J-WAVEで放送中の番組『TRUME TIME AND TIDE』(ナビゲーター:市川紗椰)1月30日(土)のオンエアでは、シンガーソングライターの中田裕二がリモートで登場。2020年11月にリリースしたアルバム『PORTAS』の制作秘話やソロデビュー10周年を迎えた心境、これからの夢を語った。
中田は3月17日(水)、ベストアルバム『TWILIGHT WANDERERS -BEST OF YUJI NAKADA 2011-2020-』をリリース予定だ。
市川:新型コロナウィルスの影響で予定されていたツアーやプロモーションが延期や中止になり思うように活動ができない中、『PORTAS』を作られたその行動力がすごいなと思います。
中田:できることが何かないかと考えたときに、環境的にそれしかできなかったので。最初はリモートレコーディングで、ひとりずつ家で音を録ってもらい重ねていきました。でも、それが意外とよかったんですよね。
市川:それは音的なものなのか、心理的なものなのか、どちらでしょうか。
中田:気持ち的にも、いい意味でパーソナルなところが出るというか、音質も密室感があって、スケールは大きいわけじゃないですけど、静かなる思いの強さみたいなところは表現できたと思っています。
市川:『PORTAS』は、この時期だから聴いてほしいという強い意志を感じました。
中田:みんなが等しく同じ境遇にあることがポイントかなと思って。その中で、今も新型コロナウィルスに感染された方を差別してしまったり、誰が悪いとか責任の押しつけをしたり、SNSでも激しくて、みんなイライラしているというか。そのイライラの矛先を誰かにぶつけてしまうのはよくないなって。そういうことじゃなく、みんな悪くないというか、誰も責めないことが大事だし、今できることを本当に淡々とコツコツやっていくということが、これからのライフスタイルとして大事かなと思っています。
中田はコロナ禍の外出自粛期間にたくさんの本を読んだという。
中田:宗教とか哲学の本も読んだりして、ひらめいたこともたくさんあって。歴史的に見て疫病は繰り返しているから初めてのことじゃなく、また、いつかは必ず収束している。そこまでの心の持ちようを、僕ら芸術を生業にしているものが、みなさんの心を落ち着かせたり、楽しませたり、今こそアートの力が重要かなと思います。ペストの後にはルネッサンスが起こったりしていますからね。
中田:とにかく自分の音楽に対する欲求に赴くまま、一枚一枚実験を繰り返してきました。自分のスタイルはどういうものなのかを最近ようやくつかめてきたような気がします。
市川:この10年で音楽業界も大きく変わりましたが、そこと自分の関係はどうですか?
中田:サブスクリプションが増えてきて、CDメインの時代ではないなと実感していますし、どんどん機能する音楽に変わってるなと思っています。パッと聴けてパッと盛り上がれて、パッと外の風景や自分の生活の一部にできる、それをすぐに選べる時代だと感じています。
中田:洋服が似合わないんですよ。
市川:何を着ればいいかわからなくなってしまったわけですね。
中田:例えば、ルーズシルエットのTシャツとかパーカーとかを若い方は着こなしているなって感じだけど、自分が着ると全然カッコよくないというか。それで洋服ってわからないなって悩み始めたときに、偶然知り合いに呉服屋さんの人がいて、その人に「着物は奥が深いし、意外と快適だからいいよ」って薦められたこともあり、浅草でリーズナブルな着物を買いました。着てみたらすごく馴染んで。少し寒くなるとじゅばんを着てみたりしていろいろコントロールができるので、ブーツやハットを着物に合わせたりもしています。
市川:オシャレですね。
中田:洋服より自由だし、流行がないから好きに着られます。
市川:年を重ねるごとにファッション迷子になる人がけっこういると聞くので、そのときに和服という手があることを知って、いいなと思いました。
中田:海外に移住するわけではないけど、サブスクリプションとかYouTubeのおかげで、海外のお客さまが僕の音楽を少しずつ聴いてくれるようになりまして、このコロナ禍で海外アーティストの友だちができるようになったんです。ここから先、その人たちと楽曲を作ってみようという話もあります。バンド時代を合わせて20年くらい音楽をやってきましたけど、僕は基本的に日本人ならではの情緒を持つ音楽を新しいかたちで伝えていきたいと思っています。そのために英語を勉強していて、英詞を書いたりもしています。
市川:海外に届けやすくコラボしやすい時代になったので、これからの活動が楽しみですね。
中田:海外の人と仲良くなったときに「僕は日本人で、日本にはこんなに素晴らしい文化があるんだよ」とアピールできるように、いろいろお稽古をしておきたいなと思います(笑)。
2020年12月、中田がプロデュースするプライベートブランド「PLACE OF PATHOS」を立ち上げた。小さな私的雑貨店であり、クリエイティブチームであると、公式ブログに思いを綴っている。
中田:僕は下町が好きなんですよね。新型コロナの影響でいろんな老舗が大変な状況なので、少しだけお手伝いをさせていただいていて。日本にはまだみんなに知られていないけど優れた銘品がたくさんあるんですよね。そういう本当に自分が使いたい、実際に使って満足感が得られるものをコラボだったり、自分で作ったりして少しずつ紹介できたらいいなと思います。
最後に、今後の目標について中田はこう語った。
中田:今の難しい状況の中でもちゃんと人の心の健康に作用するような良質な音楽を淡々とコツコツと作って、みなさんに楽しんでもらうことが今の自分にできることかなと思っています。40歳を迎えるので、いろいろな学びをしていきたいですね。
中田裕二の最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
『TRUME TIME AND TIDE』では、革新的な活動によって各界を牽引する人をゲストに迎え、現在の活動についてはもちろん、これまでどのような時を歩んできたのか、そしてこれから先はどのようなビジョンに向かって時を進めていくのかに迫る。放送は毎週土曜の21時から。
中田は3月17日(水)、ベストアルバム『TWILIGHT WANDERERS -BEST OF YUJI NAKADA 2011-2020-』をリリース予定だ。
今は誰しも「淡々とコツコツやっていく」のが大事。アートにできることは?
中田は、2020年4月に『DOUBLE STANDARD』を、11月には『PORTAS』と2枚のアルバムをリリースした。中田裕二 / Yuji Nakada - 10th ALBUM『PORTAS』ダイジェスト映像 / 10th ALBUM『PORTAS』highlights
中田:できることが何かないかと考えたときに、環境的にそれしかできなかったので。最初はリモートレコーディングで、ひとりずつ家で音を録ってもらい重ねていきました。でも、それが意外とよかったんですよね。
市川:それは音的なものなのか、心理的なものなのか、どちらでしょうか。
中田:気持ち的にも、いい意味でパーソナルなところが出るというか、音質も密室感があって、スケールは大きいわけじゃないですけど、静かなる思いの強さみたいなところは表現できたと思っています。
市川:『PORTAS』は、この時期だから聴いてほしいという強い意志を感じました。
中田:みんなが等しく同じ境遇にあることがポイントかなと思って。その中で、今も新型コロナウィルスに感染された方を差別してしまったり、誰が悪いとか責任の押しつけをしたり、SNSでも激しくて、みんなイライラしているというか。そのイライラの矛先を誰かにぶつけてしまうのはよくないなって。そういうことじゃなく、みんな悪くないというか、誰も責めないことが大事だし、今できることを本当に淡々とコツコツやっていくということが、これからのライフスタイルとして大事かなと思っています。
中田はコロナ禍の外出自粛期間にたくさんの本を読んだという。
中田:宗教とか哲学の本も読んだりして、ひらめいたこともたくさんあって。歴史的に見て疫病は繰り返しているから初めてのことじゃなく、また、いつかは必ず収束している。そこまでの心の持ちようを、僕ら芸術を生業にしているものが、みなさんの心を落ち着かせたり、楽しませたり、今こそアートの力が重要かなと思います。ペストの後にはルネッサンスが起こったりしていますからね。
ソロデビュー10周年。自分のスタイルがつかめてきた
中田は今年ソロデビューから10周年を迎えた。この期間を振り返り、中田はどう変化したと感じているのだろうか。中田:とにかく自分の音楽に対する欲求に赴くまま、一枚一枚実験を繰り返してきました。自分のスタイルはどういうものなのかを最近ようやくつかめてきたような気がします。
市川:この10年で音楽業界も大きく変わりましたが、そこと自分の関係はどうですか?
中田:サブスクリプションが増えてきて、CDメインの時代ではないなと実感していますし、どんどん機能する音楽に変わってるなと思っています。パッと聴けてパッと盛り上がれて、パッと外の風景や自分の生活の一部にできる、それをすぐに選べる時代だと感じています。
着物を着るようになった理由は「洋服がわからない」
中田は最近、着物にハマっているという。そのきっかけは、「洋服がわからない」という意外な理由だった。中田:洋服が似合わないんですよ。
市川:何を着ればいいかわからなくなってしまったわけですね。
中田:例えば、ルーズシルエットのTシャツとかパーカーとかを若い方は着こなしているなって感じだけど、自分が着ると全然カッコよくないというか。それで洋服ってわからないなって悩み始めたときに、偶然知り合いに呉服屋さんの人がいて、その人に「着物は奥が深いし、意外と快適だからいいよ」って薦められたこともあり、浅草でリーズナブルな着物を買いました。着てみたらすごく馴染んで。少し寒くなるとじゅばんを着てみたりしていろいろコントロールができるので、ブーツやハットを着物に合わせたりもしています。
市川:オシャレですね。
中田:洋服より自由だし、流行がないから好きに着られます。
市川:年を重ねるごとにファッション迷子になる人がけっこういると聞くので、そのときに和服という手があることを知って、いいなと思いました。
活動は海外も視野に入れて。プライベートブランドもスタート
ソロデビューから10周年を迎えた中田は、これからのひとつの夢として、海外を視野に入れて活動したいと話す。中田:海外に移住するわけではないけど、サブスクリプションとかYouTubeのおかげで、海外のお客さまが僕の音楽を少しずつ聴いてくれるようになりまして、このコロナ禍で海外アーティストの友だちができるようになったんです。ここから先、その人たちと楽曲を作ってみようという話もあります。バンド時代を合わせて20年くらい音楽をやってきましたけど、僕は基本的に日本人ならではの情緒を持つ音楽を新しいかたちで伝えていきたいと思っています。そのために英語を勉強していて、英詞を書いたりもしています。
市川:海外に届けやすくコラボしやすい時代になったので、これからの活動が楽しみですね。
中田:海外の人と仲良くなったときに「僕は日本人で、日本にはこんなに素晴らしい文化があるんだよ」とアピールできるように、いろいろお稽古をしておきたいなと思います(笑)。
2020年12月、中田がプロデュースするプライベートブランド「PLACE OF PATHOS」を立ち上げた。小さな私的雑貨店であり、クリエイティブチームであると、公式ブログに思いを綴っている。
中田:僕は下町が好きなんですよね。新型コロナの影響でいろんな老舗が大変な状況なので、少しだけお手伝いをさせていただいていて。日本にはまだみんなに知られていないけど優れた銘品がたくさんあるんですよね。そういう本当に自分が使いたい、実際に使って満足感が得られるものをコラボだったり、自分で作ったりして少しずつ紹介できたらいいなと思います。
最後に、今後の目標について中田はこう語った。
中田:今の難しい状況の中でもちゃんと人の心の健康に作用するような良質な音楽を淡々とコツコツと作って、みなさんに楽しんでもらうことが今の自分にできることかなと思っています。40歳を迎えるので、いろいろな学びをしていきたいですね。
中田裕二の最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
『TRUME TIME AND TIDE』では、革新的な活動によって各界を牽引する人をゲストに迎え、現在の活動についてはもちろん、これまでどのような時を歩んできたのか、そしてこれから先はどのようなビジョンに向かって時を進めていくのかに迫る。放送は毎週土曜の21時から。
radikoで聴く
2021年2月6日28時59分まで
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番組情報
- TRUME TIME AND TIDE
-
毎週土曜21:00-21:54