ナビゲーター:野村訓市

ラッパー・5lack×野村訓市が対談。「スケートビデオ」から受けた影響とは

ラッパー、トラックメーカー、プロデューサーとして活躍する5lackが自身の活動や音楽のルーツを語った。

5lackがゲスト出演したのは9月26日(日)放送のJ-WAVE『TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING』(ナビゲーター:野村訓市)だ。

拠点を地元板橋から福岡に

5lackプロデュースのラッパー・GAPPERのソロデビューアルバムが8月にリリースされた。コロナ禍という状況が制作活動にも影響を与えたという。

5lack:いま自宅にいなきゃいけないことが増えて、エンジニア業とかミックスとか技術的な部分にすごくハマったんです。その流れから、GAPPERに「ミックスがしたいからアルバム作らないか」と話して1年ぐらいかけて作りました。
野村:コロナがなかったら腰を落ち着けてトラックを作ったりしようとは思わず、外で短いお酒を飲んで歩いちゃったりしてたと思うのでよかったと。
5lack:そうですね、きっかけには完全になってる。
野村: 5lackは福岡に拠点を置いて、仕事のたびに東京に戻ってきているね。どっちの町もお酒と誘惑の多い街に暮らしてますが、福岡に住みだしてどのくらい?
5lack:5年ぐらいですかね。

5年暮らしていても福岡は飽きない街だと話す5lack。「総合得点がすごく高いというか、バランスがやばい。意外と港町で西海岸的な部分もあったり、山もあったり、(行こうと思えば)田舎っぽいところに行けないこともない」とコメントした。

5lack:まあ都会にいると遊び続けちゃうというか、転がり続けちゃうので少しリセットできるという。
野村:福岡も転がり続けることはできるでしょ?
5lack:できると思うんですけど(笑)。本当にリズムが一定の穏やかな生活をしてますね。
野村:5lackは東京出身で東京で活動していて、若い子のファンもたくさんいて。そういう音楽をやる人たちというのは多分、東京から離れるのがすごく怖かったり、常に流行の発信地にいないとダメなんじゃないかって、昔は絶対思っていたりしたと思うんです。だけど東京でヒップホップをやっていたのに、離れたところに拠点を置くのがすごく面白いなと。「離れたからできなくなったこと」というのはない?
5lack:やっぱりすぐ友だちに会えない部分はありますね。それこそ地元のつながりが長いので。
野村:あれだけ一緒にいたんだからもういいでしょ(笑)。
5lack:まあ、こっちに来たら「1週間ぐらいで帰るわ」みたいに、すぐにお腹いっぱいになるんですけど(笑)。

スケートビデオから受けた影響

野村は5lackがヒップホップのサンプリングで使用する楽曲が特徴的で「なんでこんなの使うの?」と尋ねたところ、「スケートビデオの後ろで流れていた」という回答を受けて世代の違いを感じたのだとか。

野村:スケートビデオはけっこうたくさんいままで観てきた?
5lack:一応、ビデオ世代の最後でもあるんですけど、普通の小中学生がスケートビデオを買ってあの世界に入るのってすごく特別な感じがあって。まあいまで言ったらインターネット的な要素ではないんですけど、海外のリアルな情報がいろいろこぼれているし。
野村:パッケージになっていたもんね。その世界観のなかにジャズが入っていたり、ヒップホップが入っていたり、ロックが入っていたり。スケートビデオとかの自由な音楽の使い方は、5lackの音楽の世界観にものすごく影響を受けてる?
5lack:受けてますね。自然とミクスチャー世代というか。いまになってもっとジャンルもすごい数になってますけど。
野村:もうわけわからないけどね。
5lack:その始まりの世代なのかもしれないです、もしかしたら。

プロデュース業に意欲

5lackは最後に今後の活動と、自ら選曲した楽曲に込めた想いを語った。

野村:今後も東京と福岡のあいだをフラフラ行ったり来たりしながら曲を作ってパフォーマンスしていきますか?
5lack:はい。
野村:もともと移動とか旅するのは、5lackは好きなほう?
5lack:音楽をやっているからか、ヒップホップがそうなのかわからないですけど、やっぱり地方、他県にライブをしに行くのは若いころ多かったので、日本中移動して見知らぬ場所で飯を食うみたいなのは好きでしたね。
野村:今後の予定は? コロナがあるからまだいろいろ動けないと思いますが、自分でトラックを作って、これからもほかの人のプロデュースをしたり?
5lack:そうですね。なんかラッパーでもあるのですが、プロデュースがすごく好きで。いろいろな人を自分の思うよさの方向に導く、そういう役回りにすごく興味がありますね。

『TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING』では「動かない旅」をキーワードに、旅の話と旅の記憶からあふれだす音楽をお届け。放送は毎週日曜日の20時から。
radikoで聴く
2021年10月3日28時59分まで

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番組情報
TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING
毎週日曜
20:00-20:54

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