J-WAVEで放送中の番組『ROPPONGI PASSION PIT』(ナビゲーター:DEAN FUJIOKA/三原勇希)。各界で活躍する情熱を持ったゲストを迎えて、「好き」や「情熱」をテーマにトークを展開する。
9月5日(土)のオンエアでは、「MAISON KITSUNÉ」の黒木理也が登場。「MAISON KITSUNÉ」のコンピレーションアルバムに秘められた思いや、これからのビジョンを語った。
DEANと黒木は2年ほど前に出会った。価値観が似ており、すぐに意気投合したそうだ。
黒木:イケメン(DEAN)がいるなって。こいつカッコいいから「MAISON KITSUNÉ」の洋服を着てくれないかなって思っていて。とあるところから、半分仕事で出会ったよね。実際に会ってみたらすごくおもしろくて、いつも「また会おうね」って言って、時間が足りないよね。
DEAN:この前、お寿司屋さんで食べ終わったあとに、ずっと歩きながらしゃべってて(笑)。
黒木:そうそう(笑)。話が終わらないから道ばたで話してた。
DEAN:「タクシー呼ぼう」とか言いながら道ばたで(笑)。楽しかったな。
三原:コンピレーションアルバムで知ったアーティストもたくさんいましたし、すごく人気のあるシリーズです。制作したのはどんなきっかけでしたか?
黒木:ファッションにセレクトストアがあるように、コンピレーションはKITSUNÉの音楽のセレクトストアなんじゃないかと思って。6カ月に1回リリースしていたのは、ファッションコレクションの春夏/秋冬のシーズンと同じように、「レーベルの今期のコレクションはこういう感じです」「僕たちの今のフィーリングはこんな感じです」みたいなところからコンピレーションにまとめて紹介していましたね。最初は「LOVE」とか「Midnight」とかテーマがあったんだけど、アーティストが合わせて曲を作るのはちょっと複雑だとわかったので、それはやめた(笑)。別の角度から単純に好きなアーティストを集めてそれをコンパイルしてもいいんだけど、どうせやるならみんなが買った新しいコンピレーションを、数年後に聴き返したときでも常にフレッシュでいたいし、常にそのときの別の聴き方で受けとめてもらえたらいいなと思っていたから、ひとつのジャンルに縛らなかった。
よく「KITSUNÉはどんなジャンルのレーベルなのか?」と訊かれるが、黒木は「ポップ、ロック、ヒップホップ、エレクトロ、テクノ、レイブ、ハウスなどジャンルは気にしていない」と答えるという。
黒木:音楽を「良いものか悪いものか」って僕とジルダは判断してる。その音楽の響きがよければみんなに伝わると思ってやっていたから、KITSUNÉのコンピレーションはフォークソングも入っていれば、いきなりテクノになるし、今度はダウンビートになって、ロックになって、そうやっていろんな組み合わせをしている。結局それってファッションコレクションのワンシーズンに出てくるいろんなテーマと一緒かな。当時はミュージックマガジンみたいなもので聴いてもらいたいと思ったのかな。
DEAN:自分もコンピレーションで出会ったアーティストのアルバムを買って聴いたからね。僕がちょうどジャカルタから台湾に行き始めた2008年頃、人生で最後に買ったCDがKITSUNÉ から出たautoKratz『Down & Out in London & Paris』だったの。そのあと音楽がデジタル化されたからたぶんCDを買ってなくて、気づいたらこれが最後にお金を渡して買ったCDだな。
黒木:そういうエピソードを聞けるのはうれしいな。
三原:この道のりはあっという間でしたか?
黒木:あっという間と言えばあっという間だし、長く感じようとすれば長く感じられるかな。ジルダは僕と一緒で仕事が大好きなんですよ。働くことが苦じゃないけど、働く内容をおもしろくしていこうと思っていて。今、生きているし、これからも生きていくんだから、ルールはないと思うのね。マニュアルもないし、2020年だし、今は新型コロナウイルスで簡単に外に飛び出せないかもしれないけど、過去10年ずっと移動と出会いを繰り返して、自分の人生は常に動いていたから、こうやって話していると長かったなって思うけど、実際は長いとも感じていない。「やっとここまで来れたか」って感じだから「これから行くぞ」ってくらいの気持ちだね。エルメスも100年かかってこんなエンパイアになったくらいだから、ブランドを作る、カルチャーを作る、何かを作りあげていくことはそんな簡単なものじゃない。
黒木はパートナーのジルダとのコミュニケーションについても語る。
黒木:自分がやりたいこと、自分がほしいもの、行きたいところ、それをジルダとシェアし合って作り上げてきたから、お互いにコミュニケーションがストレートなの。ぶつかり合いも多い分、計画的なぶつかり合いとか、ぶつかり合ったけど最後は「結局、何が結論なのか」と語り合ってちゃんと結果がでるから、単なる言い合いにはならない。まわりで仲間とブランドを作った人はけっこういるけど、どうしても会社が成功しはじめたらいろいろと取り合いになったり、自分のポジションを守ろうとしたりする。でも僕らはそういうことがなくて、常に距離を持ちながら作り上げているから、すごくオーガニックに毎日を過ごせている感じ。でも一日が毎日短くて困っているタイプですね。
黒木:そこで使われているもの全てがリサイクルされて、宿自体のシステムも全て自然の力を使って起動させるリゾートを作れないかと話しています。バリ島のリゾートを見ていると、サーファーが集まってみんなでパーティーしてサンセットカクテルを飲んで、次の日は酔っぱらってサーフィンして溺れちゃうようなツーリズムとか、女子だけでヨガに行って不思議な世界に入ってしまうようなツーリズムとか、いろんな過ごし方がある。でもインドネシアはローカルが守っている島でもあるし、宗教的にも平和な人たちだから。そのなかに自分たちのセンスを全部落とし込めるものは、自分たちの音楽、ファッション、食、空間をまとめられるのは屋根がついたそういう家なのかなって。それなら宿にして、みんなでシェアしたいなと。
そこに自分たちの新しい取り組みのメッセージとして、サスティナブルなシステムを取り入れたいという。
黒木:ローカルしか行けないようなところでそれをチャレンジしてみたいと思っています。
DEAN:どのあたりだろう。楽しみだな。
黒木:完成したら情熱を採取するこの番組をバリ島でやりましょうよ。
黒木:音楽のない生活を経験したことがあって、音楽がある生活のほうが好き。その生活のなかの楽しみ、苦しみ、悲しみ、いろいろと感情的になってしまうけど、それは生き方のひとつとしていいと思う。そのなかでも自分のなかの情熱は音楽かもしれない。自分はミュージシャンではないと若いときにわかったからこそ、ミュージシャンたちを尊敬しているし、ミュージシャンたちはマジシャンだと思っている。こんなに人の心を動かせるアートって他にないと思うから、音楽を聴かない日はないし、仕事中もずっと流れているし、プライベートでもずっと流れている。常に新しい音を探しているから、音楽は僕の情熱だな。
DEAN:そこまで具体的に情熱を何かに当てはめる人ってなかなかいないから、おもしろいね。
三原:今、音楽は不要不急なものとされがちのなかで勇気をもらいました。
「MAISON KITSUNÉ」で展開する「Café Kitsuné」の新店舗「Café Kitsuné SHIBUYA」が8月に、渋谷の商業施設「ミヤシタパーク」にオープン。6月には京都「新風館」で「Café Kitsuné」を併設したのショップ「MAISON KITSUNÉ KYOTO ShinPuhKan」をオープンしているので、ぜひチェックしてほしい。
『ROPPONGI PASSION PIT』は、東京・六本木に出現した、いろいろな人の“情熱”が集まり、重なり合い、さらに熱を増して燃え上がる秘密基地として、みんなの熱い思いを電波に乗せて発信。放送は毎週土曜の23時から。
9月5日(土)のオンエアでは、「MAISON KITSUNÉ」の黒木理也が登場。「MAISON KITSUNÉ」のコンピレーションアルバムに秘められた思いや、これからのビジョンを語った。
「時間が足りない」と感じるほど話が弾む関係
黒木は2002年にフランス人のジルダ・ロアエックと音楽、ファッション、カフェなどさまざまなカルチャーを持つライフスタイルブランド「MAISON KITSUNÉ」を共同設立。現在、世界5カ国・10都市以上を拠点にカフェ、ファッションブランドを展開している。レーベルでは所属アーティストのParcelsがアメリカの音楽フェス「コーチェラ・フェスティバル」に出演するなど、大きな盛り上がりをみせている。DEANと黒木は2年ほど前に出会った。価値観が似ており、すぐに意気投合したそうだ。
黒木:イケメン(DEAN)がいるなって。こいつカッコいいから「MAISON KITSUNÉ」の洋服を着てくれないかなって思っていて。とあるところから、半分仕事で出会ったよね。実際に会ってみたらすごくおもしろくて、いつも「また会おうね」って言って、時間が足りないよね。
DEAN:この前、お寿司屋さんで食べ終わったあとに、ずっと歩きながらしゃべってて(笑)。
黒木:そうそう(笑)。話が終わらないから道ばたで話してた。
DEAN:「タクシー呼ぼう」とか言いながら道ばたで(笑)。楽しかったな。
コンピレーションアルバムは、ファッションにおけるセレクトストア
これまで「MAISON KITSUNÉ」は、さまざまなアーティストの魅力を詰め込んだコンピレーションアルバムをリリースしてきた。三原:コンピレーションアルバムで知ったアーティストもたくさんいましたし、すごく人気のあるシリーズです。制作したのはどんなきっかけでしたか?
黒木:ファッションにセレクトストアがあるように、コンピレーションはKITSUNÉの音楽のセレクトストアなんじゃないかと思って。6カ月に1回リリースしていたのは、ファッションコレクションの春夏/秋冬のシーズンと同じように、「レーベルの今期のコレクションはこういう感じです」「僕たちの今のフィーリングはこんな感じです」みたいなところからコンピレーションにまとめて紹介していましたね。最初は「LOVE」とか「Midnight」とかテーマがあったんだけど、アーティストが合わせて曲を作るのはちょっと複雑だとわかったので、それはやめた(笑)。別の角度から単純に好きなアーティストを集めてそれをコンパイルしてもいいんだけど、どうせやるならみんなが買った新しいコンピレーションを、数年後に聴き返したときでも常にフレッシュでいたいし、常にそのときの別の聴き方で受けとめてもらえたらいいなと思っていたから、ひとつのジャンルに縛らなかった。
よく「KITSUNÉはどんなジャンルのレーベルなのか?」と訊かれるが、黒木は「ポップ、ロック、ヒップホップ、エレクトロ、テクノ、レイブ、ハウスなどジャンルは気にしていない」と答えるという。
黒木:音楽を「良いものか悪いものか」って僕とジルダは判断してる。その音楽の響きがよければみんなに伝わると思ってやっていたから、KITSUNÉのコンピレーションはフォークソングも入っていれば、いきなりテクノになるし、今度はダウンビートになって、ロックになって、そうやっていろんな組み合わせをしている。結局それってファッションコレクションのワンシーズンに出てくるいろんなテーマと一緒かな。当時はミュージックマガジンみたいなもので聴いてもらいたいと思ったのかな。
DEAN:自分もコンピレーションで出会ったアーティストのアルバムを買って聴いたからね。僕がちょうどジャカルタから台湾に行き始めた2008年頃、人生で最後に買ったCDがKITSUNÉ から出たautoKratz『Down & Out in London & Paris』だったの。そのあと音楽がデジタル化されたからたぶんCDを買ってなくて、気づいたらこれが最後にお金を渡して買ったCDだな。
黒木:そういうエピソードを聞けるのはうれしいな。
働く内容をおもしろくしようとしてきた
「MAISON KITSUNÉ」が日本、中国、韓国、フランス、アメリカなど世界各国で展開するファッションブランドにたどり着くまでには、どのような道のりがあったのだろうか。三原:この道のりはあっという間でしたか?
黒木:あっという間と言えばあっという間だし、長く感じようとすれば長く感じられるかな。ジルダは僕と一緒で仕事が大好きなんですよ。働くことが苦じゃないけど、働く内容をおもしろくしていこうと思っていて。今、生きているし、これからも生きていくんだから、ルールはないと思うのね。マニュアルもないし、2020年だし、今は新型コロナウイルスで簡単に外に飛び出せないかもしれないけど、過去10年ずっと移動と出会いを繰り返して、自分の人生は常に動いていたから、こうやって話していると長かったなって思うけど、実際は長いとも感じていない。「やっとここまで来れたか」って感じだから「これから行くぞ」ってくらいの気持ちだね。エルメスも100年かかってこんなエンパイアになったくらいだから、ブランドを作る、カルチャーを作る、何かを作りあげていくことはそんな簡単なものじゃない。
黒木はパートナーのジルダとのコミュニケーションについても語る。
黒木:自分がやりたいこと、自分がほしいもの、行きたいところ、それをジルダとシェアし合って作り上げてきたから、お互いにコミュニケーションがストレートなの。ぶつかり合いも多い分、計画的なぶつかり合いとか、ぶつかり合ったけど最後は「結局、何が結論なのか」と語り合ってちゃんと結果がでるから、単なる言い合いにはならない。まわりで仲間とブランドを作った人はけっこういるけど、どうしても会社が成功しはじめたらいろいろと取り合いになったり、自分のポジションを守ろうとしたりする。でも僕らはそういうことがなくて、常に距離を持ちながら作り上げているから、すごくオーガニックに毎日を過ごせている感じ。でも一日が毎日短くて困っているタイプですね。
次なるビジョンは、サスティナブルなリゾート
次なるプロジェクトとして、黒木とジルダは「環境」に注目し、バリ島でサスティナブルなリゾートの展開を考えているという。黒木:そこで使われているもの全てがリサイクルされて、宿自体のシステムも全て自然の力を使って起動させるリゾートを作れないかと話しています。バリ島のリゾートを見ていると、サーファーが集まってみんなでパーティーしてサンセットカクテルを飲んで、次の日は酔っぱらってサーフィンして溺れちゃうようなツーリズムとか、女子だけでヨガに行って不思議な世界に入ってしまうようなツーリズムとか、いろんな過ごし方がある。でもインドネシアはローカルが守っている島でもあるし、宗教的にも平和な人たちだから。そのなかに自分たちのセンスを全部落とし込めるものは、自分たちの音楽、ファッション、食、空間をまとめられるのは屋根がついたそういう家なのかなって。それなら宿にして、みんなでシェアしたいなと。
そこに自分たちの新しい取り組みのメッセージとして、サスティナブルなシステムを取り入れたいという。
黒木:ローカルしか行けないようなところでそれをチャレンジしてみたいと思っています。
DEAN:どのあたりだろう。楽しみだな。
黒木:完成したら情熱を採取するこの番組をバリ島でやりましょうよ。
こんなに人の心を動かせるアートって他にない
この番組では毎回ゲストに、自分が思う「情熱」とはなにかを訊く。黒木は「音楽」と答えた。黒木:音楽のない生活を経験したことがあって、音楽がある生活のほうが好き。その生活のなかの楽しみ、苦しみ、悲しみ、いろいろと感情的になってしまうけど、それは生き方のひとつとしていいと思う。そのなかでも自分のなかの情熱は音楽かもしれない。自分はミュージシャンではないと若いときにわかったからこそ、ミュージシャンたちを尊敬しているし、ミュージシャンたちはマジシャンだと思っている。こんなに人の心を動かせるアートって他にないと思うから、音楽を聴かない日はないし、仕事中もずっと流れているし、プライベートでもずっと流れている。常に新しい音を探しているから、音楽は僕の情熱だな。
DEAN:そこまで具体的に情熱を何かに当てはめる人ってなかなかいないから、おもしろいね。
三原:今、音楽は不要不急なものとされがちのなかで勇気をもらいました。
「MAISON KITSUNÉ」で展開する「Café Kitsuné」の新店舗「Café Kitsuné SHIBUYA」が8月に、渋谷の商業施設「ミヤシタパーク」にオープン。6月には京都「新風館」で「Café Kitsuné」を併設したのショップ「MAISON KITSUNÉ KYOTO ShinPuhKan」をオープンしているので、ぜひチェックしてほしい。
『ROPPONGI PASSION PIT』は、東京・六本木に出現した、いろいろな人の“情熱”が集まり、重なり合い、さらに熱を増して燃え上がる秘密基地として、みんなの熱い思いを電波に乗せて発信。放送は毎週土曜の23時から。
番組情報
- ROPPONGI PASSION PIT
-
毎週土曜23:00-23:54