J-WAVEで放送中の『VOICES FROM NIHONMONO』(ナビゲーター:中田英寿、堀口ミイナ)。中田英寿が47都道府県を巡る旅で出会った日本の"ほんもの"の作り手たち、日本の"ほんもの"=「に・ほ・ん・も・の」を紹介する番組だ。
2月13日(土)のオンエアで取り上げたのは、有名レストランのシェフも愛する野菜。石川県能登地方で土にこだわり、手間暇をかけて300種類以上の野菜を有機栽培する「NOTO 高農園」を中田が取材した。また、中田とプロジェクトも一緒におこなっているミシュラン三つ星のフランス料理店「レフェルベソンス(L'Effervescence)」のエグゼクティブシェフ・生江史伸さんが、その味の魅力を語った。
夫妻が選んだ能登島には、赤土と呼ばれる土地が広がる。赤土は保水性が高く、ミネラルが多くてきめ細かい一方で、作業性が悪いのが難点だった。窒素、リン酸、カリ、鉄、亜鉛など27の要素で構成されている土は、そのどれかひとつが欠けると作物がうまく育たない。利至さんは、「土は27枚の板」と表現し、常に土壌を分析しながら、足りないものを補うようにして土作りをしている。
中田:土自体を建築で設計しているみたいですね。
高 利至:そうですね。そうやって足りないものを補っていますが、意図的に90点くらいの土を目指しています。そのほうが野菜自体が頑張るので、100点満点の土にはしていません。
中田:優しすぎる環境はよくないってことですよね。
赤土に合うのはダイコン、カブ、ニンジン、ジャガイモ、サツマイモなどの根菜類。土地が痩せているほうが育つそうだ。キャベツなど、たくさんの肥料が必要になるようなものは相性がよくないのだという。
中田:赤土の利点はなんでしょうか?
高 利至:ここは地面が詰まっているから、植物は伸びるために多くの根っこを張って時間をかけないと大きく育たないんです。
中田:つまり、時間はかかって量も少ないかもしれないけど、おいしくていいものが採れるということですね。
高 利至:おもしろいなと思いました。僕の家が代々受け継がれた農家だったら、たとえば父に「新しい野菜を作りたい」と言っても断られてしまう。
中田:作業性、生産性を見て「これを作ってもしょうがない」という話になりますからね。
高 利至:僕たちはそうではなかったので、どんどん新しい野菜を作っていきました。また、いろいろなシェフとの繋がりも増え、その品種はどんどん多くなっていきました。
実際に「NOTO 高農園」の野菜をレストランで提供する「レフェルベソンス」の生江シェフは、その味をこう評価する。
生江:「NOTO 高農園」の冬の野菜はすごく密度が詰まっていて、なおかつその中に味が詰まっているところがいちばん気に入っています。重厚というか、味の詰まりが高い野菜というイメージがありますね。だから、少量食べたとしても印象に残るような味わいがあるのではないかと思っています。それがここの野菜を象徴する点ですね。
・NOTO 高農園オンラインショップ
https://taka-farm.stores.jp
普段見かけない野菜を目の前にすると調理法に迷ってしまうことも。生江シェフが、調理する際のポイントを紹介した。
生江:たとえばカブと名が付くものは、香りや味や色は違えど基本的にカブですし、ダイコンも同様です。はじめは使い方を変えずに料理していただいて、それで違いを楽しむという楽しみ方があると思います。「NOTO 高農園」の野菜は冬でも彩りが豊かなので、目で楽しんでもよいと思います。
ちなみに「NOTO 高農園」から届く野菜には、それぞれの野菜ごとにオススメの食べ方や料理を紹介した手紙も添えられている。それを参考にすれば、新たに出会う野菜もおいしく食べられる。
中田:各地のシェフと一緒に料理を作っていくというかたちなんですね。
高 利至:そうですね。僕らはシェフの求める味覚は何かを一緒に考えることが大事だと思うので、そういうときのために五味五感を養いつつ、試行錯誤をしながらよい野菜を作っていきたいと考えています。
「レフェルベソンス」の生江さんは、コロナ禍で多くの飲食店が苦境に立たされている中で一番つらいのは生産者の方々ではないかと語る。それを踏まえて、アフターコロナの食文化を見据えた想いを語った。
生江:開店自粛や時短営業を余儀なくされているレストランも多く、お客さまを失っているお店も多い状況です。社会全体はもちろん、僕たち飲食業界全体も大打撃を受けていますが、もしかするといちばんつらいのはレストランやホテルなどに食材を卸していた生産者の方々ではないかと思います。その方々は売り先をどんどん減らしている、あるいは収入を減らしています。そこに対して政府のバックアップが十分ではないような話を耳にするので、できれば自分の住まいの産物をたくさん買ったり、なじみのレストランが使っている産物の情報を得て、たとえば「NOTO 高農園」の野菜ボックスのように自分で購入してみたりしていただくことが、コロナ禍が明けたあとの豊かな食に繋がるのではないかと思います。これを機に、新しい購入のステップを踏んでもらえたらうれしいですね。
ローカルな産物を食べることが生産者の支えになり、それが未来の食の豊かさに繋がる。ぜひ、「NOTO 高農園」のオンラインショップで、新しい野菜と食を体験してみては。
2月13日(土)のオンエアで取り上げたのは、有名レストランのシェフも愛する野菜。石川県能登地方で土にこだわり、手間暇をかけて300種類以上の野菜を有機栽培する「NOTO 高農園」を中田が取材した。また、中田とプロジェクトも一緒におこなっているミシュラン三つ星のフランス料理店「レフェルベソンス(L'Effervescence)」のエグゼクティブシェフ・生江史伸さんが、その味の魅力を語った。
野菜が頑張る土作り
中田が訪れたのは、石川県能登半島の中ほどにある七尾湾に浮かぶ能登島。自然に囲まれた環境で野菜を栽培しているのが、「NOTO 高農園」の高 利至さんと高 博子さん夫妻だ。もともとは会社員だったが、能登島で有機農業を手伝ったことなどをきっかけに、農業の道へ。NOTO高農園の高利充さん
中田:土自体を建築で設計しているみたいですね。
高 利至:そうですね。そうやって足りないものを補っていますが、意図的に90点くらいの土を目指しています。そのほうが野菜自体が頑張るので、100点満点の土にはしていません。
中田:優しすぎる環境はよくないってことですよね。
赤土に合うのはダイコン、カブ、ニンジン、ジャガイモ、サツマイモなどの根菜類。土地が痩せているほうが育つそうだ。キャベツなど、たくさんの肥料が必要になるようなものは相性がよくないのだという。
中田:赤土の利点はなんでしょうか?
高 利至:ここは地面が詰まっているから、植物は伸びるために多くの根っこを張って時間をかけないと大きく育たないんです。
中田:つまり、時間はかかって量も少ないかもしれないけど、おいしくていいものが採れるということですね。
「NOTO 高農園」の野菜は、少量でも印象に残る味わいがある
「NOTO 高農園」で育てている野菜の数は、合計300種類以上。全国各地の約120件のレストランに卸している。バラエティ豊かな野菜を育てることになったきっかけは、日本を代表するシェフのひとり、フレンチレストラン「オテル・ドゥ・ミクニ」の三國清三さんとのやりとりだった。当時、日本では栽培されていなかった野菜を使った料理を提供され、「こんな野菜を日本で作ってもらえたらうれしい」と伝えられたという。高 利至:おもしろいなと思いました。僕の家が代々受け継がれた農家だったら、たとえば父に「新しい野菜を作りたい」と言っても断られてしまう。
中田:作業性、生産性を見て「これを作ってもしょうがない」という話になりますからね。
高 利至:僕たちはそうではなかったので、どんどん新しい野菜を作っていきました。また、いろいろなシェフとの繋がりも増え、その品種はどんどん多くなっていきました。
実際に「NOTO 高農園」の野菜をレストランで提供する「レフェルベソンス」の生江シェフは、その味をこう評価する。
生江:「NOTO 高農園」の冬の野菜はすごく密度が詰まっていて、なおかつその中に味が詰まっているところがいちばん気に入っています。重厚というか、味の詰まりが高い野菜というイメージがありますね。だから、少量食べたとしても印象に残るような味わいがあるのではないかと思っています。それがここの野菜を象徴する点ですね。
3000円とは思えない量の野菜が家庭に届く
新型コロナウイルスの影響もあり、現在「NOTO 高農園」では一般向けの通信販売も展開している。シェフ・料理人から人気を集める野菜を厳選したセットを3000円(「グランシェフ御用達の旬の野菜 3000円セット」)から注文することができる。紫白菜や紅くるり大根、赤土カブなど、あまりスーパーで見かけない食材も含まれており、実際に頼んだナビゲーターの堀口は、「3000円とは思えないくらいの量の野菜が届き、そのお得さにビックリした」と感想を述べた。・NOTO 高農園オンラインショップ
https://taka-farm.stores.jp
普段見かけない野菜を目の前にすると調理法に迷ってしまうことも。生江シェフが、調理する際のポイントを紹介した。
生江:たとえばカブと名が付くものは、香りや味や色は違えど基本的にカブですし、ダイコンも同様です。はじめは使い方を変えずに料理していただいて、それで違いを楽しむという楽しみ方があると思います。「NOTO 高農園」の野菜は冬でも彩りが豊かなので、目で楽しんでもよいと思います。
ちなみに「NOTO 高農園」から届く野菜には、それぞれの野菜ごとにオススメの食べ方や料理を紹介した手紙も添えられている。それを参考にすれば、新たに出会う野菜もおいしく食べられる。
生産者を支援し、豊かな食を守ろう
現在、利至さんは全国各地のシェフと連絡を取りながら野菜作りに取り組んでいる。自分たちが育てた野菜がどのように使われ、どのシーンで提供されているかを知ることで、自身の学びに繋げているという。中田:各地のシェフと一緒に料理を作っていくというかたちなんですね。
高 利至:そうですね。僕らはシェフの求める味覚は何かを一緒に考えることが大事だと思うので、そういうときのために五味五感を養いつつ、試行錯誤をしながらよい野菜を作っていきたいと考えています。
「レフェルベソンス」の生江さんは、コロナ禍で多くの飲食店が苦境に立たされている中で一番つらいのは生産者の方々ではないかと語る。それを踏まえて、アフターコロナの食文化を見据えた想いを語った。
生江:開店自粛や時短営業を余儀なくされているレストランも多く、お客さまを失っているお店も多い状況です。社会全体はもちろん、僕たち飲食業界全体も大打撃を受けていますが、もしかするといちばんつらいのはレストランやホテルなどに食材を卸していた生産者の方々ではないかと思います。その方々は売り先をどんどん減らしている、あるいは収入を減らしています。そこに対して政府のバックアップが十分ではないような話を耳にするので、できれば自分の住まいの産物をたくさん買ったり、なじみのレストランが使っている産物の情報を得て、たとえば「NOTO 高農園」の野菜ボックスのように自分で購入してみたりしていただくことが、コロナ禍が明けたあとの豊かな食に繋がるのではないかと思います。これを機に、新しい購入のステップを踏んでもらえたらうれしいですね。
ローカルな産物を食べることが生産者の支えになり、それが未来の食の豊かさに繋がる。ぜひ、「NOTO 高農園」のオンラインショップで、新しい野菜と食を体験してみては。
radikoで聴く
2021年2月20日28時59分まで
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番組情報
- VOICES FROM NIHONMONO
-
毎週土曜22:00-22:54