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吉岡里帆も大ファン! 気鋭のアーティスト・KYNEが女の子を描くときに意識することは?

吉岡里帆も大ファン! 気鋭のアーティスト・KYNEが女の子を描くときに意識することは?

アーティスト・KYNEが、自身の活動の転機となった出来事や、今後チャレンジしてみたい作風について語った。

KYNEがリモートで登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『UR LIFESTYLE COLLEGE』(ナビゲーター:吉岡里帆)。7月4日(日)のオンエア内容をテキストで紹介する。

吉岡がKYNEの作品に触れたきっかけ

福岡県を拠点に活動するKYNEは大学時代に日本画を学び、並行して2006年頃からグラフィティアーティストとしての活動をスタート。クールな表情の女性を描くスタイルを確立させてからは、アパレルブランドとのコラボ作品やCDジャケットのイラストなどを手がけると共に国内外のギャラリーで作品展を開催している。吉岡がKYNEの作品をはじめて知ったのは、『カーサ ブルータス』(マガジンハウス)の表紙だったという。

吉岡:2018年4月号が「カフェとロースター」というテーマで、そちらの表紙をKYNEさんが描かれていました。あの絵がすっごく素敵で。カッコいいとかわいいが共存していて、飾りたくなる絵と言いますか。今も大事に取ってあります。
KYNE:ありがとうございます。
吉岡:KYNEさんが描くモノクロの女性の意味深な表情や色気、なまめかしさ、カッコよさなど、どういうところに影響を受けられて創作活動をスタートされたのか、いろいろと伺わせてください。

地図に新しい道を書き込むのが好きだった

KYNEは幼少期、運動も勉強もあまり得意ではなかったが、絵やものづくりが好きで、ミニ四駆や秘密基地づくりなどで遊んでいたという。運動は得意ではないがインドア派というわけではなく、街中にある落書きや地図にも興味を持っていたと話す。

KYNE:道を覚えるのがすごく好きで。当時、携帯電話やカーナビとかがあまりない時代だったので、親の車とかに乗ると書き込まれた地図が車内にあったんですよね。古い地図だと新しい道が乗っていないとかで。
吉岡:ああ~! 確かにそうですね。
KYNE:「この道はこうなった」みたいなことを地図に書くのがすごく好きでした。

自身の作風のルーツとして「ストリートアートが根底にある」と話したKYNEだが、大学では日本画を学んだ。当時学んだ日本画の制作が、現在の作風にも影響を与えているそうだ。

KYNE:日本画の絵の具は性質上、立体的でリアルな絵を描くよりも、平面的に描いて奥行きを感じさせる表現のほうが向いているんですね。そこで物の捉え方を学べました。
吉岡:絵の具の材質は描き方に関係してくるんですね。
KYNE:そうですね。今の絵は日本画絵具を使っていないんですけど、制作工程は日本画のものとすごく近いです。
吉岡:へえ~! 画材はどのようなものを使われているんですか?
KYNE:今はアクリル絵の具を使っています。

時代とともに人々のアートに対する価値観が変化した

コロナ禍によって現代アートがふたたび注目を集める昨今。吉岡はKYNEに「今の現在アートはどういう風に映りますか?」と問いかけた。

KYNE:経営者の方がアート思考を取り入れたり、アートに投資したりと、いろんな側面で現在アートが盛り上がっているなと感じます。中高生ぐらいまでの自分は、「絵を描くことはスポーツとは違って注目されない分野だ」と思っていたんですよ。
吉岡:そういうふうに思われていた時期もあったんですね。
KYNE:そうですね。文化的な部活動に関しても、派手さに欠けてあまり評価してもらえないイメージがありました。だけど、歳をとってアートや文化的なものに対する評価が変わってきているのを感じています。
吉岡:身をもってその変化を感じ取られたんですね。

村上 淳との出会い

俳優・村上 淳との出会いが自身にとって大きな転機となったと語るKYNE。村上を通じてメディアや雑誌に紹介してもらえたと振り返ったが、村上は街中やクラブ、スケボーなどに貼られていたKYNEのステッカーを見て興味を持ったそうだ。

KYNE:「会いたい」と1年以上言ってくれていて。
吉岡:すごい。熱烈なオファーじゃないですか(笑)。実は、村上 淳さんとは2020年に共演しまして。当時、いろんな方から「カイカイキキギャラリーでKYNEさんの展示をやっているよ。絶対に見に行ったほうがいい」と言われたのですが、そのなかの1人が村上さんでした(笑)。
KYNE:そうなんですね(笑)。
吉岡:だけど、仕事のスケジュール的にどうやっても行くことができなくて。「見に行っていないのは本当に残念だと思います」みたいな連絡が来ました(笑)。
KYNE:ぜひ、また次の機会に。

吉岡はKYNEが描く女性のイラストが「大好き」と語り、「女の子たちの表情が絶妙なんですよね」とコメントした。

吉岡:過剰じゃないけど、想像力も掻き立てられるので、その子たちの魅力を見る側が好きなように受け取ることができるというか。不思議な女の子たちです。女性の表情やポーズは、どんなところからインスパイアを得ますか?
KYNE:なるべくイラスト過ぎない、自然なポーズや表情を意識しています。描く絵はスナップっぽくない、少し絵画的なポーズが多いかもしれないですね。
吉岡:たしかに。綺麗なんですよね。無駄な感じがしないというか、スッキリした絵だと思います。シンプルなんだけど引きがある雰囲気をまとっている子だなと思います。

自宅に仕事道具は置いていない?

『UR LIFESTYLE COLLEGE』では、ゲストのライフスタイルに注目。KYNEが「快適に暮らすために心掛けていること」は、仕事を家に持ち込まないことで、自宅には仕事道具も一切ないという。

吉岡:基本的にお家では絵を描かれないんですか?
KYNE:はい。仕事道具があると、延々とダラダラ描いてしまうんですよね。そうするとどんどん効率が悪くなるし、よくないなと思って。
吉岡:わかる気がします。「家に帰ってもできるしな」って思うと、肝心の外で仕事ができなくなるというか(笑)。
KYNE:そうなんですよね。終わりがなくなっちゃうんで、「家で仕事はしない」と切り替えています。
吉岡:なるほど。ご自宅のこだわりポイントはありますか?
KYNE:特にないんですけど、仕事をしないのでなるべく寛げるような雰囲気にしています。照明も仕事用ではないので、ちょっと暗めです。
吉岡:間接照明的な?
KYNE:そうですね。逆に、仕事は明るくないとできないです。

ライフスタイルにおいて好きなことを訊くと、KYNEは「家具の組み立てや設備の修理」と答えた。

吉岡:それが得意なの、本当に羨ましいです。水道の修理とかもできるんですか?
KYNE:このあいだ、シャワーの水がずっとポタポタと落ちてきたんですよ。なので、なかを開けて弁を取り替えました。
吉岡:すご!
KYNE:業者を頼んだほうがいいんでしょうけど、立ち合いが必要だったり時間の制限があったりして嫌だな、と思って。「できるんだったらやろう」というスタンスです。
吉岡:本当に手先が器用なんですね。

新しい作風にもどんどん挑戦していきたい

吉岡はKYNEに、「もしも絵をかけられる大きな壁が手に入ったら、どんな作品を飾りたいですか?」と質問を投げかけた。

KYNE:意外と自分の作品をあまり掛けていないので、「たまには自分の絵も掛けたいな」と思うでしょうね。あとは友だちや仲のいいアーティストの作品をいろいろ掛けたいです。
吉岡:KYNEさんの仕事場にはまだ世間にお披露目していない秘密の作品があると勝手に思っているんですけども、未公開のものや描いている途中のものはあったりしますか?
KYNE:そうですね、ちょっとありますね。
吉岡:うわ~! めちゃくちゃ見たいです(笑)! このあいだの新作では、ふたりの女性を描かれていましたよね。今まではひとりの女性を描くスタイルだったので、ああいった変化があるとすごくときめくんですよ。ああいうのを見ると、「これからどんな新しい作品が生まれるんだろう」とワクワクしてきます。KYNEさんのなかでやってみたいことは何かありますか?
KYNE:自分のなかでは正面を向いたひとりの女性を描くイメージがあったので、「新しいことをどうやって形にしたらいいんだろう」と考えています。今まで入っていなかった背景をもっと描いてみたり、人物が入っていない作品にもチャレンジしてみたいです。
吉岡:すごく新鮮ですね。見てみたいので、楽しみにしています。

『UR LIFESTYLE COLLEGE』では、心地よい音楽とともに、より良いライフスタイルを考える。オンエアは毎週日曜18時から。

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