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ジャイルス・ピーターソンが思う、ラジオをやるにあたって大切なことは? SOIL &

ジャイルス・ピーターソンが思う、ラジオをやるにあたって大切なことは? SOIL & "PIMP" SESSIONS社長が訊く

1980年代よりクラブシーンのキーパーソンとして活躍し、世界で最も影響力のあるDJ、ジャイルス・ピーターソン。ラジオプレゼンター、クラブDJ、フェスの主催者/キュレーターとして、30年以上にわたって音楽トレンドを発信し続けている。

J-WAVEの番組『PRESIDENT THEATER』では、ピーターソンにインタビューを実施。同番組のナビゲーターを務めるSOIL & "PIMP" SESSIONS社長が、自身にとって「音楽の師・ラジオスター」である彼に、さまざまな質問をぶつけた。


――ご自身が立ち上げたインターネット・ラジオ局「WORLDWIDE FM」が3周年を迎えました。今、どんな気持ちですか?

ピーターソン:「WORLDWIDE FM」というプラットフォームは、いい形で発展できていると思います。特に、若いDJ/プロデューサー/アーティストが活躍できる場になっていることを誇りに思っています。私も若い頃に海賊ラジオをやっていたので、その頃のことを思い出すんです。


――「WORLDWIDE FM」にとって一番大事なことは?

ピーターソン:私はコミュニティを大切にしています。デトロイト、東京、メルボルン、シカゴ、パリといった各都市の音楽アンバサダーと繋がり、そこにあるコミュニティが持つ味やクラブシーン、そしてライブ音楽を発信すること、そして、私が本当に聴いてみたいと思う人々の音楽が聴けることは、まるで夢のようなことなんです。そして、もちろん、シーンのエリートだけではなく、新しいジェネレーションにも注目し、前進していくことが大事だと思っています。


――メルボルンは特別な場所ですね。あなたがコンパイルしたコンピレーション・アルバム『Sunny Side Up』から、私は大きな衝撃を受けました。

ピーターソン:今、メルボルンの音楽シーンはとてもいい時期を迎えています。場所によって、大きなムーヴメントが起きているところと、そうでない場所とありますが、世界のさまざまな場所で、いいエネルギーを感じています。そして、今、イギリスの音楽シーンも、若手が活躍していて非常に面白いことになっています。社長も、これまでにSOIL & "PIMP" SESSIONSとして、若者たちに多くのチャンスを与えてきました。もちろん、私もそうです。あなたと私は、「若者たちを新たな世界へと導く扉を開く」という重要な役割を担っています。今、世界がこれまで以上に音楽を必要としている時代です。だからこそ、可能性を持つ音楽家を刺激し、次のステップや、さらなる可能性を引き出してあげることは、とても大事なことで、彼らが何か新しいことを作るきかっけにもなると思っています。


――「WORLDWIDE FM」を3年続けてきたなかで、思い入れのある楽曲は?

ピーターソン:この3年間、思い出に残るラジオ番組をたくさん作ってきました。ブエノスアイレスの放送では、フアナ・モリーナが出演してくれて、彼女の素晴らしい才能に触れることができました。南アフリカ・ケープタウンからの放送では、DJ/プロデューサーのEsaがガイドになってくれて、ローカルのハウスやテクノから、ニュースクール、そしてケープタウンにある素晴らしいジャズシーンを紹介することができました。こうして「WORLDWIDE FM」を通して、多種多様な音楽を紹介できることを非常に嬉しく思っています。今年は、ロシアはモスクワからも放送したり、ジャズシーンが熱いポーランドからの放送も実施したりしました。ポーランドのベース・プレイヤー、Wojtek Mazolewskiは、SOIL & "PIMP" SESSIONSが大好きだと言っていましたよ。


――先ほど「海賊ラジオをやっていた」というお話がありましたね。どんな理由で始めたのですか?

ピーターソン:なぜ海賊ラジオを初めたかって? それは、他では聴いたことのない音楽を聴くことができる海賊ラジオが、私にとってとてもエキサイティングだったからです。私は、15歳か16歳の頃、父親にも手伝ってもらい、自宅の庭で海賊ラジオ局をスタートました。その後、規模が大きな海賊ラジオ局Radio Invictaに参加して、若僧だった私はビルにアンテナを立てる役割を任され、いろんなビルの屋上に行ったものです。


――どんな曲をかけていましたか? 当時のジャズシーンについても教えてください。

ピーターソン:私が初めて海賊ラジオでかけた楽曲は、Earth, Wind & Fireの『Brazilian Rhyme』です。これは私の番組のテーマ曲だったんです。その当時、ジャズ・ファンクが流行っていて、私もジャズ・ファンクのDJに憧れたものです。Light of the World、Second Image、Central Line、Hi-Tensionといったグループがあり、Incognito といった1980年代の初期のレコードがありました。

ほかにも、Herbie Hancockのアルバム『Mr. Hands』や楽曲『Just Around the Corner』、Azymuthの『Jazz Carnival』、Mazeの『Joy & Pain』やCameo。Bobby Caldwell『What You Won't Do for Love』など、素晴らしいファンク・グループがいて、ジャズ・ファンクで溢れていました。私は、John Handyのアルバム『Hard Work』に夢中だったのを覚えています。皆さんも、今挙げた作品をぜひ聴いてみてください。どれも素晴らしいものばかりですよ。

ほかにも、MFSB『Mysteries Of The World』、The Jones Girls『Nights Over Egypt』, Global Washington Jr. 『Sausalito』ライブバージョンもおすすめです。Bob James『Time of the Times』、Sharon Lights『Can you Handle it』、Trussel『Love Injection』、Unlimited Touch『I Hear Music In The Streets』、D-Train『You're The One For Me』……こうして、さまざまな作品がすぐによみがえってきます。これらはクラシックですが、今聴いても素晴らしい作品です。


――20年前、私は高校生であなたのKiss FMでの番組のプレイリストをチェックしていました。今あげてくださったジャズ・ファンクの楽曲も、そのプレイリストで見た記憶があり、それで私もレコードをディグしたものです。だから、あなたは私にとってジャズの師匠なのです。そのジャズ・ファンクへの情熱と、「WORLDWIDE FM」への情熱は同じだと感じますがいかがですか?

ピーターソン:海賊ラジオと「WORLDWIDE FM」の共通点は、いずれもクラブやクラブ文化が好きな人々のためのラジオだということです。そして、私が海賊ラジオをはじめた当時から持っている音楽への情熱。「新しい音やアーティストを発見して届けたい」というスピリットは、「WORLDWIDE FM」を運営していく上でも変わらず大事にしていることかもしれません。


――あなたは本当にラジオ人間なんですね。ラジオをやるにあたって、アティチュードやルールはありますか? 例えば選曲など……

ピーターソン:得にルールはないですね。だけど、私は常に実験室に入って、毎日新しい材料を集めています。その材料といのは音楽で、毎週末、そこからベストな材料を選んでスープを作っています。毎週、そのスープの味はちがって、胡椒がきいていることもあれば、生姜がきいているときもあるし、塩気や辛味が強いスープのときもある。こうして毎週、私はジャズミュージシャンのように即興でラジオ番組を作っているんです。


――ありがとうございます。最後にメッセージをお願いします。

ピーターソン:社長の素晴らしい選曲を、多くの人に届けることはとても重要なことです。あなたが音楽のアンバサダーであることに、私はとても感謝しています。社長は、日本で多くの時間をすごしていますが、それは日本のシーンに大きく貢献していると思っています。そして、J-WAVEもこうして素晴らしい音楽をかける機会をくださってありがとうございます。

【番組情報】
番組名:『PRESIDENT THEATER』
放送日時:毎週火曜 26:00-26:30
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/dc7/

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