DEAN FUJIOKAは、自分をかっこよく見せない…ピコ太郎のプロデューサー・古坂大魔王が語る、素の魅力

J-WAVEで放送中の番組『ROPPONGI PASSION PIT』(ナビゲーター:DEAN FUJIOKA/三原勇希)。各界で活躍する情熱を持ったゲストを迎えて、「好き」や「情熱」をテーマに、トークを繰り広げる。

5月2日(土)のオンエアでは、お笑いタレントでピコ太郎のプロデューサーも務める古坂大魔王が登場。お笑いや音楽への情熱、ピコ太郎の楽曲の想いについて語った。


■DEANは「男前」のさらに上の「男最前線」

古坂は1973年生まれ、青森県出身。1991年にお笑いトリオ「底ぬけAIR-LINE」の一員として、テレビ番組『ボキャブラ天国』(フジテレビ系)などに出演。その後、お笑いとともに音楽活動を行うようになり、2016年に世界から注目された歌手「ピコ太郎」をプロデュース。ピコ太郎の楽曲『ペンパイナッポーアッポーペン』(以下、『PPAP』)の動画再生回数が5億回を超えるなど話題になった。『PPAP』は世界134か国で配信されている。

古坂とDEANの出会いは、およそ10年前。古坂のラジオ番組にDEANがゲストとして招かれたことがきっかけだった。まだ日本での活動を始めたばかりのDEANと話をした古坂は「こんな人がいるんだ」と驚いたという。

古坂:海外の情報がテレビを通じてくらいしか入ってこない時代。そんなときに「こんな人がいるんだ」と思って。「男前」って言葉のもう一個上がほしいですよね。「男最前線」と言いましょうか。
DEAN:(笑)。
古坂:来てもらって話を聞いたら、まあ音楽もオタクだし。
DEAN:音楽は好きですね。
古坂:当時はEDMという言葉よりもテクノだったりエレクトロだったりというジャンルでしたが、DEANさんはめちゃくちゃ詳しい。
DEAN:あのとき音楽の話もさせていただいて。
古坂:『裏配信★大魔王の部屋』とかにもいつも出ていただいて。
DEAN:お世話になっています。
古坂:『裏配信』ってインターネットしかやっていないので、出てくれない人もいっぱいいるんですけど、DEANさんは毎回来てくれて、すごくコアな話を本気でしゃべってくれるんです。
DEAN:あはは(笑)。
古坂:「本気でしゃべる」ということを世の中の人はけっこう忘れていて、どうしてもポジショントーク、社交辞令トーク、自分がどうやって見えるかという客観性トークと言いますか。DEANさんは「この部分を言うと恥ずかしいな」「自分のイメージのマイナスになるな」ということを全く思わない。自分で思ったことを素直に言うんですよ。今の時代「このジャンル褒めると自分にとってプラス」とか、いろいろ考えるでしょ? DEANさんは全然。「面白い」「これすごい」「あれ楽しい」って。そうなってくると人ってファンになってくるんですよ。簡単に言うと恋に落ちるわけですよね。素の部分を見ると人は恋をしていく。恋にはラブもライクもありますから。その部分がDEANさんの人柄で、こうしてラジオの話をいただいて、最近はラジオ番組にあんまり出てないんですけど「これは絶対に行きたいな」と。
DEAN:うれしいです。自分は、プリテンドしている(取りつくろう)余裕も時間もないというか。
古坂:忙しいですもんね。
DEAN:そういう意味でもそうですし、人生は短いじゃないですか。
古坂:DEANさんは育児もやってらっしゃるし。僕もちょうど真っ最中で、子どもが1歳とかで、特に育児を始めると、とても人生というものを考えますよね。人生って短いですね。


■「生」と同時に感じる「死」への想い

DEANが育児について「子どもがどんどん大きくなっていく分、自分は死に向かっている」と語ると、古坂はピコ太郎『Everyone must die』という曲を紹介した。



古坂:「みんな死ぬ」という当たり前のことなんですけど、生まれてきて育っていく命を見ると余計そう感じるんですよ。でも「それすらも笑いませんか?」って。僕が本当に尊敬していて、とてもアイドルで、日本中、世界中の人が愛した志村けんさんが亡くなって、すごく悲しかったんです。だけど、志村さんが亡くなったニュースでバカ殿が出て「アイーン」をやってるんです。BGMは悲しい曲なのに「アイーン」をやっているから俺、爆笑しちゃって。やっぱりこれだなと。うちらは絶対に死ぬんだけど、死んでも笑わせるってすげえなと思ったんです。

「芸人というワードが10年後も存在するかわからない」と語る古坂は、自身のお笑い芸人としてのポリシーを語った。

古坂:僕は芸人に憧れて東京に来たので、芸人というなかで、たった1回の人生をできるだけいろいろな遺伝子を残したい。遺伝子というのは作品も含めてです。DEANさんだったら映画やドラマ、そして音楽もあるじゃないですか。お笑いはあまり作品化しないんです。お笑いは簡単に言うと格好つけない仕事なんです。どれだけ自分をダサく見せるか。「ミュージシャンは格好いいよな。うちらなんかボケとツッコミの立ち位置を決めるんだよ」みたいに、自分を落として笑う。なぜかというと、僕らはもともと大衆演芸なんです。目の前の人を笑わせて日銭をもらってるというジャンルだったんです。ところが音楽はクラシックから派生していて、やっぱりちゃんとしたエンターテインメントとして成立している。著作権や印税も成立している。やっぱりお笑いは、その場その場なんです。

古坂は少人数での収録の仕事でも、スタッフが笑ってくれれば「やった! ウケたな、今日」と達成感を得るそうで、「僕らは目の前の何にでもウケたいんです。たとえば葬式に呼ばれたとしても笑わさないとダメなんですね。僕らはウケない限り成功はない」と、お笑いへの覚悟を語った。


■『PPAP-2020-』で世界にユーモアを

芸人として「笑いをとって成功」と言い切る古坂は、新型コロナウイルスの対策として手洗いを推奨するピコ太郎の楽曲『PPAP-2020-』についても語った。



古坂:急遽作りました。志村さんが亡くなったということもありますし、これは僕がいまさら言うまでもないですが、人類史上浴びたことのない洗礼と言いますか、この地球が我々人類に与えた、人類 vs ウイルス。こんな世界大戦になるとは思わなかったと思うんです。専門家の人にはたくさんエビデンスと数字を出してもらって、僕らエンターテイナーは笑ってもらって、ほんのちょこっとだけためになればいいなと思ったんです。「みんなちょっと待って、人類対ウイルスだろ? 最近人類対人類になってないか?」っていう気持ちがあったんです。硬いしとんがっているから、ちょっと丸めましょうと。僕らは専門的なものはなにも知らないから、僕らができることは笑ってもらって覚えてもらえれば……。まあ、覚えるのは1パーセントでいいや。とりあえず楽しんでもらえれば。あとはピコ太郎が世界中に発信できるタイプだと思うので、そいつが全世界の子どもに向けて作ってみたということです。

『ROPPONGI PASSION PIT』は、東京・六本木に出現した、いろいろな人の“情熱”が集まり、重なり合い、さらに熱を増して燃え上がる秘密基地として、てみんなの熱い思いを電波に乗せて発信。放送は毎週土用の23時から。

【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年5月9日28時59分まで)
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【番組情報】
番組名:『ROPPONGI PASSION PIT』
放送日時:毎週土曜 23時-23時54分
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/passionpit/

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