伊藤万理華×金子大地の「本気のぶつかりあい」 松本壮史監督が編集で号泣したシーンとは?

海外の映画祭で上映が相次いでいる話題作『サマーフィルムにのって』がついに公開。8月7日(土)には都内で公開記念舞台挨拶が行われ、主演の伊藤万理華、共演の金子大地、河合優実、祷キララ、そして松本壮史監督が参加した。



勝新を敬愛する高校3年生のハダシ(伊藤)。キラキラ恋愛映画ばかりの映画部で撮りたい時代劇を作れずにくすぶっていた。そんなある日、彼女の前に現れたのは武士役にぴったりな凛太郎(金子)。すぐさま個性豊かな仲間を集め出したハダシは文化祭でのゲリラ上映を目指すことにする。青春すべてをかけた映画作りの中でハダシは凛太郎へほのかな恋心を抱き始めるが、彼は未来からやってきたという秘密があった。



【関連インタビュー】乃木坂46時代の悩みを吹き飛ばした─“素を晒す”経験で今、伊藤万理華は俳優として羽ばたく

時代劇オタクで映画監督志望の女子高生ハダシ役の伊藤は、念願の封切りに「感慨深いし、作品が世に放たれると思うと緊張して眠れませんでした」と緊張の面持ち。未来からやって来た青年・凛太郎役の金子も「今観るべき映画であり、この作品を通して元気になってもらえたら嬉しい」と思いを込めて、主演の伊藤には「最高っす! ハダシは伊藤さんにしかできない。ホントにビックリというか、リスペクト!」となりきりぶりに太鼓判を押していた。



ハダシの友人ビート板役の河合は、コロナ禍で撮影が中断したハプニングに触れて「撮影中に『今日終わります』と聞いて言葉を失いました。その後に2シーンの撮影があり、キララちゃんがカメラに映らないところで涙をぬぐっていた。映画がなくなることをハダシに伝えようか悩むシーンでもあったので、あの涙は印象に残っています」と回想。ハダシの友人ブルーハワイ役の祷は「撮影した状況と内容が重なるところが沢山あった。その日は特に……」と現実とのリンクに感情が揺さぶられたようだった。



ハダシ、ビート板、ブルーハワイの3人が屋上で叫んでいるような姿を捉えたポスターも好評だが、その撮影が行われたのは撮影中断を知らされた翌日だったという。それだけに伊藤は「みんな楽しそうな表情を浮かべていますが、気分的には“やけくそ”。もうやるしかないと思っていた」と意外な舞台裏を紹介。河合も「言葉にならないような叫び声を上げていました」と中断という悔しさあっての絶叫だったと打ち明けた。



クライマックスでのハダシと凛太郎の本格的殺陣も見所。松本監督は「エモーショナルさを的確に伝えるのが難しい場面で、撮影当日まで不安でした。でも全員が集中力を切らすことなく、最後まで役になりきってくれた。僕は編集の段階で号泣しました」と手応え十分。伊藤は「負けないように」と撮影時の意気込みを思い出すと、金子も「伊藤さんが本気でぶつかって来てくれたので、僕も集中力を切らさずに頑張ろうと思えた」と伊藤とのコンビネーションを強調していた。





(文・写真=石井隼人)

関連記事