J-WAVEの番組作りに携わるスタッフたち。日々、ジャンルを問わず音楽を聴き続けているラジオ番組制作者たちの、おすすめの楽曲やアーティストを紹介します。(J-WAVE NEWS編集部)
■Cindy Lee『What's Tonight To Eternity』(2020年2月リリース)
鼓膜を刺すようなノイズ、儚げな歌声、不安定に揺らぐリズム。誰もいない古い洋館の地下室に閉じ込められた人間が、愛を求めて作ったようなアルバムである。本作はカナダのバンド・Womenの元メンバー、Patrick Flegelが女装して活動しているプロジェクト、Cindy Leeの最新作。
Suicideの「Frankie Teardrop」のような不穏な空気が流れ、そこには生きる苦悩や怒り、そして死への恐怖が潜む。ローファイなんて言葉が冗談に聞こえるくらいにエグくザラついた音質と、天国と地獄を行き来する白昼夢のような美しいサイケデリックサウンドは能天気に明るく生活している奴らには響かないかもしれない。「I Want You To Suffer」という曲では、まさにタイトル通り、中盤で悪意のあるフィードバックノイズが2分くらい流れる。
同じくWomenの元メンバーで2012年に亡くなったChris Reimerに捧げる「Heavy Metal」という曲でアルバムは締めくくられる。60sのガールズグループを思わせるようなスウィートなメロディに、繰り返される「One step closer, come on back to me」というコーラスに気持ちが落ち着かなくなる。もう、当たり障りのないポップなだけのレコードなんか聞きたくなくなるだろう。
■執筆者プロフィール
・盛口薫(もりぐちかおる)
担当番組
『SAPPORO BEER OTOAJITO』
『TAKRAM RADIO』
ラジオ番組制作者。初めて生で見た有名人はカイヤ。この春、大阪にある実家が諸事情のため消滅したので、行き場を失ったCDがダンボールに入って、現在住んでいるワンルームのド狭い部屋に積み重なっている。
■Cindy Lee『What's Tonight To Eternity』(2020年2月リリース)
鼓膜を刺すようなノイズ、儚げな歌声、不安定に揺らぐリズム。誰もいない古い洋館の地下室に閉じ込められた人間が、愛を求めて作ったようなアルバムである。本作はカナダのバンド・Womenの元メンバー、Patrick Flegelが女装して活動しているプロジェクト、Cindy Leeの最新作。
Suicideの「Frankie Teardrop」のような不穏な空気が流れ、そこには生きる苦悩や怒り、そして死への恐怖が潜む。ローファイなんて言葉が冗談に聞こえるくらいにエグくザラついた音質と、天国と地獄を行き来する白昼夢のような美しいサイケデリックサウンドは能天気に明るく生活している奴らには響かないかもしれない。「I Want You To Suffer」という曲では、まさにタイトル通り、中盤で悪意のあるフィードバックノイズが2分くらい流れる。
同じくWomenの元メンバーで2012年に亡くなったChris Reimerに捧げる「Heavy Metal」という曲でアルバムは締めくくられる。60sのガールズグループを思わせるようなスウィートなメロディに、繰り返される「One step closer, come on back to me」というコーラスに気持ちが落ち着かなくなる。もう、当たり障りのないポップなだけのレコードなんか聞きたくなくなるだろう。
■執筆者プロフィール
・盛口薫(もりぐちかおる)
担当番組
『SAPPORO BEER OTOAJITO』
『TAKRAM RADIO』
ラジオ番組制作者。初めて生で見た有名人はカイヤ。この春、大阪にある実家が諸事情のため消滅したので、行き場を失ったCDがダンボールに入って、現在住んでいるワンルームのド狭い部屋に積み重なっている。