J-WAVEの番組『STAGE PIA WE/LIVE/MUSICAL』(ナビゲーター:中井智彦)。10月16日(金)の放送では、俳優・城田 優が登場。これまでに出演した舞台や、そのときに感じた思いなどを語った。
城田が、初めて出演したミュージカルを振り返った。
中井:城田さんが初めてミュージカルに出演されたのは?
城田:ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』(タキシード仮面/地場 衛役)ですね。
中井:2003年ですね。これはオーディションを受けられたんですか?
城田:2002年にオーディションを受けて合格しました。まずは「ファン感謝イベント」という、恒例行事だったんです。そこから本公演という感じだったので、舞台上でのデビューは2002年、ミュージカル本公演としてのデビューは2003年です。
中井:なるほど。タキシード仮面が好きでオーディションを受けたんですか?
城田:結果、大好きになりましたね。ミュージカルだけじゃなくて、いろいろな映画やドラマのオーディションもずっと受け続けていて、ミュージカル『セーラームーン』も受けたところ、偶然タキシード仮面役で合格しました。そのときにビデオをいただいて「こういう作品です」と家で観たんです。そうしたら不覚にも泣いてしまいまして。もちろん子ども向けの部分もあるんですが、心に届くというか……当時16歳で(ビデオを)観た結果、わあって泣いて「これはぜひやってみたいな」と思いました。
中井:それまではミュージカルに触れてこなかったんですか?
城田:観たことがあったのは『アニー』とかですね。高校に入ってから『エリザベート』や『レ・ミゼラブル』といった作品も観るようになったんですが、それまでは全然触れてこなかったほうでした。
中井:タキシード仮面をやったことによって「自分の居場所はここにある」と確信されたと聞いています。
城田:「確信した」というのはまだ早くて、もうちょっと時間が経ってからなんです。自分はスペイン人のハーフで、身長が当時から185センチ以上ありました。そういう容姿的なものも含めて、どうしても映画やドラマのプロデューサーさん、監督さん、いろいろな方から「きみは難しいね」と否定されてしまう。自分はエンターテイナーとして生きていきたいという気持ちがありましたし、歌も大好きで、映像のお芝居をしたいという想いもすごく強くあったけれど、それがなかなか実現しませんでした。オーディションは13歳からこれまで、たぶん100回以上は受けているんですけど、そんななかで初めて受かったのがミュージカル。そこで共演した俳優の先輩たちから「優は舞台向きだよ」って、初めて自分を肯定してもらえたんです。
中井:なるほど。
城田:「優の身長や顔は武器になるから舞台がピッタリだよ」という言葉で、初めてエンターテイナーとして肯定された。だから、確信したというよりは「僕の居場所はここなのかも」と思い始めた、信じ始めた瞬間ですかね。
中井:僕はテレビの印象で城田さんを観ていたんですが、舞台映えするし、(同作で武田真治が演じた)トバイアス・ラグ役も観てみたいなという思いになったんです。城田さんの歌声を聴いて、ただ強いだけじゃない人間っぽい、ちょっと弱いところも観てみたい、振られちゃう男の子役で観たいという思いになりました。
城田:ありがとうございます。
中井: 2014年上演『ファントム~もうひとつのオペラ座の怪人~』の主演を経て、2019年上演の同作では主演と演出もされていますよね。それを観たときに「これだ!」ってハマったんですよね。
城田:もともと観たかったと思われていたものが。
中井:全身全霊ですべてを投げ出しているファントムを、人間として作ってくれていたじゃないですか。どこか不思議な存在ではなくて、人間としての弱さや脆さというのがビシビシ伝わってきたんです。歌声を聴くと、その人の人となりをすごく感じるんですけれど、城田さんはすごく人間的だなと。その人間的な方が舞台に一生懸命取り組んでくれるときに僕は一番感動するんです。
城田:ありがとうございます。
中井:舞台で吐露することによって城田さんがより輝くんじゃないかと、『スウィーニー・トッド』を観たときからずっと思っていました。
城田:『スウィーニー・トッド』は13年前のことなのに、その頃のことを覚えていてくださってうれしいです。
中井:印象的でした。
城田:それまで僕は『セーラームーン』や『テニスの王子様』、ワタナベエンターテインメントの俳優集団「D-BOYS」の舞台ぐらいしかやったことがなくて。大御所である大竹しのぶさん、市村正親さん、武田真治さん、キムラ緑子さんといった、自分が今までずっと観てきた方たちとの共演だったので、本当にそうそうたる方たちのなかに、そんなにキャリアのない自分がスッと入って、最初はずっと緊張していました。どうなるのかと思いましたし、正直ゲネプロも頭が真っ白で何も覚えていないレベルだったんです。それぐらい緊張したんですが、やっていくうちにだんだんと落ち着いていって、アンソニーという役を通して、ソニンさん演じるジョアンナへの愛だったり、アンソニーの心の表現したい部分が徐々に……本当にへたくそでしたけどね。当時の音源を聴く機会ってなかなかないですが、スタッフさんに何年か前に音源をいただいて聴いたら、「すごく懐かしい」と同時に「下手!」と思って(笑)。
中井:そんなことない(笑)。若さですよね。
城田:未熟も未熟だったので。もちろん今でも完ぺきだとはまったく思わないですけど、いつ振り返ってもそこで「下手」と思えることは自分にとって成長の証なので、僕はそれがあるほうがいいと思っています。実際に2年前や去年の自分と(比べて)今の自分はどんどんグレードアップしているつもりではいます。過去の作品を聴いたときに「下手」と思えるのは大事かなとは思ってます。ずっと下手なのかもしれないですけどね(笑)。
次回10月23日(金)のオンエアも、引き続き城田 優をゲストに迎え、ミュージカルトークをお届け。11月より上演予定のミュージカル『ナイン』に対する思いや見どころなどを伺う。放送は毎週金曜の22時30分から。
「僕の居場所はここなのかも」と信じ始めた瞬間
城田は数多くのミュージカル作品で主役を務める一方、演出家としても才能を発揮している。現在はミュージカル『ナイン』の稽古真っ最中だという。ミュージカル『ナイン』PR映像
中井:城田さんが初めてミュージカルに出演されたのは?
城田:ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』(タキシード仮面/地場 衛役)ですね。
中井:2003年ですね。これはオーディションを受けられたんですか?
城田:2002年にオーディションを受けて合格しました。まずは「ファン感謝イベント」という、恒例行事だったんです。そこから本公演という感じだったので、舞台上でのデビューは2002年、ミュージカル本公演としてのデビューは2003年です。
中井:なるほど。タキシード仮面が好きでオーディションを受けたんですか?
城田:結果、大好きになりましたね。ミュージカルだけじゃなくて、いろいろな映画やドラマのオーディションもずっと受け続けていて、ミュージカル『セーラームーン』も受けたところ、偶然タキシード仮面役で合格しました。そのときにビデオをいただいて「こういう作品です」と家で観たんです。そうしたら不覚にも泣いてしまいまして。もちろん子ども向けの部分もあるんですが、心に届くというか……当時16歳で(ビデオを)観た結果、わあって泣いて「これはぜひやってみたいな」と思いました。
中井:それまではミュージカルに触れてこなかったんですか?
城田:観たことがあったのは『アニー』とかですね。高校に入ってから『エリザベート』や『レ・ミゼラブル』といった作品も観るようになったんですが、それまでは全然触れてこなかったほうでした。
中井:タキシード仮面をやったことによって「自分の居場所はここにある」と確信されたと聞いています。
城田:「確信した」というのはまだ早くて、もうちょっと時間が経ってからなんです。自分はスペイン人のハーフで、身長が当時から185センチ以上ありました。そういう容姿的なものも含めて、どうしても映画やドラマのプロデューサーさん、監督さん、いろいろな方から「きみは難しいね」と否定されてしまう。自分はエンターテイナーとして生きていきたいという気持ちがありましたし、歌も大好きで、映像のお芝居をしたいという想いもすごく強くあったけれど、それがなかなか実現しませんでした。オーディションは13歳からこれまで、たぶん100回以上は受けているんですけど、そんななかで初めて受かったのがミュージカル。そこで共演した俳優の先輩たちから「優は舞台向きだよ」って、初めて自分を肯定してもらえたんです。
中井:なるほど。
城田:「優の身長や顔は武器になるから舞台がピッタリだよ」という言葉で、初めてエンターテイナーとして肯定された。だから、確信したというよりは「僕の居場所はここなのかも」と思い始めた、信じ始めた瞬間ですかね。
「人間としての弱さや脆さというのがビシビシ伝わってきた」
城田は、2007年上演のミュージカル『スウィーニー・トッド』で若き船乗りアンソニー・ホープを演じた。中井は同作品を観ていたそうで、舞台上の城田の第一印象を振り返った。中井:僕はテレビの印象で城田さんを観ていたんですが、舞台映えするし、(同作で武田真治が演じた)トバイアス・ラグ役も観てみたいなという思いになったんです。城田さんの歌声を聴いて、ただ強いだけじゃない人間っぽい、ちょっと弱いところも観てみたい、振られちゃう男の子役で観たいという思いになりました。
城田:ありがとうございます。
中井: 2014年上演『ファントム~もうひとつのオペラ座の怪人~』の主演を経て、2019年上演の同作では主演と演出もされていますよね。それを観たときに「これだ!」ってハマったんですよね。
城田:もともと観たかったと思われていたものが。
中井:全身全霊ですべてを投げ出しているファントムを、人間として作ってくれていたじゃないですか。どこか不思議な存在ではなくて、人間としての弱さや脆さというのがビシビシ伝わってきたんです。歌声を聴くと、その人の人となりをすごく感じるんですけれど、城田さんはすごく人間的だなと。その人間的な方が舞台に一生懸命取り組んでくれるときに僕は一番感動するんです。
城田:ありがとうございます。
中井:舞台で吐露することによって城田さんがより輝くんじゃないかと、『スウィーニー・トッド』を観たときからずっと思っていました。
城田:『スウィーニー・トッド』は13年前のことなのに、その頃のことを覚えていてくださってうれしいです。
中井:印象的でした。
「下手」と思えることは自分にとって成長の証
『スウィーニー・トッド』は、城田にとって初めてのブロードウェイミュージカル作品だった。城田:それまで僕は『セーラームーン』や『テニスの王子様』、ワタナベエンターテインメントの俳優集団「D-BOYS」の舞台ぐらいしかやったことがなくて。大御所である大竹しのぶさん、市村正親さん、武田真治さん、キムラ緑子さんといった、自分が今までずっと観てきた方たちとの共演だったので、本当にそうそうたる方たちのなかに、そんなにキャリアのない自分がスッと入って、最初はずっと緊張していました。どうなるのかと思いましたし、正直ゲネプロも頭が真っ白で何も覚えていないレベルだったんです。それぐらい緊張したんですが、やっていくうちにだんだんと落ち着いていって、アンソニーという役を通して、ソニンさん演じるジョアンナへの愛だったり、アンソニーの心の表現したい部分が徐々に……本当にへたくそでしたけどね。当時の音源を聴く機会ってなかなかないですが、スタッフさんに何年か前に音源をいただいて聴いたら、「すごく懐かしい」と同時に「下手!」と思って(笑)。
中井:そんなことない(笑)。若さですよね。
城田:未熟も未熟だったので。もちろん今でも完ぺきだとはまったく思わないですけど、いつ振り返ってもそこで「下手」と思えることは自分にとって成長の証なので、僕はそれがあるほうがいいと思っています。実際に2年前や去年の自分と(比べて)今の自分はどんどんグレードアップしているつもりではいます。過去の作品を聴いたときに「下手」と思えるのは大事かなとは思ってます。ずっと下手なのかもしれないですけどね(笑)。
次回10月23日(金)のオンエアも、引き続き城田 優をゲストに迎え、ミュージカルトークをお届け。11月より上演予定のミュージカル『ナイン』に対する思いや見どころなどを伺う。放送は毎週金曜の22時30分から。
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2020年10月23日28時59分まで
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番組情報
- STAGE PIA WE/LIVE/MUSICAL
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毎週金曜22:30-23:00