日本の音楽シーンに燦然と輝く、大滝詠一の名盤『A LONG VACATION』。1981年3月21日の発売から40年の時を経て、2021年3月21日(日)にリマスターアルバム『A LONG VACATION 40th Anniversary Edition』がリリース。
これを記念して雑誌『Pen』では特集号「完全保存版『大滝詠一に恋をして。』」を3月15日に発売。J-WAVE『STEP ONE』では『Pen』とのコラボ企画を実施し、大滝に所縁のある、愛する人々に、偉大な功績や魅力について話を聞いた。
3月15日(月)のオンエアでは、サニーデイ・サービスの曽我部恵一が、大滝詠一から受けた影響を語った。
曽我部:(そういうジャンルの音楽をやりたいという。はっぴいえんどはすごい存在ではあったけど、そういうジャンルの音楽は(当時)特になかったんです。とにかく大滝さんの歌い方とか、(アルバム)『風街ろまん』の1曲目の『抱きしめたい』とか、“ゆでめん”(はっぴいえんどのファーストアルバム『はっぴいえんど』の通称。アルバムジャケットに描かれた看板の文字からこのように呼ばれている)の『春よ来い』とか、ああいうちょっと青春の鬱屈としたものを、それまでは僕らはパンクとかが好きだったから、思いっきり暴力的に叫ぶというようなことが青春のはけ口だったんですけど、大滝さんの押し殺したような上昇していくというよりはもっとダウナーなブルース感がものすごく格好よくて、あれにとにかくしびれましたね。
パンクロックのクラッシュやダムドとくらべて「はっぴいえんどはなにも違いがない」と語る曽我部。理由について、“魂”や“ソウル”といった「青い成長していないなにか」を音楽として表現をしているからだと説明をする。
曽我部:そういう意味で、チャック・ベリーとかもそうかもしれない。特に大滝さんのボーカルは大人じゃない人の歌という。『A LONG VACATION』というのは青年というか、「大人に差しかかるような歌」に聴こえる。だからずっと聴いていくと、大滝さんの成長を見せてくれているような気もするんです。僕のなかでは『A LONG VACATION』や『EACH TIME』というのは、大人になる扉を開いて外に出ていく大滝さんの背中を見るような音楽ですよね。“ゆでめん”なんかはまだ、四畳半の部屋でうずくまっているような大滝さん。そういう成長をずっと見せてくれている気がして、それはだからクラッシュのジョー・ストラマーとかとなにも変わらないんです。ロックンロール・ヒーローじゃないけど、そういう風に大滝さんことをどこかで見ています。
曽我部:勝手な僕の感覚ですけど、自分の曲みたいな、自分を見ているようなんです。たぶん、そう思ってらっしゃる方が日本中にたくさんいると思って。なんかあるときの自分、まだ何者にもなっていない、大人にもなってない、でも子どもでもない、有名にも音楽家にもなってない、かといって仕事をしているちゃんとした社会人でもない。言い換えると青春みたいな、その風景なんです。松本(隆)さんの書いた言葉と大滝さんの歌い方というのが本当にある人生の抽象的で中途半端な瞬間というのを美しく描いているんです。やっぱりそれが自分のテーマソングかなと思っていつも『それはぼくぢゃないよ』という曲を選ばせてもらっています。自分でも歌ったことがあります。
大滝詠一を愛する人々が魅力を語るコーナー「Pen TALK ABOUT EIICHI OHTAKI」は、J-WAVEで3月25日(木)まで、11時20分からオンエア中。
これを記念して雑誌『Pen』では特集号「完全保存版『大滝詠一に恋をして。』」を3月15日に発売。J-WAVE『STEP ONE』では『Pen』とのコラボ企画を実施し、大滝に所縁のある、愛する人々に、偉大な功績や魅力について話を聞いた。
3月15日(月)のオンエアでは、サニーデイ・サービスの曽我部恵一が、大滝詠一から受けた影響を語った。
成長を見続けさせてくれる、大滝の音楽
曽我部は1993年にサニーデイ・サービスを結成。はっぴいえんどや、大滝の影響下にあるバンドをつくろうという意思があったそうだ。曽我部:(そういうジャンルの音楽をやりたいという。はっぴいえんどはすごい存在ではあったけど、そういうジャンルの音楽は(当時)特になかったんです。とにかく大滝さんの歌い方とか、(アルバム)『風街ろまん』の1曲目の『抱きしめたい』とか、“ゆでめん”(はっぴいえんどのファーストアルバム『はっぴいえんど』の通称。アルバムジャケットに描かれた看板の文字からこのように呼ばれている)の『春よ来い』とか、ああいうちょっと青春の鬱屈としたものを、それまでは僕らはパンクとかが好きだったから、思いっきり暴力的に叫ぶというようなことが青春のはけ口だったんですけど、大滝さんの押し殺したような上昇していくというよりはもっとダウナーなブルース感がものすごく格好よくて、あれにとにかくしびれましたね。
パンクロックのクラッシュやダムドとくらべて「はっぴいえんどはなにも違いがない」と語る曽我部。理由について、“魂”や“ソウル”といった「青い成長していないなにか」を音楽として表現をしているからだと説明をする。
曽我部:そういう意味で、チャック・ベリーとかもそうかもしれない。特に大滝さんのボーカルは大人じゃない人の歌という。『A LONG VACATION』というのは青年というか、「大人に差しかかるような歌」に聴こえる。だからずっと聴いていくと、大滝さんの成長を見せてくれているような気もするんです。僕のなかでは『A LONG VACATION』や『EACH TIME』というのは、大人になる扉を開いて外に出ていく大滝さんの背中を見るような音楽ですよね。“ゆでめん”なんかはまだ、四畳半の部屋でうずくまっているような大滝さん。そういう成長をずっと見せてくれている気がして、それはだからクラッシュのジョー・ストラマーとかとなにも変わらないんです。ロックンロール・ヒーローじゃないけど、そういう風に大滝さんことをどこかで見ています。
曽我部が自分自身と重ねわせた曲
大滝をヒーローだと語る曽我部が、「自分の曲みたい」と感じているという大滝の曲を1つセレクト。「ほかにも好きな曲や、いい曲は山のようにある」と前置きをしながら曽我部が選んだのは、ファーストアルバム『大滝詠一』収録の『それはぼくぢゃないよ』。大滝の曲から1曲だけをあげるときには、いつもこの曲を選ぶそうだ。曽我部:勝手な僕の感覚ですけど、自分の曲みたいな、自分を見ているようなんです。たぶん、そう思ってらっしゃる方が日本中にたくさんいると思って。なんかあるときの自分、まだ何者にもなっていない、大人にもなってない、でも子どもでもない、有名にも音楽家にもなってない、かといって仕事をしているちゃんとした社会人でもない。言い換えると青春みたいな、その風景なんです。松本(隆)さんの書いた言葉と大滝さんの歌い方というのが本当にある人生の抽象的で中途半端な瞬間というのを美しく描いているんです。やっぱりそれが自分のテーマソングかなと思っていつも『それはぼくぢゃないよ』という曲を選ばせてもらっています。自分でも歌ったことがあります。
大滝詠一を愛する人々が魅力を語るコーナー「Pen TALK ABOUT EIICHI OHTAKI」は、J-WAVEで3月25日(木)まで、11時20分からオンエア中。
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