「自分の個性を認めてくれる場所を探す」という考え方もある。藤原しおり×前田有紀が多様性を考える

「派手なヘアスタイルがNG」な職場があるのはなぜ? リスナーから寄せられた意見をもとに、フラワーアーティストの前田有紀と藤原しおりが、「多様性」について語り合った。

ふたりが登場したのは、J-WAVEの番組『HITACHI BUTSURYU TOMOLAB. ~TOMORROW LABORATORY』。オンエアは5月22日(土)。

同番組はラジオを「ラボ」に見立て、藤原しおりがチーフとしてお届けする番組。「SDGs」「環境問題」などの社会問題を「私たちそれぞれの身近にある困りごと」にかみ砕き、未来を明るくするヒントを研究。知識やアイデア、行動力を持って人生を切り拓いてきた有識者をラボの仲間「フェロー」として迎えて、解決へのアクションへと結ぶ“ハブ”を目指す。

派手なヘアスタイルがNG…どうすればいい?

18歳学生のリスナーから、こんな意見が寄せられた。

「バイトを探していると、派手なヘアスタイルをNGにしているところが多く、飲食店はほぼダメです。そもそも、なぜ派手な髪型はダメなのでしょうか? 『みんなちがって、みんないい』(金子みすゞの詩)と小学校で習ったけれど、常識から外れるとダメみたいです。『多様性が~』と言ってSDGsのバッジをつけている大人が、派手な髪型の人を雇わない会社の偉い人だったりして、マジでムカつきます。多様性ってなんだと思いますか?」

藤原:追加情報として、相談者は「派手な髪型はマナー違反」と大人に言われたこともあるそうです。有紀フェロー、いかがでしょうか?
前田:すごく共感します。私も前職のアナウンサー時代は、髪色にかなり注意を払っていました。「明るい髪色にしたいな」と思っていたときもあったんですけれど、やっぱり「テレビ局のアナウンサーらしく」と言われていて、それが沁みついていたので、「派手にして会社の印象が悪くなってはいけないな」と思ったり、実際に「あまり明るすぎるのはよくない」と注意を受けたりすることもあったので、すごくよくわかりますね。
藤原:私自身も髪をいろいろと染めたい人間だったので、バイト探しで同じような経験をしたことがありますね。

前田は今、神宮前に店を構えている。周辺を歩いていると、さまざまな髪色の若者を見かけるそうだ。

前田:赤とかピンクとか緑とかブルーとか、最近は本当にいろいろな髪色で自分を表現する方が増えているなと思います。お店でも明るい髪色の方に会うことが多いので、相談者さんが思っている以上に認めてくれる場所がもっとあるんじゃないかと思ったんですね。たとえば美容院とかアパレルとか、そういったファッション感度の高い人が集まる場所は、髪の表現も自由だったりするので、相談者さんがありたい姿を認めてくれる場所を、もっと視野を広げて探してみるのもいいのかなと思いました。
藤原:それはあるかもしれないですね。たぶん明るい髪色がだめだと言っている人たちの理由って「派手な髪だから店の評価が下がっちゃう」とか「お客さんの傾向的に悪くとらえる人が多いからだめ」というところがほとんどじゃないですか。だから個人を否定されたわけでは決してないので、その個性は持ったまま、それが認められる場所を探していったほうが、相談者さんがもっとのびのびやれるかもしれないですよね。

「見た目のその人らしさ」は、外見だけの話ではない

昨今よく耳にする「多様性」という言葉について、藤原は「言われるようになったということは、まだまだそれが浸透していないから」と指摘し、人を見た目で判断する行為について前田と意見を交わした。

藤原:「金髪だから」とか「タトゥーを入れているから不良っぽい」とか、そういう価値観はだいぶ若い世代ではなくなってきていると思うんですけれど、見た目だけで判断する風潮はまだまだ残っているから、そこは変わればいいなと思います。
前田:『人は見た目が9割』(新潮社)がすごくヒットして、私も読んだことがあるんです。タイトルだけ見ると「やっぱり外見なんじゃん」と思うんですが、しっかり読んでみると、その「見た目」はただの外見ではなく、表情や仕草、目つき、人との距離感、そういったものを含めて「見た目」と表現しているんです。ただ表面的な外見だけではなくて、その人の内面からくる行動全部を「見た目」と表現しているんだなと思いました。これはけっこう誤解されている方も多いのではないかなと思います。
藤原:相談者さんは「『みんなちがって、みんないい』と小学校で習ったけど、常識からはずれるとダメみたいです」と言っていますが、「みんなちがって、みんないい」の「ちがう」というのは、髪色とかで測るものではないのかなと思いました。これからも多様性が話されていき、新たな「困りごと」が届くと思います。相談者さん、いかがだったでしょうかね。ちょっとでもスッキリしてくれたらうれしいんですけどね。
前田:いつか、いろいろなお仕事をしながら「自分らしい自分だ」と胸を張っていられる相談者さんになれたらいいですね。
藤原:抑えられた分、解放されたときに「やったぜ!」という気持ちも強くなったりしますから。喜びが増えますから。

J-WAVE『HITACHI BUTSURYU TOMOLAB. ~TOMORROW LABORATORY』は毎週土曜20時から20時54分にオンエア。
radikoで聴く
2021年5月29日28時59分まで

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番組情報
HITACHI BUTSURYU TOMOLAB.〜TOMORROW LABORATORY
毎週土曜
20:00-20:54

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