松坂桃李、“あやや”推し役に。実は中学の先輩で「歩くたびにキラキラ」と振り返る

「“推し”に出会って“仲間”ができた」。ハロプロの名曲が彩る、笑いと涙の青春エンターテインメント映画『あの頃。』(2月19日公開)の完成報告会が1月18日に神楽座で行われ、主演の松坂桃李、共演の仲野太賀、山中崇、若葉竜也、芹澤興人、コカドケンタロウ、そして今泉力哉監督が参加した。

ロックバンド・神聖かまってちゃんの元マネージャー・劔樹人による、ハロー!プロジェクトへの熱い愛と、大切な仲間たちとの出会いと別れを描いた自伝的青春コミックエッセイを映画化。

【STORY】 いろいろあったけど、人生のなかで今が一番楽しいです。
でもときどき思い出します。みんなと過ごしたあの頃を――

バイトに明け暮れ、好きで始めたはずのバンド活動もままならず、楽しいことなどなにひとつなく、うだつの上がらない日々を送っていた劔(つるぎ)。そんな様子を心配した友人・佐伯から「これ見て元気出しや」とDVDを渡される。何気なく再生すると、そこに映し出されたのは「♡桃色片想い♡」を歌って踊るアイドル・松浦亜弥の姿だった。思わず画面に釘付けになり、テレビのボリュームを上げる劔。弾けるような笑顔、くるくると変わる表情や可愛らしいダンス…圧倒的なアイドルとしての輝きに、自然と涙が溢れてくる。
すぐさま家を飛び出し向かったCDショップで、ハロー!プロジェクトに彩られたコーナーを劔が物色していると、店員のナカウチが声を掛けてきた。ナカウチに手渡されたイベント告知のチラシが、劔の人生を大きく変えていく――。
(映画『あの頃。』公式サイトより)

松坂桃李主演 映画『あの頃。』予告編

松浦亜弥ファンという設定の主人公を演じた松坂は、その松浦こそ自身の中学時代の憧れの先輩だったと明かす。それだけに「あの松浦先輩かと……。僕が中1のときに3年生でして、遠くからずっと眺めていました。当時のそんな思い出が蘇ったりして、これはやるしかない!と思った」とオファーを快諾。

当時の松浦については「スターってこういう輝き方をするんだと、歩くたびにキラキラしたものが残り香のように残るというか、これがスターだ!と鮮明に覚えています」と羨望の眼差し。面識はないというが「中1当時サインをもらいに行ったけれど、『スイマセン。事務所が……』とやんわり断られました」と甘酸っぱい思い出はあるようだった。

昨年12月に女優の戸田恵梨香と結婚した松坂。この日が結婚後初の公の場。キャスト陣から「おめでとう!」と拍手で祝福されると、照れながら「ありがとうございます」と一礼。結婚後の心境の変化を聞かれると「健康をより一層大事にしようと思いました。健康管理を維持するためにこそ、しっかりとやっていきたい」と幸せそうな笑顔を浮かべていた。

撮影現場の様子について仲野は「みんな和気あいあい。居心地のいい時間でした」と振り、松坂は「今泉監督は耳元でコソコソと演出をする。しかもそれは言われた本人しか知らないものなので、ドキドキ感というかお芝居の新鮮味が生まれる」と今泉監督の独特な演出スタイルを回想。仲野も「爆弾を投下されたような感じで、言われたらそれをやるしかない。でも相手も実はボソボソと耳元で言われているので、返しを用意している。それに対して驚いている僕の顔で『OK!』とカットがかかったりする」と予定調和にならない今泉監督のメソッドに目を丸くしていた。



映画の内容にちなんで、最近の自分の“推し”を発表。人気漫画『SLAM DUNK(スラムダンク)』を推しに挙げた松坂は「映画化されることをご存知ですか? そのニュースを知ったときは激震が走った。僕はこの作品がきっかけで中学時代にバスケを始めました」と熱狂的ファンぶりをアピール。すかさず今泉監督から「映画化に関わろうとしているでしょ? これは仕事を取りに行っているなあ~!」としたたかさを指摘されると「違います! 僕が入るのはありえない!」と大慌てで否定するも「でももし、何かで関わることができるなら……」と虎視眈々と関わるチャンスを狙っていた。



最後に主演の松坂は、本作について「心の栄養になる作品で、甘酸っぱい青春群像劇です。好きなものを共有していたあの時間を改めて見るだけで、心の中に優しい風が通る気がする。その温かさを感じていただければ嬉しい」と公開へと期待を込めた。



(文・撮影=石井隼人)

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