世の中にあふれるさまざまな予測のなかで、数学的、科学的予測に長年用いられてきた「統計学」。その「統計学」が今、注目を浴びている。データから真実を見抜く統計学的な手法について、『完全独習 統計学入門』(ダイヤモンド社)の著者で数学エッセイストの小島寛之さんに話を訊いた。
■ミスコンの優勝者も予測可能!? 身近でも役立つ統計学
渡部:身近で統計学が使えることはありますか?
小島:いろんなことに使えます。たとえばミスコンがあったとして、候補の人たちの身長、体重、スリーサイズのリストがあったときに「誰が優勝するんだ」みたいな予測に使うこともできます。
渡部:単純に平均値ということなんですか?
小島:平均値だけじゃなくて、大体候補になる人ってみんな美しいし、プロポーションもいいじゃないですか。そういった特別に選ばれた人たちなんだけど「特別の中の特別」を見つけることが可能で、それには統計学が使えるということですね。あとは、アカデミー賞にノミネートされるとそれが興行としてヒットするのか。日本の学者さんがリサーチをした結果では、ノミネートされると30パーセントぐらい収益が上がるんですよ。でも受賞してもほとんど上がらないんです。
渡部:じゃあノミネートさえされればいい?
小島:そうなんですよ、だからこれはマーケティングに使えますよね。あとは京王線といった沿線の住宅価格が高いのか? みたいなことも統計学でわかるので、お家を買うときにどの沿線で買うと資産価値が高いのかということもわかります。
渡部:それはすごい! 不動産業界は当たり前に使ってる?
小島:当たり前に使っていると思いますよ。
■予測が難しいのは「人為的なもの」
渡部:どんなことが予測できて、どんなことが難しいんですか?
小島:ランダムに物事が起こっている場合には予測できるんですけど、戦略的になにかが行われているときには、予測を外されることがあると思います。裏をかかれるというか、「統計をとっているな?」ということを相手が理解して、それを悪用してなにかヘンなことをやっていると、それには引っ掛かる可能性があります。だからブラフをされている、人為的なものはすごく危ないですけども、ランダムであれば大体大丈夫です。
■データから真実を見抜く、統計学的な思考とは?
小島:思い込みで判断をしないということです。物事で偶然であることと、必然であることってありますよね? たとえばある女子がやけに親切にしてくれるとか、お菓子をくれるとか、すごくよく会うっていうのは、たまたまかもしれなくて、そこで思い込んでしまうと、ストーカーになっちゃいます。そこをよく分析して「これ、たまたまじゃなくて、絶対彼女が好きなんだよ」ということが確信できれば、上手くいきますよね?
渡部:なるほど、思い込みは危ないと。これは先入観を1回置いておく、ということなんですか?
小島:先入観を捨てて、数字に一旦委ねて。でも、判断する責任は自分なので、統計のせいにしちゃいけない。
渡部:『GOLD RUSH』という番組を、より多くの方に届けようと思ったら、それも統計学でなんとかなっちゃう?
小島:えーと、それにはペイ(報酬)が発生するので......(笑)。
渡部:まあそうですよね。これってやり方としては「どういうところが響いているか」ということですか?
小島:そうですね。どういう層が聴いているか、どういうときに反応がいいか、そういうのを数字に置き換えるということです。
渡部:(リスナーからの)メールでもできますか?
小島:できると思います。
渡部:(スタッフに)だってよ。誰かちょっと統計学を......。
小島:でもね、誰かが大量にゴミメールを出しているっていう可能性も(笑)。
渡部:人為的なものがあるかもしれないと(笑)。
『難しいことはわかりませんが、統計学について教えてください! 身近な疑問からはじめる統計入門』(SB新書) を出版した小島さんは「数学が苦手で、『統計』って言うと逃げたいという人」に呼んでほしいとメッセージ。読書の秋に統計学について学んでみてはいかがだろうか。
『GOLD RUSH』のワンコーナー「CURIOUSCOPE」では、毎週ひとつのトピックをピックアップ。その道に精通したゲストを迎え、流行・現象の本質に迫る。放送は16時40分頃から。お楽しみに。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2019年11月8日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『GOLD RUSH』
放送日時:毎週金曜 16時30分-20時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/goldrush/
■ミスコンの優勝者も予測可能!? 身近でも役立つ統計学
渡部:身近で統計学が使えることはありますか?
小島:いろんなことに使えます。たとえばミスコンがあったとして、候補の人たちの身長、体重、スリーサイズのリストがあったときに「誰が優勝するんだ」みたいな予測に使うこともできます。
渡部:単純に平均値ということなんですか?
小島:平均値だけじゃなくて、大体候補になる人ってみんな美しいし、プロポーションもいいじゃないですか。そういった特別に選ばれた人たちなんだけど「特別の中の特別」を見つけることが可能で、それには統計学が使えるということですね。あとは、アカデミー賞にノミネートされるとそれが興行としてヒットするのか。日本の学者さんがリサーチをした結果では、ノミネートされると30パーセントぐらい収益が上がるんですよ。でも受賞してもほとんど上がらないんです。
渡部:じゃあノミネートさえされればいい?
小島:そうなんですよ、だからこれはマーケティングに使えますよね。あとは京王線といった沿線の住宅価格が高いのか? みたいなことも統計学でわかるので、お家を買うときにどの沿線で買うと資産価値が高いのかということもわかります。
渡部:それはすごい! 不動産業界は当たり前に使ってる?
小島:当たり前に使っていると思いますよ。
■予測が難しいのは「人為的なもの」
渡部:どんなことが予測できて、どんなことが難しいんですか?
小島:ランダムに物事が起こっている場合には予測できるんですけど、戦略的になにかが行われているときには、予測を外されることがあると思います。裏をかかれるというか、「統計をとっているな?」ということを相手が理解して、それを悪用してなにかヘンなことをやっていると、それには引っ掛かる可能性があります。だからブラフをされている、人為的なものはすごく危ないですけども、ランダムであれば大体大丈夫です。
■データから真実を見抜く、統計学的な思考とは?
小島:思い込みで判断をしないということです。物事で偶然であることと、必然であることってありますよね? たとえばある女子がやけに親切にしてくれるとか、お菓子をくれるとか、すごくよく会うっていうのは、たまたまかもしれなくて、そこで思い込んでしまうと、ストーカーになっちゃいます。そこをよく分析して「これ、たまたまじゃなくて、絶対彼女が好きなんだよ」ということが確信できれば、上手くいきますよね?
渡部:なるほど、思い込みは危ないと。これは先入観を1回置いておく、ということなんですか?
小島:先入観を捨てて、数字に一旦委ねて。でも、判断する責任は自分なので、統計のせいにしちゃいけない。
渡部:『GOLD RUSH』という番組を、より多くの方に届けようと思ったら、それも統計学でなんとかなっちゃう?
小島:えーと、それにはペイ(報酬)が発生するので......(笑)。
渡部:まあそうですよね。これってやり方としては「どういうところが響いているか」ということですか?
小島:そうですね。どういう層が聴いているか、どういうときに反応がいいか、そういうのを数字に置き換えるということです。
渡部:(リスナーからの)メールでもできますか?
小島:できると思います。
渡部:(スタッフに)だってよ。誰かちょっと統計学を......。
小島:でもね、誰かが大量にゴミメールを出しているっていう可能性も(笑)。
渡部:人為的なものがあるかもしれないと(笑)。
『難しいことはわかりませんが、統計学について教えてください! 身近な疑問からはじめる統計入門』(SB新書) を出版した小島さんは「数学が苦手で、『統計』って言うと逃げたいという人」に呼んでほしいとメッセージ。読書の秋に統計学について学んでみてはいかがだろうか。
『GOLD RUSH』のワンコーナー「CURIOUSCOPE」では、毎週ひとつのトピックをピックアップ。その道に精通したゲストを迎え、流行・現象の本質に迫る。放送は16時40分頃から。お楽しみに。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2019年11月8日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『GOLD RUSH』
放送日時:毎週金曜 16時30分-20時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/goldrush/