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ジャズとヒップホップの関係性を探求する、Jeff Parker『Suite for Max Brown』

ジャズとヒップホップの関係性を探求する、Jeff Parker『Suite for Max Brown』

J-WAVEの番組作りに携わるスタッフたち。日々、ジャンルを問わず音楽を聴き続けているラジオ番組制作者たちの、おすすめの楽曲やアーティストを紹介します。(J-WAVE NEWS編集部)


■Jeff Parker『Suite for Max Brown』(2020年リリース)

今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で多くのライブが中止、もしくは延期になっている。現在までに見に行く事が出来た数少ないライブの中でも、特に印象に残っているのが2月に来日したシカゴのバンド、Tortoiseの公演である。1998年リリースの『TNT』という稀代の名盤の再現ライブで、別作品からの曲もアンコールも一切ない、それはもう洗練しきった素晴らしいステージだった。Tortoiseのサウンドはジャズ、エレクトロニカやダブなど様々なジャンルを包んでいると言われるが、ジャズを感じるのはジャズギタリストとしても活動しているJeff Parkerの存在が大きいだろう。

2016年にリリースされたJeff Parkerのリーダーアルバム『The New Breed』に続く今作『Suite for Max Brown』は前作と同じく、ジャズとヒップホップとの関係性を探求したインプロヴィゼーションとエディットが交わる解放された作品である。タイトルにあるMax Brownとは彼の母の名前で、ジャケットにも彼女の写真が使用されている。

もともとJ DillaやMadlibなどサンプリングとエディット能力に長けたヒップホップのプロデューサーが好きだった彼らしく、このアルバムには彼1人だけで作った曲もいくつか収録されている。Otis Reddingの「The Happy Song (Dum-Dum)」がサンプリングされている「C'mon Now」を聞くとその影響もすぐに分かるだろう。ちなみにJ Dillaの『Donuts』のマスタリングを担当したDave Cooleyが本作のマスタリングもしている。

アルバムは10分半にも及ぶ曲「Max Brown」でクローズする。ハンドクラップのヨレたビートの上をサックス、トランペットのソロが響いた後、徐々にドラムが重なり、最後にJeffのミニマルなギターフレーズがループした後、フェードアウトで終わる。聴き疲れなどなく、全体的にリラックスしたムードが流れており、聴き終えた後にすぐ、彼の娘Ruby Parkerがヴォーカルとして参加している1曲目にまた戻りたくなる。


■執筆者プロフィール

・盛口 薫(もりぐち・かおる) 担当番組『SAPPORO BEER OTOAJITO』『TAKRAM RADIO』
ラジオ番組制作者。初めて生で見た有名人はカイヤ。この春、大阪にある実家が諸事情のため消滅したので、行き場を失ったCDがダンボールに入って、現在住んでいるワンルームのド狭い部屋に積み重なっている。

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