J-WAVEの番組作りに携わるスタッフたち。日々、ジャンルを問わず音楽を聴き続けているラジオ番組制作者たちの、おすすめの楽曲やアーティストを紹介します。(J-WAVE NEWS編集部)
Yves Tumor『Heaven To A Tortured Mind』(2020年4月リリース)
2年前の初来日のときのパフォーマンスをよく覚えている。モデルのような出で立ちの彼と、その姿を収めようとスマホをかかげる多くの観客。ミステリアスな雰囲気と沸き立つ色気に圧倒される空間は、ライブというより前衛的なファッションショーのようだった。
Yves TumorことSean Bowieの最新作『Heaven To A Tortured Mind』は、2018年の前作『Safe In The Hands Of Love』と同じくWARPからのリリース。前作までにあった実験的な音像は削ぎ落とされており、これまでよりさらにロックやソウルに接近した作品になっている。『Aladdin Sane』や『Young Americans』などグラム〜アメリカ期あたりのDavid Bowieを感じさせる、自然と腰が揺れるような艶かしさに、Roxy Musicを辞めた後にBrian Enoが作ったソロ作『Here Come The Warm Jets』のアヴァンポップがミックスされたようなサウンドが展開され、70年代からの影響が多く聞こえる。収録曲「Super Stars」と「A Greater Love」で鳴らされるギターのグラムロック感は本当に素晴らしい。
『Heaven To A Tortured Mind』でのYves Tumorは紛れもなくロックスターである。エレガントで愛に満ちた本作は2020年の重要作品のひとつになるであろう。このエキセントリックなヴィジュアルのロックスターは、次にどんな音の世界観で我々を驚かせてくれるのだろうか。今から楽しみである。
■執筆者プロフィール
・盛口薫(もりぐちかおる)
担当番組
『SAPPORO BEER OTOAJITO』
『TAKRAM RADIO』
ラジオ番組制作者。初めて生で見た有名人はカイヤ。この春、大阪にある実家が諸事情のため消滅したので、行き場を失ったCDがダンボールに入って、現在住んでいるワンルームのド狭い部屋に積み重なっている。
Yves Tumor『Heaven To A Tortured Mind』(2020年4月リリース)
2年前の初来日のときのパフォーマンスをよく覚えている。モデルのような出で立ちの彼と、その姿を収めようとスマホをかかげる多くの観客。ミステリアスな雰囲気と沸き立つ色気に圧倒される空間は、ライブというより前衛的なファッションショーのようだった。
Yves TumorことSean Bowieの最新作『Heaven To A Tortured Mind』は、2018年の前作『Safe In The Hands Of Love』と同じくWARPからのリリース。前作までにあった実験的な音像は削ぎ落とされており、これまでよりさらにロックやソウルに接近した作品になっている。『Aladdin Sane』や『Young Americans』などグラム〜アメリカ期あたりのDavid Bowieを感じさせる、自然と腰が揺れるような艶かしさに、Roxy Musicを辞めた後にBrian Enoが作ったソロ作『Here Come The Warm Jets』のアヴァンポップがミックスされたようなサウンドが展開され、70年代からの影響が多く聞こえる。収録曲「Super Stars」と「A Greater Love」で鳴らされるギターのグラムロック感は本当に素晴らしい。
『Heaven To A Tortured Mind』でのYves Tumorは紛れもなくロックスターである。エレガントで愛に満ちた本作は2020年の重要作品のひとつになるであろう。このエキセントリックなヴィジュアルのロックスターは、次にどんな音の世界観で我々を驚かせてくれるのだろうか。今から楽しみである。
■執筆者プロフィール
・盛口薫(もりぐちかおる)
担当番組
『SAPPORO BEER OTOAJITO』
『TAKRAM RADIO』
ラジオ番組制作者。初めて生で見た有名人はカイヤ。この春、大阪にある実家が諸事情のため消滅したので、行き場を失ったCDがダンボールに入って、現在住んでいるワンルームのド狭い部屋に積み重なっている。
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