女性の生き方、仕事、子育て、フェミニズム……さまざまな情報を発信するタレントでエッセイストの小島慶子が、『仕事と子育てが大変すぎてリアルに泣いているママたちへ!』(日経BP)を昨年11月に上梓した。共稼ぎで育児に奮闘する男女を支援するWEBメディア「日経DUAL」の連載を単行本化したものだ。そんな小島がJ-WAVEに出演し、男性も女性も生きづらさを感じる現代社会や、フリーランスと会社員の違いなど仕事について語った。
小島が登場したのは、J-WAVEで2月24日(月・祝)にオンエアした、⾃分の⽣き⽅を切り開く為の“⼀歩=Next Step”を踏み出す人を応援する特別番組『J-WAVE HOLIDAY SPECIAL freee presents NEXT STEP』(ナビゲーター:ピストン西沢・松嶋初音)。2月23日、24日に六本⽊ヒルズアリーナで開催された「確定申告FES」での公開収録の様⼦を織り交ぜながら、自らの人生を切り開いて活躍している様々なジャンルのゲストに話を訊いた番組だ。
■男女が仲間になって声を上げるフェーズにきている
昨今、フェミニズムが盛り上がっている。ときに男性をバッシングする主張もあり、一方でそれに反発するかのような“女叩き”も見られる。互いに睨み合う状況では、社会をいい方向に変えていくのは難しい。小島は、男女が手を取り合う必要性と、その背景を解説した。
小島:今、日本はちょうど端境期。男の人がバリバリ働いて女の人がそれを支えるという、私たちの親世代が信じていた幸せのモデルがとっくに崩壊してもう30年くらい経つじゃないですか。
西沢:はい。
小島:男の人も女の人も基本的に働いていないと生きていけない。でも1回入った会社で滅私奉公で働く感じでもない。うんと働きたい時期もあれば、ちょっと休みたい時期もある。子育てを優先したい時期もあれば体を壊してしまうときもある。いろんな働き方でもできるとありがたいなと思っている人が多いのに、なかなか制度が追いついていなくて、男性も女性も苦しんでいる人が多いでしょう。つまり、男性も女性も同じ生きづらさを抱えている。なのに、なぜかそれが男女の対立になっちゃったりするのよ。
西沢:ほお。
小島:「女のせいで」「男のせいで」苦しめられていると、お互いがいがみ合うことがある。もちろん性差別やハラスメントはなくさなきゃいけないけど、「みんなが生きづらいんだから一緒に新しい仕組みが必要じゃない?」と、声をあげる仲間になろうというフェーズに来ていると思います。
■実際に会うべきか、オンラインでもいいか…仕事を仕分けるのは大事
性差別を是正する動きから、働き方や家事育児の分担などについて、人々の意識も法律や制度も少しずつ変わりつつある。働き方については、昨今の新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、リモートワークや在宅勤務を取り入れる企業も増えてきた。
小島:少しずつ少しずつ変わってきていますよね。これはいろいろな言われ方をしているけど、現役の大臣(小泉進次郎環境大臣)がいちおう「育児をやる」と言ってみたりとかね。5年前や10年前よりちょっとずつ変わってきてるし、法律でも「マタハラはいけませんよ」となってきた。昔は「マタハラ」なんて言葉もなかったから。
西沢:そうですよね。
小島:雇用主に対して「マタハラがないようにしましょうね」なんていう法律もなかった。働き方も「リモートや在宅、オンラインで十分じゃないか」という発見があったり、イベントなんかもオンライン開催やっているところもあったり。
西沢:イベントもオンラインも、両方大事ですよね。オンラインでは実体験ができない。世の中は「面倒くさいものはオンラインで」という方向に動いているけれど、物を売ったり、啓蒙活動だったり、何かに興味を持つことって、実体験がすごく大きい。
小島:日本の学校や会社って、這ってでもそこに来ることが誠実さの表れみたいな風潮があるからね。でも働き方も、顔を見なくちゃできないことと見なくてもできること、あるいはオンラインで顔を見ればいいことを仕分ける、いいきっかけになっていますよね。そうすると柔軟な働き方や学校のあり方も(変わる)。中国ではオンライン授業でこの時期を乗り切ろうとしている地域もあるみたい。こうやって適材適所で、「毎日、満員電車で出社しなくちゃ仕事ができないわけでもないよね」と気づくのは、いいきっかけかなと思います。
■フリーになって税金への感覚が「引かれる」から「納める」へ
TBSアナウンサーだった小島は2010年に退社して独立。会社員とフリーランスの大きな違いは、税金まわりの処理を自ら行わなければいけないことだ。今の時期、頭を抱えているフリーランスの人も多いのではないだろうか。小島も最初はかなり苦労したそうだ。今回の「確定申告FES」の主催である、全自動クラウド会計ソフト「freee」について、「10年前に存在を知っていたかった!」と振り返った。
小島:会社員を15年やってから初めて確定申告したときは本当に大変だった。会社が全部やってくれてたから、「私は今までママに守ってもらってた子どもだったんだな」って思った。ありがとう、TBS!
西沢も、確定申告は「後回しにしちゃう」と苦労していることを明かした。
西沢:仕事が残っていて、前向きにいろんなこと頑張ってやりたいなって思っている中で、申告のために税務署に行くってなると萎えるよね(笑)。でも、3月半ばまでと決まってる。そんな中で「え~、どうしよう」って払わないとタレント生命が危ういことになっちゃうでしょ。
小島:税金は、みんなちゃんと払いましょう(笑)。でも、確定申告を初めてやったときにすごくやりがいも感じたよ。会社員のときは給料から引かれてたから「税金=引かれる」っていう言い方をしてたんだけど、確定申告したときに「うわ~、税金を納めた!」って。
西沢:なるほどね。
小島:「引かれる」って受動態だけど、「納める」って能動態じゃない。なんかすごく大人になった感じがあって、面倒くさかったけどうれしかったの。
西沢:わかる、わかる。大人の実感がありますよね。だから日常の中でライターとして原稿書いたり出演者としてどこか移動したりという時間のなかで、細々した経理的なことってすごく負担じゃない?
小島:もう、本当! でも今、請求書もソフトがあるのよね。
西沢:あるよ、なんでも。え、最初は手書き?
小島:最初は自分でプリントアウトして手で送って、と大変だった。でも途中で「こういうサービスありますよ」と人から教えてもらったら「なんだ、こんなものがあったなんて」って。やっぱり、こういうソフトを作る人は偉いね(笑)。
■会社を恨んで辞めるのはよくない
小島は家族でオーストラリアのパースに移住し、丸6年になる。自身はオーストラリアと日本を行き来しつつ、日本では1年のうち2/3以上を過ごし、単身赴任状態で仕事をこなしている。海外に住んでいてもインターネットのおかげで日本の仕事をこなせることに「ありがたい」と感謝を口にした。
小島:世界の果てまで締切りが追いかけてきてくれる(笑)。でもおかげで子どもたちに会う間も働けるわけよ。原稿も送れるしオンラインで会議にも参加してるし、雑誌の取材も受けられるしテレビの打ち合わせもできる。インターネットのおかげで仕事が継続できるのよ。だから海外に行かなくたって、自分でオフィスを借りられなかったり事業を起こしたばっかりだったりする人でも、パソコンとスマホがあれば仕事ができるいい時代よね。
フリーランスになって10年。会社員時代と比較して、人間関係や仕事のパートナーを選べる点が自分に合っていると感じるそうだ。
小島:自分が真ん中にいる丸があったとして、そこからいろいろなところに腕が伸びて、「こっち方面はこの人」、「今はここ」、「この人は今違うから」と、会社員のときより自分で人間関係やパートナーを柔軟に選べるところ。それは楽しいところかな。
西沢:でも会社員のときより層は厚くないよね。幅も。人数も絶対的に少なくなるじゃない。
小島:商売によるよね。与えられた環境の中で言われた課題をこなしてその中でクリエイティビティを発揮するのが好きな人と、自分で環境を作っていきたい人。後者の人は起業に向いているかもしれないよね。
西沢:(小島さんは)起業に向いているんですか?
小島:辞めて10年経って、やっぱりサラリーマンより今の形の方が自分の性分に合ってたかなと思います。ただ同時に、サラリーマンがどれだけ恵まれてたかも15年(TBSのアナウンサーを)やっていたからわかる。だから「嫌になったから辞める」というのはよくないと思います。
西沢:それでしょうね、やっぱり。
小島:私も15年働いて、TBSでやりたいことを一通りできたし感謝もしてる。恨んで辞めたんじゃなくて本当にやり切って感謝して辞められた。そういう辞め方じゃないとなかなか(難しい)。恨みで辞めた人は、その後がけっこう大変かな。
西沢:次にちゃんとやることを考えてやれるかどうかを判断しながら起業するならするっていうね。起業しないなら勤めるのも一つだし。
小島:今ひとつの企業で定年まで頑張る人はいないと思うので、どんな経験をどこで積んでいくかと考えて「今回は一人でやってみよう」とかね。そこからまた会社入ったっていい。あんまり「会社勤めかフリーか」っていう二択だと思わずに、柔軟にそのときそのときで変えていけるといいし、そういう環境を整えるべきだなと思いますけどね。
■「頼まれてもないのにやらないではいられないもの」を、ひとつ見つけて
最後に小島は、会社を辞めて起業や独立を考えている人に自身の経験からアドバイスを送った。
小島:自分がなんのためにやっているのか、っていうのを抑えるのだけ。そこ一点ですね。私の場合は喋ったり文章を書いたりと、「世の中に対して自分が伝えたいメッセージがある」というのが(会社員として)15年くらい働いてわかったんですよね。「私にはこれがこう見えるんだけどあなたはどうですか?」と訊きたいという、どうしようもない衝動があったの。べつに「私の言うことを聞け」「みんな、私のこと好きになれ」とかには興味がなくて。頼まれてもいないのに「私はこう見えるけどあなたはどうなの?」ってやっちゃうの。
西沢:わかるよ!
小島:頼まれてもいないのに、やらないではいられないでしょ? そういうものがひとつ見つかれば、今この状況では会社がいいのか個人がいいのか、日本がいいのか外国がいいのかと、その時々で考えればいい。その、どうしようもなくやりたいものが見つかるとよくない?
西沢:いいと思う! 楽しいと思う。今、(小島さんは)楽しそうですもん。
慌ただしい日々に流れされている人も、一度立ち止まり、自分がやらずにはいられないことはあるかを考えてみるといいかもしれない。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年3月2日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『J-WAVE HOLIDAY SPECIAL freee presents NEXT STEP』
放送日時:2020年2月24日(月・祝)9時-18時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/holiday/20200224/
小島が登場したのは、J-WAVEで2月24日(月・祝)にオンエアした、⾃分の⽣き⽅を切り開く為の“⼀歩=Next Step”を踏み出す人を応援する特別番組『J-WAVE HOLIDAY SPECIAL freee presents NEXT STEP』(ナビゲーター:ピストン西沢・松嶋初音)。2月23日、24日に六本⽊ヒルズアリーナで開催された「確定申告FES」での公開収録の様⼦を織り交ぜながら、自らの人生を切り開いて活躍している様々なジャンルのゲストに話を訊いた番組だ。
■男女が仲間になって声を上げるフェーズにきている
昨今、フェミニズムが盛り上がっている。ときに男性をバッシングする主張もあり、一方でそれに反発するかのような“女叩き”も見られる。互いに睨み合う状況では、社会をいい方向に変えていくのは難しい。小島は、男女が手を取り合う必要性と、その背景を解説した。
小島:今、日本はちょうど端境期。男の人がバリバリ働いて女の人がそれを支えるという、私たちの親世代が信じていた幸せのモデルがとっくに崩壊してもう30年くらい経つじゃないですか。
西沢:はい。
小島:男の人も女の人も基本的に働いていないと生きていけない。でも1回入った会社で滅私奉公で働く感じでもない。うんと働きたい時期もあれば、ちょっと休みたい時期もある。子育てを優先したい時期もあれば体を壊してしまうときもある。いろんな働き方でもできるとありがたいなと思っている人が多いのに、なかなか制度が追いついていなくて、男性も女性も苦しんでいる人が多いでしょう。つまり、男性も女性も同じ生きづらさを抱えている。なのに、なぜかそれが男女の対立になっちゃったりするのよ。
西沢:ほお。
小島:「女のせいで」「男のせいで」苦しめられていると、お互いがいがみ合うことがある。もちろん性差別やハラスメントはなくさなきゃいけないけど、「みんなが生きづらいんだから一緒に新しい仕組みが必要じゃない?」と、声をあげる仲間になろうというフェーズに来ていると思います。
■実際に会うべきか、オンラインでもいいか…仕事を仕分けるのは大事
性差別を是正する動きから、働き方や家事育児の分担などについて、人々の意識も法律や制度も少しずつ変わりつつある。働き方については、昨今の新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、リモートワークや在宅勤務を取り入れる企業も増えてきた。
小島:少しずつ少しずつ変わってきていますよね。これはいろいろな言われ方をしているけど、現役の大臣(小泉進次郎環境大臣)がいちおう「育児をやる」と言ってみたりとかね。5年前や10年前よりちょっとずつ変わってきてるし、法律でも「マタハラはいけませんよ」となってきた。昔は「マタハラ」なんて言葉もなかったから。
西沢:そうですよね。
小島:雇用主に対して「マタハラがないようにしましょうね」なんていう法律もなかった。働き方も「リモートや在宅、オンラインで十分じゃないか」という発見があったり、イベントなんかもオンライン開催やっているところもあったり。
西沢:イベントもオンラインも、両方大事ですよね。オンラインでは実体験ができない。世の中は「面倒くさいものはオンラインで」という方向に動いているけれど、物を売ったり、啓蒙活動だったり、何かに興味を持つことって、実体験がすごく大きい。
小島:日本の学校や会社って、這ってでもそこに来ることが誠実さの表れみたいな風潮があるからね。でも働き方も、顔を見なくちゃできないことと見なくてもできること、あるいはオンラインで顔を見ればいいことを仕分ける、いいきっかけになっていますよね。そうすると柔軟な働き方や学校のあり方も(変わる)。中国ではオンライン授業でこの時期を乗り切ろうとしている地域もあるみたい。こうやって適材適所で、「毎日、満員電車で出社しなくちゃ仕事ができないわけでもないよね」と気づくのは、いいきっかけかなと思います。
■フリーになって税金への感覚が「引かれる」から「納める」へ
TBSアナウンサーだった小島は2010年に退社して独立。会社員とフリーランスの大きな違いは、税金まわりの処理を自ら行わなければいけないことだ。今の時期、頭を抱えているフリーランスの人も多いのではないだろうか。小島も最初はかなり苦労したそうだ。今回の「確定申告FES」の主催である、全自動クラウド会計ソフト「freee」について、「10年前に存在を知っていたかった!」と振り返った。
小島:会社員を15年やってから初めて確定申告したときは本当に大変だった。会社が全部やってくれてたから、「私は今までママに守ってもらってた子どもだったんだな」って思った。ありがとう、TBS!
西沢も、確定申告は「後回しにしちゃう」と苦労していることを明かした。
西沢:仕事が残っていて、前向きにいろんなこと頑張ってやりたいなって思っている中で、申告のために税務署に行くってなると萎えるよね(笑)。でも、3月半ばまでと決まってる。そんな中で「え~、どうしよう」って払わないとタレント生命が危ういことになっちゃうでしょ。
小島:税金は、みんなちゃんと払いましょう(笑)。でも、確定申告を初めてやったときにすごくやりがいも感じたよ。会社員のときは給料から引かれてたから「税金=引かれる」っていう言い方をしてたんだけど、確定申告したときに「うわ~、税金を納めた!」って。
西沢:なるほどね。
小島:「引かれる」って受動態だけど、「納める」って能動態じゃない。なんかすごく大人になった感じがあって、面倒くさかったけどうれしかったの。
西沢:わかる、わかる。大人の実感がありますよね。だから日常の中でライターとして原稿書いたり出演者としてどこか移動したりという時間のなかで、細々した経理的なことってすごく負担じゃない?
小島:もう、本当! でも今、請求書もソフトがあるのよね。
西沢:あるよ、なんでも。え、最初は手書き?
小島:最初は自分でプリントアウトして手で送って、と大変だった。でも途中で「こういうサービスありますよ」と人から教えてもらったら「なんだ、こんなものがあったなんて」って。やっぱり、こういうソフトを作る人は偉いね(笑)。
■会社を恨んで辞めるのはよくない
小島は家族でオーストラリアのパースに移住し、丸6年になる。自身はオーストラリアと日本を行き来しつつ、日本では1年のうち2/3以上を過ごし、単身赴任状態で仕事をこなしている。海外に住んでいてもインターネットのおかげで日本の仕事をこなせることに「ありがたい」と感謝を口にした。
小島:世界の果てまで締切りが追いかけてきてくれる(笑)。でもおかげで子どもたちに会う間も働けるわけよ。原稿も送れるしオンラインで会議にも参加してるし、雑誌の取材も受けられるしテレビの打ち合わせもできる。インターネットのおかげで仕事が継続できるのよ。だから海外に行かなくたって、自分でオフィスを借りられなかったり事業を起こしたばっかりだったりする人でも、パソコンとスマホがあれば仕事ができるいい時代よね。
フリーランスになって10年。会社員時代と比較して、人間関係や仕事のパートナーを選べる点が自分に合っていると感じるそうだ。
小島:自分が真ん中にいる丸があったとして、そこからいろいろなところに腕が伸びて、「こっち方面はこの人」、「今はここ」、「この人は今違うから」と、会社員のときより自分で人間関係やパートナーを柔軟に選べるところ。それは楽しいところかな。
西沢:でも会社員のときより層は厚くないよね。幅も。人数も絶対的に少なくなるじゃない。
小島:商売によるよね。与えられた環境の中で言われた課題をこなしてその中でクリエイティビティを発揮するのが好きな人と、自分で環境を作っていきたい人。後者の人は起業に向いているかもしれないよね。
西沢:(小島さんは)起業に向いているんですか?
小島:辞めて10年経って、やっぱりサラリーマンより今の形の方が自分の性分に合ってたかなと思います。ただ同時に、サラリーマンがどれだけ恵まれてたかも15年(TBSのアナウンサーを)やっていたからわかる。だから「嫌になったから辞める」というのはよくないと思います。
西沢:それでしょうね、やっぱり。
小島:私も15年働いて、TBSでやりたいことを一通りできたし感謝もしてる。恨んで辞めたんじゃなくて本当にやり切って感謝して辞められた。そういう辞め方じゃないとなかなか(難しい)。恨みで辞めた人は、その後がけっこう大変かな。
西沢:次にちゃんとやることを考えてやれるかどうかを判断しながら起業するならするっていうね。起業しないなら勤めるのも一つだし。
小島:今ひとつの企業で定年まで頑張る人はいないと思うので、どんな経験をどこで積んでいくかと考えて「今回は一人でやってみよう」とかね。そこからまた会社入ったっていい。あんまり「会社勤めかフリーか」っていう二択だと思わずに、柔軟にそのときそのときで変えていけるといいし、そういう環境を整えるべきだなと思いますけどね。
■「頼まれてもないのにやらないではいられないもの」を、ひとつ見つけて
最後に小島は、会社を辞めて起業や独立を考えている人に自身の経験からアドバイスを送った。
小島:自分がなんのためにやっているのか、っていうのを抑えるのだけ。そこ一点ですね。私の場合は喋ったり文章を書いたりと、「世の中に対して自分が伝えたいメッセージがある」というのが(会社員として)15年くらい働いてわかったんですよね。「私にはこれがこう見えるんだけどあなたはどうですか?」と訊きたいという、どうしようもない衝動があったの。べつに「私の言うことを聞け」「みんな、私のこと好きになれ」とかには興味がなくて。頼まれてもいないのに「私はこう見えるけどあなたはどうなの?」ってやっちゃうの。
西沢:わかるよ!
小島:頼まれてもいないのに、やらないではいられないでしょ? そういうものがひとつ見つかれば、今この状況では会社がいいのか個人がいいのか、日本がいいのか外国がいいのかと、その時々で考えればいい。その、どうしようもなくやりたいものが見つかるとよくない?
西沢:いいと思う! 楽しいと思う。今、(小島さんは)楽しそうですもん。
慌ただしい日々に流れされている人も、一度立ち止まり、自分がやらずにはいられないことはあるかを考えてみるといいかもしれない。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年3月2日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『J-WAVE HOLIDAY SPECIAL freee presents NEXT STEP』
放送日時:2020年2月24日(月・祝)9時-18時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/holiday/20200224/
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