新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)と共存する生活は、ストレスや不安がたまりやすい。どのように解決すればいいのか。
J-WAVEで放送中の番組『INNOVATION WORLD』(ナビゲーター:川田十夢)のワンコーナー「DNP GLOBAL OPEN INNOVATION」では、精神科医で産業医の濱田章裕さんが登場。コロナ禍におけるストレスの対処法や、アフターコロナに必要な視点を解説。また最近、物議を醸しているリアリティ番組のあり方、SNSとの付き合い方も語った。6月5日(金)のオンエア。
■3つのストレス対処法
新型コロナは、メンタルヘルス領域にも影響が及んだ。濱田さんによると、不眠や落ち込みに悩む人からの相談が増えたという。
濱田:特にゴールデンウィークは仕事もないので家から出ることもなく、生活リズムが崩れた人が多い印象ですね。
川田:そういう状態の中、緊急事態宣言が解除されて、徐々に会社などに復帰する人も増えています。そういった人たちの気持ちはどうなっているんですかね?
濱田:復帰して改善されている人もいれば、もとの生活に戻ることにストレスを感じている人も多いと思います。
ここで川田は、リスナーからの相談を紹介した。
「私は持病があり、新型コロナウイルスに感染するのが怖くてたまりません。極度の恐怖やストレスから自律神経失調症にもなってしまいました。感染が拡大し始めた3月以来、『これでもか』というくらい警戒する日々を過ごしていても、自分にできることには限界があり『やれることはやって、あとはなるようにしかならない』とは思っているのですが、どうしても心は休まりません。どのような心持ちで過ごせばいいでしょうか?」
濱田さんは、ストレスへの対処は2通りあると解説。ひとつは、ストレスの原因を解決すること。もうひとつは、自分自身を変えることだ。
濱田:このリスナーの場合は、未知のウイルスが原因なので、相手を変えることはできない。自分の心の持ちようを変える必要があると思います。そのためにもストレスをうまくコントロールしていく必要があります。
濱田さんはストレスを緩和する3つの方法を紹介した。
(1)ストレスや不安を可視化する
濱田:自分は何をストレスに思っているのかなどを書きだしてみることで、意外と「たいしたことじゃなかったじゃん」という発見があったりします。
(2)気持ちを軽くするような行動をとる
濱田:気持ちが活性化すること、気持ちが穏やかになること、そういう習慣を生活に取り入れていく。例えば、気持ちが活性化するには映画を見るとか掃除をするとか。気持ちを穏やかにするには、入浴とかマッサージとか、犬の動画を見るとかですね。他にも家族や友だちと話すだけでもストレスの緩和になりますし、まわりに相談できる人がいるんだと思えることも心の支えになります。
(3)視野を広げる
濱田:今はどうしても、新型コロナなど、目の前のことに集中しがちだと思います。でも、それ以外にもあると考えたり、確かな情報源から適切な情報を集めてそれをもとに行動したり、そういったことがストレス緩和になると思います。
■目に見える情報やつながりを信じる…SNSとの付き合い方
先日、恋愛リアリティ番組『テラスハウス』(フジテレビ系)に出演していた女子プロレスラーの木村 花さんが亡くなった。リアリティ番組に出演したことで誹謗中傷を浴び命を絶ってしまうケースは、海外でも見られる。
川田:メディア的な演出など、何かしらの思惑によって決めつけられてしまうことは、リアリティの番組に関わってなくても、けっこうあるように思います。そういったときの、一般人の守り方ってどうしたらいいですか? 今は、一般人がメディアに扱われたときに防護策がないと思います。
濱田:顔や名前もわからない人たちに誹謗中傷をされることもあると思いますが、目に見える情報やつながりを信じる。そういった、ある意味での割り切りがあってもいいと思います。
川田:追い込まれる人からすると、自分に送られた言葉も見えるものとして受け取ってしまうけれど、それは実は見えるものではない、と。
濱田:コロナ禍でも、よくわからない情報が世の中に巡っていましたよね。それを片っ端から信じていたら誰しも身が持たなくなります。そこで自分が納得する情報を頼りに生活していくことが大切です。SNSもそうだと思います。
川田は、リアリティ番組もドラマのように「これはフィクションです」などの文言を提示することが必要だと指摘。濱田さんは「現実の世界とそうじゃない世界のアナウンスを工夫することが必要だ」と考えを述べた。
川田:(誹謗中傷をする人は)相手が血の通っている人間だと思って言葉を投げてないですよね。それは制作側のアナウンスとかで変わるのかなと思います。ちなみに、濱田さんは自分が弱ったときにどう対処するんですか?
濱田:考えてもしかたがないことは考えない。寝ます(笑)。自分で納得する情報でないと信じない。極力モヤモヤは可視化しますね。あとは体を動かします。モヤモヤを大地に還元するようなイメージで散歩もよくしています。
最後に濱田さんが、アフターコロナに向けた思いを語った。
濱田:この数カ月間は、新型コロナの恐怖もあったし、毎日を過ごすことに精一杯になっていたと思います。緊急事態宣言が解除された今、もちろん最低限の感染予防をしつつ、少しそれから距離を置いたり視野を広くしてみて、いかに自分らしい生活を取り戻していくか、表現していくかというフェーズにあるのかな、と。そういう視点で未来を見ると、少し肩の荷も下りて生きやすくなるんじゃないかと思います。
環境の変化でストレスを感じている人は、濱田さんが話した方法でストレスをコントロールしてみては。
『INNOVATION WORLD』のワンコーナー「DNP GLOBAL OPEN INNOVATION」は、各分野のエキスパートを招き業界トレンドをお届けする。放送は毎週金曜の21時15分頃から。お楽しみに!
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年6月12日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『INNOVATION WORLD』
放送日時:毎週金曜 20時00分-22時00分
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/innovationworld/
J-WAVEで放送中の番組『INNOVATION WORLD』(ナビゲーター:川田十夢)のワンコーナー「DNP GLOBAL OPEN INNOVATION」では、精神科医で産業医の濱田章裕さんが登場。コロナ禍におけるストレスの対処法や、アフターコロナに必要な視点を解説。また最近、物議を醸しているリアリティ番組のあり方、SNSとの付き合い方も語った。6月5日(金)のオンエア。
■3つのストレス対処法
新型コロナは、メンタルヘルス領域にも影響が及んだ。濱田さんによると、不眠や落ち込みに悩む人からの相談が増えたという。
濱田:特にゴールデンウィークは仕事もないので家から出ることもなく、生活リズムが崩れた人が多い印象ですね。
川田:そういう状態の中、緊急事態宣言が解除されて、徐々に会社などに復帰する人も増えています。そういった人たちの気持ちはどうなっているんですかね?
濱田:復帰して改善されている人もいれば、もとの生活に戻ることにストレスを感じている人も多いと思います。
ここで川田は、リスナーからの相談を紹介した。
「私は持病があり、新型コロナウイルスに感染するのが怖くてたまりません。極度の恐怖やストレスから自律神経失調症にもなってしまいました。感染が拡大し始めた3月以来、『これでもか』というくらい警戒する日々を過ごしていても、自分にできることには限界があり『やれることはやって、あとはなるようにしかならない』とは思っているのですが、どうしても心は休まりません。どのような心持ちで過ごせばいいでしょうか?」
濱田さんは、ストレスへの対処は2通りあると解説。ひとつは、ストレスの原因を解決すること。もうひとつは、自分自身を変えることだ。
濱田:このリスナーの場合は、未知のウイルスが原因なので、相手を変えることはできない。自分の心の持ちようを変える必要があると思います。そのためにもストレスをうまくコントロールしていく必要があります。
濱田さんはストレスを緩和する3つの方法を紹介した。
(1)ストレスや不安を可視化する
濱田:自分は何をストレスに思っているのかなどを書きだしてみることで、意外と「たいしたことじゃなかったじゃん」という発見があったりします。
(2)気持ちを軽くするような行動をとる
濱田:気持ちが活性化すること、気持ちが穏やかになること、そういう習慣を生活に取り入れていく。例えば、気持ちが活性化するには映画を見るとか掃除をするとか。気持ちを穏やかにするには、入浴とかマッサージとか、犬の動画を見るとかですね。他にも家族や友だちと話すだけでもストレスの緩和になりますし、まわりに相談できる人がいるんだと思えることも心の支えになります。
(3)視野を広げる
濱田:今はどうしても、新型コロナなど、目の前のことに集中しがちだと思います。でも、それ以外にもあると考えたり、確かな情報源から適切な情報を集めてそれをもとに行動したり、そういったことがストレス緩和になると思います。
■目に見える情報やつながりを信じる…SNSとの付き合い方
先日、恋愛リアリティ番組『テラスハウス』(フジテレビ系)に出演していた女子プロレスラーの木村 花さんが亡くなった。リアリティ番組に出演したことで誹謗中傷を浴び命を絶ってしまうケースは、海外でも見られる。
川田:メディア的な演出など、何かしらの思惑によって決めつけられてしまうことは、リアリティの番組に関わってなくても、けっこうあるように思います。そういったときの、一般人の守り方ってどうしたらいいですか? 今は、一般人がメディアに扱われたときに防護策がないと思います。
濱田:顔や名前もわからない人たちに誹謗中傷をされることもあると思いますが、目に見える情報やつながりを信じる。そういった、ある意味での割り切りがあってもいいと思います。
川田:追い込まれる人からすると、自分に送られた言葉も見えるものとして受け取ってしまうけれど、それは実は見えるものではない、と。
濱田:コロナ禍でも、よくわからない情報が世の中に巡っていましたよね。それを片っ端から信じていたら誰しも身が持たなくなります。そこで自分が納得する情報を頼りに生活していくことが大切です。SNSもそうだと思います。
川田は、リアリティ番組もドラマのように「これはフィクションです」などの文言を提示することが必要だと指摘。濱田さんは「現実の世界とそうじゃない世界のアナウンスを工夫することが必要だ」と考えを述べた。
川田:(誹謗中傷をする人は)相手が血の通っている人間だと思って言葉を投げてないですよね。それは制作側のアナウンスとかで変わるのかなと思います。ちなみに、濱田さんは自分が弱ったときにどう対処するんですか?
濱田:考えてもしかたがないことは考えない。寝ます(笑)。自分で納得する情報でないと信じない。極力モヤモヤは可視化しますね。あとは体を動かします。モヤモヤを大地に還元するようなイメージで散歩もよくしています。
最後に濱田さんが、アフターコロナに向けた思いを語った。
濱田:この数カ月間は、新型コロナの恐怖もあったし、毎日を過ごすことに精一杯になっていたと思います。緊急事態宣言が解除された今、もちろん最低限の感染予防をしつつ、少しそれから距離を置いたり視野を広くしてみて、いかに自分らしい生活を取り戻していくか、表現していくかというフェーズにあるのかな、と。そういう視点で未来を見ると、少し肩の荷も下りて生きやすくなるんじゃないかと思います。
環境の変化でストレスを感じている人は、濱田さんが話した方法でストレスをコントロールしてみては。
『INNOVATION WORLD』のワンコーナー「DNP GLOBAL OPEN INNOVATION」は、各分野のエキスパートを招き業界トレンドをお届けする。放送は毎週金曜の21時15分頃から。お楽しみに!
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年6月12日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『INNOVATION WORLD』
放送日時:毎週金曜 20時00分-22時00分
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/innovationworld/