYogeeの曲を沖縄という土地で聴き倒してきたんですよ。
角舘:いいじゃないですか。
中田:フィット感がすごくて。すごく広い道路と空とYogeeの曲。そのときに歌詞の母音がすごくあたたかいなと思ったんだけど、意識してますか?
角舘:意識はしてないかな。昔はもうちょっと喉のエッジをきかせていたんです。それがスティーヴィー・ワンダーを好きになってから、あたたかい感じが好きになりました。聴いている音楽によって変わるね。昔はもっと尖ってる曲をたくさん聴いてたから。
中田:どんどん自分の内面性と対話していく感じになったり?
角舘:めちゃくちゃありますね。あんまりここには抗いたくなくて。抗いがちといえば抗いがちなんですけど、抗うとどこかで苦しくなりますね。そうすると苦しい音楽になっちゃうから。
アナログへのこだわり
角舘はアナログへのこだわりをこう話す。角舘:僕らはアルバムごとにアナログを作るんです。デザインもするし、音もこだわっているので、感覚的にアナログにこだわらざるを得ないというか。世界的に上には上がいるので、自分なりにできることからやっていますけど。最近はよく聴くレコードの年代に合わせたスピーカーを買いました。
中田:違う?
角舘:もう全然違う。世界が違う。
中田:へえ! そんなに変わるものなんだ。
角舘:いまのスピーカーで聴くと、アナログがアナログっぽくないの。ペロンとして立体感がないんです。もっとレコードってデコボコしているイメージなんだけど。だから簡単に言うと「スピーカーのなかにスティーヴィー・ワンダーがいる」って感じ。なかにいて演奏してくれているみたいな臨場感があるんですよね。
中田:それは確かに楽しみ方がさらに広がりますよね。いろいろ研究した結果ですか?
角舘:コロナ禍のおうち時間の楽しみ方ですよね。
Yogee New Wavesの最新情報は、公式サイトまたは、Twitterまで。
POOL、それは誰もが音楽を自由に楽しめる場所。『WOWOW MUSIC // POOL』では毎週、音楽好きがとっておきのアナログを持って登場。放送は毎週金曜日22時から。
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